令和4年 宅建 問13 解説について
令和4年の宅建試験問13は、建物の区分所有等に関する法律(以下、区分所有法)についての問題でした。この問題は、区分所有法の基本的な理解を問うものであり、マンション管理や不動産取引に携わる方々にとって重要な内容を含んでいます。
令和4年 宅建 問13 問題文と選択肢
問題文:
建物の区分所有等に関する法律(以下この問において「法」という。)に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
選択肢:
- 管理者は、規約により、その職務に関し、区分所有者のために、原告又は被告となったときは、その旨を各区分所有者に通知しなくてよい。
- 管理者がないときは、区分所有者の5分の1以上で議決権の5分の1以上を有するものは、集会を招集することができる。ただし、この定数は、規約で減ずることができる。
- 集会において、管理者の選任を行う場合、規約に別段の定めがない限り、区分所有者及び議決権の各過半数で決する。
- 管理組合(法第3条に規定する区分所有者の団体をいう。)は、区分所有者及び議決権の各4分の3以上の多数による集会の決議で法人となる旨並びにその名称及び事務所を定め、かつ、その主たる事務所の所在地において登記をすることによって法人となる。
令和4年 宅建 問13 正解と解答理由
正解:1
解答理由:
1は誤りです。区分所有法第26条第4項によると、管理者は、規約または集会の決議により、その職務に関し、区分所有者のために、原告または被告となることができます。そして、管理者がこの権限を行使したときは、遅滞なく、区分所有者にその旨を通知しなければなりません。したがって、「通知しなくてよい」という記述は誤りです。
2、3、4はすべて正しい記述です。
- 2:区分所有法第34条第3項に規定されています。
- 3:区分所有法第39条に基づいています。
- 4:区分所有法第47条第1項に定められています。
令和4年 宅建 問13 間違いやすいポイント
この問題で間違いやすいポイントは以下の通りです:
- 管理者の通知義務:
多くの受験者が、管理者の通知義務を見落としがちです。区分所有法では、管理者の透明性と説明責任を重視しています。 - 集会招集の定数:
規約で定数を減らせることを忘れやすいです。これは区分所有者の自治を尊重する法の趣旨を反映しています。 - 管理者選任の決議要件:
特別多数決が必要だと誤解する人がいますが、原則として普通決議で十分です。 - 管理組合法人化の要件:
4分の3以上という高い要件を設定していることを覚えておく必要があります。
令和4年 宅建 問13 解説における区分所有法の重要事項
区分所有法の重要ポイントは以下の通りです:
- 管理者の権限と責任 📋
- 区分所有者のための訴訟当事者になる権限
- 区分所有者への通知義務
- 集会の招集権 🗓️
- 管理者不在時の少数区分所有者による招集権
- 規約による招集要件の緩和可能性
- 決議要件 ✅
- 管理者選任:原則として普通決議
- 規約変更:特別決議(区分所有者及び議決権の各4分の3以上)
- 管理組合の法人化 🏢
- 高い賛成要件(4分の3以上)
- 登記による法人成立
- 専有部分と共用部分の区別 🏠
- 専有部分:区分所有者が単独で所有
- 共用部分:区分所有者全員の共有
- 規約の重要性 📜
- 区分所有建物の管理・使用に関する基本ルール
- 法律の規定を補完・変更する機能
区分所有法に関する詳細な解説はこちらをご参照ください:
区分所有法 超解説
令和4年 宅建 問13 類似問題と対策
類似問題として以下のようなものが考えられます:
- 規約の設定・変更に関する問題
- 規約の設定・変更には、区分所有者及び議決権の各4分の3以上の賛成が必要
- 共用部分の変更に関する問題
- 共用部分の変更は、原則として区分所有者及び議決権の各4分の3以上の多数による集会の決議が必要
- 建替え決議に関する問題
- 建替え決議には、区分所有者及び議決権の各5分の4以上の賛成が必要
対策としては、以下の点に注意しましょう:
- 決議要件の違いを正確に覚える 🔢
- 管理者、規約、集会の役割と権限を理解する 📊
- 専有部分と共用部分の違いを明確に区別する 🏠
- 区分所有法の最新の改正内容をチェックする 📅
区分所有法の改正動向については、以下のリンクで最新情報を確認できます:
区分所有法改正の動き – 浦和法律事務所
また、実務上重要な35条書面(重要事項説明書)に関する詳細な情報はこちらで確認できます:
35条書面 重要事項説明書 区分所有建物の売買、交換
区分所有法は、マンションなどの共同住宅の所有と管理に関する基本的な法律です。不動産取引や管理の実務において非常に重要な役割を果たしているため、宅建試験でも頻出の分野となっています。法改正の動向にも注目しつつ、基本的な概念や規定をしっかりと理解することが、試験対策として効果的です。