不動産登記法と重要事項説明の関連
不動産登記法の重要事項説明で登記記録に記録された事項を説明する要点
重要事項説明書(売買・交換)には「登記記録に記録された事項」として、所有権に関する事項(権利部(甲区))と、所有権以外の権利(権利部(乙区))を記載する枠があり、名義人の氏名・住所等も整理して示す形式になっています。
ここで実務的に大事なのは、「登記記録に載っている事実の説明」と「取引における意味づけ(当事者が判断できる状態にする)」を分けて考えることです。
例えば乙区に抵当権が残っている場合、売買では「抹消予定だから書かない」ではなく、重要事項説明の時点で存在する権利として、まず記載・説明の対象にし、抹消の段取り(いつ・誰が・費用負担・必要書類)を補足して誤認を防ぎます。
参考:国交省の重要事項説明書(売買・交換)書式の「登記記録に記録された事項」欄の構造(甲区・乙区)
https://www.mlit.go.jp/common/001354710.pdf
不動産登記法の重要事項説明で登記簿謄本をいつ取得し照合するか
登記記録に関する欄は、原則として登記簿(登記事項証明書)の内容をそのまま転記する運用が一般的で、転記ミスは説明義務違反の火種になります。
そのうえで「いつ取得した登記事項証明書を根拠にしたか」は、説明の信頼性に直結します(当日までに差押えや仮登記が入る可能性があるため、古い取得日だと“説明時点の状態”とズレるリスクがある)。
実務では、①媒介受任直後に一度取得して全体像を掴み、②契約直前(または重説直前)に再取得して差分確認、という二段構えにすると、説明の正確性と業務効率のバランスが取りやすくなります。
参考:重説の「登記記録に記録された事項」は登記簿を写して記入、取得タイミングにも触れている実務解説

不動産登記法の重要事項説明で登記名義人と売主の住所が違う場合
現場で頻出なのが「登記名義人は売主本人だが、登記簿上の住所が古い」というケースです。
この場合、所有権移転登記の局面では住所変更(登記名義人表示変更等)が必要になるのが通常で、重要事項説明の段階で「現状は住所変更登記が未了で、決済・引渡しまでに売主負担で完了する」など、誰の責任でいつ是正するのかを明確に言語化しておくと、買主の不安と後日の紛争を抑えられます。
さらに、売主の本人確認(運転免許証等)で現住所が確認できても、登記簿の住所不一致が残っている限り「登記手続の要件として別途整える必要がある」点を、取引の工程(契約→決済→登記)に沿って説明するのが実務的です。
不動産登記法の重要事項説明で登記識別情報と権利証を誤解しない整理
登記識別情報は、所有権移転や抵当権設定などの登記で権利を得た際に法務局から通知される情報で、登記名義人であることを推認させる重要な位置づけを持ちます。
一方で「重要事項説明」では、登記識別情報そのものを買主へ交付する話ではなく、決済時の登記申請に必要になることが多い資料として、実務上のスケジュール管理・リスク管理の観点で触れると効果的です(例:売主が紛失している場合、手続が通常より手間になり得る)。
ここは検索上位の記事でも“権利証・識別情報の解説”に寄りがちですが、独自視点としては「登記識別情報の有無=本人性の証明」ではない点を社内で統一することが重要で、本人確認書類・売買契約書・委任状・司法書士の確認手続と組み合わせて取引安全を設計する、という運用論まで落とすと実務記事として差別化できます。
参考:登記識別情報の位置づけ(登記名義人しか知り得ない情報という説明)

不動産登記法の重要事項説明で「書面交付」と説明の質を担保する方法(独自視点)
重要事項説明は、契約成立までの間に、宅地建物取引士が書面を交付して説明する制度として整理されており、制度趣旨として「複雑な権利関係・取引条件を十分に調査確認しないまま契約すると不測の損害が生じ得るため、紛争予防のために説明義務を課す」位置づけが示されています。
また、国交省資料では、重要事項説明は法定列挙だけで完結するものではなく、取引の動機や買主の知識等も踏まえ、契約判断に必要な内容を説明することがあり得る、という運用上の考え方が整理されています。
この前提に立つと、登記法務に絡む“説明の質”を上げるコツは、登記簿の読み上げではなく、少なくとも次の観点で「買主の意思決定に直結する翻訳」を行うことです。
📌実務で効く翻訳テンプレ(例)
- 🧾登記の事実:甲区・乙区に何が載っているか(差押え、仮登記、抵当権など)。
- 🔎取引への影響:引渡しまでに消えるのか、残るのか、残るなら買主が受忍するのか。
- 🛠️解消手段:抹消登記・住所変更登記など、どの手続で解消するか。
- ⏱️段取り:契約前に確認すべきか、決済条件にするか、ローンや引渡しに影響するか。
- 🧑⚖️役割分担:売主・買主・仲介・司法書士の誰が何を準備するか(費用負担も含む)。
重要事項説明書の「登記記録に記録された事項」は、フォーマット上は短く見えても、実務的にはここが“後で揉める論点”の集積地になりやすい領域です。lexlibrum+1
だからこそ、不動産登記法の知識を「登記できる/できない」だけで終わらせず、重要事項説明での言い回し(事実+影響+手続+段取り)に落とし込むことで、社内レビューにも耐える説明品質になります。
参考)https://notarylaw.journal.ulm.ac.id/index.php/nolaj/article/download/41/35

