営業保証金 宅建と供託所 還付 取戻し

営業保証金 宅建と供託

営業保証金を3分で俯瞰
🧾

制度の目的

宅建業者が取引相手に負う「宅地建物取引により生じた債権」を、供託金で弁済できるようにして取引の安全網を作る。

🏛️

資金の置き場所

営業保証金は主たる事務所の「最寄り」の供託所へ供託する。資金を預ける先が「保証協会」ではない点が混同されやすい。

🔁

現場で重要な動き

供託(開業前)→還付(相手方が請求)→不足時の再供託(期限あり)→取戻し(廃業等)という順番を押さえる。

営業保証金 宅建の制度と目的

 

営業保証金は、宅建業者が「宅地建物取引に関して」取引相手に損害を与え、代金や損害賠償などを支払えない場合に備えるための担保制度です。

宅建業法は、取引相手(特に一般消費者)の保護を目的として保証金制度を置き、営業保証金制度と弁済業務保証金制度の2本立てで設計されています。

現場での要点は「営業保証金は、宅建業者が単独で供託して備える制度」であり、保証協会加入による団体型の制度(弁済業務保証金)とは入口も手続も異なることです。

営業保証金 宅建の供託所と金額

営業保証金は、宅建業の免許を受けた後、事業開始に先立って、主たる事務所の最寄りの供託所へ供託する必要があります。

金額は、主たる事務所が1,000万円、その他の事務所(従たる事務所)は1か所につき500万円の合計です。

この「本店1,000万円+支店ごと500万円」という設計は、支店新設・増設のタイミングで資金拘束が一気に増えるため、開業計画の資金繰りに直結します。

営業保証金 宅建の還付と対象債権

還付は、宅建業者が弁済しない場合に、取引相手が供託所に対して払渡請求を行い、営業保証金の範囲内で支払いを受ける仕組みです。

還付対象は「宅地建物取引により生じた債権」に限定され、宅建業と無関係な取引債権には使えない点が重要です。

また、同一業者に対して還付請求が競合した場合、営業保証金の範囲内で順次還付が行われ、先に枠を使い切られると後順位は受け取れないリスクがあるため、顧客対応では“請求タイミング”が実務上の争点になり得ます。

営業保証金 宅建の取戻しと公告

取戻しは、免許失効・取消・廃業などで営業保証金の供託が不要になった場合に、供託所から返還を受ける手続です。

原則として、6か月以上の期間を定めて官報で公告し、その期間内に還付請求がない(または消滅した)ことなどを踏まえて取戻しに進む、という「時間差のある設計」になっています。

一方で、一定のケースでは公告が不要とされ、現場は「公告が要る取戻し/要らない取戻し」を取り違えるとスケジュールと資金回収見込みが狂うため注意が必要です。

営業保証金 宅建の独自視点:競合請求と“資金枠”の営業管理

営業保証金は「会社の信用の象徴」になりがちですが、実務では“顧客が使える枠”が固定額である点が、クレーム対応や訴訟対応の優先順位を変えます。

例えば、瑕疵・契約不適合・説明義務違反などで複数案件が同時進行すると、還付請求の競合により一部の顧客が救済されにくい局面が起こり得るため、社内の苦情受付〜法務連携を「先行して整理する」ことが結果的に被害拡大を抑えます。

さらに、保証協会ルート(弁済業務保証金)では、還付の前段で保証協会への認証申出が必要になるため、顧客導線(誰に何を出すか)が変わり、重要事項説明や社内マニュアルの書き方まで影響します。

弁済業務保証金制度(保証協会ルート)の実務イメージと「認証申出」の考え方がわかる参考。

弁済業務保証金制度(実務Q&Aと裁判例の示唆)

営業保証金・弁済業務保証金の違い(供託先、金額、還付・取戻しの流れ、公告の要否)が整理できる参考。

営業保証金と弁済業務保証金の違い(供託・還付・取戻しまで)

宅建 宅建業法_営業保証金と保証協会