いわく付きとは不動産で告知義務となる心理的瑕疵の意味と見分け方

いわく付きとは不動産における心理的瑕疵物件の意味

不動産業界で「いわく付き物件」といえば、過去に自殺や事件があった物件を想像する方が大半でしょう。しかし実際には、告知義務の対象になるのは「該当する部屋に入居する借主」だけで、賃貸なら隣室への告知は原則不要です。

📋 この記事のポイント
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告知義務の範囲と期間

賃貸は原則3年、売買は期間に関係なく告知が必要。ガイドラインに沿った運用が業界標準になっている

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いわく付き物件の見分け方

相場より2〜3割安い価格、告知事項ありの記載、不自然なリフォーム箇所などが判断材料となる

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売却時の対応ポイント

告知義務違反は契約解除や損害賠償のリスク。適切な情報開示と専門業者の活用が成功の鍵


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いわく付き物件の基本的な意味と定義

 

「いわく付き物件」とは、過去に人が亡くなっていたり、事件・事故などが発生している物件を指す不動産業界の呼称です。法律用語では「心理的瑕疵物件」と呼ばれ、建物そのものに物理的な損傷はないものの、心理的な抵抗を感じやすい要素がある物件のことを意味します。

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具体的には、自殺や殺人などの事件、孤独死で発見が遅れたケースなどが該当します。

つまり、心理的瑕疵が基本です。

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ただし、家族がすぐに気付いた自然死や、病院で亡くなられた場合は、売却にそれほど大きな影響はありません。また、心霊現象があると近隣から噂される物件も「いわく付き」として扱われることがありますが、過去に実際の事件や事故がない場合は、売却への影響はほとんどないとされています。

不動産会社は、こうした情報を宅地建物取引業法に基づく「重要事項説明」の一部として開示する義務(告知義務)があります。

いわく付き物件の種類と心理的瑕疵の範囲

いわく付き物件には、大きく分けて4つの種類が存在します。「心理的瑕疵」「物理的瑕疵」「環境的瑕疵」「法的瑕疵」です。

心理的瑕疵の代表的な事例は、建物内または敷地内で死亡した者がいる、反社会的勢力の事務所が近い、お墓に隣接している、その他心理的に住みたくなくなる事情がある場合などです。物理的瑕疵は建物の構造や設備に明確な不具合や破損があるケースを指します。

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環境的瑕疵とは、周囲に工場・墓地・騒音源・嫌悪施設などがあるために、生活環境に悪影響が及ぶ可能性がある物件です。迷惑施設や嫌悪施設の存在により、騒音や異臭、振動、不快感を抱く物件も該当します。

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法的瑕疵は、建築基準法や都市計画法などの法律に抵触するケースや、再建築不可などの制限がある物件を指します。建ぺい率や容積率による制限、市街化調整区域による制限、接道義務による制限、違法建築物などが代表的な事例です。

いわく付き物件における告知義務の法的根拠

告知義務とは、不動産取引において、物件の借主や買主が事前に把握しておくべき重要な事実を、貸主・売主または仲介する宅地建物取引業者が説明しなければならない法的な義務のことです。心理的抵抗を感じるような事案(死亡事故や事件等)があった場合には、「重要事項説明書」に記載されるべき内容となります。

契約トラブルを未然に防ぐためにも、当事者はこの告知義務の範囲や対象を正しく理解しておく必要があります。重要事項説明に虚偽や不記載があった場合には、告知義務違反が成立する可能性があり、賃貸契約であれば契約解除損害賠償請求が認められるケースもあります。

実際に、敷金や礼金の返還・慰謝料の請求が認められた判例も存在します。宅建業法により事故物件には「告知義務」が存在し、業者は契約が成立する前に、そこが事故物件であることを借り主(買い主)に伝えなければなりません。

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いわく付き物件の告知義務期間と例外ケース

賃貸物件における心理的瑕疵については、「事件や事故発生から3年が経過すれば告知義務は不要になる」という運用が広く行われています。これは、国土交通省が2021年に発表した「宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドライン」に基づく基準によって、業界に浸透しました。

ただし、この3年ルールには重要な例外があります。自殺が発生してから5年が経過した賃貸住宅であっても、発生当時に地元ニュースで取り上げられていた場合は、告知する必要があります。

つまり、社会的影響が大きいということですね。

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売買の場合は、事故発生からの期間にかかわらず、原則として買主への告知が必要とされるケースが多いです。集合住宅の場合は、該当住戸の住人が日常生活で使う廊下やエントランスなどの共用部で起こったことも告知義務の対象です。

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なお、室内で告知すべき事故が発生した場合、告知義務があるのは該当住戸に入居する人のみになります。隣室を含むほかの住人には、原則として告知不要です。

いわく付き物件の価格への影響と相場

「いわく付き」とされる物件は、過去の出来事が広く知られているほど借り手・買い手が見つかりにくくなり、売主や貸主が早期の契約成立を目指して、市場価格よりも低く設定するケースが一般的です。心理的な負担を価格で相殺しようとする意図が反映されています。

いわく付き物件の価値は、同条件の不動産よりも低くなります。先述した条件に該当する物件は多くの方が不快に感じるため、価格を下げなければ販売・売却が難しいです。

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周辺の相場と比べて家賃や販売価格が極端に安いケースは、いわく付き物件を見分ける重要なサインです。相場より2~3割以上安い設定は特に注意が必要です。これは心理的瑕疵や事故物件で敬遠されているために家賃や価格を下げて入居者・購入者を確保しようとしている可能性があるためです。

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いわく付き物件を見分ける実践的な調査方法

事故物件を見分けるには、複数の調査方法を組み合わせることが効果的です。まず、事故物件掲載サイトをチェックすることです。事故物件情報サイトとして代表的な「大島てる」では、地図上の炎や骸骨などのマークで事故や心理的瑕疵のある物件を視覚的に把握できます。

参考)事故物件を見分ける8つの方法!知らずに購入したときの対処法も…

物件パンフレットに「告知事項あり」の記載があるか確認することも重要です。内見時に異臭、違和感のある修繕箇所がないか確認してください。

不自然なリフォーム箇所は要注意です。

不動産業者に問い合わせるのが最も確実です。周辺住民や管理会社に直接確認する方法も有効です。過去のリフォーム・修繕履歴を調べることで、不自然な工事がないか確認できます。

参考)事故物件を調べる6つの方法と情報サイトを紹介!詳しい見分け方…

特定ワードでネット検索してみることも効果的です。住所や建物名での検索にも対応しており、詳細画面では事故の種類や日付などの情報も確認可能です。家賃が相場より安い理由を調査することも見分けるポイントになります。

いわく付き物件を売却する際の注意点と対応策

いわく付き物件でも売却は十分に可能です。ポイントは、「どう売るか」「誰に売るか」という販売戦略にあります。一般の不動産市場では敬遠されがちですが、適切な相手に向けて売却活動を行えば、十分な成約実績が期待できます。

参考)訳あり物件の売却を成功させるために知っておきたいこと

事故物件を売却するコツとして、値引きして売る、修繕や清掃を行っておく、供養やお祓いを済ませる、不動産会社が取り扱い可能かどうかを確認しておく、専任媒介契約を結ぶなどがあります。供養やお祓いを済ませることで、買主様や借主様の嫌悪感や抵抗感も和らぎやすくなり、売却につながりやすくなります。

参考)事故物件を売却する方法は?告知義務や相場、売る為のコツを解説…

告知義務に関するアドバイスと書類整備が重要です。いつどのような事故があったのかを知ると、許容できる内容かどうかを判断できるほか、売主が虚偽の内容を伝えていたことが発覚した際は契約不適合責任を追及できます。

参考)【2025年版】古家付きの事故物件とは?購入するメリットや注…

訳あり物件に理解のある投資家・買取業者へのマッチングを活用することも有効です。早期現金化を希望される場合のスピード売却サポートを利用すれば、スムーズな売却が期待できます。


『曰く付き物件』とは?告知義務や見分け方、住む際の注意点を解説 – アキサポ

いわく付き物件の基本的な定義や告知義務の詳細、見分け方について網羅的に解説されています。

事故物件の告知義務とは?ガイドライン・告知範囲・注意点を解説 – 全日本不動産協会

国土交通省のガイドラインに基づく告知義務の範囲や期間について、業界団体の視点から詳しく説明されています。

事故物件を見分ける8つの方法!知らずに購入したときの対処法も紹介

事故物件の見分け方について、実務で使える具体的な調査方法が8つ紹介されており、実践的な参考になります。


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