シャッター商店街一覧から見る投資チャンスと再生成功事例

シャッター商店街一覧と再生事例

シャッター商店街の所有者は年間30万円の不動産収入だけで暮らせます。

この記事でわかること
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シャッター率トップ10の商店街

岐阜県柳ヶ瀬商店街は84.6%で全国1位。地域ごとの衰退状況を数値で把握できます

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空き店舗活用の投資ポイント

固定資産税の優遇措置と相続時のリスクを理解し、収益化の判断材料にできます

再生成功事例の共通パターン

日南市油津商店街など4年で20店舗誘致した実践的な手法を学べます


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シャッター商店街のシャッター率ランキング一覧

 

全国のシャッター商店街のなかで、最も深刻な状況にあるのはどこでしょうか。

2023年の調査データによると、シャッター率第1位は岐阜県岐阜市の「スタープレイス柳ヶ瀬商店街」で84.6%を記録しています。全長300mの商店街に188店舗が存在するものの、159店舗がシャッターを閉めたままです。全盛期には約250店舗が営業していた歴史ある商店街が、今では5店舗に1店舗しか営業していない計算になります。

参考)全国の‟シャッター商店街”ランキング!中心市街地が衰退しシャ…

第2位以降も厳しい数字が並びます。

順位 商店街名 場所 シャッター率 営業店舗数
1位 スタープレイス柳ヶ瀬商店街 岐阜県岐阜市 84.6% 29/188店舗
2位 吉田商店街 静岡県富士市 84.4% 10/64店舗
3位 弘前市中心商店街 青森県弘前市 82.9% 14/82店舗
4位 西町本通商店街 福島県会津若松市 80.0% 4/20店舗
5位 青空ショッピングセンター 宮崎県宮崎市 79.4% 7/34店舗

築70年以上の建物が多く、大雨や台風でダメージを負う商店街も珍しくありません。

参考)『水曜日のダウンタウン』廃れた商店街をシャッターで閉まってい…

第6位は兵庫県尼崎市の「三和市場」で75.9%、全長150mに54店舗あるうち41店舗がシャッター状態です。第9位の山形県鶴岡市「鶴岡銀座商店街」は59.8%で、87店舗中52店舗が閉店しています。地方部だけでなく、大阪府大阪市港区の「南市岡11番街」も第10位にランクインし、シャッター率57.7%という数値です。

全国の‟シャッター商店街”ランキング – 不動産のあれこれ茶房

具体的なシャッター率と店舗数の詳細データが掲載されています。

シャッター商店街の空き店舗が残る税制理由

空き店舗がそのまま放置される背景には、固定資産税の優遇措置が深く関わっています。

商店街の多くは1階が店舗、2階が住居という「店舗併用住宅」の形態です。この店舗併用住宅は、住宅用地として認められる比率が高く、固定資産税の課税上で大きな優遇を受けています。具体的には、住宅1戸あたり200平方メートル以下の土地であれば、固定資産の評価額が6分の1に減額されるのです。

参考)シャッター街の真実

つまり、シャッターを閉めたままでも税負担が軽いということですね。

しかし、この優遇措置には落とし穴があります。店舗を営んでおらず、かつ親と同居する子もいない状態で相続すると、税制上の特典を得られなくなるのです。相続した子供は現地で生活しておらず、商売もたたんでいる場合、通常の土地評価に戻り、固定資産税が最大6倍に跳ね上がるリスクを抱えることになります。

参考)固定資産税等が最大6倍にも!「空いた実家」が抱えるこれだけの…

店舗を実際に営業する場合と比較してみましょう。

月商100万円の店舗を運営するには、業界平均の値入率60%で計算すると、40万円の売上利益から人件費や光熱費を差し引く必要があります。一方、不動産収入だけで生活する場合、毎月30万円から40万円の賃料収入がまるまる手元に残ります。仕入れコストや製造コストがゼロなので、リスクが少ないのが基本です。

参考)シャッター商店街は実はそんなに困っていない

催事場として日貸しする選択肢もあります。

天神橋筋商店街では、催事用の賃貸料が1日3万円程度に設定されており、月に10日貸し出すだけで30万円の収入になります。年単位・月単位契約では割引があっても、一家が食べていけるだけの収入は十分に確保できます。


「シャッター商店街」空き店舗が残り続ける理由 – 税理士ドットコム

店舗併用住宅の固定資産税優遇の詳細が解説されています。

シャッター商店街の再生成功事例から学ぶポイント

全国で増え続けるシャッター商店街ですが、劇的な再生を遂げた事例も存在します。

宮崎県日南市の「油津商店街」は、わずか4年間で20店舗のテナント誘致に成功しました。立役者は外部から招聘された木藤亮太氏で、市民が自発的に参加する商店街づくりに着手し、次々とユニークなイベントを実行しました。「商店街にきたらおもしろいことがある」という空気感をつくることで、あっという間に15店舗を新規オープンさせたのです。

参考)たった3年でシャッター商店街再生!宮崎県日南市「地域再生請負…

2016年には経済産業省が選定する「はばたく商店街30選」に選ばれました。

成功の鍵は「テナントミックス」と「地域参加型イベント」の組み合わせにあります。2014年11月には、かつての名喫茶店をリノベーションした「ABURATSU COFFEE」がオープンし、昔を懐かしむ世代から若者まで多くの人が集う場所になりました。さらに2015年12月には、多世代交流モールをオープンし、スタジオ、スクール、フリースペースからなる「油津Yotten」や、スイーツからベビー服まで多岐にわたる店舗が入る「ABURATSU GARDEN」を展開しました。

福岡県北九州市の「寿通り商店街」も注目事例です。

3軒長屋をリノベーションし、1階はシャッター1枚ずつの幅に壁をつくり、マイクロショップが集積する「寿百家店」をつくりました。アパレルショップや書店、フェイシャルサロンやラーメン店など、多彩な店舗が入居しています。シャッターに落書きが書かれていた商店街を、地域住民参加型の「トムソーヤ大作戦」でシャッターをきれいにするところから始めたのです。

参考)シャッター商店街が生まれ変わる。消費の場から「住む・働く・集…

長野県辰野町の商店街では、家賃が低いメリットを活かした戦略が功を奏しました。

参考)シャッター商店街なのに5年で32店舗オープン! 衰退から一転…

家賃が低いとランニングコストがかからないので、利益が出しやすいだけでなく、開店準備にも時間をかけられるのがメリットです。コワーキングスペースの「studioリバー」は1年半かけてのらりくらりDIYしていき、自分のペースで作れる環境が整いました。5年間で32店舗がオープンし、住民のQOLが大幅に向上しています。

参考)「シャッターは閉まっていていい」地方の商店街が仕掛ける逆転の…

たった3年でシャッター商店街再生 – greenz.jp

日南市油津商店街の再生プロセスとイベント戦略の詳細が紹介されています。

シャッター商店街の不動産投資リスクと対策

シャッター商店街の物件を不動産投資の対象として検討する際、固有のリスクを理解しておく必要があります。

最大のリスクは「相続時の税制優遇消失」です。店舗併用住宅として固定資産税が6分の1に優遇されていても、相続後に店舗営業をせず、住居としても使用しない場合、その優遇が失われます。老朽化する店舗の管理コストと、毎年やってくる固定資産税通知書に悩まされることになります。

参考)「シャッター商店街」空き店舗が残り続ける理由…課税強化で何が…

建物の老朽化も深刻な問題です。

築70年以上の物件が多く、大雨や台風でダメージを負う商店街も珍しくありません。奈良県吉野郡大淀町の「下渕マーケット」は、40年ほど前にほぼ全ての店舗が閉店し、物が落ちて被害が出る状況にまで劣化しています。解体すべき状況でも、所有者が複数いる場合や登記上の問題があると、行政としても解体できない事情があります。

参考)40年前からシャッター商店街になった「廃虚商店街」“高度経済…

対策として「小分けリノベーション」が注目されています。

シャッター商店街には激安で購入できる建物が眠っており、リスクを最小限にする「小分け」の手法が有効です。大規模な一括開発ではなく、小さな複合施設として段階的に再生していくアプローチが、資金リスクを抑えながら収益化できる方法として評価されています。

参考)シャッター商店街を救うのは、「小さな複合施設」。複業としての…

ファンドによる中長期的な所有権集約も解決策の一つです。

細切れの所有権を中長期にわたって集め、ある程度まとまったところで再開発を行い、エリア全体での有効利用を図る必要があります。放置すれば、やがては商店街ごとスラム街に変わってしまうリスクが危惧されています。

シャッター商店街の空き店舗活用ビジネスモデル

空き店舗を活用した新しいビジネスモデルが、商店街再生の切り札として機能しています。

最も注目されているのが「コワーキングスペース」です。フリーランサーや小規模事業者が集まりやすい環境を作り、交流を促進できます。商店街の一角にオフィスを持つことで、地域のビジネスコミュニティともつながりやすくなるのがメリットです。初期コストが少なく、改装費や内装費が必要最小限で済みます。

参考)商店街の空き店舗を活用!低コストでビジネスを始める方法 – …

「ポップアップショップ」も相性が良い選択肢です。

短期間での営業が可能なため、新商品のテスト販売や、季節ごとに異なるイベントを実施するのに最適です。通常、建物の改修や大規模なリノベーションを行う必要がなく、すぐに営業を開始できるのが魅力の一つです。試験的に新しいビジネスや商品のテストを行いたい場合には、初期投資が少ないことも利点となります。

空き家をカフェやギャラリー、コミュニティスペースに転用する方法も有効です。

参考)空き家・空き店舗の活用方法とは?商店街活性化の成功事例を紹介

新しいビジネスが生まれ、人々が集まる場所を増やすことで、商店街全体の来訪者数が増え、地域経済の活性化に寄与します。愛知県豊橋市の「大豊商店街」では、梅雨の時期に行う「雨の日商店街」というユニークな施策で、商店街に再び活気を取り戻しました。

参考)シャッター通り商店街を活性化!復活・再生のための解決策と成功…

鳥取県鳥取市の「若桜街道商店街」では、空き店舗を半年で10万人が訪れるパン屋兼コミュニティスペースに転用した例があります。

収益を最大化するには、立地の選定が鍵になります。駅に近い場所や、商店街の中心部に位置する店舗は、自然と集客力が高まります。賃料とのバランスを見極め、集客力がある商店街自体に人が集まるため、自然と来店者が増える可能性が高いのです。地域との結びつきが強く、商店街のイベントや地域とのコラボレーションにより、信頼と顧客を得やすいという特徴があります。


シャッター商店街が生まれ変わる – LIFULL HOME’S

商店街を「消費の場」から「住む・働く場」へ転換した事例が詳しく紹介されています。


セーラー服と機関銃-卒業-