延床面積読み方と計算方法|壁芯内法の違い不動産実務

延床面積 読み方 計算 実務

壁芯で計算したつもりが内法で登記されてあなたは6%も面積を失います。

📐 延床面積の基礎知識
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読み方と意味

「のべゆかめんせき」と読み、建物各階の床面積の合計を指します

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壁芯と内法の差

計算基準の違いにより、ファミリータイプで平均6%の面積差が生じます

⚠️

実務での注意点

容積率オーバーや登記面積の相違によるトラブルを防ぐ正確な理解が必須です


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延床面積の読み方と基本的な意味

 

延床面積は「のべゆかめんせき」と読みます。「延べ床面積」と表記する場合もありますが、どちらも同じ意味です。

参考)「延床面積(のべゆかめんせき)」とは何か?|誰でもわかるリノ…

建物の各階の床面積を合計した数値のことを指し、単位は平方メートル(㎡)で表します。例えば1階が50㎡、2階が40㎡の建物なら、延床面積は90㎡です。

参考)延床面積(のべゆかめんせき) とは

壁または柱の中心線で囲まれた部分の水平投影面積にて算出するのが原則です。

つまり壁の厚みの半分まで含めて計算します。

建物を実際に利用できる面積を表しており、建物活用の視点から建物の規模を把握する際に用いられます。容積率の計算にも直接関係するため、不動産実務では極めて重要な指標です。

延床面積の計算方法|壁芯と内法の違い

延床面積の計算には「壁芯(へきしん)」と「内法(うちのり)」という2つの方法があります。どちらで計算するかによって面積が大きく変わるため、不動産従事者は必ず理解しておく必要があります。

参考)壁芯と内法とはなにかわかりやすくまとめた(床面積の計算方法)


壁芯面積は、壁の中心線を基準に算出する床面積です。壁の厚みの半分が面積に算入されるため、実際に生活できる部屋の面積よりも大きい数字になります。分譲マンションの販売図面や戸建ての建物の登記簿で使用されます。

参考)マンション売却に関わる面積の見方は?壁芯と内法の違いを知ろう…

例えば、内寸が8,000mm四方、壁の厚さが200mmの部屋の場合、内法面積は64㎡ですが、壁芯面積は(8,200mm×8,200mm=)67.24㎡になります。

つまり3.24㎡も差が出ます。

参考)壁芯面積と登記簿面積(内法面積)の違いとは?計算方法もわかり…


内法面積は、壁の内側で囲まれた部分の床面積です。区分建物の専有部分の登記簿で面積を表示するときに利用されます。​

実際の計算例を見てみましょう。内法寸法5000mm×3000mmの部屋なら、内法面積は15㎡です。壁厚が全周200mmの場合、壁芯寸法は5200mm×3200mmとなり、壁芯面積は16.64㎡になります。

1.64㎡の差です。

参考)壁芯面積と内法面積の違い|不動産広告に載っているのはどっち?…

一般的に、壁芯面積と登記簿面積(内法面積)の差は、住戸の面積が狭いほど大きくなります。具体的には、ファミリータイプで平均6%程度、ワンルームタイプではさらに大きな差が生じることがあります。

パンフレットと登記簿の面積が違う理由はここにあります。マンションの専有部分について、登記上の床面積は、分譲マンションのパンフレット記載の床面積より小さくなるのです。

延床面積に含まれない部分と例外規定

延床面積は「使える広さ」と一致しないケースが多くあります。ロフト・吹き抜け・バルコニーなど、使えるのに延床面積に含まれない部分が存在するためです。

参考)延べ床面積に含まれない部分とは?勘違いしやすいポイントを整理

建築基準法上の床面積は、単に「床があるかどうか」ではなく、人が継続的に使うか、居室・生活空間として成立するかという利用実態が重視されます。一時的に使う、補助的に使う、人が立って生活する前提ではない空間は、延べ床面積に含まれない部分として扱われることがあります。


ロフトは、天井の高さが1.4m以下であること、ロフトがある階の2分の1以下の面積であること、はしごが固定されていないことという条件を満たせば、住居として認められないため延べ床面積には含まれません。

参考)ロフトやバルコニーなど延べ床面積に含まれない5つの部分


ベランダ・バルコニーは、外壁面からの突出幅が2m以下の部分は延べ床面積には含まれません。2m以上突出している場合は、その突出したところから2m差し引いて残る部分が延べ床面積に算入されます。​
玄関ポーチは、玄関の出入り口の外側にある部分で、延べ床面積には含まれません。​

ただし、ビルトインガレージは注意が必要です。「車を停めるだけだから居室ではない」「土間仕上げだから」という理由で含まれないと勘違いされることが多いのですが、居室かどうかは判断基準ではありません。

原則として延べ床面積に含まれます。

実務で実際にあったトラブル例として、ガレージを含めずにプランを進めたところ、建築確認で「床面積に算入」と指摘され、容積率オーバーになってプラン全面修正になったケースがあります。

このケースは本当に多いです。

延床面積と容積率の関係|オーバー時のリスク

容積率は「敷地面積(㎡)×容積率(%)=延床面積の上限(㎡)」という式で求められます。例えば敷地面積100㎡に対して容積率150%の土地の場合は、100㎡×150%=150㎡となり、150㎡までの延床面積を持つ建物を建てることができます。

参考)建築面積とは?延床面積や土地面積との違いや計算方法をご紹介

延べ床面積に含まれないと思っていた部分が算入され、容積率オーバーになるケースは非常に多いです。ロフトの天井高が基準超過、インナーガレージを除外していた、サンルームが居室扱いなどの理由で容積率オーバーが発覚すると、居室を削る、吹き抜けを減らす、建物規模そのものを縮小するという大きな後戻りが発生します。

容積率オーバーの建物がもたらす問題は深刻です。

建築許可がおりません。

オーバーした状態で建築を進めると、検査済証が交付されず、違法建築となります。解体や改修が必要になり、余分なコストや時間がかかります。​

容積率オーバーの建物は違法とみなされ、金融機関からの融資や住宅ローンが受けられない可能性が高いです。違法建築には市場価値が低く、担保価値が認められないためです。

完成後であっても、使用禁止や改善命令を受けるリスクがあり、最悪、強制的な取り壊しの処置を受ける可能性があります。特に悪質なケースや地域住民からのクレームがあると、厳しい監査の対象となることがあります。

再建築の際には、現在と同規模の建築物は建築できず、原則として建築確認申請を要する増・改築は行えません。

つまり資産価値が大きく毀損します。

参考)違反建築物(建蔽率・容積率オーバー)|例文・条文【テンプレ】

容積率違反の説明義務を怠った場合、宅建業者が損害賠償責任を負った判例も存在します。買主も宅建業者であり、契約書に記載された土地面積や床面積から計算上は容積率違反に気づける可能性もあったのですが、裁判所は説明義務違反を重視しました。

参考)https://okinawa-takken.com/wp-content/uploads/2024/11/aeb62344ce4c8d21d47ee505f16c274c.pdf

不動産実務で失敗しない延床面積チェックポイント

不動産実務では、延床面積の取り扱いを間違えると重大なトラブルに発展します。ここでは実務者が見落としやすいチェックポイントを紹介します。

建築確認と登記簿の床面積が違う理由を理解しておきましょう。建築基準法と登記法の面積のとらえ方が違うため、差異があってもおかしいことではありません。増えたことによって建蔽率や容積率の上限を超えない限り、特に問題にはなりません。

参考)建築確認後?に家の延床面積が変わってることってありますか? …

ただし、登記面積が建築確認面積より少ない場合で金融機関がその差異を問題視するケースがあります。法律上の計算方式の違いなので特に問題ないのですが、融資判断に影響することがあるのです。

参考)建築確認と登記簿の床面積が違うのは何故ですか?? ■2021…


増築や改築した部分は未登記の不動産と同じ扱いになります。建物を売買する場合は事前に登記を行ってから手続きを進めなければならない可能性が出てきます。未登記のまま放置すると売買時に大きな問題になります。

参考)登記簿上と床面積が違う? – 不動産の個人間売買サポートセン…


公簿取引のリスクも理解しておくべきです。公簿面積が実測と等しいと信じて契約を行い決済まで終えた後、実測をしたところ登記簿上177㎡であった土地が実際には167.79㎡(不足9.21㎡)しかなく、減額請求(返還)を求められた事件があります。売買契約書に「すべての面積は公簿による」との記載があったにもかかわらず、説明がなかったため買主側の請求が認められました。

参考)【公簿取引に潜む危険】実測との差異請求が認められた判例から考…

トラブル防止のための実務対応として、以下を徹底しましょう。

  • 壁芯と内法の違いを契約当事者双方に正確に説明すること
  • パンフレットと登記簿の面積差を事前に明示すること
  • 容積率計算時には含まれない部分を想定せず、自治体判断を事前確認すること
  • 建築確認申請前に延床面積の算入基準を設計者と共有すること

延べ床面積に含まれない部分の詳細な判断基準

このリンク先では、ロフトやガレージなど延べ床面積に含まれない部分の具体的な条件が詳しく解説されており、実務での判断材料として有用です。

壁芯と内法の計算方法を図解で理解する

壁芯と内法の違いを視覚的に理解できる資料で、顧客への説明資料作成時に参考になります。

延床面積の正確な理解は、容積率オーバーや面積相違によるトラブルを未然に防ぐ最も確実な方法です。計算基準、例外規定、登記との違いを押さえることで、不動産実務の精度が大きく向上します。


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