家族間贈与税の基本と計算方法
親子間の110万円以下の贈与でも相続前3年以内だと相続税の課税対象になります。
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家族間贈与税の基礎控除と課税の仕組み
家族間であっても財産の授受があれば、原則として贈与税が発生します。贈与税は個人から個人への財産の無償譲渡に対して課税されるため、親子・夫婦・兄弟姉妹などの関係であっても課税対象です。ただし、暦年課税制度では年間110万円までの基礎控除が認められており、この範囲内であれば贈与税はかかりません。
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この基礎控除の注意点は、贈与を受けた「合計額」に対して控除されることです。たとえば父親と母親からそれぞれ100万円を贈与された場合、各贈与額は110万円以下ですが、合計額200万円から110万円を控除した90万円に贈与税がかかります。つまり、複数人から贈与を受ける際は、すべてを合算して判定する必要があるのです。
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不動産従事者として顧客にアドバイスする際、この基礎控除の仕組みを正確に理解しておくことが重要です。基礎控除は年単位で適用されるため、計画的に贈与を行うことで税負担を軽減できます。ただし、毎年同じ金額を同じ時期に贈与すると、最初から一括贈与する意図があったと税務署に判断され、課税対象となる可能性があります。
贈与額や時期を変更する工夫が必要ですね。
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家族間贈与税の計算方法と税率区分
贈与税の計算では、税率が「特例税率」と「一般税率」の2種類に区分されます。特例税率は直系尊属(両親や祖父母)からの贈与に適用され、受贈者が贈与を受けた年の1月1日時点で20歳以上である必要があります。一方、一般税率は配偶者や兄弟姉妹からの贈与、または直系尊属からでも受贈者が未成年の場合に適用されます。
具体的な計算方法は、まず受贈財産の合計額から基礎控除110万円を差し引きます。その残額に税率を乗じて控除額を引くことで、納税額が算出されます。特例税率の場合、たとえば課税価格が600万円超から1,000万円以下なら税率40%、控除額190万円となります。一般税率はこれより若干高く設定されており、同じ金額帯でも税負担が増えます。
参考)No.4408 贈与税の計算と税率(暦年課税)|国税庁
親族間の贈与では、年間500万円までの贈与であれば、相続税の最低税率10%を下回ります。したがって、少額をコツコツと贈与していく場合、贈与税は相続税より有利になるケースが多いのです。不動産従事者として顧客の資産承継をサポートする際は、この税率の違いを活用した提案が効果的です。
参考)《松山真美税理士事務所》相談無料・土日対応可! 川崎市麻生区…
家族間贈与税における不動産評価額の算出
不動産を贈与する場合、贈与税の計算には不動産の評価額が必要です。土地の相続税評価額は路線価方式または倍率方式で算出され、建物の場合は固定資産税評価額がそのまま使用されます。路線価方式は市街地の土地に適用され、路線価が設定されていない地域では固定資産税評価額に一定の倍率を乗じる倍率方式が用いられます。
参考)土地の贈与税はいくらからかかる?評価額の調べ方や計算・申告方…
分譲マンションなどの場合、敷地全体の評価額に敷地権の割合を乗じて計算します。また、土地の形状や立地条件によって補正が必要なケースもあります。たとえば台形などの不整形地、がけ地に位置する土地、タワーマンションなど時価と路線価の乖離が激しい物件では、別途補正計算が求められます。
評価が複雑な物件は専門家に依頼すべきです。
参考)親族間売買は税務署にマークされる?贈与税の課税対象となるのは…
不動産の評価額算出には専門知識が必要なため、不動産従事者としては顧客に税理士の紹介を検討することも重要です。適正価格での売買や贈与を行わないと、差額部分が贈与とみなされ、贈与税が課される可能性があります。特に親族間売買では、税務署が厳しくチェックする傾向にあるため注意が必要です。
国税庁の公式サイトでは、贈与税の計算方法と税率について詳しい情報が掲載されています。
計算の際の参考リンクとして活用できます。
家族間贈与で非課税となるケース
家族間の贈与でも、特定の条件を満たせば贈与税がかかりません。まず、扶養義務者からの生活費や教育費に充てるための贈与で、通常必要と認められるものは非課税です。この「通常必要と認められる」という基準が重要で、必要な都度、必要な金額を贈与する場合に限られます。
配偶者への居住用不動産またはその取得資金の贈与には、2,000万円の配偶者控除(通称「おしどり贈与」)が適用されます。この特例を利用するには、婚姻期間が20年を超えていることが条件です。暦年課税の基礎控除110万円と併用すれば、合計2,110万円まで贈与税ゼロで資金移転できます。ただし同じ配偶者に対しては1回限りの利用です。
参考)相続時精算課税は夫婦間で使える?配偶者への贈与に適用できる特…
住宅取得等資金の贈与には、最大3,000万円までの非課税枠があります。この特例は相続時精算課税制度と併用でき、2024年1月1日以降は年間110万円の基礎控除も加わるため、最大3,610万円まで非課税となります。不動産従事者として、住宅購入を検討する顧客にこの特例を案内することで、資金計画の選択肢を広げられます。
参考)贈与税がかからない方法は?親子や夫婦は?非課税になるケースや…
家族間贈与税の申告と納付手続き
贈与税の申告と納税は、贈与を受けた年の翌年2月1日から3月15日までに行わなければなりません。この期限を守らないと、ペナルティが課されます。申告書には贈与の内容、贈与された財産の評価額、贈与税の計算過程を正確に記載する必要があります。必要書類としては、贈与契約書、不動産の登記事項証明書、固定資産評価証明書などが求められます。
参考)不動産贈与税について親子間での注意点と対策 – 菱田司法書士…
申告期限に遅れた場合、5~30%の無申告加算税が課されます。納税額が50万円以下の部分には15%、50万円超の部分には20%が適用されます。たとえば祖父母から600万円を受け取り、贈与税68万円を30日間延滞した場合、無申告加算税11.1万円と合わせて79.1万円を納めることになります。
痛い出費です。
参考)贈与税に申告期限はある?必要なケースや遅れのペナルティを解説…
さらに、故意に申告しなかったと判断されると、35~50%の重加算税が課される可能性があります。無申告が故意の場合、時効も通常の6年から7年に延長されます。刑事罰として、故意の脱税は「5年以下の懲役または500万円以下の罰金」、正当な理由のない無申告でも「1年以下の懲役または50万円以下の罰金」が課せられます。贈与税の申告漏れは必ず発覚すると考えるべきです。
参考)贈与税に時効はある?申告期限や申告漏れのペナルティなどについ…
不動産従事者が知るべき税務調査での発覚リスク
贈与税の申告漏れは、さまざまな経路で税務署に把握されます。不動産会社には税務署への報告義務があり、仲介会社を入れている場合はそこから露見します。また、住宅ローンを組んで不動産に抵当権が設定された際も、税務署の知るところとなります。税務署は口座の送金履歴などさまざまな方法でお金の流れを調査するため、隠蔽はほぼ不可能なのです。
所得税の税務調査から贈与税の無申告が発覚するケースも多くあります。国税庁の統計によると、贈与税における非違件数の82.2%が無申告事案です。たとえば、所得税調査の対象者の自宅調査で配偶者名義の証券口座が見つかり、金融機関調査によって夫から妻への資金移動が判明した事例があります。この場合、送金時が贈与時期とされ、贈与税の無申告を指摘されました。
参考)所得税の税務調査で贈与税の無申告が発覚した3つの事例|チェス…
子供の住宅購入資金を親が負担していたケースでも、所得税調査の際に銀行口座の不明出金から不動産業者への送金が判明し、贈与税の申告漏れが発覚しています。税務調査では、資金が元々誰のものか、移動目的は何か、移動後は誰が管理しているかといったポイントが重点的にチェックされます。不動産従事者として、顧客に適切な申告の重要性を伝えることが求められます。
贈与税の時効と申告漏れのペナルティについては、こちらのサイトで詳しい解説があります。
顧客への説明資料としても活用できます。
親族間売買と税務署のチェックポイントに関するこちらの記事も、不動産従事者が押さえておくべき重要な情報です。

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