家賃収入60万税金計算と不動産所得の節税対策

家賃収入60万税金の計算と節税

青色申告しないと年間65万円も損します。

この記事の3つのポイント
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税金の計算構造

月60万円(年間720万円)の家賃収入から経費を引いた不動産所得に所得税と住民税が課税される

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青色申告による控除

事業的規模なら最大65万円の特別控除が適用され、年間20万円以上の節税効果が見込める

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経費計上の範囲

減価償却費、管理費、修繕費、固定資産税など家賃収入を得るための費用は幅広く経費にできる


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家賃収入60万円の税金計算の基本構造

 

月60万円の家賃収入は年間で720万円になりますが、この金額全体に税金がかかるわけではありません。税金計算の対象となるのは、家賃収入から必要経費を差し引いた「不動産所得」です。

参考)家賃収入の税金Q&A!不動産所得の計算と経費を初心者向け解説…

不動産所得の計算式は以下のとおりです。

不動産所得 = 家賃収入 – 必要経費

例えば、年間720万円の家賃収入に対して経費が200万円かかった場合、不動産所得は520万円となります。この520万円に対して、所得税と住民税が課税されます。

参考)家賃収入には税金がいくらかかる?各種税率と計算方法を解説 |…

所得税は累進課税制度を採用しており、所得が増えるほど税率が上がる仕組みです。課税所得金額に応じて5%から45%までの7段階の税率が適用されます。

住民税は基本的に所得金額の10%です。

課税所得金額 所得税率 控除額
195万円未満 5% 0円
195万円~330万円未満 10% 9万7,500円
330万円~695万円未満 20% 42万7,500円
695万円~900万円未満 23% 63万6,000円
900万円~1,800万円未満 33% 153万6,000円

つまり計算の基本です。

家賃収入から控除できる経費の種類

不動産所得の計算で最も重要なのが、どこまでを経費として計上できるかという点です。経費として認められるのは、家賃収入を得るために支払った不動産投資事業に関連する費用のみです。

参考)不動産投資の経費どこまで落とせる? 計上できる経費とNGまと…

主な経費項目は以下のとおりです。

減価償却が節税の鍵です。

ただし、プライベートと兼用している場合は「家事按分」という方法を用いて、アパート経営にかかった費用のみを算出する必要があります。例えば、自宅の一部を事務所として使用している場合、面積比率などで按分計算を行います。

参考)アパート経営の経費で落とせるもの、落とせないものとは? 経費…

判断に迷った場合は、確定申告の前に税務署や税理士に相談することで、適切な経費計上が可能になります。これにより、本来認められる経費を見逃して税金を多く払うリスクを回避できます。

家賃収入60万円の具体的な税額シミュレーション

実際に月60万円(年間720万円)の家賃収入がある場合の税金をシミュレーションしてみましょう。

参考)家賃収入にかかる税金のシミュレーション|控除できる経費や計算…

【ケース1】不動産所得のみで経費200万円の場合

  • 家賃収入:720万円
  • 必要経費:200万円
  • 不動産所得:520万円
  • 基礎控除後の課税所得:472万円(520万円 – 48万円)

所得税 = 472万円 × 20% – 42万7,500円 = 51万6,500円
住民税 = (520万円 – 43万円)× 10% = 47万7,000円

合計税額は約99万円です。

【ケース2】給与所得500万円と併せて申告する場合

不動産所得は総合課税に分類されるため、給与所得などと合算して税額を計算します。給与所得500万円に不動産所得520万円を加えると、合計所得は1,020万円となり、適用される税率が大きく上がります。

どういうことでしょうか?

所得が増えると累進課税により税率が上昇するため、単独で計算した場合より税負担が重くなります。例えば、給与所得のみなら税率23%ですが、不動産所得を加えて900万円を超えると税率が33%に跳ね上がります。

このように、他の所得との兼ね合いで実際の税負担は大きく変わるため、トータルの所得額を把握した上で税金対策を検討する必要があります。

青色申告による最大65万円の特別控除

不動産所得の申告には白色申告と青色申告の2種類があり、青色申告を選択すると大きな節税効果が得られます。白色申告の控除額が10万円であるのに対し、青色申告の特別控除額は要件を満たせば最大65万円です。

参考)家賃収入(不動産収入)がある場合の確定申告の手順を整理。課税…

青色申告で最大65万円の控除を受けるための条件は以下のとおりです。

参考)不動産所得は青色申告にできる?確定申告の条件やメリットを解説…

  1. 不動産の貸付けが事業的規模であること(5棟10室基準)

    参考)賃貸住宅経営の「5棟10室基準」とは?経営拡大のメリットを解…

  2. 複式簿記による帳簿作成を行うこと​
  3. e-Tax方式で申告するか電子帳簿保存を行うこと

    参考)https://www.token.co.jp/estate/column/estate-library/110/

事業的規模が条件です。

「5棟10室基準」とは、アパート・マンションなら10室以上、戸建てなら5棟以上を所有している場合に事業的規模とみなされる基準です。例えば、ワンルームマンション10室を所有していれば、この基準を満たします。

参考)https://www.freee.co.jp/kb/kb-blue-return/way-to-save/

国税庁の公式サイトには、事業的規模の判断基準について詳しい説明があります。事業的規模かどうかの判断に迷う場合の参考になります。

青色申告にはさらに以下のメリットがあります。

参考)アパート経営【5棟10室】事業的規模の基準3つのケースと裁判…

  • 赤字の繰越控除:所得の赤字分を3年まで繰り越せる​
  • 青色事業専従者給与:家族への給与を経費計上できる
  • 少額減価償却資産の特例:30万円未満の資産を取得した年に全額経費にできる​

これらの特典により、年間20万円以上の節税が見込めるため、条件を満たせる場合は必ず青色申告を選択すべきです。

法人化を検討すべきタイミングと効果

家賃収入が一定額を超えた場合、個人事業主から法人化することでさらなる節税が期待できます。法人化を検討すべきタイミングは、不動産所得を含む所得全体が800万円を超えたときです。

参考)家賃収入を法人化すべき基準は?メリット・デメリットや手続きを…

個人事業主であれば所得800万円の場合、所得税率は23%です。一方、法人であれば法人税率は15%または19%となるため、法人の方が低い税率で節税が期待できます。

法人化の主なメリットは以下のとおりです。

厳しいですね。

例えば、1人に900万円の所得がある場合より、同世帯の2人に450万円ずつの所得がある場合の方が、それぞれに適用される税率が低くなるため節税が見込めます。家賃収入を給与として全額支払うことで、法人税を0円にすることも可能です。

ただし、法人化にはデメリットもあります。法人設立の初期費用や毎年の決算・申告業務のコスト、社会保険料の負担増加などが発生します。これらの費用と節税効果を天秤にかけ、トータルで判断する必要があります。


マネーフォワードの解説記事では、法人化のメリット・デメリットや具体的な手続きについて詳しく説明されています。法人化を検討する際の判断材料として役立ちます。

確定申告が必要になる基準と赤字の取扱い

家賃収入がある場合、いくらから確定申告が必要になるのでしょうか?原則として、不動産所得が年間20万円を超えた場合は確定申告が必要です。

参考)不動産収入はいくらまで確定申告が不要?申告が必要になる条件や…

ただし、以下の条件に該当する場合は確定申告が不要です。

参考)家賃収入にかかる税金はいくら?シミュレーションで仕組みを解説

  • 給与収入が年間2,000万円以下
  • 給与収入が源泉徴収の対象で、給与所得・退職所得以外の所得合計額が年間20万円以下
  • 公的年金等の収入金額400万円以下、かつ源泉徴収の対象で、公的年金等にかかる雑所得以外の所得金額が20万円以下

20万円が基本です。

不動産所得が赤字の場合でも、確定申告をすることをおすすめします。不動産所得の赤字は「損益通算」により給与所得など他の所得と相殺できるため、課税所得を減らすことができます。

例えば、給与所得が500万円で、不動産所得が初年度に経費が多くかかり200万円の赤字だったとします。損益通算を利用すれば給与所得から不動産所得の赤字分を引くことができるので、本来であれば500万円に課税されるところ、300万円に対して所得税が課税されます。

ただし、損益通算には例外があります。土地取得のための借入金利息など、一部の経費は損益通算の対象外となるため、税理士に相談して適切な申告を行うことが重要です。

副業として賃貸経営をしている場合、申告漏れがあるとペナルティが発生する可能性があるため、必ず期限内に申告を行いましょう。



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