家無料で譲渡される空き家バンク制度活用
0円物件でも贈与税231万円払うことになります。
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家無料の空き家が無償譲渡される理由
全国で増加する空き家を活用するため、自治体が運営する空き家バンク制度では「0円物件」が実際に提供されています。所有者が固定資産税の負担から逃れたい、相続した不動産を手放したいという事情から、無償譲渡という形で物件が市場に出るのです。
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富山県上市町では「0円空き家バンク」制度を開始し、3年間で26件の成約があり76人が移住しました。このように無償譲渡は地方自治体の移住促進策として機能しています。
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つまり地域活性化の手段です。
空き家バンクは自治体が空き家情報を収集し、移住希望者向けに提供する仕組みで、全国で888自治体が参画しています。不動産従事者としては、顧客の移住ニーズに対応する際に活用できる選択肢といえるでしょう。
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ただし、0円だからといって本当にコストがゼロではありません。物件取得後のリフォーム費用、登記費用、そして最も注意すべき税金負担が待っています。
家無料でも贈与税が発生する計算の実態
個人から個人へ不動産が無償譲渡された場合、譲り受けた側には贈与税が課される可能性があります。無償譲渡は法律上「贈与」とみなされ、不動産の評価額が年間110万円の基礎控除額を超えると、贈与税の申告と納税が必要になるのです。
具体的な計算例を見てみましょう。土地と家屋の合計評価額が1,000万円の場合、(1,000万円-110万円)×40%-125万円=231万円の贈与税が発生します。評価額900万円なら約200万円程度の税負担です。
痛い出費ですね。
贈与税の税率は財産の評価額によって変動し、詳細は国税庁の「贈与税の計算と税率(暦年課税)」で確認できます。不動産従事者が顧客に0円物件を紹介する際、この税負担を事前に説明しないと後々トラブルになるリスクがあります。
法人から個人へ無償譲渡された場合は所得税が課され、不動産の時価が「一時所得」として扱われます。給与所得など他の所得と合算して確定申告を行う必要があるため、顧客の状況に応じた税務アドバイスが求められます。
さらに贈与登記の際には、固定資産税評価額×2%の登録免許税がかかります。固定資産税評価額は市町村が決定するもので、0円物件であっても家屋がある限り評価額が設定されるため、この費用は避けられません。
家無料物件の契約不適合責任とトラブル回避
不動産従事者として最も注意すべきは、無償譲渡物件における契約不適合責任の問題です。雨漏りや白アリの被害といった欠陥を隠して譲渡すると、契約不適合責任を問われて契約解除や引き渡し後に修繕費用の請求を求められることがあります。
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契約不適合は必須です。
物件にネガティブな要素がある場合は、査定の段階で顧客に説明しておく必要があります。0円物件は往々にして築年数が古く、設備の劣化や構造上の問題を抱えているケースが多いため、事前調査を徹底することが重要です。
無償譲渡の際に不動産仲介業者を利用しなければ仲介手数料はかかりませんが、その分、契約交渉や物件調査を当事者間で行う必要があります。自治体によっては宅建業者と連携している空き家バンクもありますが、所有者と直接契約交渉が必要となるケースもあるのです。
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不動産従事者が仲介に入る場合でも、しつこい営業や相場からかけ離れた評価額の提示はトラブルの原因になります。顧客の売却意思や目的を明確にし、スケジュールに余裕を持たせることで、後悔のない取引を実現できるでしょう。
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贈与税の課税価額は原則として時価から負担部分(解体・残置撤去・滞納管理費など確定額)を差し引いた純財産価額が基礎になります。負担額は見積書や契約条項で「確定性」を担保する必要があり、概算や将来不確定の費用は控除根拠として弱いと考えてください。
家無料を活用した移住促進と補助金制度
空き家バンクを通じて物件を見つけることで、自治体からの移住支援が受けやすくなり、対象となる補助金があるなどメリットがあります。富山県上市町では、0円空き家の取得者に対して50万円の補助があり、さまざまな公的支援を受けることが可能です。
福井市ではU・Iターン者向けに、空き家バンクに登録後1カ月を経過した空き家を購入した場合に最大50万円を負担します。また、空き家バンクで購入した住宅のリフォーム費用を最大30万円、賃貸を見つけた場合に家賃最大25,000円を補助する制度もあります。
助かりますね。
奥多摩町では「0円空き家バンク」が定住要件や年齢条件を満たしていない場合でも利用でき、アトリエや倉庫、別荘などとしても利用が許されており、柔軟な制度が魅力です。不動産従事者としては、こうした自治体ごとの支援制度を把握しておくことで、顧客に最適な提案ができます。
佐渡市では移住を検討している方を対象に1カ月~6カ月の期間に限り有償で住宅を提供しており、80歳未満の世帯なら月額2万円~3万円で水道光熱費も含まれます。ペット飼育が可能な住宅もあるため、「ペットがいて簡単には移住体験ができない」という顧客にも紹介できる選択肢です。
上市町では行政サイト「かみスイッチ」で実際に移住した方の体験談が紹介され、移住のハードルを下げる工夫がされています。不動産従事者がこうした情報を顧客に提供することで、移住不安を軽減し、成約につなげることができるでしょう。
家無料物件を顧客に提案する実務ポイント
不動産従事者が顧客に0円物件を提案する際、最も重要なのは税金と費用の全体像を明示することです。贈与税、登録免許税、固定資産税、リフォーム費用など、取得後にかかるコストを事前に試算し、顧客の予算に合うか確認する必要があります。
結論は総費用の把握です。
空き家の火災保険は多くの損保会社で加入が制限されており、空き家だと加入できないケースが多いのです。保険代理店が「空き家でも今の火災保険のままで大丈夫です」と言っていたにも関わらず、実際は空き家が対象外だったという事例もあります。不安であれば保険会社のカスタマーセンターに確認するよう顧客に助言しましょう。
参考)空き家の火災保険・地震保険−NPO法人 空家・空地管理センタ…
空き家の火災保険では、落雷や爆発(ガスの契約を継続している場合)は補償対象に含めることが推奨されています。建物への補償金額を低くする、家財がなければ家財への補償を無くす、複数年契約をするなどで保険料を抑えることができます。
不動産従事者として、顧客が実際にやってしまいそうな行動を事前に注意喚起することが重要です。例えば、無償譲渡を受けた後に贈与税の申告を忘れると、後から追徴課税や延滞税が発生するリスクがあります。確定申告の期限や必要書類について、税理士との連携も視野に入れた提案が求められます。
全国888自治体が参画する空き家バンクの情報を検索できるサイトです。物件の詳細情報や自治体ごとの支援制度を確認できます。
空き家バンクの物件情報は自治体が管理しているため、一般の不動産市場に出ていない掘り出し物件が見つかる可能性があります。不動産従事者が顧客の希望エリアの空き家バンクを定期的にチェックし、新着物件を紹介することで、信頼関係を築くことができるでしょう。
上市町では空き家だけでなく空き店舗を活用したビジネス展開も進んでおり、町の中心部で最大150万円の改装補助が用意され、2022年度以降3件の新店舗がオープンしました。不動産従事者が事業用物件を探している顧客に対して、こうした補助金情報を提供することで、ビジネスチャンスの創出に貢献できます。
📊 0円物件取得時の主な費用
| 項目 | 内容 | 金額の目安 |
|---|---|---|
| 贈与税 | 評価額1,000万円の場合 | 約231万円 💰 |
| 登録免許税 | 固定資産税評価額×2% | 評価額次第 📝 |
| リフォーム費用 | 老朽化した設備の修繕 | 数十万円~数百万円 🔧 |
| 固定資産税 | 毎年の負担 | 評価額の1.4%程度 📅 |
顧客がこの表を見て総費用を把握できれば、無償譲渡が本当にメリットがあるか判断できます。不動産従事者としては、こうした情報を分かりやすく提示し、顧客の意思決定をサポートすることが求められるのです。
0円なら問題ありませんか?
その答えはノーです。不動産従事者が顧客に対して正確な情報提供を行い、税務リスクや維持費用を含めた総合的な判断材料を提示することで、後悔のない不動産取引を実現できます。空き家バンク制度や自治体の補助金を活用しながら、顧客にとって最適な選択肢を提案していきましょう。

