解体工事助成金で損しない申請方法と条件

解体工事助成金申請

着工後の申請は1円も出ません。

📋 この記事の3つのポイント
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助成金の上限額は自治体で大きく異なる

20万円~200万円まで幅があり、補助率は解体費用の1/5~4/5程度。東京都墨田区では最大200万円、大分市では160万円の支給例もあります

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事後申請は絶対に認められない

工事着工前に申請し交付決定通知を受け取ることが必須条件。着工後の申請や工事中の申請は補助対象外となり、1円も支給されません

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対象となる建物には厳格な条件がある

1年以上空き家、旧耐震基準の建物、倒壊危険性のある老朽化物件などが主な条件。個人所有で税金滞納がないことも求められます


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解体工事助成金制度とは何か

解体工事助成金は、自治体が空き家問題の解決を目的として設けている公的支援制度です。老朽化した建物や倒壊の危険がある空き家を解体する際、工事費用の一部を自治体が負担してくれます。

この制度が存在する理由は、放置された空き家が地域の景観悪化や治安問題、倒壊リスクを引き起こすためです。自治体としては、民間の解体を促進することで、これらの社会問題を未然に防ぎたいという狙いがあります。

参考)空き家の解体に補助金が使える?その理由と条件について解説

補助金と助成金は厳密には異なる制度です。補助金は予算枠があり先着順や審査で決まりますが、助成金は条件を満たせば原則支給されます。ただし実務上は、自治体によって呼び方が混在しているため、同じものと考えて問題ありません。

不動産従事者にとって重要なのは、顧客に適切なタイミングでこの制度を案内することです。売却前の解体を検討している所有者に対し、助成金の存在を伝えるだけで、数十万円から100万円以上のコスト削減につながります。

参考)https://ieul.jp/column/articles/78133/

解体工事助成金の上限額と補助率

助成金の上限額は自治体によって20万円から200万円まで大きく異なります。一般的な範囲は30万円~80万円程度ですが、東京都墨田区では最大200万円、大分県大分市では160万円という高額な支給例もあります。

参考)空き家解体の補助金は国土交通省から?自治体から50万円以上も…

補助率は解体費用の5分の1~5分の4程度が一般的です。たとえば横浜市では補助率3分の1で上限50万円、高崎市では補助率5分の4で上限100万円となっています。解体費用が150万円の場合、横浜市では50万円、高崎市では100万円まで補助されます。

参考)解体工事で補助金や助成金は受けられる?支給の主な条件も紹介!…

具体的な自治体別の例を見ると、以下のような差があります。

自治体 補助率 上限額
福島県福島市 5分の4 20万円
北海道小樽市 3分の1 30万円
神奈川県横浜 3分の1 40万円
埼玉県行田市 2分の1 50万円
東京都足立区 2分の1 木造50万円、非木造100万円
群馬県高崎市 5分の4 100万円
大分県大分市 5分の4 160万円
東京都墨田区 2分の1 通常50万円、条件により最大200万円

注意点として、補助金は工事完了後に受け取る後払い方式です。つまり、工事費用は一旦全額を施主が支払い、後日補助金として還付される仕組みとなっています。

資金繰りの計画が必要ですね。

不動産従事者として顧客にアドバイスする際は、まず物件所在地の自治体に制度の有無と詳細を確認することが基本です。自治体の公式サイトや窓口で、最新の補助率・上限額・予算残高を問い合わせましょう。

参考)【FP監修】空き家解体の補助金は自治体から!上限100万円っ…

解体工事助成金の対象となる条件

助成金を受けるには、建物と所有者の両方に条件があります。ほとんどの自治体が共通して求める条件は以下の通りです。

建物に関する主な条件

  • 1年以上使用していない空き家である

    参考)https://ieul.jp/column/articles/44803/

  • 旧耐震基準(1981年5月以前)の建物である
  • 倒壊の危険性が高く老朽化が進んでいる
  • 建物を全部解体し地にする工事である

所有者に関する主な条件

老朽化の判定には、自治体独自の評価基準があります。たとえば横浜市では耐震診断の上部構造評点が1.0未満であることが条件です。傾き、外壁の剥落、屋根の損傷などを点数化し、基準値を超えた建物が対象となります。

参考)空き家の解体費用の補助金を受け取る条件は?自治体ごとの違いに…

実務上よくあるのが、「部分解体は対象外」というルールです。母屋だけ残して倉庫のみ解体するケースでは、助成金が出ません。

更地にする完全解体が条件です。

また、対象の市町村内の業者に発注することが求められる自治体も多くあります。地域経済活性化の観点から、地元業者を使うことが条件となっているわけですね。

解体工事助成金の申請手順と流れ

助成金申請の流れは、必ず「申請→審査→交付決定→着工→完了報告→補助金受領」の順序です。この順番を間違えると、1円も受け取れません。

参考)売却する家の解体費用に補助金が適用される?条件や注意点を解説…

具体的な手順は以下の通りです。

ステップ1:自治体窓口で制度確認

まず建物所在地の自治体に補助制度の有無を確認します。

担当課は都市計画課や住宅課などです。

予算の残り枠や今年度の受付状況も聞いておきましょう。

ステップ2:解体業者から見積書を取得

自治体が求める書式に合った見積書が必要です。通常の見積書では受け付けられないケースもあるため、業者に「助成金申請用」と伝えて作成してもらいます。

参考)空き家の解体に補助金が出るって知ってた?【2025年最新制度…

ステップ3:必要書類を揃えて申請

登記事項証明書、固定資産税納税証明書、建物の写真、見積書などを提出します。自治体によって必要書類が異なるため、リストを確認しましょう。

ステップ4:審査と交付決定通知の受領

自治体が書類審査を行います。審査には数週間から1カ月以上かかる場合があります。交付決定通知が届いたら、初めて着工可能になります。

参考)古い家の解体に補助金が出る理由と申請の流れ :不用品・残置物…

ステップ5:解体工事の実施

交付決定後に着工し、年度内(多くは2月末まで)に完了させる必要があります。工事中の写真も撮影しておくと完了報告に使えます。

ステップ6:完了報告書の提出

工事完了後、写真や領収書、マニフェスト(産業廃棄物処理証明)を添えて報告します。報告期限は工事完了から1カ月以内などと定められています。

参考)解体工事の流れがまるわかり!準備から完了までの全手順を紹介 …

ステップ7:補助金の受領

完了報告が承認されると、補助金が指定口座に振り込まれます。振込までさらに1~2カ月かかる場合もあります。

審査完了まで時間がかかるため、余裕を持ったスケジュールが必要です。特に年度末近くの申請は、予算切れや期限切れのリスクがあります。

年度初めの申請が安全ですね。

参考リンク:申請の流れと必要書類の詳細について解説しています

解体工事で補助金や助成金をもらう条件・申請方法を紹介

解体工事助成金でよくある失敗事例

助成金申請で最も多い失敗は、工事を始めてから申請することです。事後申請は補助対象外となり、100万円規模の損失につながります。実際に「補助金が出ると知らずに先に解体してしまった」という相談が後を絶ちません。

書類不備による却下も頻発しています。見積書の書式が自治体要件に合っていないケースでは、書類差し戻しとなり再提出に時間がかかります。その間に受付期間が終了してしまうリスクもあります。

具体的な失敗パターンを表にまとめました。

失敗例 結果・損失
解体工事を始めてから申請した 補助金が一切支給されない(損失50~100万円)
見積書の書式が要件に合わない 書類差し戻し→受付終了リスク
交付決定前に着工した 補助対象外となり全額自己負担
年度内に工事完了できなかった 補助金の返還または不支給
部分解体で申請した 全部解体が条件のため却下
自治体外の業者に発注した 地元業者限定の場合は対象外

「補助金が出るから」という理由で高額な見積もりを出す悪質業者も存在します。補助金が出ることを前提に、相場より2~3割高い金額を提示するケースです。結果的に補助金を考慮しても、他社より高くつく場合があります。

助かりません。

対策としては、複数社から相見積もりを取ることが基本です。3社以上から見積もりを取れば、相場感が掴めます。また、補助金申請の経験がある業者を選ぶと、書類作成もスムーズです。

参考)解体工事で補助金50万円は利用できる?4つの受給条件を解説

不動産従事者としては、顧客に「必ず工事前に申請する」ことを強調して伝えましょう。売却スケジュールを組む際も、申請・審査期間を考慮した余裕のある計画が必要です。

参考リンク:補助金申請の失敗例と対策について詳しく解説しています

【空き家解体の落とし穴】補助金を使ったのに損した!? よくある失敗例と対策

解体工事助成金が使えない場合の費用削減方法

助成金の対象外となった場合でも、解体費用を抑える方法はあります。不動産従事者として顧客に提案できる実践的な手法を紹介します。

複数社から見積もりを取る

解体費用は業者によって30%以上の差が出ることもあります。最低3社、できれば5社から見積もりを取れば、相場より安い業者を見つけられます。見積もり比較サイトを活用すると効率的ですね。

家財道具や植物を事前処分する

建物内の残置物や庭木の撤去は、解体業者に依頼すると割高になります。施主側で事前に処分すれば、10万円~30万円程度のコスト削減が可能です。粗大ゴミ回収や植木業者を使った方が安上がりです。

繁忙期を避ける

解体業界の繁忙期は年度末(1~3月)です。

この時期は人手不足で費用が高騰します。

4月~12月の閑散期に依頼すれば、同じ工事内容でも10~15%安くなるケースがあります。

建物滅失登記を自分で行う

解体後の建物滅失登記を業者に依頼すると3~5万円かかりますが、自分で申請すれば無料です。法務局に行き、取り壊し証明書とマニフェストを提出するだけで完了します。登記事項証明書の取得費(480~600円)と郵送費のみで済みます。

参考)解体工事に必要な届け出一覧|自分で申請すれば節約できるポイン…

解体費用の相場は、木造住宅で坪あたり3~5万円、鉄骨造で4~6万円程度です。30坪の木造住宅なら90万円~150万円が目安となります。この相場を基準に、見積もりが適正かを判断しましょう。

不動産業者として売却をサポートする場合、解体せずに現況のまま売却する選択肢も検討すべきです。立地が良ければ、古家付き土地として買い手が見つかる可能性があります。解体費用を買主負担とする条件で、価格交渉することもできますね。

助成金が使えない状況でも、複数の手段を組み合わせることで、総額を30万円~50万円程度削減できます。顧客の資金状況に応じて、最適な方法を提案しましょう。