空家定義の基準と法律上の判断
半年に1回清掃していても空き家になる可能性があります。
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空家定義における1年以上未使用の基準
空家等対策特別措置法では、空き家を「建築物またはこれに付属する工作物であって居住その他の使用がなされていないことが常態であるもの及びその敷地」と定義しています。具体的には、1年以上誰も住んでおらず、使用されていない状態の建物が空き家となります。
参考)「空家特措法」とは?政府が空き家問題に打ち出した対策について
判断基準は複数あります。電気、ガス、水道などのライフラインを使用した形跡が1年以上ない場合が該当します。ただし、5年間誰も住んでいない状態であっても、電気、ガス、水道を使用しており、定期的に清掃等管理されている場合は、空き家には該当しません。
参考)空き家の定義が3分でわかる!国土交通省の判断基準を簡単解説!…
物件の管理状況や所有者の利用実績も確認されます。建物の用途、登記記録や住民票、所有者からの主張なども判断材料となります。これらの基準でチェックしたうえで、1年以上使用されていなければ「空き家」と判断されるということですね。
参考)空き家の定義とは?判断基準や特別措置、活用方法などをわかりや…
築年数や外観は関係ありません。逆に、外観や内装はきれいでも、何らかの理由により1年以上人が住んでいない場合、その家は空き家とみなされます。
つまり見た目の良さと空き家認定は別問題です。
空家定義の判断が分かれる管理実態の違い
管理の内容によって空き家の判断が変わります。人が住まなくなって10年以上経過しても、半年に1回程度維持管理のために水や電気を使用して清掃作業をすれば、人の出入り等があるので空き家ではありません。一方で、半年に1回程度維持管理は行っているものの、通風作業やポストの清掃など簡易的な作業であれば、空き家に該当する可能性があります。
この違いは不動産従事者にとって重要です。オーナーに「定期的に見に行っている」と言われても、実際の作業内容を確認する必要があります。水道を流す、電気を使う、といった具体的なライフラインの使用が記録として残るかどうかが鍵となります。
登記記録や住民票も確認対象です。所有者が別の住所に住民票を移している場合、たとえ月に1度訪問していても、空き家と判断されるリスクがあります。
所有者の主張だけでは不十分ということです。
マンションやアパートの場合は異なります。マンションやアパートなど共同住宅の場合、すべての住宅が空かない限り、空き家とは定義されません。一室が空室でも建物全体としては空き家になりません。
空家定義から除外される物件の条件
一定の条件を満たすと空き家から除外されます。住宅土地統計調査の空き家では、到底人が住めない家は空き家から除外されます。具体的には、家屋の壁が倒壊している、窓ガラスなどが割れているなどの状態です。
これは統計上の扱いです。法律上の「空き家」とは別の概念なので注意が必要です。統計では住宅として機能しない建物を除外しますが、空家特措法では倒壊寸前の建物こそ「特定空家」として厳しく規制されます。
両者の定義は一致しません。
国や自治体が所有する建物も除外です。空家等の定義では「国又は地方公共団体が所有または管理するものを除く」とされています。
民間所有の建物だけが対象ということですね。
参考)https://www.e-tatemono.co.jp/post_dtl.php?ini=95
火災保険でも独自の定義があります。火災保険の対象となる空き家の定義は、1年以上誰も住んでいない家屋もしくは使われていない家屋です。人の出入りがないことや電気ガスなどの使用状況、物件の管理状況、所有者の利用実態などが判断材料となります。保険会社によって基準が異なるため、加入している火災保険が空き家を対象としているか確認が必須です。
空き家の法律・統計上の基準についての詳細解説(タウンライフ空き家解決お役立ち情報)
空家定義における特定空家と管理不全空家の違い
特定空家は特に危険な空き家です。倒壊などの危険性が著しく、保安上危険となる恐れのある状態、著しく衛生上有害となる恐れのある状態などが該当します。放置すると近隣に危険を及ぼす可能性が高いと自治体から判断された空き家ということです。
参考)意外と知らない空き家の定義。どういう物件が空き家になるのか。…
2023年の法改正で管理不全空家という新しい概念が加わりました。改正後は、そのまま放置すれば特定空き家になる恐れがある空き家は「管理不全空家」と認定され、指導や勧告の対象となります。つまり特定空家になる前の段階で行政が介入できるようになりました。
参考)ミライアス株式会社(MIRAIAS Co.,Ltd.)
両者の違いは介入のタイミングです。管理不全空家は予防的措置、特定空家は緊急的措置という位置づけになります。不動産従事者としては、管理不全空家の段階で所有者に対策を促すことが重要です。特定空家になる前に手を打てば、固定資産税の増額を回避できます。
自治体は電力会社などに空き家の所有者情報の提供を求めることができます。また、所有者の代わりに建物管理を行う「管理不全建物管理人」の選任を裁判所に請求することが可能となりました。
行政の権限が強化されたということですね。
参考)不動産会社が知っておくべき「空家対策特別措置法の改正ポイント…
空家定義を踏まえた不動産業者の実務対応
不動産業者には相談対応が増えています。法改正を受け、空き家の対処に困った不動産オーナーから、空き家の活用や相続などに関しての相談が今後増える可能性があります。所有者に適切なアドバイスをするには、空き家の定義を正確に理解しておく必要があります。
所有者の責務が強化されました。改正法では、空き家の所有者に課せられる責務が強化され、国や自治体の施策への協力する努力義務が追加されています。オーナーに「放置していいのか」と聞かれたら、明確に「ダメです」と答えられる根拠があります。
管理責任は非常に重いです。空き家が倒壊して他人に損害を生じた場合、その責任は基本的に空き家の所有者が負います。これは民法第717条に規定されている「土地工作物責任」に基づきます。所有者は自分に過失がなくても損害賠償責任を免れません。「知らなかった」「放置していた」などという理由は通用しないということです。
参考)空き家のリスクを回避! 所有者の責任と対策 &#8211; …
活用事例を知っておくと提案の幅が広がります。築80年の古民家をリノベーションし、一棟貸しの民泊として再生した事例では、地元の職人が手掛けた家具や木材を活かし伝統とモダンが融合した空間を演出させました。また、古い商店をリノベーションし、昼はカフェ、夜はワークショップや読書会などのイベントが開かれる「コミュニティカフェ」として運営している事例もあります。空き家を賃貸住宅、民泊、店舗、駐車場、シェアハウスなどに転用する方法を複数提示できれば、オーナーの選択肢が増えます。
参考)https://ianswer.co.jp/found/vacant-house/ideas-for-utilizing-vacant-houses/
特定空家に指定されると固定資産税が大幅に上がります。住宅用地の特例措置が適用されない場合、土地の固定資産税が最大6倍になります。具体的には、建物500万円・土地2000万円の場合、通常11.7万円の固定資産税が、勧告を受けると35万円になり、年間23.3万円高額になります。この数字をオーナーに示せば、対策の緊急性が伝わりやすいです。
不動産会社が知っておくべき空家対策特別措置法の改正ポイント(不動産業務サポート)
不動産業における空き家対策の推進に向けた取組(国土交通省資料)

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