建築基準法違反事例と実務リスク
検査済証があっても後から改修すれば違反建築になります。
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建築基準法違反のカーポート増築事例
カーポートは建築基準法で最も違反が多い事例の一つです。防火地域・準防火地域以外で10㎡以内の増築なら確認申請が不要と思われがちですが、これは大きな誤解です。
参考)違反建築物とは?意外と身近なところにある事例やリスク、防止に…
カーポート設置による違反は主に3つのパターンに分類されます。建ぺい率オーバー、確認申請の未提出、防火規定違反です。
参考)【知らないと危険!?】後付けカーポートが「違法」になる意外な…
建ぺい率違反の深刻さ
建ぺい率60%の土地で100㎡の敷地なら、建物面積は最大60㎡までです。カーポートを後付けしてこの上限を超えると、既存住宅を含む敷地全体が違反建築物になります。
つまり母屋も違法です。
参考)あなたのカーポート、知らないうちに違法建築に?建築基準法改正…
2025年4月の建築基準法改正で、カーポートの審査基準が厳格化されました。これまで特例対象だった小規模建築物が「新2号建築物」に分類され、母屋と同じルールが適用されます。「庭にスペースがあるから大丈夫」という自己判断は危険です。
参考)カーポートが違法になる?2025年の法改正と建築確認の最新ル…
既存カーポートへの影響
昔から設置しているカーポートでも注意が必要です。建築確認を行わずに設置した場合、既存不適格ではなく違法建築とみなされます。建設当時は適法だった既存不適格建築物なら、使い続ける限り原則として撤去対象にはなりません。しかし当初から違法なら、将来的に是正指導や撤去命令を受ける可能性があります。
施主も責任を持つ時代です。
建築基準法違反の用途変更と検査済証の問題
用途変更は確認申請が必要なケースが多いですが、見落とされがちな違反です。不特定多数が頻繁に訪れる用途に変更する場合、用途変更届の提出が義務付けられています。
参考)気付かずやってる建築基準法の違法行為 ~知らないうちにあなた…
用途変更届には元の建物の検査済証を添付する必要があります。検査済証とは、建築工事完了後に敷地・構造・建築設備がすべて適法だった場合に交付される証明書です。
参考)https://and-td.com/tale/1456
検査済証がない物件のリスク
検査済証がない建物は、当初適法であったことが判断できません。これは違反建築物である可能性があるということです。
参考)https://and-td.com/tale/1526
検査済証があれば、少なくとも当時の法律では適法に建てられた証明になります。竣工後に違反な改修工事を行っていなければ、既存不適格の証明にもなります。
検査済証がないと当初適法とはいえません。
用途変更での違反例
用途地域に適していない用途への変更、消防設備の未変更、避難経路の建築基準法違反などが代表的です。窓に防犯フィルムを貼って「消防進入口」を減らすことも違法になります。
意外な盲点です。
用途変更時には防火区画や排煙設備の位置を正確に示し、消防法上の要件を満たしているかチェックしましょう。図面作成は専門知識を要するため、建築士事務所への依頼が一般的です。
参考)用途変更の確認申請は必要?適用条件や手続きのポイントも解説|…
建築基準法違反による罰則と行政処分
建築基準法違反には段階的な制裁措置が用意されています。
行政指導、行政処分、罰則の3段階です。
罰則の内容
工事停止命令に従わず工事を続けた場合、3年以下の懲役または300万円以下の罰金が科せられます。
法人の場合は罰金1億円以下です。
これは最も重い責任大カテゴリに分類されます。
行政指導を無視すると、工事停止・建物の使用禁止・使用制限・除却・移転命令など強制力のある行政処分を受けます。これにも従わない場合、罰則を科されるおそれがあります。
痛い出費です。
公表措置のリスク
行政処分に従わない場合、建物に標識が設置されたり、公告により氏名が公表されたりします。これは不動産従事者にとって信用問題に直結するリスクです。
違反の種類により罰則は異なりますが、中カテゴリでは懲役1年以下または罰金100万円以下です。
法人も同様の罰則を受けます。
行政処分の命令には、建築物の除却・移転・改築・増築・修繕・模様替・使用禁止・使用制限が含まれます。
厳しいですね。
命令違反への罰則は懲役3年以下または罰金300万円以下です。
適切な対応が大切です。
建築基準法違反の接道義務と再建築不可物件
接道義務は建築基準法第43条で定められており、幅員4m以上の道路に土地の間口が2m以上接していなければなりません。この基準を満たさない土地は再建築不可物件とみなされ、建て替えや増築、改築ができません。
参考)接道2m未満の土地でも建て替えできる!接道義務を満たす方法や…
災害時の避難や消防活動に支障をきたすため、新築が認められないのです。
つまり担保価値がほぼゼロです。
参考)再建築不可物件とは? 法改正で変わるリフォームの新ルールを解…
接道義務違反の実例
松本市の公設地方卸売市場では、35年前の開場時に行われた工事で確認申請が未提出でした。採光面積や排煙設備の不足などの建築基準法違反が疑われる不備が明らかになりました。中2階部分が問題となり、一部施設の閉鎖方針が示されました。
参考)「これだけのものを移動するのはきつい…」建築基準法違反疑いの…
事業者は「これだけのものを移動するのはきつい」と語っています。
管理する市の説明不足も問題視されました。
例外的に再建築可能なケース
道路に接していなくても例外的に接道義務を満たしていると認められる場合があります。建築基準法第42条2項で定められている規定です。
参考)事故物件・訳あり物件の高価買取!【東京,神奈川|訳あり物件買…
ただし接道義務違反の物件を取り扱う際は、再建築の可能性を慎重に確認する必要があります。都市計画区域内の建築物の敷地は道路に2m以上接することが原則です。
この原則が基本です。
建築基準法違反を防ぐための実務チェックポイント
不動産取引の現場で違反を見逃さないためには、体系的なチェックが不可欠です。検査済証の有無確認、増築履歴の調査、用途地域との適合性確認が三大要素といえます。
増築時の注意点
10㎡以上の面積を必要とする増築では必ず確認申請が必要ですが、申請していないケースが散見されます。増築により建ぺい率や容積率の制限がオーバーしても増築してしまった事例があります。
第一種・第二種低層住居専用地域に車庫(付属建築物でないもの)を建てるのは違反です。延焼ライン内に増築した場合、増築建物の防火性能が足りないケースもあります。
建ぺい率違反は見逃せません。
リフォームでの違反パターン
「ベランダに壁と屋根をつくった」「窓の外にサンルームをつくった」「屋根裏に部屋をつくった」などで本来は確認申請が必要だった事例は非常に多いです。
これらは増築に該当します。
物置やカーポートの設置も増築に当たる場合があり、確認申請が必要です。市街化調整区域内の建築では都市計画法違反となる例もあります。
既存不適格と違反建築の区別
当初は建ぺい率の制限が50%の地域で、建ぺい率45%で設計して建てた場合を考えます。この時点で建ぺい率は適法なので検査も合格し、検査済証が発行されます。
その後、法改正や都市計画の変更で建ぺい率が40%に変更されたとします。するとこの建物は建ぺい率45%で違法状態になりますが、これは既存不適格建築物です。
建築当時は適法であることが前提です。
なら問題ありません。
一方、最初から確認申請を出さずに建てた建物や、竣工後に違法な改修を行った建物は、違反建築物です。
この区別が重要です。
建築基準法違反となる違反建築物の詳細と行政処分の実務について解説した参考資料
違反建築物の身近な事例とリスクを網羅的に説明した実務向けガイド
2026年最新の建築基準法における確認申請が不要になる6つの建築物の条件

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