古い家の解体補助金|制度や条件を知って得する活用法

古い家の解体補助金

交付決定前に契約すると補助金は一円も受け取れません。


この記事の3つのポイント
💰

補助金の種類と金額

老朽危険家屋解体撤去補助金は解体費用の1/5~1/2を補助、上限100万円が一般的

📋

申請のタイミング

交付決定通知を受け取る前に契約・着工すると補助対象外となる

📊

解体後の税負担

住宅用地の特例が外れると固定資産税は最大6倍に上昇する


<% index %>

古い家の解体に使える補助金の種類

 

古い家の解体には複数の補助金制度があり、それぞれ目的と条件が異なります。最も一般的なのが老朽危険家屋解体撤去補助金で、倒壊の危険性が高い建物を対象に解体費用の1/5~1/2程度を助成します。上限は100万円を目安としている自治体が多く、たとえば解体費用が200万円かかる場合、最大で50万円から100万円の補助を受けられる計算です。

補助額は基本的に完了後に支給されます。

参考)古い家の解体に使える補助金の種類や条件を解説|空き家活用.n…

都市景観形成地域老朽空き家解体事業補助金は、景観保護が目的の制度です。歴史的な街並みを維持するエリアで老朽化した空き家を解体する際に利用でき、地域の美観保持に貢献する解体案件に適用されます。

つまり景観重視のエリア限定です。

建て替え建設費補助金は、解体だけでなく新築も含めた支援制度です。古い家を除却し一定基準を満たす新しい住宅を建築する場合、解体費用と建築費用の両方に補助が出ます。建て替えを前提としたクライアントへの提案に有効です。

不動産業務では、クライアントの目的(解体のみ・建て替え・景観配慮)によって最適な補助金が変わります。各自治体で制度名や条件が異なるため、物件所在地の役所に必ず確認してください。

古い家の解体に使える補助金の種類や条件を解説 | 空家活用株式会社

古い家の解体補助金を受けるための条件

補助金を受けるには、物件と申請者の両方が条件を満たす必要があります。物件条件として、まず個人所有であることが必須です。法人所有や事業用物件は対象外となるケースが多いため、登記簿で所有形態を事前に確認しておくと安全です。

空き家である期間も重要な判断基準です。多くの自治体では1年以上使用されていない建物を対象としています。

居住中の家屋は補助対象外が原則です。

また、建物の老朽化や破損の程度が一定基準を超えていることも条件の一つです。特に「特定空き家」に認定された場合、補助を受けられる可能性が高まります。

申請者側の条件として、税金の滞納がないことが求められます。市町村税や固定資産税に未納があると審査で不利になるため、クライアントには納税状況の確認を促してください。所得制限を設けている自治体も珍しくありません。前年の所得が1,000万円以下であることを基準としている自治体が多く、1,000万円を超える場合は補助金が支給されない可能性があります。所得が多ければ自力で費用を捻出できると判断されるためです。

権利関係も重要なチェックポイントです。抵当権が設定されている物件は補助対象外とする自治体が存在します。ただし抵当権者から解体の同意を得られれば申請可能な場合もあるため、ケースごとに確認が必要です。

条件カテゴリ 主な要件 注意点
物件条件 個人所有、空き家(1年以上)、老朽化基準超過 法人所有・居住中は対象外
申請者条件 税金滞納なし、所得1,000万円以下 高所得者は対象外の可能性
権利関係 抵当権なし、または抵当権者の同意​ 権利者全員の同意が必要な場合も
工事条件 市区町村内の業者に発注、着工前申請​ 交付決定前の着工は対象外​

古い家の解体補助金申請のタイミングと手順

補助金申請で最も重要なのが、交付決定前に契約・着工しないことです。交付決定通知が届く前に解体業者と契約したり工事を始めたりすると、どれほど条件を満たしていても補助対象外となります。「見積もりも取れたし、日程も合うから早めに解体しよう」と判断した時点で、補助は受けられなくなる仕組みです。

つまり順序厳守が絶対です。

申請の基本的な流れは次の通りです。まず自治体の担当窓口で事前相談を行い、物件が補助対象となるか確認します。次に必要書類(登記簿謄本、建物写真、見積書など)を準備して申請書を提出します。見積書を先に取得しても問題ありませんが、契約は交付決定後まで待つ必要があります。

申請後、自治体は現地調査や書類審査を実施します。審査には数週間から1か月ほどかかるのが一般的です。審査を通過すると「交付決定通知書」が届き、この通知受領後に初めて業者と契約・着工が可能となります。工事完了後は30日以内に完了報告書と領収書などの証明書類を提出し、最終的に補助金が支給される流れです。

参考)https://www.city.asakura.lg.jp/www/contents/1522298697526/files/20140401s.pdf

不動産従事者としては、クライアントに対して「申請→交付決定→契約→着工→完了報告→支給」という流れを明確に伝え、特に交付決定前の契約禁止を強調してください。スケジュール設定時には審査期間を十分に見込むことが重要です。

空き家解体で使える補助金にはどんなものがある?申請方法や注意点を解説 | わけがい

古い家の解体後の固定資産税への影響

建物を解体して更地にすると、固定資産税が最大6倍に跳ね上がります。住宅が建っている土地には「住宅用地の特例」という減税制度が適用されており、固定資産税が1/6(200㎡以下の小規模宅地の場合)に軽減されています。しかし解体によって建物がなくなると、この特例が外れて本来の税額に戻るため、結果的に税金が大幅に増加する仕組みです。

参考)https://ieul.jp/column/articles/83485/

具体的な軽減率は土地の面積によって異なります。200㎡以下の小規模宅地は固定資産税が1/6、都市計画税が1/3に軽減されます。一方、200㎡を超える部分は固定資産税が1/3、都市計画税が2/3の軽減です。たとえば評価額が1,200万円の土地(200㎡以下)の場合、建物ありなら固定資産税は年間約2.8万円ですが、更地にすると約16.8万円に増加します(税率1.4%で計算)。

年間約14万円の負担増です。

この税負担増を回避する方法として、解体後すぐに新築する計画を立てるか、自治体によっては解体後の固定資産税減免措置を設けている場合があります。クライアントに解体を提案する際は、補助金による費用削減だけでなく、解体後の税負担増も含めたトータルコストを試算して説明することが重要です。解体から新築までの期間をできるだけ短くする工程管理も税負担軽減につながります。

参考)空き家を解体しても固定資産税が減免される?条例を定めた市町村…

古い家の解体補助金で知っておくべき独自の注意点

補助金申請には見落としがちな細かい条件が多数存在します。まず、市区町村内の業者に工事を発注することを条件とする自治体があります。地域経済活性化が目的のため、他地域の業者では補助対象外となる可能性があります。事前に対応可能な地元業者をリストアップしておくと提案がスムーズです。

参考)帯広市特定空家解体補助金| 帯広市ホームページ 十勝

過去に同じ補助金を受け取っていないことも条件の一つです。同一物件または同一所有者で複数回の申請はできないケースが多いため、相続物件などでは前所有者の受給履歴も確認が必要です。暴力団との繋がりがないことも審査項目に含まれており、申請者だけでなく施工業者も対象となる場合があります。

参考)大分県大分市の解体に関する補助金・助成金 – 解体費用相場と…

建物の全部分を解体することを求める自治体も存在します。部分解体では補助が出ないため、残置物や基礎部分の処理方針も含めて業者と打ち合わせてください。また、公共事業の移転補償を受けている物件は補助対象外です。

二重の公的支援を避けるための措置です。

補助金は後払いが原則なので、クライアントには一時的な資金負担が発生することを説明してください。工事完了後に領収書などを提出してから支給されるため、手元資金が不足する場合は融資などの資金調達手段も検討する必要があります。

資金繰りも視野に入れた提案が求められます。

不動産従事者として、これらの条件を事前にクライアントと共有し、申請段階でのトラブルを防ぐことが重要です。自治体ごとに細かいルールが異なるため、必ず管轄の窓口で最新情報を確認してから手続きを進めてください。補助金制度は予算の範囲内での支給となるため、年度途中で受付終了となる可能性もあります。

早めの相談と申請が成功の鍵です。

参考)今治市老朽危険空家除却事業



怨霊の棲む家(字幕版)