古民家カフェリノベーション費用の相場と内訳・補助金活用ポイント

古民家カフェリノベーション費用の相場と内訳

見積もり600万円のつもりが、実は800万円超えが普通です。

この記事の3ポイント
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リノベーション費用の実態

古民家カフェの改装費用は800万~1500万円が相場レンジで、築年数や構造補強の必要性により大きく変動します

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見えない追加費用

シロアリ駆除、耐震補強、用途変更申請など、当初予算に含まれない工事で300万円以上追加になるケースが多発しています

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補助金で費用削減

自治体の空き家活用補助金と国の小規模事業者持続化補助金を組み合わせることで、総費用の30~50%を削減できる可能性があります


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古民家カフェリノベーション費用の相場レンジ

古民家をカフェに改装する際の費用相場は、概ね800万円から1,500万円程度が一般的なレンジとなっています。ただし、これはあくまで標準的な規模(12~24席程度)での目安であり、物件の状態や改装範囲によって大きく変動します。

参考)古民家カフェを開業するには?リノベーションの手順や店舗物件の…

築年数が古いほど、構造の補強や電気供給力を高める工事、給排水管の全交換など、見えない部分の工事にコストがかさむ傾向があるため注意が必要です。つまり築50年以上の物件では上限の1,500万円を超えることも珍しくありません。

参考)古民家カフェを開業する際のリノベーション費用の相場は?成功事…

スモールスタート(6~12席・既存活用中心)であれば350万~900万円で済むケースもありますが、フルリノベーション(24~40席・耐震/断熱/防火・設備一新)となると1,800万~3,800万円に達することもあります。物件選定の段階で、どの程度の改修が必要かを見極めることが費用管理の第一歩です。

参考)【ひたちなか市 古民家カフェリフォーム】費用と店舗改修事例

予算オーバーを防ぐには、現地調査でリスクを詳細に洗い出すことが大切です。専門家による建物診断を事前に実施し、隠れた劣化箇所を把握しておくことで、想定外の追加費用を最小限に抑えられます。

古民家カフェリノベーションの費用内訳

リノベーション費用の内訳を理解することで、どこにコストがかかるのか、どの部分を調整できるのかが明確になります。

主な工事項目と費用目安は以下の通りです。

構造・基礎関連の工事

これらは建物の安全性と長寿命化に直結する費用です。

内装・設備関連の工事

  • 内装・建具工事費:250万円~600万円(天井・壁・床の仕上げ、建具の造作・調整など)​
  • インフラ・設備工事費:150万円~400万円(電気・ガス・水道の引き込み・配管工事)​
  • 厨房設備費:150万円~400万円(業務用キッチン、製氷機、冷蔵庫、換気扇、グリストラップ設置など)​

厨房設備はカフェ運営の心臓部です。機器のグレードにより変動しますが、業務用としての耐久性を考えると、ここでのコスト削減は慎重に検討すべきでしょう。

その他の費用

  • 雑工事・備品費:50万円~250万円(机、椅子、食器、装飾品、レジシステム、看板など)​
  • 設計・諸経費:80万円~250万円(設計・監理費用、各種申請費用、検査費用、予備費など、総額の10~20%が目安)​

古民家の場合、「見えない部分」のコストがかさみがちな点に注意が必要です。

古民家リノベーションで発生する追加費用の実態

当初の見積もりに含まれていなかった追加費用が発生することは、古民家リノベーションでは珍しくありません。特に不動産従事者として物件を紹介する立場であれば、クライアントにこれらのリスクを事前に伝えることが信頼構築につながります。

シロアリ被害と駆除費用

長期間放置されていた古民家では、シロアリ被害が進行していることが多く、害虫駆除や被害箇所の修復に追加費用が発生します。シロアリ駆除と予防処置だけで数十万円から100万円以上かかるケースもあり、被害が構造材に及んでいれば補修費用はさらに膨らみます。

参考)築100年のオルタナティブ古民家『飯島商店』をシロアリから救…

温泉地や山林に近い立地では特に注意が必要です。専門家による診断を早期に実施し、被害範囲を正確に把握することが対策の第一歩です。

参考)「山鹿市 シロアリ駆除・予防」5冠★4.9 地元業者で安心を…

用途変更と法令対応費用

古民家(住宅)をカフェ(店舗)に変更する場合、規模等によりますが、確認申請で用途変更が必要な場合があります。用途変更申請が必要な場合はそもそも法令に合っているか、消防設備を付けなければ建物として既存不適格になるため、建築士等にチェックしてもらうことが重要です。

参考)古民家をリノベーションし、カフェ開業をしたいと考えているので…

保健所の営業許可(飲食店営業)、消防法令適合(火気設備・避難・消火器・自火報該当確認)、建築基準(面積/客席数で判断)など、複数の申請と検査が必要になります。これらの申請費用と、基準を満たすための改修費用(防火壁の設置、避難経路の確保など)を合わせると、数十万円から100万円以上の追加出費となることがあります。

インフラ未整備による追加工事

エスプレッソマシンや業務用冷蔵庫など、カフェの厨房機器は多くの電力を必要としますが、古い家屋では電気の契約容量が小さく、そのままでは使えないことがあります。幹線道路から離れた場所では、水道管が古く引き直しが必要になったり、都市ガスが通っておらずプロパンガスを利用せざるを得なかったりする問題も発生します。

参考)古民家カフェ開業の失敗例から学ぶには?儲かるお店にするための…

電気容量のアップグレードや給排水管の引き直しには、50万円から150万円程度の追加費用がかかることもあります。物件調査の段階で、インフラの現状を詳細に確認しておくことが不可欠です。

これらの追加費用を合計すると、当初予算に対して20~30%程度の上乗せは想定しておくべきでしょう。予備費として総額の15~20%を確保しておくことが現実的な資金計画につながります。

古民家カフェで活用できる補助金制度

リノベーション費用の負担を軽減するため、補助金制度の活用は必須の検討事項です。2026年現在、古民家カフェ開業で検討すべき補助金は大きく3つの系統に分かれます。

参考)古民家カフェで使える補助金・助成金まとめ【2026年対応】 …

自治体の補助金:最優先で調べるべき制度

古民家カフェと最も相性が良いのが、都道府県や市町村が実施する自治体補助金です。目的は空き家対策、地域活性化、観光振興などで、古民家の改修費、水回り工事、耐震補強、用途変更といった「建物にかかる費用」が対象になるケースが多く見られます。

例えば兵庫県は県内にある古民家の再生促進支援事業を実施しており、築年数50年以上の住宅または歴史的建造物を対象に、改修工事費用の助成を行っています。自治体によって条件や補助率は異なりますが、改修費用の1/3~1/2程度を補助してくれる制度も存在します。

参考)古民家カフェ開業の流れは?費用や成功事例、注意点を解説|US…

まずは物件所在地の自治体に問い合わせ、空き家活用や古民家再生に関する補助金制度があるかを確認しましょう。

国の補助金:事業の立ち上げを支援

国の補助金は、古民家そのものよりも「事業としての中身」を重視します。代表的なのが小規模事業者持続化補助金で、厨房設備、メニュー開発、広告費、開業初期の投資などが対象になりやすい制度です。

一方で、建物全体の大規模改修や、雰囲気づくりを目的とした内装工事は対象外になることが多く、「何でも使える補助金」ではありません。古民家カフェの場合、国の補助金は事業立ち上げを支える補助輪のような位置づけで考えるのが現実的です。

中小企業省力化投資補助金の活用

中小企業省力化投資補助金は、省力化技術や自動化技術に対する投資が対象とされており、古民家カフェに使える機器も現時点で公開されています。清掃ロボット、配膳ロボット、券売機、スチームコンベクションなどの導入が補助金の対象となり、複数の省力化製品の購入が可能です。

参考)古民家カフェでの中小企業省力化投資補助金の活用方法を解説!

従業員数が6~20人以下の事業者の場合、補助率1/2で上限500万円(事業規模750万円以下)の支援が受けられます。労働力の削減だけではなく、効率化やコスト削減も期待できる有効な補助金です。

補助金活用の現実的な進め方

補助金をうまく活かすためには、順番が重要です。まずカフェの規模を決め、最低限必要な改修内容を洗い出します。次に、自己資金でどこまで耐えられるかを把握し、足りない部分を補助金で補う。この順番を守ることで、補助金は足かせではなく、安心材料になります。

多くのケースでは、これらのうち1つだけで完結することはなく、2つ以上を組み合わせて使う形になります。自治体の建物改修補助と国の事業支援補助を併用することで、総費用の30~50%を削減できる可能性もあります。


古民家カフェで使える補助金・助成金まとめ【2026年対応】

自治体別の補助金制度の詳細情報と申請のポイントが網羅されています。

古民家カフェリノベーション費用を抑える実践ポイント

予算を適切にコントロールしながら理想のカフェを実現するには、戦略的なコスト削減が不可欠です。ただし、安全性や法令遵守に関わる部分での過度な削減は、後々大きなトラブルを招くため避けるべきです。

DIYと業者依頼の使い分け

リノベーションの総費用は800万円~1,500万円程度が目安ですが、プロに任せる範囲と、DIYでまかなう範囲によって、最終的な費用は大きく変動します。構造補強、電気・ガス・水道工事、防火設備など、法令や安全性に関わる部分は必ず専門業者に依頼すべきです。

一方で、壁の塗装、家具の製作、装飾品の設置、看板のデザインなどは、DIYで対応することで大幅なコスト削減が可能です。例えば内装の一部をDIYで行うことで、100万円~200万円程度の節約につながったケースも報告されています。

参考)【空き家の古民家をカフェにセルフリノベーション@千葉】「動い…

自分のスキルと時間を現実的に評価し、無理のない範囲でDIYを取り入れることが成功の秘訣です。

既存設備の活用と優先順位付け

古民家の魅力である古い建具や梁、柱などはできるだけ活かすことで、新規購入費用を削減できます。床材の張り替えが50万円~150万円かかるところを、既存の床を補修・再塗装することで半額以下に抑えられる場合もあります。

参考)古民家カフェの内装設計で押さえるべきポイント|費用相場やデザ…

工事の優先順位を明確にすることも重要です。開業に最低限必要な工事(厨房設備、保健所許可に必要な改修、安全対策)を第一優先とし、デザイン性や快適性を高める工事は段階的に進める方法も検討しましょう。

相見積もりと業者選定

複数の業者から見積もりを取り、工事内容と費用を比較することで、適正価格を把握できます。ただし、最安値だけで選ぶのではなく、古民家リノベーションの実績、提案内容、アフターフォローの充実度も総合的に判断することが大切です。

地元の工務店は大手よりも柔軟な対応と適正価格を提示してくれることが多く、補助金申請のサポートも期待できます。不動産従事者としてのネットワークを活かし、信頼できる業者を紹介できる体制を整えておくと、クライアントの満足度向上につながります。

運転資金との配分バランス

初期投資のすべてをリノベーション費用に充ててしまうと、開業後の運転資金が不足し、事業継続が困難になります。理想的な配分は、初期投資6:運転資金4の割合です。例えば総額1,500万円の予算があれば、リノベーションに900万円、運転資金に600万円を確保する計算です。

運転資金には、開業後3~6ヶ月分の固定費(家賃、人件費、光熱費など)を含めておくことが安全です。売上が安定するまでの期間を乗り切るための余裕を持つことが、失敗を防ぐ重要なポイントとなります。

古民家カフェの開業は、適切な資金計画と戦略的なコスト管理によって、夢を現実に変えることができる魅力的なビジネスです。不動産従事者として、これらの実践的な知識をクライアントに提供することで、成功する古民家カフェの誕生をサポートしていきましょう。