戸籍謄本意味と不動産取引での必要書類・取得方法

戸籍謄本意味と不動産取引での活用

戸籍謄本で家族全員の証明をしないと不動産相続の登記は原則受理されません。

参考)戸籍全部事項証明書(戸籍謄本)にはどんなことが載っているので…

この記事のポイント
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戸籍謄本の意味

戸籍に記載されている全員分の情報を写した公的証明書で、相続登記や売買取引で必須

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取得費用と期限

1通450円で取得可能。金融機関では3~6ヶ月の有効期限が設定される場合あり

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抄本との使い分け

不動産の相続手続きでは戸籍抄本は使えず、必ず戸籍謄本(全部事項証明書)が必要


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戸籍謄本の意味と全部事項証明書の関係

 

戸籍謄本とは、市区町村が管理する戸籍の原本に記載された全員の情報を写した公的証明書です。正式名称は「戸籍全部事項証明書」といい、本籍地、筆頭者の氏名、戸籍に記載されている全員の氏名、生年月日、父母との続柄、出生事項、婚姻事項などの身分情報が記載されています。

参考)戸籍謄本の取得方法や抄本との違いを解説

つまり謄本は全部の写しということですね。

参考)謄本とは?抄本との違いや戸籍・会社・不動産の具体例を紹介!|…

不動産取引において戸籍謄本は、相続登記での相続人確定、売買時の本人確認、所有者の身分証明などに使われます。特に相続登記では被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本を集めることで、隠れた相続人がいないことを公的に証明する役割を果たします。

参考)相続登記に必要不可欠な戸籍謄本とは

現在のコンピュータ化された戸籍では「全部事項証明書」と呼ばれますが、内容は従来の戸籍謄本と同じです。コンピュータ化以前の紙の戸籍を写したものは「改製原戸籍」として、相続手続きで重要な書類となります。

参考)https://www.city.tsuyama.lg.jp/common/photo/free/files/2464/202203011123210162463.pdf

戸籍謄本と戸籍抄本の違いと不動産手続きでの使い分け

戸籍抄本は戸籍の一部だけを抜き出した証明書で、正式名称は「戸籍個人事項証明書」といいます。同じ戸籍に入っている家族のうち、請求した本人だけの情報が記載されている点が戸籍謄本との大きな違いです。

参考)謄本と抄本の違いとは?具体例を挙げて丁寧に解説

記載内容自体に違いはありません。

不動産の相続登記では、相続人全員の関係性を証明する必要があるため、戸籍抄本は使えません。必ず戸籍謄本(全部事項証明書)を準備する必要があります。一方、パスポート申請など個人の身分証明だけが必要な手続きでは戸籍抄本で対応できます。

参考)「謄本」「抄本」の違いについて(戸籍・登記)

実務では「謄本を取っておけば大丈夫」という発想がありますが、金融機関によっては戸籍謄本を受け取った後、不要部分を塗りつぶして稟議に添付するケースもあり、その後の登記手続きで問題になる可能性があります。提出先の要件を事前に確認することが重要です。

戸籍謄本の取得方法と不動産従事者が知るべき注意点

戸籍謄本の取得方法は4つあります。

  • 本人が役所の窓口で取得(本籍地以外でも広域交付が可能)
  • 代理人が本籍地の役所で取得(委任状が必要)
  • 郵送で取り寄せ(申請書、返信用封筒、手数料分の定額小為替を同封)
  • コンビニで発行(マイナンバーカードが必要)

取得費用は戸籍謄本が1通450円、除籍謄本と改製原戸籍が1通750円です。相続登記で必要な戸籍一式をそろえると、一般的に5,000円から10,000円程度かかります。

参考)相続登記にかかる3種類の費用と司法書士の報酬相場・手数料を解…

他人の戸籍は原則本人の委任状が必要ですが、配偶者、直系尊属・直系卑属の血族、国や地方公共団体への提出が必要な場合は委任状なしで取得できます。不動産の相続登記や遺産分割調停では、相続人であれば他の相続人の戸籍を委任状なしで取得可能です。ただし請求時には使途を述べる必要があります。

参考)自分以外の他人の戸籍をとることが出来る場合

司法書士などの士業は、業務に関するものに限って職権で戸籍を取得できます。戸籍収集の代行報酬は、5通まで20,000円から22,000円が相場で、1通増えるごとに2,000円から2,200円が加算されます。

参考)料金案内

戸籍謄本の有効期限と不動産取引での実務対応

戸籍謄本自体に有効期限はありませんが、提出先によって取得時期が指定される場合があります。不動産の相続登記では戸籍謄本に有効期限はありませんが、金融機関での預貯金相続手続きでは取得から3ヶ月以内または6ヶ月以内のものを求められるのが一般的です。

参考)相続手続き上での印鑑証明書と戸籍謄本の有効期限/3ヶ月?6ヶ…

金融機関ごとに対応が異なるということです。

印鑑証明書のみに有効期限を設定し、戸籍謄本には期限を設けていない金融機関もあれば、両方に6ヶ月以内という条件を課す金融機関もあります。以前は3ヶ月を要件とする金融機関が多かったものの、現在は6ヶ月に緩和している傾向があります。

6ヶ月が経過した戸籍謄本でも、法務局での相続登記や相続税の申告では問題なく使えます。ただし実務上、現在の戸籍謄本については発行後3ヶ月以内のものの提出を求められる場合もあるため注意が必要です。

参考)相続手続きで使用する戸籍謄本に有効期限はあるのか?

複数の金融機関で相続手続きをする場合、期限切れによる再取得を防ぐため、各機関の有効期限を事前に確認し、計画的に手続きを進めることが時間とコストの節約につながります。原本還付という方法を使えば、コピーと原本を提出して後日原本を返却してもらい、複数の手続きで使い回すことも可能です。

参考)相続に必要な戸籍謄本の種類、謄本と抄本の違い、取り寄せ方やコ…

戸籍謄本の記載内容と不動産登記での確認ポイント

戸籍謄本には本籍と筆頭者の氏名が必ず記載されており、これらは戸籍を特定する役割を持っています。筆頭者とは戸籍の最初に記載されている人で、夫の氏で婚姻している場合は夫が、親子の戸籍では親が筆頭者となります。これは家族制度時代の戸主制度の名残といわれています。

参考)戸籍謄本とは/制度・謄本と抄本の違い・相続関係を証明・記載事…

筆頭者は索引名のような扱いです。

戸籍謄本を請求する際には、本籍と筆頭者の氏名が必ず必要になります。不動産の相続登記では、被相続人の最後の戸籍だけでなく、出生時に最初に登録された戸籍、法律改正で閉じられた改製原戸籍、全員除籍で閉じられた除籍謄本など、出生から死亡までの連続した戸籍をすべて集める必要があります。

戸籍の記載内容に誤りがある場合、放置せず訂正する必要があります。誤りの内容によって、市区町村役場または家庭裁判所で手続きを行います。不動産取引では、登記簿上の住所と戸籍の本籍が異なるため、戸籍の附票や住民票除票を併せて取得し、本籍と住所のつながりを証明する必要があるケースが多くあります。

参考)相続手続きで必ずかかる費用|相続は中野相続手続センター(東京…

法務局:令和6年4月1日以降の所有権登記申請について

相続登記の義務化に関する最新情報と申請方法の詳細が確認できます。

相続登記における戸籍謄本の実務と登記事項証明書との関係

2024年4月1日から相続登記が義務化され、相続や遺贈で不動産を取得した場合は、相続の発生と所有権取得を知った日から3年以内に登記申請が必要となりました。2024年3月31日以前の相続については2027年4月1日までに申請する必要があります。

期限があるということですね。

相続登記の申請には、被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本一式、相続人全員の現在の戸籍謄本、被相続人の住民票除票、相続人の住民票が基本的に必要です。さらに遺産分割協議を行った場合は遺産分割協議書と相続人全員の印鑑証明書、法定相続分で登記する場合でも相続関係を証明する戸籍が必要です。

参考)不動産の相続登記(名義変更)の必要書類は?書類をそろえる際の…

登記簿謄本(正式には登記事項証明書)は相続登記の添付書類ではありませんが、不動産の現況確認のため準備段階で必ず取得します。取得費用は1通600円で、土地と建物は別々に発行されるため、自宅の土地建物なら1,200円かかります。

参考)相続登記にかかる費用相場がすぐに分かる!司法書士が徹底解説|…

登記事項証明書には表題部(所在地、地番、地積、構造、床面積など)と権利部(所有権、抵当権などの権利関係)が記載されており、不動産の法的状態を公的に証明する唯一の書類です。相続登記の申請書や添付書類には、登記事項証明書のとおりの正確な記載が求められます。

参考)全部事項証明書とは?登記事項証明書との違いや見方などわかりや…

相続手続き上での印鑑証明書と戸籍謄本の有効期限

各手続きにおける戸籍謄本の有効期限の違いについて詳しく解説されています。


改訂版 わかりやすい戸籍の見方・読み方・とり方