実家空き家火災保険加入と解約の注意点
空き家になった途端、今までの火災保険では補償されません。
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実家空き家が住宅物件扱いにならない理由
相続した実家が空き家になると、火災保険の扱いが大きく変わります。
最も重要なのは「住宅物件」から「一般物件」への区分変更です。保険会社は人が住んでいない建物を火災リスクが高いと判断するため、通常の住宅向け火災保険では加入を断られるケースが少なくありません。
参考)https://www.semanticscholar.org/paper/807d3e35c2063fb7899f01ed2ee856e5be704b94
一般物件向けの火災保険は、持ち家向けの火災保険より保険料が高く設定される傾向にあります。具体的には、同じ補償内容でも保険料が1.5~2倍程度になることもあります。
参考)空き家の火災保険の加入率は?加入しないリスクと空き家処分方法…
住宅物件として認められるのは、転勤による一時的な不在や、季節的に使用する別荘などの限定的なケースのみです。完全に人が住める状態ではない空き家や、長年誰も住んでいない実家は、ほぼ確実に一般物件扱いとなります。
参考)空き家も火災保険がかけられる!住んでいない家にもかける理由は…
つまり区分変更が前提です。
顧客への説明時には、この区分変更について事前に明確に伝えることが重要です。想定外の保険料上昇でトラブルにならないよう、早期の情報提供を心がけましょう。
実家空き家火災保険の加入可能な保険会社
空き家物件の火災保険を扱う保険会社は驚くほど限られています。
参考)https://www.semanticscholar.org/paper/943a4a48414cd17b3e76fbf97c2a09d350c04f4b
NPO法人空家・空地管理センターの2017年10月の調査では、大手保険会社20社のうち、空き家物件でも加入できる火災保険がある損保会社はわずか2社だけでした。
この状況は現在も大きく変わっていません。
実際に加入できる保険会社の例として以下があります。
- あいおいニッセイ同和損害保険株式会社
- 東京海上日動火災保険株式会社
参考)https://ianswer.co.jp/found/vacant-house/fire-insurance-for-vacant-houses/
- 一部の空き家専用保険を提供する損保会社
加入できた実例では、築58年の木造住宅(延床面積52㎡)で、5年契約の火災保険料が117,930円、地震保険料が21,040円、合計138,970円というケースがあります。
どの保険会社で対応できるか把握しておくことが大切です。
顧客から空き家の火災保険について相談された際に、すぐに具体的な保険会社名を提示できると、不動産従事者としての信頼性が高まります。特に相続案件では、この情報が顧客の安心につながります。
NPO法人空家・空地管理センター – 空き家の火災保険・地震保険
空き家管理における火災保険加入の推奨事項と、加入サポートについて詳しく記載されています。
実家空き家相続時の火災保険名義変更手続き
相続発生時、火災保険の名義変更を見落とすと保険金が支払われないリスクがあります。
参考)【えっ?相続した空き家は火災保険に加入しにくいの!?】
相続に伴い火災保険の名義変更が必要ということはあまり知られていません。相続登記の義務化については広く周知されているものの、火災保険の名義変更の重要性は認識されていないのが現状です。
名義変更が必要な項目は以下の通りです:
参考)空き家を相続したら火災保険の名義変更 &#8211; off…
- 契約者(保険料を支払う人)の名義
- 被保険者(補償を受ける人、建物の所有者)の名義
手続きに必要な書類は保険会社によって異なりますが、一般的には次のものが求められます:
- 火災保険契約内容変更届出書(保険会社により名称が異なる)
- 相続人全員の承諾を示す書類
- 印鑑証明書
- 戸籍謄本
相続人全員の承諾が必要なため、手続きには時間がかかります。
これは必須手続きです。
不動産従事者として相続案件に関わる場合は、登記手続きと同時に火災保険の名義変更についても必ずアドバイスしましょう。特に複数の相続人がいるケースでは、早めに手続きを開始することで後々のトラブルを防げます。
実家空き家火災保険の補償内容と地震保険
空き家の火災保険でも基本的な補償は受けられますが、地震保険に制限があります。
空き家向けの火災保険で補償される主な内容は以下の通りです:
| 補償項目 | 内容 |
|---|---|
| 火災 | 建物の焼失・損害を補償 |
| 落雷 | 落雷による設備故障や損害 |
| 風災 | 台風や突風による屋根・外壁の損傷 |
| 水災 | 床上浸水などの水害(オプション) |
| 盗難 | 不法侵入による盗難被害(特約) |
| 賠償責任 | 第三者への損害賠償(個人賠償責任補償) |
ただし、一般物件向けの火災保険は、地震保険を付帯できません。これは空き家所有者にとって大きなデメリットです。
地震保険が必要な場合は、住宅物件として認められる条件を満たすか、空き家専用保険で地震補償が付帯できる商品を探す必要があります。実例では、あいおいニッセイ同和損害保険で空き家に地震保険を付帯できたケースがあります。
地震保険の有無は重要な選択肢です。
顧客の所在地が地震リスクの高い地域の場合、地震保険付帯の可否は保険選びの決定的要因になります。耐震性の高い建物であれば住宅物件として認められる可能性もあるため、建物の状態を詳しく確認しましょう。
実家空き家火災保険解約時の返戻金計算
空き家を売却・解体する際の保険解約では、未経過分の保険料が返金されます。
参考)家の売却で火災保険は返金される?解約するタイミングや解約方法…
未経過期間分の保険料は「解約返戻金」として返還されます。解約返戻金の金額は、各保険会社が定める未経過料率に基づいて「契約時の保険料×未経過料率」で計算されます。
参考)火災保険・地震保険は解約しても保険料が戻ってくる! 解約返戻…
10年契約の解約返戻率の具体例は以下の通りです:
- 1年で解約(残存期間9年)= 支払った保険料の89%が戻る
- 3年6カ月目で解約(残存期間6年3カ月)= 支払った保険料の65%が戻る
返金の条件として、保険の契約期間が1カ月以上残っていることが必要です。
解約のベストタイミングは以下の順序です:
参考)空き家売却前に火災保険は必要?補償内容や解約時の注意点まで解…
- 売買契約締結
- 決済・引渡し(所有権移転)
- 登記完了確認(司法書士や仲介業者から連絡)
- 火災保険の解約手続き
この順序を守ることで、「売却前に火災が起きて補償されない」といったトラブルを防げます。
かなりの金額が返金されます。
不動産従事者として売却サポートをする際は、登記完了までは絶対に火災保険を解約しないよう顧客にアドバイスしましょう。実際に、売却1カ月前に保険を解約したところ落雷で外壁に損傷が発生し、修繕費80万円を全額自己負担した失敗例もあります。
実家空き家で火災保険に未申告のリスク
居住中に契約した火災保険で空き家になったことを申告しないと、保険金が支払われません。
これは不動産従事者が顧客に必ず伝えるべき最重要事項です。火災保険加入時は居住物件であったが、その後空き家物件となった場合、空き家になったことを保険会社に変更の通知がされておらず、損害が発生した際に保険金が下りない事例があります。
未申告による保険金不払いのケースは以下の通りです:
- 空き家であることを申告せずに火災保険に加入した場合
- 加入後に空き家になったことを届け出なかった場合
- 保険料を払込み続けていても、いざという時に補償を受けられない
実際の失敗例では、空き家になった時点で保険会社に連絡せず、火災が発生した際に「非居住」を理由に保険金の支払いがゼロになったケースがあります。
申告は義務です。
空き家になった時点で、保険会社または代理店に必ず連絡し、「非居住」であることを申告することが重要です。状況に応じて補償内容の見直し、もしくは空き家専用保険への切り替えを検討しましょう。顧客にこの情報を早期に提供することで、将来的な保険金トラブルを未然に防げます。
売却完了まで火災保険を継続すべき理由と、解約手続きの具体的なタイミングについて詳細に解説されています。

