実質利回りとは保険料含む正確な収益率

実質利回りとは保険料含む収益指標

保険料を実質利回りに入れないと年間20万円以上の計算ミスになります。

この記事の3つのポイント
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実質利回りの正確な計算

保険料や税金などの年間経費を含めて算出する収益率で、表面利回りより1~3%低くなるのが一般的

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保険料が利回りに与える影響

火災保険と地震保険を合わせて年間10~30万円の経費となり、実質利回りを0.5~1.5%押し下げる要因

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物件選定での注意点

表面利回りだけで判断せず、保険料を含む全経費を反映した実質利回りで収益性を評価することが重要


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実質利回りの基本的な計算方法

 

実質利回りとは、年間の家賃収入から管理費用や保険料などの必要経費と税金を差し引いた額を物件の購入価格で割った数字を指します。ネット利回りや純利回りとも呼ばれ、不動産投資の実際の収益性を示す重要な指標です。

参考)https://areps.co.jp/knowledge/difference-between-real-yield-surface-yield

計算式は「実質利回り(%)=(年間家賃収入-年間諸経費)÷(物件購入価格+購入時の諸経費)×100」となります。年間諸経費には固定資産税、都市計画税、管理委託費、修繕積立金、火災保険料、地震保険料などが含まれます。購入時の諸経費には、仲介手数料や登録免許税、不動産取得税などが該当します。

参考)表面利回りと実質利回りとは?計算方法も合わせて解説|利回り|…

表面利回りが物件価格と家賃収入だけで計算されるのに対し、実質利回りはより現実的な収益を反映します。

つまり実際の手残りに近い数字です。

8,000万円の物件を購入し、家賃収入から経費を差し引いた営業純収益が650万円だった場合、実質利回りは約8%になります。

参考)実質利回りとは

実質利回りに含まれる保険料の種類

不動産投資では主に火災保険と地震保険の2種類の保険料が経費として計上されます。火災保険は融資を受けるための必須条件とされており、ほとんどの不動産投資ローンで加入が求められます。地震保険は任意ですが、日本は地震が多い国であるため、リスク軽減のために必須と言えるでしょう。

参考)不動産投資と火災保険・地震保険の正しい付き合い方とは?リスク…

火災保険料は物件の構造や立地によって年間数万円から数十万円単位で大きく変動します。例えば10年契約で160万円(年間16万円)の火災保険料と、5年契約で50万円(年間10万円)の地震保険料が一般的な目安です。保険料が高い物件を利回りだけで判断して購入してしまうと、想定していたキャッシュフローを大きく下回る可能性があります。

参考)マンション経営で火災保険は経費になる?経費として計上する方法…

保険料は事業用部分について全額経費になりますが、支払った年度において一括で経費にすることはできません。契約期間に応じて月割計算で経費計上する必要があります。7月1日から10年契約の火災保険150万円に加入した場合、初年度は6か月分の75,000円のみが経費となります。翌年からは12ヶ月分を毎年経費として計上していく形です。

参考)https://www.hirakawa-tax.com/fire-insurance-expenses/

保険料が実質利回りに与える具体的な影響

保険料を考慮しないと実質利回りの計算に大きな誤差が生じます。物件価格1億円、年間家賃収入900万円の場合を見てみましょう。表面利回りは9%ですが、年間運営費用を20%(180万円)とした場合、実質利回りは7.2%に下がります。年間運営費用が30%(270万円)になると、実質利回りは6.3%まで低下します。

参考)不動産投資のキホン「利回り計算」②実質利回り

火災保険と地震保険を合わせた年間保険料が26万円の場合、これだけで1億円の物件に対して0.26%の利回り低下要因となります。物件の構造や立地によっては保険料が年間数十万円に達するケースもあり、最終的な利回りに直接影響を与えます。保険料の高い物件と安い物件では、年間20万円以上の差額が生じることもあるのです。

参考)【保存版】不動産投資の失敗例24選と対策まとめ【プロが解説】…

表面利回りと実質利回りの間には一般的に1~2%以上の差が生じます。3,000万円の区分マンションで月額家賃12万円、年間管理費14.4万円の場合、表面利回りは4.8%ですが、実質利回りは3.93%となります。ここに保険料や税金を加えるとさらに低くなります。広告に「表面利回り5%」と記載されていても、諸費用を考慮した実質利回りは3〜4%程度になるのが一般的です。

参考)不動産投資の「利回り」計算方法とシミュレーション。表面利回り…

実質利回り計算で見落としがちな保険関連コスト

保険料以外にも見落としがちなコストが存在します。家賃ばかりに目が行き、固定資産税・保険料・管理費・共用部の電気代・原状回復・突発修繕・広告料などを十分に計上していないケースが多いです。特に初心者が陥りやすい失敗として、これらの経費を過小評価してしまうことが挙げられます。

保険金が下りないケースも存在するため、契約内容の確認が重要です。故意または重大な過失による損害、保険契約違反、保険期間経過後の損害などは保険金が支払われません。実際、火災保険に風災や水災補償がなく修繕費を全額自己負担した例や、地震保険未加入で建替えができず土地ごと安値売却した例もあります。

参考)【初心者向け】不動産投資の保険で損しない! 知っておくべきポ…

漏水事故のような特殊なケースにも注意が必要です。オーナーが保険に入っていても、加入していた保険が漏水事故に対応していなかった事例があります。専有部分のパッキン不備による階下への漏水は、施設賠償責任保険に加入することで自己負担リスクを回避できます。購入前にハザードマップで洪水・土砂災害リスクを確認し、リスクが高い場合は物件選びや保険内容を慎重に検討することが重要です。

参考)漏水発生!まさかの保険未対応!?

実質利回りを活用した物件選定の実践方法

物件選びの段階で保険料を意識することが収益性の高い投資につながります。不動産投資の収支シミュレーションを行う際は、物件取得の段階から「火災保険料」を具体的な経費として算入しておくことが重要です。物件の構造や立地によって保険料は年間数万円から十数万円単位で大きく変動し、最終的な利回りに直接影響を与えます。

複数の物件を比較する際は、必ず実質利回りを基準にしましょう。物件1(3,000万円、年間家賃150万円、年間コスト48万円、初期費用240万円)と物件2(5,000万円、年間家賃200万円、年間コスト24万円、初期費用300万円)を比較すると、表面利回りは物件1が5%、物件2が4%です。しかし実質利回りを計算すると、物件1が3.15%、物件2が3.32%となり、物件2の方が収益性が高いことが分かります。

参考)表面利回りとは物件価格に対する年間家賃収入の割合|利回りの落…

保険料と補償内容のバランスを考慮した慎重な判断が求められます。現在の補償内容が適切か、新たに他の保険商品への切り替えが必要かを見極めることが大切です。火災保険(建物保険)と必要に応じて地震保険へ必ず加入し、風災・水災まで補償されるプランを選びましょう。不動産投資の収益性を正確に判断するためには、必ず実質利回りを重視するようにしましょう。


完全解説 都市型トランクルーム経営 実質利回り15%超の新たな不動産投資