住宅の名義変更費用
贈与で名義変更すると登録免許税が相続の5倍かかります。
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住宅の名義変更にかかる費用の内訳
住宅の名義変更には、主に3つの費用が発生します。登録免許税、司法書士への報酬、必要書類の取得費用です。この3つの合計額が総費用となり、数万円から数十万円の範囲で変動するのが一般的です。
登録免許税は、不動産の固定資産評価額に一定の税率を掛けて計算します。この税率が名義変更の原因(相続・贈与・売買)によって大きく異なるため、総費用に最も影響を与える要素です。例えば2,000万円の不動産の場合、相続なら8万円ですが、贈与だと40万円になります。
つまり5倍の差が生じます。
参考)不動産の名義変更費用はいくら?内訳と相場、安く抑える3つの方…
司法書士への報酬は5万円~15万円程度が相場です。相続関係が複雑で戸籍謄本の収集や遺産分割協議書の作成まで依頼する場合は高額になり、売買や贈与など当事者が限定的なケースでは比較的安価に収まります。事務所によって報酬額は変動するため、複数の司法書士に見積もりを依頼するのが賢明です。
必要書類の取得費用は比較的少額です。住民票が1通300円程度、印鑑証明書が1通300円程度、固定資産評価証明書が1通300円~400円程度、戸籍謄本が1通450円、除籍謄本・改製原戸籍謄本が1通750円です。
全体で数千円程度に収まるのが一般的です。
相続による住宅の名義変更費用
相続による名義変更は、登録免許税の税率が0.4%と最も低く設定されています。実費で数万円程度、司法書士報酬を含めても20万円~30万円程度が一般的な相場です。他の原因による名義変更と比較して費用を抑えられるのが特徴です。
参考)不動産の贈与と相続、何が違う? 登記にかかるコストもチェック…
2,000万円の住宅を相続で名義変更する場合、登録免許税は8万円です。これに司法書士報酬10万円と必要書類取得費用1,000円程度を加えると、総額は約18万1,000円になります。3,000万円なら登録免許税12万円、5,000万円なら20万円と、評価額に比例して増加します。
参考)【費用・手数料】不動産名義変更にはいくらかかる?(税金に注意…
相続登記は令和6年(2024年)4月から義務化されました。正当な理由なく申請を怠ると10万円以下の過料が科される可能性があるため、早めの手続きが必要です。義務化されたことで、費用負担を理由に先延ばしにするリスクが高まっています。
参考)相続登記と贈与登記(生前贈与)の違いとは?選ぶポイントや減税…
相続登記の場合、戸籍謄本や除籍謄本など多数の書類が必要になることがあります。特に相続人が多い場合や相続関係が複雑な場合は、書類収集だけでも時間と手間がかかります。この部分を自分で行えば司法書士報酬を抑えられます。
参考)家の名義変更の手続きを解説!流れや費用、必要書類をケース別に…
贈与・売買による住宅の名義変更費用
贈与や売買による名義変更は、登録免許税の税率が2.0%です。相続の0.4%と比較すると5倍の税額になるため、総費用が大幅に高くなります。
60万円~70万円程度が一般的な相場です。
2,000万円の住宅を贈与で名義変更する場合、登録免許税は40万円です。これに司法書士報酬10万円と必要書類取得費用1,000円程度を加えると、総額は約50万1,000円になります。3,000万円なら登録免許税60万円、5,000万円なら100万円と高額になります。
痛い出費です。
ただし、土地の売買については令和9年(2027年)3月31日まで税率が1.5%に軽減される特例措置があります。マイホームの購入など一定の要件を満たす場合には、さらに税率が軽減される場合もあるため、事前に確認しておくことが重要です。
軽減措置を使えば費用を大きく削減できます。
贈与による名義変更では、登録免許税以外に贈与税が発生する可能性があります。年間110万円を超える贈与には贈与税がかかるため、贈与する金額によっては相続よりも多くの税金がかかるケースがあります。例えば2,000万円の不動産を贈与すると、贈与税だけで数百万円になることも珍しくありません。税金のことを意識していないと、後から高額な納税通知が届いて驚くことになります。
参考)不動産名義変更の失敗例・注意点の総まとめ/贈与税に注意
売買の場合は、贈与契約書や売買契約書の作成が必要です。契約書には印紙税がかかるため、これも費用に含めて計算する必要があります。また、対価として支払われる金額が市場価格より極端に低い場合は、税務署から差額について「贈与」があったと判断され、贈与税が課されるケースがあります。
厳しいですね。
住宅の名義変更費用を抑える方法
費用を抑える最も効果的な方法は、役所で揃えられる書類は自分で集めることです。住民票、印鑑証明書、戸籍謄本などは市区町村役場で取得できるため、この部分を自分で行えば司法書士報酬を削減できます。難しい手続きだけを専門家に任せると効率的です。
参考)不動産名義変更の手続きを自分でやるのは難しい?費用を抑えて効…
名義変更を完全に自分で行えば、司法書士報酬がかからず登録免許税と書類取得費用の実費のみで済みます。ただし、慣れない手続きを自分で行うとミスをして手間がかかる場合があります。法務局は平日しか開いていないため、平日に仕事がある方は仕事を休んで手続きをしに行かなければなりません。
参考)不動産の名義変更・相続登記は自分でできる?専門家に依頼が必要…
自分で手続きを行う場合、登記申請書の作成や不動産の特定、相続人の確定など専門知識が必要な部分で間違いが起きやすくなります。例えば私道部分の登記漏れ、マンションの敷地権の扱い間違い、相続人の確認不足などが典型的な失敗例です。一見すると単純なケアレスミスでも、登記申請書の訂正ができなくなったり、申請が却下されたりすることがあります。
参考)相続登記の失敗事例20選|よくあるミスと補正・却下を防ぐ対策
複数の司法書士に見積もりを依頼して報酬を比較することも有効です。事務所によって報酬額は大きく変動するため、2~3社に見積もりを依頼すれば数万円単位で費用を削減できる可能性があります。また、相続関係が単純で必要書類が少ない場合は、報酬が安価に収まる傾向があります。
土地の売買で軽減税率の特例措置を活用することも重要です。令和9年(2027年)3月31日までは税率が1.5%に軽減されるため、この期間内に手続きを行えば登録免許税を抑えられます。マイホーム購入の場合はさらに軽減措置があるため、該当する場合は必ず確認しましょう。
住宅の名義変更で見落としがちな費用と注意点
対象不動産の漏れは、費用面での大きな失敗につながります。登記し忘れた物件があると、後日再手続きが必要になり、余計な費用と時間がかかってしまいます。固定資産税明細書だけではなく、名寄帳も取得して所有している不動産を漏れなく把握しておくことが重要です。
参考)家の名義変更にいくら費用がかかる?税金や注意点も解説|費用を…
私道部分の登記漏れは特に注意が必要です。本地と建物だけ名義変更がされていて私道部分の移転が漏れてしまうケースがあります。後から気づいても遺産分割協議書が残っていない場合は手続きが困難になり、最悪の場合は売却できない不動産になってしまうこともあります。
どうにもならない場合があります。
持分の割合を間違えると贈与税が発生します。例えば3,000万円のマンションを夫婦で購入し、夫が2,000万円、妻が1,000万円を出資した場合、持分を2分の1ずつで登記してしまうと妻に500万円分の贈与税が発生します。出資額に応じた正確な持分で登記しないと、贈与の意思がなくても贈与税がかかってしまうのです。
住宅ローンの名義変更は原則として認められません。離婚や相続などのやむを得ない事情がある場合や、名義変更人に十分な返済能力がある場合のみ、例外的に認められる可能性があります。
ただし最終的には金融機関の承諾が必要です。
名義変更が認められない場合は、借り換えによる実質的な名義変更を検討することになります。
借り換えによる名義変更では、新しいローンの取扱手数料や印紙税、保証料、繰り上げ返済手数料などが追加でかかります。さらに不動産の所有権移転費用、抵当権設定費用、現在の抵当権の抹消費用、名義変更後の不動産取得税なども必要です。これらを合計すると数十万円規模の出費になることもあるため、事前に総額を把握しておく必要があります。
不動産従事者が顧客に伝えるべき費用情報
顧客に対しては、名義変更の原因によって費用が大きく異なることを明確に説明する必要があります。相続と贈与では登録免許税が5倍違うという事実は、顧客の意思決定に大きな影響を与えます。この情報を知らずに安易に贈与で名義変更してしまうと、後から高額な税金に驚くことになります。
贈与税の発生リスクも必ず伝えるべきです。年間110万円を超える贈与には贈与税がかかり、場合によっては相続よりも多くの税金がかかることがあります。特に安易に生前贈与を考える顧客に対しては、専門家への相談を促すことが重要です。資産を減らす目的で行った生前贈与が、かえって高額な税金を発生させてしまうケースもあります。
司法書士に依頼する場合の報酬相場を具体的に示すことも大切です。5万円~15万円程度が一般的な相場であり、相続関係の複雑さや不動産の評価額によって変動することを説明します。複数の司法書士に見積もりを依頼することで費用を抑えられる可能性があることも伝えましょう。
自分で手続きを行う場合のメリットとデメリットも正確に伝える必要があります。費用は抑えられますが、時間と労力がかかり、ミスをすると余計な手間がかかる場合があります。特に平日に仕事がある方は仕事を休んで手続きをしに行く必要があるため、時間的なコストも考慮する必要があります。
参考)土地の名義変更は自分でできる?司法書士に頼む?費用や必要書類…
対象不動産の漏れや私道部分の登記漏れなど、典型的な失敗事例を共有することも有効です。固定資産税明細書だけでなく名寄帳も取得すること、私道部分や共有持分の確認を怠らないことなど、具体的な予防策を提案することで顧客の信頼を得られます。これらの情報提供が、顧客の費用面でのトラブルを未然に防ぐことにつながります。
参考リンク:法務局の登記申請に関する詳細な案内は以下で確認できます。
登記申請を御自身ですることを検討されている方からよくある質問 – 法務省
参考リンク:相続登記の必要書類と手続き方法の詳細は以下をご覧ください。
不動産の名義変更の費用や税金・司法書士報酬などを必要書類とともに解説 – さくら事務所

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