商店街シャッター街化の原因と活用事例

商店街シャッター街化の実態

空き店舗を放置すると固定資産税が6倍になります。

この記事で分かる3つのポイント
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シャッター街化の原因

後継者不足や大型店進出による商店街衰退の実態と税制の影響

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空き店舗賃貸のリスク

契約違反や長期閉店による法的問題と固定資産税の課税強化

商店街再生の成功事例

住む・働く場への転換やリノベーション活用の具体例


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商店街空き店舗が増加する背景

 

全国の商店街でシャッター街化が深刻化しています。地域住民の生活を支えてきた商店街ですが、多くの店舗が営業をせずシャッターを下ろしたままの状態が増加しているのが現状です。

参考)https://test-akisapo.dev.goeswell.net/column/888/

背景には複数の要因があります。まず、店舗経営者の高齢化による後継者不足が最大の要因です。親の代から続く店舗を継ぐ人材がいないため、廃業せざるを得ない状況に追い込まれています。次に、郊外への大型ショッピングセンターの進出により、商店街への客足が減少しました。さらに、ECサイト利用者の増加も商店街の売上減少に拍車をかけています。

参考)シャッター商店街の再生 「消費の場」から「住む・働く・集う場…

不動産従事者にとって重要なのは、こうした空き店舗がそのまま放置されると周辺の商業エリア全体の価値が下がることです。つまり、1店舗の閉鎖が連鎖的に地域全体の衰退を招くということですね。

商店街を構成する賃借区画において、借主が店舗として利用せず物置として利用した場合、賃貸人による契約解除が認められた判例も存在します。店舗の用途が明確に定められている場合は特に注意が必要です。

参考)契約違反と信頼関係の破壊による 建物賃貸借契約の解除−違反類…

商店街シャッター店舗を放置する税制リスク

現在、人が住んでいる商店街の店舗は、空き店舗であっても税制上の住宅として扱われ、固定資産税の評価額が最大6分の1に減額されています。これは店舗併用住宅、つまり1階が店舗で2階が住居という形態の建物に適用される特例です。

参考)新着情報&税務情報/中央税理士法人

しかし重要な変化があります。政府は空き店舗となった場合、住宅の特例対象から外し、事実上増税する方針を打ち出しています。空き店舗が活用されていない「遊休資産」として減額特例の対象から除外されると、固定資産税が最大で6倍に上昇するのです。

参考)空き店舗への課税強化 政府方針 地方の商店街再生

具体的な金額で見てみましょう。固定資産税の評価額が600万円の物件の場合、通常なら年間約14万円(600万円×1.4%×1/6)で済んでいた税金が、特例除外後は約84万円(600万円×1.4%)まで跳ね上がります。

つまり年間70万円の負担増ということですね。

この課税強化の狙いは、所有者に空き店舗の活用を促すことにあります。不動産従事者としては、クライアントにこのリスクを早めに伝え、賃貸や売却、用途転換などの対策を提案することが求められます。

小規模住宅用地(200平方メートル以下の部分)は固定資産税が「価格×1/6」に、一般住宅用地(200平方メートルを超える部分)は「価格×1/3」に軽減される仕組みです。この特例が使えなくなるリスクは極めて大きいと言えます。

参考)空き店舗の固定資産税特例を解除し課税強化する方針

商店街店舗賃貸における契約違反リスク

商店街の店舗賃貸では、通常の住宅賃貸とは異なるリスクが存在します。最も注意すべきは、借主による長期間の店舗閉鎖です。商店街の中にあって、店がずっと閉店したままでシャッターが閉まりっぱなしだと、周辺店舗の営業にも悪影響を及ぼします。

参考)https://teiichirou.com/841/

契約書上の用途違反も深刻な問題になります。20年以上ファッション関係の営業店舗として使用してきた賃借人が、賃貸人から許可を得ずにアイスクリーム販売店に用途変し、大幅な内装工事を行った場合、契約解除が認められた判例があります。

業種変更は必ず事前承認が必要です。

また、テナントの又貸し(転貸)も契約違反の代表例です。賃貸テナントの又貸しは民法で制限されており、貸主は発見した場合に契約を終了させることができます。無断の又貸しが明るみに出れば、違約金や退去命令などの深刻な結果がもたらされます。

参考)銀座のテナント・賃貸物件なら銀座オフィスマン

空き店舗は不法侵入やゴミの不法投棄、落書き、放火など犯罪の温床となることもあります。ガラスが割られたり、シャッターが壊されたりするなど物理的な損傷を受けるリスクもあるでしょう。周辺地域の治安悪化により、近隣住民とトラブルになる恐れもあります。

参考)空き店舗を貸したい人へ|安心して貸すために注意・確認すること…

こうしたリスクに備えるには、契約書に明確な特約を盛り込むことが基本です。店舗の営業継続義務や、一定期間以上の閉店時の報告義務などを明記しておくと良いでしょう。


賃貸テナントの又貸しが禁止されている理由の詳細

商店街空き店舗活用の成功事例と収益化

商店街再生のカギは、空き店舗活用のための条件すり合わせにあります。貸し手側と借り手側の条件を丁寧に調整することで、シャッター街に活気を取り戻した事例が全国に数多く存在します。

代表的な成功例として、長野県辰野町の「トビチ商店街」があります。この商店街は「シャッターは全部開けなくていい」という発想を肯定し、5年で32店舗のオープンに成功しました。すべての店舗を埋めようとするのではなく、実現可能な範囲で着実に店舗を増やす戦略が功を奏しました。

福岡県北九州市の「寿通り商店街」では、3軒長屋をリノベーションし、1階をシャッター1枚ずつの幅に壁をつくり、マイクロショップが集積する建物にしました。アパレルショップや書店、フェイシャルサロンやラーメン店など、多彩な店舗が入居しています。小規模でも多様な業種を集めることで、商店街に新たな魅力が生まれたのです。

商店街の建物は店舗としての役割だけでなく、自宅として「住む場」にも、オフィスとして「働く場」にも変えることができます。これにより商店街に人が増えれば、既存店舗の売上にも良い影響を与えるはずです。消費の場から「住む・働く・集う場」への転換が、現代の商店街再生の鍵になります。

業者が物件の運営・管理を請け負うサブリース型の仕組みも有効です。通常であれば所有者が担う賃貸運営におけるリスクを最小限に抑えることができます。また、物件所有者がリノベーションするにあたって、まちづくりを担う事業者と連携することも解決策となります。

参考)301 Moved Permanently


シャッター通り商店街の復活・再生事例の詳細

商店街店舗リノベーション費用と補助金活用

店舗リノベーションには相応の費用がかかります。規模や内装、設備によって変わりますが、坪単価はおよそ20~50万円が目安です。業種別に見ると、飲食店は坪単価30万~50万円、小売店は10万~50万円、サービス業は20万~40万円となっています。

参考)店舗リノベーションの成功事例9選|メリットや費用相場・注意点…

20坪の飲食店の場合、居抜き物件でも最低600万円程度、スケルトン物件では1,000万円以上の予算が必要となることも珍しくありません。この金額は、東京23区内の新築ワンルームマンション1戸分に相当する規模です。

大きな出費ですね。

物件の状態によっても費用は大きく変動します。既存の内装や設備を活用できる居抜き物件の場合、坪単価10万~40万円程度でリノベーションが可能です。ただし、設備の劣化状態によっては新規入替えが必要になり、予算が膨らむケースもあります。

こうした高額な初期投資を軽減するため、店舗リノベーションで使える補助金が数多く用意されています。自分が補助を受けられるのかを確認したうえで申請することで、費用負担を大幅に抑えられる可能性があります。地方自治体によっては、商店街活性化を目的とした独自の補助制度を設けているケースもあるため、担当エリアの制度を調べておくと提案の幅が広がります。

参考)店舗改装・リノベーションの費用相場は?補助金から助成金まで解…

核となる大型テナントが撤退した場合のリスクも理解しておきましょう。総合スーパーの撤退跡を居抜きで借りて出店するディスカウントストアもありますが、「家賃水準は総合スーパーの半分以下で、家主としては採算割れを覚悟しなければならない」という指摘もあります。

家賃設定は慎重な判断が求められます。

参考)シャッター商業施設が急増!?総合スーパー撤退恐れる家主


店舗改装・リノベーションの補助金詳細情報

空き店舗絶滅作戦: 商店街賑わいづくりのポイント50+10