耐用年数鉄骨店舗を正しく判定する税務実務のポイント

耐用年数鉄骨店舗を正確に判定する方法

店舗用途の3mm厚軽量鉄骨なら34年ではなく19年です。

📋 鉄骨店舗の耐用年数3つの基本
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骨格材の厚さで3区分

3mm以下は19年、3mm超4mm以下は27年、4mm超は34年と明確に分かれる

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用途別で年数が異なる

同じ鉄骨造でも店舗用・事務所用・飲食店用で法定耐用年数の設定が変わる

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減価償却費に直結

耐用年数の判定ミスは毎年の経費計上額に影響し税務リスクにつながる


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耐用年数鉄骨店舗の骨格材厚さによる3区分

鉄骨造店舗の法定耐用年数は、骨格材の厚さによって19年・27年・34年の3段階に分類されます。この区分は減価償却計算の基礎となるため、正確な判定が不可欠です。

参考)鉄骨造の耐用年数はどれくらい?法定耐用年数?減価償却?疑問を…

具体的には、骨格材の厚さが3mm以下の場合は19年、3mmを超えて4mm以下の場合は27年、4mmを超える場合は34年となります。わずか1mmの違いが耐用年数に大きな影響を与えるということですね。

参考)鉄骨造の実際の耐用年数は?寿命を左右する要素と最適な管理方法

たとえば3.9mmと4.1mmでは7年もの差が生じ、これは減価償却期間や投資収益率に直接影響します。3,000万円の店舗建物なら、耐用年数19年と34年では年間の減価償却費が約90万円も変わる計算です。

参考)骨格材肉厚の調べ方と鉄骨造不動産の適切な耐用年数判定

骨格材の厚さが6mm未満を軽量鉄骨造、6mm以上を重量鉄骨造と分類しますが、耐用年数の判定基準は4mm超かどうかです。つまり、軽量鉄骨でも4mm超なら34年の耐用年数が適用されます。

参考)【その鉄骨、本当に大丈夫?】見た目じゃわからない「重量鉄骨」…

店舗用途の耐用年数と事務所用の違い

同じ鉄骨造でも用途によって法定耐用年数は異なります。店舗用と事務所用では、骨格材の厚さが同じでも年数設定が変わるため注意が必要です。

骨格材3mm以下の場合、店舗・住宅用は19年ですが事務所用は22年です。3mm超4mm以下では店舗・住宅用が27年、事務所用は30年となります。4mm超では店舗・住宅用が34年、事務所用は38年です。

つまり同じ構造でも用途の違いで最大4年の差が生じます。飲食店用の場合は、3mm以下で19年、3mm超4mm以下で25年、4mm超で31年となり、店舗用よりもやや短めに設定されています。

用途判定は建物全体の主たる使用目的で判断するのが原則です。1階が店舗で2階が事務所のような複合用途の場合、床面積の大きい方を主用途とするのが一般的な実務です。

参考)鉄骨造店舗の建築デザイン・工事!耐用年数・施工事例・坪単価・…

鉄骨店舗の骨格材厚さを調べる実務的方法

骨格材の厚さを調べる最も確実な方法は、建築確認申請時の構造図面を参照することです。特に「柱梁リスト」という図面には、建物の主要な柱と梁のサイズが詳細に記載されています。

H型鋼の場合、図面には「H-200×100×3.2×4.5」のような表記があります。この数値は、高さ200mm×幅100mm×ウェブ厚3.2mm×フランジ厚4.5mmを意味します。耐用年数判定では、この3.2mmと4.5mmのうち厚い方の4.5mmを採用します。

構造図面が入手できない場合、超音波厚さ計による測定やノギスでの実測も可能です。超音波厚さ計は非破壊で精度が高く、専門業者に依頼すれば信頼性のある測定結果が得られます。

ただし実測では測定箇所の選定や塗装・サビの影響に注意が必要です。複数箇所を測定し、最も厚い数値を採用することで税務上の安全性を確保できます。構造図面の入手が困難な中古物件では、建築士や不動産鑑定士との連携が効果的です。


骨格材肉厚の調べ方と鉄骨造不動産の適切な耐用年数判定 – 詳しい測定方法と図面の読み方が解説されています

耐用年数判定ミスが招く税務リスク

耐用年数の判定を誤ると、減価償却費の過大計上または過少計上につながり、税務調査で指摘されるリスクがあります。特に過大計上の場合、過去に遡って修正申告と加算税の支払いが必要になります。

たとえば本来19年の耐用年数を34年で計算していた場合、毎年の減価償却費が約半分になり、所得税や法人税の追徴が発生します。3,000万円の建物なら年間約90万円の計上額の差が生じ、5年分で450万円の修正となります。

参考)「減価償却」のよくある勘違い 〜耐用年数が経過したら 設備は…

逆に34年が正しいのに19年で計算していた場合、減価償却費を多く計上しすぎたことになり、やはり修正申告が必要です。この場合は追加納税に加えて延滞税も発生する可能性があります。

骨格材の厚さが不明な中古物件を取得する際は、取得前に構造図面を確認するか、専門家による調査を実施すべきです。取得後に判明した場合でも、適切な根拠資料を整備しておけば税務調査時の説明がスムーズになります。

中古鉄骨店舗の耐用年数計算方法

中古の鉄骨造店舗を取得した場合、新築時の法定耐用年数ではなく残存耐用年数を計算して減価償却を行います。計算方法は、法定耐用年数の全部または一部が経過しているかで異なります。

参考)中古建物(中古アパート等)を取得した場合の耐用年数の計算方法

法定耐用年数の一部が経過している場合の計算式は「(耐用年数-経過年数)+経過年数×20%」です。たとえば骨格材3mm、法定耐用年数19年の店舗で5年経過している場合、(19年-5年)+(5年×20%)=14年+1年=15年となります。

法定耐用年数をすべて経過している場合は「法定耐用年数×20%」で計算します。骨格材3mm以下、耐用年数19年の店舗なら19年×20%=3.8年となり、端数は切り捨てて3年です。ただし計算結果が2年未満の場合は2年とします。

中古物件では建築年月の確認が重要です。登記簿謄本の表題部に記載された新築年月から経過年数を算出し、取得時点での残存耐用年数を正確に計算することが減価償却の適正な処理につながります。

参考)301 Moved Permanently


鉄骨造の耐用年数は?減価償却の計算方法や法定耐用年数との違いも解説 – 中古物件の具体的な計算例が豊富です