賃貸名義変更 親から子の手続と費用
親から子への契約者変更は、実は新規契約扱いで家賃数か月分の初期費用がかかります。
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賃貸名義変更が親子間で新規契約になる理由
親から子への賃貸名義変更を希望する入居者に対し、管理会社が「解約して新規契約を結び直す必要があります」と告げるケースが一般的です。同じ家族であっても契約者が変われば別人との契約になるため、貸主からすれば新たな入居者に部屋を貸す行為と同じ扱いになります。
契約者が完全に別人になる場合、新しい契約者(子)の収入や勤務先などが審査の対象となります。親の信用力と子の信用力は全く別物として評価されるため、再度入居審査が必要です。
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就職を機に親から子へ名義変更をしたい場合、子の就職先の情報や見込み年収などで再審査する可能性が高くなります。貸主は新しい契約者の支払い能力を慎重に見極める必要があるからです。
つまり新規契約扱いが原則ということですね。
賃貸名義変更の費用相場と初期費用の内訳
単純な事務手数料で済むケースと新規契約扱いになるケースで、費用は大きく異なります。氏名変更のみの場合は事務手数料として1万円~3万円程度が相場ですが、契約者が変わる場合は敷金・礼金・火災保険料などを含め家賃の数か月分が必要になります。
名義変更手数料の相場は1万円程度ですが、中には家賃の1か月分など高額な請求をする管理会社もあります。新規契約を交えた場合で敷金礼金などの免除があったときは1~5万円程度、免除が一つもない場合は事務手数料はかからないケースが多いです。
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契約変更ができず新規契約になった場合、敷金や礼金、仲介手数料などの初期費用が発生します。状況によっては敷金を引き継げる場合もあるため、管理会社へ相談してみる価値があります。
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家賃の数か月分は痛い出費です。
賃貸名義変更における入居審査のポイント
親から子への契約者変更では、子が18歳以上であれば名義で契約できますが、まだ学生などで安定した収入がない場合は入居審査を通過するのが難しくなります。審査では新しい契約者(子)の収入などが審査の対象となり、保証会社やオーナーによる審査が実施されます。
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賃貸の入居審査は原則としてオーナー(管理会社審査)と保証会社審査の2段階で行われます。どのような形であれば承認が得られるか、貸主と借主の間で調整が必要です。
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就職先の情報や見込み年収などで再審査する可能性が高いため、事前に子の収入証明や在職証明などの書類を準備しておくとスムーズです。
審査期間は通常3日~1週間程度かかります。
審査が条件です。
賃貸名義変更の手続き手順と必要書類
まず管理会社へ連絡し、親が高齢になった、就職したなどの理由を伝えて変更を打診します。次に新規契約として、子の情報を記載した入居申込書を提出します。
必要な書類がそろっているときで1か月程度かかります。手続きそのものはシンプルですが、覚書などの書類をそろえたり、大家さんや不動産管理会社などとの調整に時間を要します。
指示された書類(氏名変更届、新しい名義の身分証、戸籍謄本など)を提出します。契約者が変わる場合は、保証人の変更や新たな保証人の審査が必要になることもあります。
参考)賃貸物件の名義変更はどうやるの?手続き方法や必要書類・注意点…
1か月程度が目安です。
賃貸名義変更で保証人・極度額設定の注意点
借主名義変更の際、契約の保証(連帯保証人)が個人保証だった場合に重大な問題が発生します。改正民法以前での契約では「極度額」の設定がありませんが、新たに個人の保証人に変更するには、新保証人には「極度額」の説明が必要となります。
参考)賃貸契約借主様の変更、所謂、名義変更手続は要注意!更新契約時…
極度額の説明、設定をせずに署名・捺印(実印で押印し、印鑑証明を貰ったとしても)の場合、貸主との「保証契約」は成立せず、例えば借主が賃料の滞納等した場合でも保証人は支払う義務は生じないことになります。これは不動産従事者が見落としやすい法的リスクです。
連帯保証人になれるのは3親等以内の親族で、血縁が近いほど審査に通りやすいため、1親等である両親を連帯保証人にするのが理想です。できるだけ収入が安定している人を連帯保証人にする必要があります。
参考)母子家庭で無職でも賃貸契約はできる?審査に通るための方法
極度額設定は必須です。
賃貸名義変更を家賃補助受給のために行う場合
会社の家賃補助制度を利用したい場合も、名義を変える手続きが必要です。ほとんどの会社では、契約者の名義と家賃補助を受ける社員が一致していることを家賃補助の条件としています。
参考)賃貸契約の名義変更はできる?必要なケースと相談先や費用を解説…
例えば夫名義の賃貸物件で妻の会社の家賃補助を受けたい場合は、妻の名義に変えなければいけません。家賃補助を受けるためには、家賃補助を受ける人と契約者が同一人物である必要があります。
参考)賃貸物件での名義変更!契約者変更と注意点・費用・期間も解説!…
家賃補助などの審査が必要になるかと思われますが、比較的スムーズに進むと思います。就職した会社で家賃補助があるため、家の契約者を会社名にする、妻の会社の家賃補助を受けるために、契約者を妻にする必要があるといったケースが多発しています。
家賃補助受給が動機なら問題ありません。
賃貸名義変更せず親名義のまま滞納した場合のリスク
名義を変更しなければ、家賃を滞納すると親とその連帯保証人に請求されてしまいます。学生の賃貸契約で多いのが、親が名義人で住居者が子どもというケースで、子どもが設備を破損した場合などは、名義人である親が責任を負うことになります。
契約者である名義人の責任は非常に重く、原則として契約の途中で名義人を変更することは難しいです。支払い人は契約者名義でないと不可で、実際に支払うのが誰とかは問題ないですが、支払い人名義は契約者と同一でなければなりません。
就職を機に親から子へ名義変更をしたいといったケースでは、子が実際に家賃を支払う能力があっても、契約上の責任は親に残り続けます。このリスクを回避するには、早めに名義変更の手続きを進めることが重要です。
親への請求は避けるべきですね。
賃貸名義変更の交渉術と費用削減のコツ
手数料の交渉は可能ではありますが、名義変更には手間がかかるため1万円程度であれば払うのが常識と言えます。ただし中には家賃の1か月分など高額な請求をする管理会社もあるため、事前に金額を聞いておくとよいでしょう。
離婚や相続などのやむを得ない事情による変更や、兄から弟など賃借人の性質や保証人も変わらないような変更の場合には、大抵の場合で事務手数料数万円を支払って名義変更をすることが可能になっています。大家さんや管理会社によっては名義変更をすれば契約を継続できることもあるので相談してみるとよいです。
また振り込みになるのか、手続き時に支払うのかを確認しておくことも重要です。支払い方法によって資金準備のタイミングが変わるため、事前確認が欠かせません。
1万円程度なら妥当な水準です。
賃貸名義変更の代替手段と代理契約の活用
無職の人が物件を借りる際、親や親族に代理で契約してもらう方法があります。これは「代理契約」と呼ばれる方法で、物件の契約者と実際に住む人が異なる契約のことです。
代理人として認められるのは、入居者の3親等以内の親族に限られます。3親等以内の親族とは、父母や配偶者のほか、子ども、兄弟姉妹などです。代理契約者は両親(1親等)や兄弟姉妹(2親等)などの近い関係が望ましく、関係が遠いほど審査に落ちやすく、申し込みを受付してもらえないこともあります。
参考)賃貸物件における代理契約の概要!代理人に必要とされる条件や注…
賃貸契約の審査は契約者の収入で判断されるため、親や親族に安定した収入があれば審査に通りやすくなります。ただし将来的に契約者を子に変更する際は、改めて新規契約扱いとなる点に注意が必要です。
代理契約も選択肢の一つですね。
賃貸名義変更における不動産従事者の対応ポイント
不動産従事者として押さえるべきは、親から子への契約者変更が「単純な書き換え」ではなく「契約の主体が変わる法律行為」だという認識です。入居者からの問い合わせに対し、新規契約扱いになる理由を丁寧に説明することで、後々のトラブルを防げます。
特に改正民法施行後の保証人変更では、極度額の設定が法的に必須となっており、この説明を怠ると保証契約が無効になるリスクがあります。管理会社や貸主に対して、この法的要件を確実に伝える必要があります。
また費用面では、新規契約扱いの場合の初期費用の内訳(敷金・礼金・仲介手数料・火災保険料など)を事前に明示し、入居者の理解を得ることが重要です。状況によっては敷金の引き継ぎなど、柔軟な対応ができるケースもあるため、オーナーや管理会社と調整する姿勢が求められます。
法的要件の説明が鍵です。
賃貸名義変更トラブル事例と予防策
よくあるトラブルは、入居者が「家族間の変更だから簡単だろう」と考えて事前相談なく契約者変更を進めようとするケースです。実際には新規契約扱いで高額な初期費用が発生するため、入居者が驚いてクレームに発展することがあります。
別のトラブル事例として、保証人の極度額設定を忘れたまま契約書に署名捺印してしまい、後日滞納が発生した際に保証契約が無効と判明するケースがあります。これは貸主側に大きな損失をもたらすため、不動産従事者として絶対に避けるべきミスです。
予防策としては、名義変更の相談を受けた時点で「新規契約扱いになる可能性が高いこと」「再審査が必要なこと」「初期費用の目安」を明確に伝えることです。また保証人変更が伴う場合は、極度額設定の必要性を必ずチェックリストに入れておくべきです。
事前説明でトラブル回避できます。
賃貸名義変更の審査期間と契約完了までの流れ
管理会社への相談から契約完了までの全体の流れは、おおむね以下のようになります。まず入居者から名義変更の相談を受けたら、管理会社へ連絡して変更可否と条件を確認します。
次に新規契約として子の情報を記載した入居申込書を提出し、保証会社やオーナーによる入居審査が実施されます。
審査期間は通常3日~1週間程度です。
審査通過後、契約書類の作成と署名捺印を行い、初期費用の入金を確認します。
必要な書類がそろっているときで全体として1か月程度かかります。手続きそのものはシンプルですが、覚書などの書類をそろえたり、大家さんや不動産管理会社などとの調整に時間を要するためです。
全体で1か月ほど見ておけばOKです。
賃貸名義変更後の家賃支払い方法の変更手続き
名義変更後は、家賃の支払い名義も新しい契約者に変更する必要があります。支払い人は契約者名義でないと不可で、実際に支払うのが誰とかは問題ないですが、支払い人名義は契約者と同一でなければなりません。
口座振替を利用している場合、金融機関での名義変更手続きが別途必要になります。管理会社から指定された振替依頼書に記入し、新契約者の口座情報を登録します。手続き完了までは振込で対応するケースが多いです。
また振り込みになるのか、手続き時に支払うのかを確認しておくとよいです。初回の家賃支払いタイミングと名義変更手続きの完了時期がずれる場合、旧契約者名義で支払うのか新契約者名義で支払うのかを明確にしておく必要があります。
支払い名義の一致は基本です。