田舎に住むメリットない
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田舎の家賃4万円でも車維持費で実質9万円になります。
不動産従事者として田舎物件を扱う際、「田舎に住むメリットない」と検索する顧客層の存在を無視できません。移住ブームで地方移住相談件数は前年度の1.5倍となる21万3,469件に達しましたが、その裏で失敗事例も急増しています。空き家問題による経済損失は2023年までの5年で3.9兆円、周辺不動産の価値下落も深刻化しており、不動産業者には正確なリスク説明が求められます。
参考)移住してはいけない田舎とは?後悔&失敗を避ける方法を徹底解説…
本記事では、田舎移住の失敗パターンと不動産取引で注意すべきポイントを具体的な数字とともに解説します。
田舎移住で失敗する3つの典型パターン
田舎移住には住まい・仕事・コミュニティの3つの失敗パターンが存在します。不動産従事者として最も押さえるべきは住まいの失敗です。
参考)国が認めた!田舎暮らしで失敗する3パターン -住まい、仕事、…
住まいの失敗は修繕費の誤算が原因です。古民家購入後に断熱工事が必要になり、想定外の出費が発生するケースが典型例です。空き家バンク経由でも、引き渡し後に設備トラブルが発覚してもめる事例が後を絶ちません。老朽化や劣化具合を見た購入希望者が成約に至らないケースも多発しています。
仕事の失敗は収入減による生活破綻です。地方では求人がほぼなく収入源の確保が難しく、賃金も低い傾向にあります。リモートワーク前提で移住したものの、通信環境の不安定さや孤独感から継続できないパターンも報告されています。
参考)田舎暮らしはデメリットしかない?後悔する人の共通点と失敗しな…
コミュニティの失敗は人間関係の濃さが原因です。自治体活動や地域イベントへの参加が欠かせず、人付き合いを避けたい層には不向きな環境です。
つまり3つの失敗要因を理解することです。
田舎物件の資産価値下落と不動産市場への影響
田舎の不動産は資産価値の下落リスクが極めて高い状況です。人口減少や地域の衰退により、2040年には住宅価格が2010年比で46%下がるという研究結果が出ています。
参考)驚きのデータ!日本の空き家問題がもたらす未来の不動産事情コラ…
空き家の増加は周辺不動産にも悪影響を及ぼします。放置空き家による国全体の経済損失は2023年までの5年で3.9兆円に上り、周囲の住宅販売や賃貸が困難になる悪循環を生んでいます。地元の地価低下、商業施設の撤退、地域の利便性ダウンがさらなる空き家増加を招く構造です。
参考)放置空き家、周辺不動産の価値下落 損失3.9兆円の試算 – …
売却難易度の高さが深刻です。田舎の不動産オーナーは都会に比べ少なく、買い手が見つかりづらい状況にあります。空き家バンクに登録してもニーズのミスマッチで売れ残る事例、そもそも見学希望の問い合わせすらない事例が報告されています。
再販売や活用が難しい問題は長期化します。
参考)Vol351 田舎移住のリアル—空き家を買って困った5つのト…
固定資産税の負担も継続するため、所有し続けることは管理コストと税金の圧迫、資産価値のさらなる下落、子や孫への負の遺産といった複数のリスクを伴います。
参考)田舎の土地を手放したい!所有し続ける5つのリスクと賢い処分方…
田舎暮らしの生活コストは本当に安いのか
「田舎は家賃が安い」という常識を数字で検証すると意外な結果が出ます。車の維持費が年間37万円、月換算で3.1万円ほどかかるためです。
参考)田舎暮らしでも、車を持つと都会と同じくらいお金がかかる|すえ…
内訳は車検4万円(2年に1回で8万円)、オイル&エレメント交換1.8万円、タイヤ交換2万円、保険12万円、ガソリン12万円、修理費積み立て5万円となります。これに次の車のための積み立て月1.8万円を加えると、毎月「3.1万円+1.8万円」の支出です。
仮に田舎の家賃が4万円でも車諸経費で実質9万円になります。少なくとも一人暮らしの場合、都会に住んだほうが安く済む計算です。50年間の交通費を比較すると、節約した場合の車費用758万円から都民平均交通費528万円を引いて、車費用(田舎)の方が230万円多くかかります。
参考)【生涯費用を比較】節約好き田舎民の車費用 vs. 車無し都会…
雪国ではさらに負担が増えます。冬用タイヤへの交換や雪かきの手間、豪雪地帯の寒さが想像以上で耐えられなかった失敗事例も報告されています。
参考)https://www.ieuri.com/bible/sumikae/21472/
都会より生活コストが高くなる面もあります。
娯楽を求めて遠出すると移動時間・費用・体力を費やすため、都心部の生活に慣れた人が不便に感じるパターンも多発しています。エンターテイメントがほぼ皆無で、ケーブルテレビやサブスク複数契約で月額費用がかさむ実例もあります。
参考)田舎に移住して失敗しました。|nlog2n2(sekiguc…
不動産従事者が顧客に伝えるべき田舎物件のリスク
不動産従事者には田舎物件特有のリスクを事前説明する責任があります。まず登記や権利関係の複雑さを確認する必要があります。古民家や空き家では所有者が複数存在したり、相続未登記の状態が放置されているケースが珍しくありません。
インフラ整備状況の確認が必須です。車で1時間以上かかるスーパーや病院、閉鎖的で支援制度や相談窓口が整っていない地域、極端な気候・自然条件など、生活負荷が大きい環境を見極める必要があります。水道が引かれていない、下水が整備されていない、通信環境が不安定といった基本インフラの問題も事前調査で把握すべきです。
売却金額を巡る話し合いがこじれる事例にも注意が必要です。空き家の傷みが激しく売却できない状況、補助金の存在を知らずに費用負担が増える失敗パターンを防ぐため、地域の補助制度を把握しておくと提案力が高まります。
契約前の確認事項が重要です。
参考)不動産相談で知っておきたい重要なポイントと相談窓口の活用法を…
古民家や別荘の場合、土地利用に関する制限や地域特有の規制があるため、これらの内容を理解した上で契約を進めることで後々のトラブルを回避できます。購入後の維持管理計画も事前に立てる必要があり、その内容やコストを顧客に説明することが求められます。
田舎移住の相談対応で差をつける提案力
移住相談件数の急増に対応するため、不動産従事者には専門知識が求められます。地方移住相談件数は21万3,469件と前年度から大幅に伸びており、地方移住への関心が高まっています。北関東3県では相談件数が前年同期比1.5〜2倍になったデータもあります。
参考)https://www.zentaku.or.jp/wp-content/themes/zentaku/pdf/useful/realpartner/rp2017_11.pdf
地域密着型の専門業者を選ぶことが重要です。古民家や別荘特有の問題—建物の老朽化状態や土地の利用制限、修繕歴など—に詳しい業者は、購入者に対して適切なアドバイスを提供できます。一般的な不動産業者ではカバーできない知識が差別化要因になります。
事前準備を徹底する姿勢が信頼につながります。物件に関する条件(築年数、土地の状態、周辺環境など)を整理して相談時に伝えやすくすることで、顧客満足度が向上します。
移住者受け入れ体制の確認も必要です。
「未だに根強い賃貸ニーズ VS 空き家でない空き家問題」という課題も指摘されており、実際に居住可能な状態の物件を見極める目利き力が求められます。ヨソモノ扱いされる地域ではなく、受け入れ体制が整った自治体の物件を紹介することで、顧客の移住成功率を高められます。
参考)https://www.chisou.go.jp/sousei/meeting/souseikaigi/pdf/0413_shiryou2-1.pdf
田舎不動産投資のリスクと利回りの現実
田舎での不動産投資には独特のリスクが存在します。
賃貸需要が少ないことが最大の課題です。
都会に比べて人口が少なく、賃貸物件を探している人も限られるため、空室率を抑えて実質利回りを高くする難易度が高い状況にあります。
出口戦略が立てにくい問題が深刻です。田舎の不動産オーナーは都会に比べ少なく、物件の買い手が見つかりづらいため、売却時に苦労するケースが多発しています。価格が安いため想定利回りは高く見えますが、空室リスクを考慮すると実質的な収益は期待値を下回る傾向にあります。
競争相手が少ないメリットは一見魅力的ですが、これは市場そのものが小さいことの裏返しです。土地や物件の価格が安いことは初期投資を抑えられる利点ですが、流動性の低さや資産価値の下落リスクと表裏一体です。
利回りの高い物件選びが難しいです。
地方では購買力の低下により商業施設の撤退が相次ぎ、地域の利便性ダウンがさらなる空き家増加を招く悪循環を生み出しています。この構造的な問題を理解せずに投資すると、長期的な資産形成に失敗するリスクが高まります。

