土地の譲渡税金
5年以下で売ると税率39.63%も取られます。
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土地の譲渡所得税の計算方法
土地を売却した際に得た利益は「譲渡所得」として課税対象になります。譲渡所得の計算式は「譲渡価額−(取得費+譲渡費用)−特別控除」です。
参考)No.3202 譲渡所得の計算のしかた(分離課税)|国税庁
取得費は土地の購入代金に加え、仲介手数料や造成費用などの購入諸経費も含まれます。建物付きの土地を売却する場合、建物部分は減価償却費を差し引いた額が取得費となる点に注意が必要です。
参考)譲渡所得の計算方法①ー取得費と減価償却費について|マイホーム…
譲渡費用には仲介手数料、測量費、建物の取り壊し費用などが該当します。これらの費用を正確に把握することで、課税対象となる譲渡所得を適切に算出できます。つまり経費を漏れなく計上することが節税の第一歩です。
計算した譲渡所得に対し、所有期間に応じた税率をかけて最終的な税額が決まります。所有期間の判定は売却した年の1月1日時点で行われるため、12月に売却すると実際の所有期間より短く判定されることがあります。顧客に売却タイミングを相談されたら、この判定基準を説明しておくと親切です。
参考)長期譲渡所得と短期譲渡所得とは?5年以内の不動産売却は注意が…
土地譲渡の長期譲渡所得と短期譲渡所得
土地の譲渡所得は所有期間により「長期譲渡所得」と「短期譲渡所得」に区分され、税率が大きく異なります。
参考)https://www.city.imabari.ehime.jp/siminzei/zyouto.html
長期譲渡所得は売却した年の1月1日時点で所有期間が5年を超える場合に適用されます。税率は所得税15%、住民税5%、復興特別所得税0.315%で、合計20.315%です。
参考)長期譲渡所得とは?短期との違いや税額の計算方法・特例をわかり…
短期譲渡所得は所有期間が5年以下の場合に適用され、税率は所得税30%、住民税9%、復興特別所得税0.63%で、合計39.63%となります。
長期の約2倍の税率です。
| 所得の種類 | 所有期間 | 所得税率 | 住民税率 | 復興特別所得税 | 合計税率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 長期譲渡所得 | 5年超 | 15% | 5% | 0.315% | 20.315% |
| 短期譲渡所得 | 5年以下 | 30% | 9% | 0.63% | 39.63% |
相続や贈与で取得した土地の場合、被相続人や贈与者が取得した日から計算できる点は重要です。これにより相続直後に売却しても長期譲渡所得として扱える可能性があります。
たとえば親が20年前に購入した土地を相続してすぐ売却する場合、親の取得日を引き継げるため長期譲渡所得として低い税率が適用されます。顧客が相続土地の売却を検討している場合、被相続人の購入時期を必ず確認するようアドバイスしてください。
土地売却時の特別控除制度
土地売却時には譲渡所得から一定額を控除できる特別控除制度が複数用意されています。
参考)【最新版】土地売却の税金はいくら?計算方法と節税できる特例控…
居住用財産の3,000万円特別控除は、マイホームの土地を売る場合に所有期間に関わらず最大3,000万円を控除できる制度です。建物を取り壊した土地のみの売却でも一定条件を満たせば適用可能です。
これが最も利用頻度の高い控除です。
参考)3000万円特別控除は土地のみの売却でも適用できる?適用要件…
公共事業のために土地を売却した場合は、5,000万円の特別控除が適用されます。道路拡張や区画整理など土地収用法に基づく事業が対象で、買い取りの申し出から6ヶ月以内の契約が条件です。
参考)土地売却で使える11種類の税金控除と特例を解説【一覧表付き】…
農地保有の合理化のために農業委員会の斡旋で土地を売却した場合は、800万円の特別控除が適用されます。平成21年または22年に取得した土地を一定期間後に売却すると、1,000万円の特別控除を受けられる特例もあります。
相続した土地を売却する場合、「相続財産を譲渡した場合の取得費加算の特例」により、支払った相続税の一部を取得費に加算できます。相続税と譲渡所得税の二重課税を軽減する仕組みです。
特別控除は併用できないものが多いため、顧客の状況に応じて最も有利な控除を選択する必要があります。複数の控除が該当する場合は、税理士と連携して最適な選択をアドバイスしましょう。
土地譲渡における法人と個人の税金の違い
土地の譲渡税制は法人と個人で大きく異なり、売却主体の選択が節税に直結します。
参考)不動産売却における「法人」と「個人」の税金の違いとは?|不動…
個人の場合、譲渡所得は分離課税として他の所得と合算されず、所有期間に応じた税率が適用されます。短期譲渡は39.63%、長期譲渡は20.315%です。
参考)法人が不動産売却をしたときにかかる税金は?個人との違いを比較…
法人の場合、不動産売却益は事業所得と合算して法人税が課されます。実効税率は約30%前後で、資本金1億円以下の法人は年間所得800万円以下の部分が15%、800万円超の部分が23.2%です。
所有期間による税率の違いはありません。
| 区分 | 個人(短期) | 個人(長期) | 法人 |
|---|---|---|---|
| 税率 | 39.63% | 20.315% | 約30%(実効税率) |
| 他所得との合算 | 分離課税 | 分離課税 | 合算課税 |
| 赤字の相殺 | 不可 | 不可 | 可能 |
法人は他の事業の赤字と相殺できるメリットがあります。個人で長期譲渡の場合は税率が低いため有利ですが、短期譲渡では法人の方が税負担が軽くなります。
参考)不動産のキャピタルゲイン課税における個人と法人の比較|青山財…
法人は減価償却費や役員報酬など広範囲で経費計上できる点も有利です。一方、個人は取得費と譲渡費用のみが経費として認められます。
参考)法人が不動産売却をする際の税金計算:個人との違いや節税方法も…
5年超の長期保有なら個人の方が税率で有利、5年以下の短期保有なら法人の方が有利という原則を押さえておきましょう。顧客が法人名義と個人名義のどちらで保有すべきか相談してきた際の判断材料になります。
土地売却時の印紙税と登録免許税
土地売却では譲渡所得税以外に、手続き時に必要な印紙税と登録免許税がかかります。
参考)土地売却時に発生する譲渡所得税・住民税・印紙税・登録免許税を…
印紙税は売買契約書を作成する際に必要で、売却金額に応じた額の収入印紙を契約書に貼付して納税します。たとえば売却金額が5,000万円超1億円以下の場合、本則税率は6万円ですが、軽減措置により3万円となるケースがあります。契約書を2通作成する場合、両方に印紙が必要です。
登録免許税は抵当権抹消や所有権移転登記の際に必要です。抵当権抹消は不動産1個につき1,000円かかります。土地にローンが残っている場合、引き渡し前にローンを完済して抵当権を抹消する必要があります。
これらは売却益の有無に関わらず必要な税金です。売却損が出ても手続き上の税金は発生するため、顧客に事前に説明しておくとトラブル防止になります。
印紙税の軽減措置は期間限定のため、国税庁のウェブサイトで最新情報を確認してください。
土地譲渡の確定申告と申告漏れのペナルティ
土地を売却して利益が出た場合、翌年の2月16日から3月15日までに確定申告が必要です。特別控除を適用する場合も、譲渡所得がゼロになる場合でも確定申告は必須です。
確定申告をしなかった場合、無申告加算税が課されます。税務調査後に発覚した場合、納付すべき税額の50万円以下の部分は15%、50万円超の部分は20%が加算されます。たとえば本来80万円納税すべきところを申告しなかった場合、13.5万円の無申告加算税が上乗せされます。
参考)ミライアス株式会社(MIRAIAS Co.,Ltd.)
事前通知前に自主的に期限後申告すれば、無申告加算税は5%に軽減されます。80万円の納税額なら4万円の加算で済むため、申告漏れに気づいたらすぐに対応することが重要です。
延滞税も別途発生し、法定申告期限の翌日から納付日まで日割りで計算されます。期間が長引くほど負担が増えるため、早期対応が求められます。
故意に申告しなかった場合や所得を隠蔽した場合、重加算税が課されます。無申告の場合は納付すべき税額の40%、過少申告の場合は35%という非常に重い負担です。
痛い出費です。
| ペナルティ | 税率 | 適用条件 |
|---|---|---|
| 無申告加算税 | 15〜20%(自主申告なら5%) | 期限内に申告しなかった場合 |
| 延滞税 | 日割り計算 | 納付が遅れた場合 |
| 重加算税 | 35〜40% | 故意に隠蔽・仮装した場合 |
特別控除を適用する際は、確定申告時に必要書類を添付する必要があります。居住用財産の3,000万円控除なら住民票の除票や登記事項証明書などが必要です。
参考)譲渡所得の特別控除とは?適用要件や手続き方法を詳しく解説
顧客に土地売却後の確定申告の重要性を必ず伝え、税理士への相談を勧めることで、後々のトラブルを防げます。不動産従事者として、売却後のフォローまで意識することが信頼につながります。
税務調査は売却から数年後に来ることもあるため、契約書や領収書は7年間保管するよう顧客にアドバイスしましょう。
国税庁の確定申告に関する詳細情報はこちらで確認できます。
国税庁:譲渡所得(土地や建物を譲渡したとき)

人口減少時代の土地問題 – 「所有者不明化」と相続、空き家、制度のゆくえ (中公新書 2446)
