土地の名義変更親から子費用
生前贈与の登録免許税は相続の5倍かかります。
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土地の名義変更にかかる登録免許税の費用比較
親から子へ土地の名義を変更する際、最も基本となる費用が登録免許税です。この税金は法務局で登記する際に必ず発生します。
相続による名義変更の場合、登録免許税は固定資産税評価額の0.4%で計算されます。たとえば評価額2,000万円の土地なら8万円です。一方、生前贈与では同じ評価額に対して2%の税率が適用されます。つまり2,000万円の土地で40万円の登録免許税がかかることに。
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税率の差は5倍です。
参考)土地は生前贈与と相続のどちらが得?メリット・デメリットや税金…
この差額は土地の評価額が高くなるほど大きくなります。3,000万円の土地であれば、相続なら12万円で済むところ、生前贈与では60万円必要です。さらに司法書士に手続きを依頼する場合、報酬として3~8万円が別途発生します。
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登録免許税は現金で一括納付する必要があるため、資金計画に組み込んでおく必要があります。売買による取得の場合は2026年3月まで特例で1.5%の税率が適用されますが、贈与には適用されません。
生前贈与で発生する贈与税の金額シミュレーション
生前贈与による土地の名義変更では、登録免許税に加えて贈与税が大きな負担となります。贈与税は基礎控除110万円を差し引いた金額に対して累進課税されます。
評価額3,000万円の土地を一括で贈与した場合を見てみましょう。課税価格は2,890万円(3,000万円-110万円)となり、税率45%、控除額265万円が適用されます。計算すると贈与税は1,035万5,000円です。
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どういうことでしょうか?
親から子への贈与で特例税率が使える場合、5,000万円の土地では2,050万円もの贈与税が発生します。
これは評価額の4割を超える負担です。
贈与税は受贈者である子が納税義務を負うため、子に十分な資金がないと納税できません。
贈与税を抑える方法として、暦年贈与で毎年110万円以内に分割する手法や、相続時精算課税制度の活用があります。ただし土地は分筆しない限り持分での贈与となるため、計画的な実行が求められます。贈与後3年以内に贈与者が亡くなると、相続財産に加算される点にも注意が必要です。
不動産取得税が相続では非課税になる理由
相続と生前贈与のコスト差を決定づける要因の一つが不動産取得税です。この税金は都道府県が課す地方税で、不動産を取得した人に課されます。
相続による土地の取得では、不動産取得税は原則として非課税です。所有者の死亡という避けられない事由による財産移転であり、売買や贈与のような経済的な取引とは性質が異なるためです。法定相続人への包括遺贈や特定遺贈も非課税の対象に含まれます。
参考)相続では不動産取得税は原則非課税!例外ケースや減税措置も解説
つまり税負担ゼロです。
一方、生前贈与では不動産取得税が課税されます。税率は宅地・住宅で3%、住宅以外の家屋で4%です。評価額2,000万円の住宅用地であれば約24万円、1,000万円の土地なら40万円の不動産取得税が発生します。
参考)親から子へ土地の名義を変更する方法。相続・生前贈与・売買それ…
ただし例外もあります。特定遺贈で相続人以外が不動産を取得した場合や死因贈与は、不動産取得税の課税対象です。相続登記後に遺産分割をやり直した場合も課税される可能性があります。不動産取得税は土地の名義変更から半年以内に納付書が郵送されます。
参考)相続時に不動産取得税はかかるのか?必要になるケースや軽減措置…
司法書士報酬と必要書類取得費用の内訳
土地の名義変更手続きを司法書士に依頼する場合、報酬と実費の両方が発生します。相続登記の司法書士報酬は、関東地区で平均約3万9千円、近畿地区で約4万6千円です。
参考)https://souzokutouki-support.com/hiyouhoushu.html
報酬は事務所により幅があります。
基本報酬に加えて、不動産の課税価格が2,000万円を超えると加算報酬が発生する料金体系が一般的です。たとえば課税価格5,000万円未満で3,000円、1億円未満で6,000円の加算です。相続人が4名を超える場合は1名につき3,000円、同一管轄で2件目以降は1件1万円の加算があります。
参考)司法書士報酬表
必要書類の取得費用も見逃せません。戸籍謄本や住民票、印鑑証明書などは1通200~450円で、必要枚数分がかかります。相続人調査で第1順位・第2順位の戸籍等を収集する場合、司法書士報酬は1万円、第3順位では3万円です。請求先が5箇所を超えると1箇所ごとに2,000円加算されます。
生前贈与の登記を司法書士に依頼した場合の報酬は3~8万円が相場です。文書通信費用として3,500円程度、登記対象不動産が3件を超える場合は1件ごとに500円の加算が一般的です。遺産分割協議書の作成を依頼すると1万5,000円、協議項目が10を超える場合は1項目1,000円の追加報酬が発生します。
相続時精算課税制度を使った土地贈与の費用削減
贈与税の負担を軽減する方法として、相続時精算課税制度があります。この制度は60歳以上の父母または祖父母から、18歳以上の子や孫への贈与に適用できます。
制度を選択すると2,500万円までの贈与が非課税になります。
ただし相続時精算課税を選択すると、贈与者が亡くなった際に贈与財産が相続財産に加算されて相続税が計算されます。
つまり税の先送りという性質です。
土地の評価額が将来上昇する見込みなら、贈与時点の低い評価額で固定できるメリットがあります。
一方で登録免許税2%と不動産取得税は相続時精算課税を使っても軽減されません。評価額2,000万円の土地なら登録免許税40万円、不動産取得税24万円で合計64万円かかります。相続なら登録免許税8万円のみで済むため、56万円の差額が生じます。
相続時精算課税は一度選択すると撤回できず、贈与者ごとに適用されます。暦年贈与の基礎控除110万円は併用できなくなるため、少額の贈与を長期間続ける計画には向きません。将来の相続税額が基礎控除内に収まる見込みなら、あえて高コストの生前贈与を選ぶ税務上のメリットはないと言えます。
親子間売買による名義変更と住宅取得資金特例
親から子へ土地を継承する第三の方法が親子間売買です。売買代金を実際に支払うことで、贈与税の課税を避けられます。
売買による登録免許税は2026年3月まで1.5%の特例税率が適用されます。評価額2,000万円の土地なら30万円です。
ただし不動産取得税は4%かかります。
司法書士報酬は3~8万円の範囲です。
痛い出費です。
親子間売買で注意すべきは適正価格での取引です。時価より著しく低い価格で売買すると、差額部分に贈与税が課される可能性があります。金融機関からの住宅ローン借入で購入資金を調達する場合、親子間売買では融資審査が厳しくなる傾向があります。
住宅を建てる目的で親から土地を取得する場合、住宅取得等資金贈与の非課税特例が使えるケースがあります。父母や祖父母から住宅用家屋とその敷地を購入する資金を贈与された場合、最大1,000万円まで贈与税が非課税です。ただし土地購入費用が対象になるには、贈与を受けた年の翌年3月15日までに土地上に住宅を新築し棟上げ状態にする必要があります。
参考)住宅取得等資金贈与の非課税特例とは?適用要件や活用の流れを解…
住宅取得等資金贈与の非課税特例の詳細要件や必要書類については、税理士法人チェスターの解説ページが参考になります
土地評価額3,000万円のケーススタディ比較表
実際の費用を具体的に比較するため、評価額3,000万円の土地を親から子へ継承する3つの方法を表にまとめます。
| 項目 | 相続 | 生前贈与 | 親子間売買 |
|---|---|---|---|
| 登録免許税 | 12万円(0.4%) | 60万円(2%) | 45万円(1.5%) |
| 不動産取得税 | 非課税 | 45万円 | 約120万円(4%) |
| 贈与税 | 非課税 | 1,085万円 | 非課税 |
| 相続税 | 400万円 | 非課税 | 非課税 |
| 司法書士報酬 | 3~8万円 | 3~8万円 | 3~8万円 |
| 合計概算 | 約420万円 | 約1,200万円 | 約170万円 |
この表から分かる通り、生前贈与は最も高コストです。
相続の場合は相続税400万円が主な負担となりますが、基礎控除(3,000万円+600万円×法定相続人数)内に収まれば相続税はかかりません。親子間売買は贈与税を回避できる一方、不動産取得税の負担が大きく、売買代金の調達も課題です。
土地以外にも預貯金や有価証券などの財産がある場合、相続財産全体での税額シミュレーションが不可欠です。配偶者の有無、他の相続人の存在、小規模宅地等の特例適用の可否によって最適な方法は変わります。税理士に相談しながら総合的に判断することが重要です。
土地の生前贈与と相続の税金比較シミュレーションについては、レガシィの詳細記事が参考になります

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