土地評価額とは何か種類と計算方法調べ方

土地評価額とは目的別の価格算定

固定資産税評価額で顧客に売却価格を説明すると実勢価格と大きく乖離する。

この記事の3ポイント
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土地評価額の種類

一物五価と呼ばれる5種類の評価基準があり、公示価格、相続税路線価、固定資産税評価額、基準地価、実勢価格がそれぞれ異なる目的で使われます

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価格の関係性

公示価格を100とすると相続税路線価は80、固定資産税評価額は70の割合で設定されており、実勢価格は公示価格の1.1~1.2倍が目安です

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評価ミスへの注意

97%の自治体で税額修正が発生するほど評価ミスが多く、建物構造や面積の誤認、特例適用漏れなどのチェックが必要です


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土地評価額とは何を示す指標か

 

土地評価額とは、土地の価値を公的に評価した数値のことです。一つの土地に対して「一物五価」と呼ばれる5つの異なる評価額が存在し、それぞれ使用目的や算出機関が異なります。

参考)土地評価額の全知識!種類と計算方法、下げ方までを解説

具体的には以下の評価額があります。

  • 公示価格:国土交通省が毎年1月1日時点で公表する標準地の評価額
  • 基準地価:都道府県が毎年7月1日時点で調査する基準地の価格
  • 相続税路線価:国税庁が設定し、相続税・贈与税の計算に使用(公示価格の80%)
  • 固定資産税評価額:市区町村が決定し、固定資産税や都市計画税の算定基準(公示価格の70%)
  • 実勢価格:実際に取引される市場価格(公示価格の1.1~1.2倍が目安)

これらを混同すると顧客への説明で大きな誤解を招きます。

評価額が基本です。

参考)Vol.78 土地の“評価額”と“実勢価格”ってなにが違う…

土地評価額一物五価それぞれの目的

公示価格は地価公示法に基づき、国土交通省が全国約2万地点で判定した特定の土地の地価です。一般的な取引の指標となり、公共事業用地の取得価格算定の基準としても機能します。毎年3月上旬に公表され、不動産鑑定士2名以上が評価を行います。

参考)https://www.ieuri.com/bible/assessment/10475/

相続税路線価は相続税および贈与税の課税標準を算定するために使われ、国税庁が毎年7月に公表します。公示価格の80%程度の水準に設定されているため、相続税路線価から公示価格を逆算する場合は「相続税路線価÷0.8」で計算できます。

参考)路線価から実勢価格は求められる?それぞれの違いや調べ方を紹介…

固定資産税評価額は固定資産税、都市計画税、登録免許税、不動産取得税の算定基準になります。公示地価の70%程度で算出され、3年ごとの評価替えで更新されます。納税通知書に記載されているため確認しやすいですが、この金額で土地が売れるわけではありません。

参考)https://www.pref.nagano.lg.jp/shichoson/happyou/documents/sannkou08.pdf

実勢価格は実際に市場で取引される価格で、立地条件や市況、売主の事情により変動します。人気エリアでは公示価格の1.5倍以上になることもあります。

つまり市場原理で決まります。

参考)土地の評価額とは?4種類を徹底解説!調べ方・計算方法・税金へ…

土地評価額の計算方法と算出基準

相続税評価額の計算には路線価方式と倍率方式があります。路線価方式では「路線価×奥行価格補正率×面積」で計算します。路線価は国税庁の財産評価基準書路線価図で調べることができ、道路に面する土地の1㎡あたりの価格が千円単位で表示されています。

参考)土地評価明細書は作成できる!記載例と専門家へ依頼する時の判断…

たとえば路線価が260,000円、奥行補正率が1.00、地積が200㎡の場合、「260,000円×1.00×200㎡=52,000,000円」が自用地の評価額になります。奥行補正率は土地の奥行距離に応じて設定され、使いやすい形状かどうかを評価に反映します。

倍率方式は路線価が設定されていないエリアで使われ、「固定資産税評価額×評価倍率」で計算します。評価倍率は国税庁の評価倍率表で確認でき、地域ごとに設定されています。市街化調整区域内の土地を評価する際は、必ず倍率表を先に確認することが重要です。

参考)売却時に参考になる土地の評価額とは?5つの評価額の特徴や調べ…

実勢価格の算出には複数の方法があります。公示価格から算出する場合は「公示価格×面積×1.1(または1.2)」、路線価から算出する場合は「路線価÷0.8×1.1×面積」で計算します。ただし地方と都市部では実勢価格の水準が異なり、都市部では公示価格の1.5~2.0倍、地方では1.0~1.1倍程度になることもあります。

計算式が原則です。

参考)土地評価額の計算方法|路線価・倍率・実勢価格について解説|青…

土地評価額の調べ方と確認ポイント

公示価格と基準地価は国土交通省の「不動産情報ライブラリ」で検索できます。地域を設定し、価格情報区分で「地価公示」または「都道府県地価調査」を選択すると、標準地の単価や所在地が一覧表示されます。ただし調査地点は限られているため、対象地から離れた地点のデータしかない場合もあります。

参考)路線価から実勢価格を算出する方法│調べ方・相続税の節税方法も…

相続税路線価は国税庁の「財産評価基準書」ホームページで調べられます。地図をクリックして所在を絞っていくと対象地の路線価図が表示される仕組みです。路線価図には道路ごとに価格が記載されており、アルファベットで借地権割合も示されています。

固定資産税評価額は納税通知書に同封される課税明細書で確認できます。明細書には「価格」または「評価額」と「課税標準額」の両方が記載されており、住宅用地の軽減特例が適用されている場合、200㎡以下の部分の課税標準額は評価額の6分の1になっています。課税標準額が不自然に高い場合、特例の適用漏れの可能性があります。

参考)あなたの固定資産税、高すぎない?課税ミスを発見し、還付を受け…

実勢価格の調べ方として、国土交通省の「不動産取引価格情報検索」で実際の取引事例を参照する方法があります。時期や不動産の種類を選択すると、取引総額や面積、㎡単価が一覧表示されますが、町名までしか所在地が分からないため場所を特定できず、取引数が少ないエリアもあります。

無料で調べられます。


国土交通省 不動産取引価格情報検索

実際の取引価格データを地域別・時期別に検索でき、市場価格の相場感を掴むのに役立ちます。

土地評価額の間違いやすいポイント

固定資産税評価額は97%の自治体で税額修正が発生するほどミスが多い税金です。評価基準の複雑さが主な原因で、土地の形状、道路との接面状況、用途地域など数多くの要素を組み合わせて算出するため、職員による判断ミスや計算ミス、システム設定の誤りが生じやすくなっています。

建物の構造や面積の誤認、土地の地目の誤登録(例:畑なのに宅地と評価)など、登録情報のミスにより評価額が上がっているケースがあります。延床面積に誤りがあり、正しい面積よりも多く計上されていると評価額が上がり、固定資産税額が間違って課税されます。不動産のプロではない市町村職員が業務を行うため、こうした人為的ミスが多発しているのです。

参考)あなたのお客様は固定資産税を払いすぎていませんか!?不動産の…

相続税の申告でよくある間違いが、固定資産税の通知書に書かれている評価額をそのまま使ってしまうことです。相続税の申告では路線価または倍率方式を使って計算する必要があり、固定資産税評価額では正しい税額は計算できません。

これだけ覚えておけばOKです。

参考)「自分で申告」の落とし穴:土地評価の難しさ – 野田克文 税…

市街化調整区域内の土地を評価する際は、必ず倍率表を見てから行うことが重要です。申告案件が路線価地域の土地ばかりだと路線価図から見てしまうクセがつき、倍率地域でも前面道路に路線価が付されていると路線価だと思い込んで間違えて評価することがあります。

参考)倍率方式でミスしやすい3項目 &#8211; 相続実務WEB

土地評価額と実勢価格の乖離を活用する独自視点

評価額と実勢価格の乖離は税金負担と実際の売却価格の両面で重要な意味を持ちます。固定資産税評価額が1,000万円でも実際に2,200万円で売れることはよくあり、評価額は税金計算のために抑えめに見積もるのが前提だからです。この差がないと税金ばかり高くなってしまうため、むしろ健全な状態といえます。

相続税対策で不動産を購入する場合、評価額と時価の乖離を理解することが不可欠です。たとえば1億円で購入した賃貸用地が、路線価ベースでは6,400万円の評価額になるケースがあります。さらに小規模宅地等の特例を適用すれば200㎡まで50%引きになり、相続税の大幅な圧縮が可能です。

参考)土地の相続税評価額の計算を日本一わかりやすく解説しました

ただし評価額より高く売ることに問題はありません。むしろそれが正解であり、「固定資産税評価額が800万円だから800万円で売れるはず」という説明は誤解を招きます。顧客には評価額の性質を正確に説明し、実勢価格は市場動向や個別事情で決まることを理解してもらう必要があります。

評価額の確認方法として、納税通知書が届いたら評価明細書の金額を確認し、国土交通省の「不動産情報ライブラリ」などを活用して公示地価と比較する習慣をつけましょう。ただし公示地価はピンポイントではないため、近隣の公示地価と照らし合わせることが条件です。評価額が公示地価の7割程度かどうかを確認し、高いようであれば不服申し立ても検討できます。

助かります。

参考)固定資産税の「課税ミス」、不動産所有者の2割が経験 – 間違…

国税庁 財産評価基準書路線価図・評価倍率表

相続税や贈与税の計算に必要な路線価と評価倍率を地域別に確認でき、土地評価の基礎資料として活用できます。

国土交通省 地価公示・都道府県地価調査

公示地価と基準地価の標準地データを検索でき、対象地の近隣における公的評価額の水準を把握するのに有用です。

路線価方式で評価する際、前述の式にある固定資産税評価額に、財産評価基本通達で規定されている画地調整項目(減価項目)が織り込まれていないケースもあります。このような場合は近傍宅地価格を調べて正面路線価として画地調整を行うことになり、これらの補正を正確に適用することで評価額を10%~50%以上下げられるケースもあります。これらは自動的に適用されるものではなく、申告する側が該当する減価要因を見つけて適用する必要があります。

厳しいですね。

住宅用地の軽減特例が正しく適用されているかの確認も重要です。ご自宅の土地(200㎡以下の部分)の課税標準額が評価額の6分の1になっているかを、明細書の「価格」または「評価額」と「課税標準額」の欄を見比べて確認してください。この特例適用漏れを発見するために、毎年の納税通知書を保管し、評価額の推移を記録しておくことをおすすめします。複数年のデータがあれば異常な変動にも気づきやすくなります。

不動産従事者として顧客に評価額を説明する際は、目的別に適切な指標を選ぶことが必須です。売却相談では実勢価格、相続相談では路線価、税負担の質問では固定資産税評価額と使い分けることで、専門家としての信頼性が高まります。評価額の混同による誤った助言は、顧客の経済的損失や税務トラブルにつながるリスクがあるため、各評価額の性質と計算方法を正確に理解しておく必要があります。

それで大丈夫でしょうか。



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