特定空き家誰が決める
特定空き家に指定されると自治体が独自で決める。
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特定空き家の判定機関と法的根拠
特定空き家かどうかを決定するのは、空き家が所在する市区町村の自治体です。2015年に施行された「空家等対策の推進に関する特別措置法」に基づき、市町村長の権限で判定が行われます。
参考)【基準】特定空き家は誰が決める?通報される?指定までの流れを…
全国の8割以上の自治体が「空家等対策計画」を策定しており、この計画に沿って問題のある空き家を特定空き家に指定します。自治体は所有者の許可なく立入調査を実施する権限を持ち、家屋の状態や衛生環境、倒壊などの危険性をチェックします。
参考)特定空き家の認定は誰が決める?基準と認定の流れ・対策方法も解…
つまり市町村が主体です。
判定過程では、空家等対策協議会の意見を聞きながら決定することもあります。これは地域の実情を最もよく把握している基礎自治体に権限が与えられているためです。不動産従事者としては、所有者が「まだ大丈夫」と思っていても、第三者である自治体が「危険」と判断すれば指定される点を理解しておく必要があります。
参考)特定空き家とは?誰がきめる?指定の基準と対処法を解説します
立入調査を拒否すると行政処分の対象となる可能性があるため、自治体からの連絡には速やかに対応することが重要です。
特定空き家認定までの5ステップ
特定空き家の認定は、段階的なプロセスを経て行われます。認定までの流れを理解しておくことで、早期対応が可能になります。
STEP1:通報や行政巡回による把握
自治体は定期的な巡回調査や近隣住民からの通報を通じて、空き家の情報を収集します。業務中の巡回や相談・通報により、管理状態が悪く近隣住民に悪影響を及ぼす可能性がある空き家が発見されます。
参考)【通報】特定空き家は誰が決める?基準や指定までの流れを抑えて…
STEP2:現地調査の実施
問題が指摘された空き家に対して、自治体の担当者が現地調査を実施します。建物の外観や周辺環境を詳細に観察し、具体的な問題点を洗い出します。
STEP3:特定空き家の基準に照会
現地調査の結果をもとに、対象の空き家が特定空き家の基準に該当するかどうか検討されます。老朽化による倒壊の危険性、衛生面の問題、周囲の景観や生活環境への悪影響など、複数の要素が評価対象となります。
STEP4:所有者への通知と指導
特定空き家として指定される可能性が高い場合、自治体は空き家の所有者に対して通知を行い、現状の問題点や改善策などの指導を実施します。
STEP5:特定空き家として正式指定
指導に従わない場合、自治体の行政判断により「特定空き家」として正式に認定されます。
参考)【空き家管理】特定空き家は通報される?条件や対応策を解説稲沢…
この流れが原則です。
不動産従事者としては、顧客の物件がSTEP1やSTEP2の段階で把握できれば、早期に対策を講じることで認定を回避できる可能性があります。自治体からの連絡を受けた際は、すぐに専門家に相談することをお勧めします。
参考リンク:国土交通省による特定空家等に対する措置のガイドライン
https://www.mlit.go.jp/common/001090470.pdf
特定空き家の4つの判定基準
特定空き家に指定されるかどうかは、法律で定められた4つの基準によって判断されます。自治体はこれらの基準に照らし合わせて、現地調査の結果を評価します。
①倒壊など保安上の危険がある状態
建物が倒壊する恐れがあるケース、屋根や外壁が脱落する恐れがあるケース、擁壁が老朽化し危険となるケースなどが該当します。屋根の変形、階段やバルコニーの腐食なども、災害時に脱落・飛散する可能性があるため対象となります。
参考)特定空き家って何?指定される4つの状態や取り消す方法・対策に…
②衛生上有害となる恐れがある状態
家の設備が壊れて排水や汚物が流出したり、ゴミや不法投棄の放置により悪臭や虫が発生したりしている状態です。動物が住み着き、周囲に悪影響を及ぼしている場合も含まれます。
参考)特定空き家とは?指定されるとどうなる?指定されないための対策…
③景観を著しく損なっている状態
適切な管理が行われないことによって外壁の落書きが放置されていたり、窓ガラスが割れたままになっていたりする場合などが例として挙げられます。
④周辺の生活環境を守るために放置が不適切な状態
庭木が敷地外に伸びて通行を妨げている、窓ガラスや外壁が損傷し容易に不法侵入できる状態で放置されているなどが該当します。
4つが判断基準です。
これらの基準は国土交通省のガイドラインに詳しく記載されており、各自治体はこのガイドラインをもとに独自の判断基準を作成しています。不動産従事者としては、これらの基準を理解し、顧客の物件が該当しないか定期的にチェックすることが重要です。
参考)市町村向け特定空家等及び管理不全空家等の判断基準案について …
立木や敷地内の構造物の倒壊リスクも判定条件の一つであり、管理が適切に行われない立木が風雨などの自然要因で倒壊し、近隣住民やその財産へ被害を及ぼす可能性がある場合も対象となります。
参考)特定空き家とは?基準と対策について徹底解説!|タウンライフ空…
特定空き家の通報システムと実態
特定空き家の認定プロセスは、近隣住民からの通報がきっかけとなるケースが多く見られます。自治体は住民から寄せられた情報をもとに、問題のある空き家を調査対象とします。
通報による認定の流れは以下の通りです。近隣住民が自治体に空き家の苦情や相談を寄せると、自治体は情報を記録し、現地調査の必要性を判断します。通報内容が危険性や衛生面の問題を示唆している場合、優先的に調査対象となります。
参考)誰が決める?特定空き家認定までの流れ4ステップを徹底解説
実は通報が起点です。
現地調査の結果、特定空き家の基準に該当すると判断された場合、所有者への連絡と指導が始まります。自治体は所有者に管理状況を問い合わせ、助言や指導を行います。
行政指導等を受けた特定空き家の件数は約3万戸に及んでいるというデータもあり、通報システムが実際に機能していることがわかります。不動産従事者としては、顧客の空き家が通報される前に、定期的な巡回や管理状態のチェックを提案することが有効です。
近隣住民との良好な関係を保つことも重要で、空き家の状態について気づいた点があれば早期に改善することで、通報リスクを減らすことができます。自治体の空き家相談窓口で、通報があったかどうかを確認することも可能な場合があります。
参考)所有している空き家が特定空家に指定されないか心配。−NPO法…
特定空き家指定後の重大リスク
特定空き家に指定され、その後の行政措置に従わない場合、所有者には深刻な経済的負担が発生します。
固定資産税が最大6倍に増額
特定空き家として指定された後、自治体から改善のための「勧告」を受けると、住宅用地の特例措置の対象から除外されます。これまで土地の固定資産税は1/6に軽減されていましたが、この特例が適用されなくなるため、実質的に固定資産税が6倍になります。
勧告を受けた翌年から増税が適用されます。
例えば、年間3万円だった土地の固定資産税が、勧告後には18万円になる計算です。東京23区内の住宅地(固定資産税評価額2000万円程度)であれば、年間約7万円が約42万円に跳ね上がることになります。
固定資産税6倍が基本です。
50万円以下の過料
勧告に背いた場合、続いて「命令」の措置に移行します。この命令に違反した場合は、50万円以下の過料に処せられます。過料は刑罰ではありませんが、行政上の金銭的制裁であり、支払いを拒否することはできません。
参考)空き家放置で固定資産税が上がる?50万円の過料が課せられる可…
強制代執行のリスク
命令にも従わない場合、自治体は強制代執行により建物を撤去することができます。この際の解体費用は所有者に請求され、通常の解体費用よりも高額になる傾向があります。木造2階建て住宅の解体費用は150万円程度が相場ですが、強制代執行の場合は200万円以上になることもあります。
痛い出費です。
不動産従事者としては、これらのリスクを顧客に明確に伝え、早期の対策を促すことが重要です。勧告を受ける前の「助言・指導」の段階で改善すれば、固定資産税の増額を回避できます。物件の状態が悪化する前に、売却や解体、適切な管理体制の構築などの選択肢を提案しましょう。
参考リンク:空き家対策特別措置法の詳細と罰則規定
特定空き家認定を回避する実践的対策
特定空き家に指定されるリスクを回避するためには、物件の状態に応じた適切な対策が必要です。すでに指導を受けている場合でも、速やかに改善すれば認定解除が可能です。
参考)特定空き家とは?指定されるとどうなる?税金・罰則・対策を解説…
建物の修繕による倒壊リスクの排除
屋根や外壁の損傷、基礎部分のひび割れなど、倒壊の危険性がある箇所を修繕します。特に台風シーズン前には、屋根瓦のずれや外壁の剥離がないかチェックすることが重要です。階段やバルコニーの腐食も要注意ポイントです。
修繕費用の目安として、屋根の部分補修は10万円~30万円、外壁の部分補修は20万円~50万円程度です。全面的な改修が必要な場合は、解体も選択肢に入れて検討しましょう。
衛生環境の改善
ゴミの撤去や庭の草木の手入れを行い、景観に配慮します。動物が住み着いている場合は、専門業者による駆除が必要です。害獣駆除の費用は5万円~15万円程度が相場です。
定期的な巡回と管理
月1回程度の巡回を行い、建物の状態をチェックします。窓ガラスが割れていないか、不法投棄がないか、敷地内の立木が道路にはみ出していないかなど、基本的な管理を継続することが重要です。
巡回管理が基本です。
空き家管理サービスの活用
遠方に住んでいて自分で管理できない場合は、空き家管理サービスの利用を検討しましょう。月額5,000円~15,000円程度で、定期的な換気、通水、郵便物の整理、草木の手入れなどを代行してくれます。
売却または活用の検討
管理が難しい場合は、早期の売却を検討することも有効です。特定空き家に指定される前であれば、買い手がつきやすく、価格交渉も有利に進められます。賃貸物件として活用する、更地にして駐車場経営を行うなど、収益化の選択肢もあります。
不動産従事者としては、顧客の状況に応じて最適な選択肢を提案し、特定空き家認定のリスクを未然に防ぐサポートを行うことが求められます。指導を受けた段階で速やかに対応すれば、認定を回避できる可能性が高まります。
不動産従事者が押さえるべき特定空き家対応の留意点
不動産従事者として特定空き家問題に関わる際には、いくつかの重要な留意点があります。顧客へ的確なアドバイスを提供するために、これらのポイントを理解しておく必要があります。
自治体ごとに判断基準が異なる
国のガイドラインは存在しますが、各自治体が独自の判断基準を作成しています。そのため、同じ状態の空き家でも、A市では特定空き家に指定されるが、B市では指定されないというケースもあり得ます。顧客の物件が所在する自治体の具体的な基準を確認することが重要です。
自治体ごとに違います。
所有者の感覚と行政判断のギャップ
所有者が「まだ大丈夫」と思っていても、第三者である自治体が「危険」と判断すれば指定されます。このギャップを顧客に理解してもらい、客観的な視点で物件の状態を評価することが必要です。
2023年の法改正による影響
2023年の法改正により、特定空き家に指定されなくても、その前段階である「管理不全空き家」に指定されれば、固定資産税が6倍に上がることになりました。この新しい制度により、より早い段階での対策が求められるようになっています。
認定解除の可能性
特定空き家に指定されても、自治体の指導に従って問題箇所を改善すれば指定解除になる可能性があります。建物を修繕して倒壊などの危険性を排除する、ゴミを撤去する、庭の草木を手入れして景観に配慮するなどの対応により、認定を取り消すことができます。
参考)特定空家とは?特定空家の認定基準と認定されたときのリスクも説…
解除も可能です。
解体後の税負担増加
建物を解体すると、土地に関する固定資産税の軽減措置の適用外になります。そのため、解体を提案する際には、建物がある状態と更地にした場合の固定資産税の違いを明確に説明する必要があります。
早期対応の重要性
助言や指導の段階で対応すれば、固定資産税の増額や過料を回避できます。勧告を受けてからでは手遅れとなり、翌年から税負担が大幅に増加します。顧客に対しては、自治体からの連絡があった時点で速やかに相談するよう促すことが重要です。
不動産従事者として、これらの留意点を踏まえた上で、顧客の状況に応じた最適な提案を行うことが求められます。定期的な情報収集を行い、法改正や自治体の動向を把握しておくことも大切です。物件の状態が悪化する前に、予防的なアドバイスを提供することで、顧客の信頼を得ることができます。
参考リンク:大分県による市町村向け特定空家等の判断基準案
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