民泊許可申請費用の内訳と相場を徹底解説

民泊許可申請費用の全体像

特区民泊の申請手数料は一律21,200円なのに、大阪市と東京都大田区では行政書士への代行報酬が5万円以上違います。

この記事でわかる3つのポイント
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申請形態別の費用相場

民泊新法、特区民泊、簡易宿所それぞれの申請手数料と代行費用の違いを比較。自治体ごとの手数料差も明確に

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隠れたコストの把握方法

消防設備工事や書類作成費用など、事前に見落としがちな追加費用の実態と節約ポイント

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専門家依頼の判断基準

自分で申請する場合と行政書士に依頼する場合の費用対効果を、時間コストも含めて解説


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民泊許可申請の基本的な費用構成

 

民泊許可申請にかかる費用は、大きく分けて3つの要素で構成されます。

参考)注意点も!民泊許可申請に必要な費用と手続きの流れを解説

まず自治体に支払う申請手数料があります。これは許可の種類や地域によって変動し、返金されない点に注意が必要です。次に行政書士などの専門家に依頼する場合の代行報酬が発生します。最後に消防設備の設置や建物の改修にかかる工事費用です。

参考)民泊の運営費用はどこにかかる?主要な内訳を確認しよう|熊本市…

この3つの費用は物件の条件や立地、規模によって大きく変わります。

特に消防設備費用は、建物の種類や収容人数によって数万円から数百万円まで幅があるため、事前の見積もりが欠かせません。申請前に保健所と消防署へ事前相談し、必要な設備を確認することで、予算オーバーを防げます。

参考)その消防設備高くない?知らないと損する民泊許可申請の「消防法…

物件契約前に条件を把握しておけば、後から想定外の出費に悩まされることもなくなります。

民泊申請の3つの形態と費用の違い

民泊を運営するには、民泊新法(住宅宿泊事業法)、特区民泊、旅館業法(簡易宿所)の3つの申請形態から選ぶ必要があります。

参考)【最新版】特区民泊と民泊新法の違いを徹底解説|大阪で民泊許可…

それぞれ営業日数や最低宿泊日数、対象エリアに違いがあり、費用も異なります。

申請形態 対象エリア 営業日数制限 最低宿泊日数 申請手数料
民泊新法 全国 年間180日以内 制限なし 6,000円​
特区民泊 国家戦略特区のみ 制限なし 2泊3日以上 自治体により異なる(大阪市21,200円、東京都大田区20,500円)

参考)代行料金

簡易宿所 全国 制限なし 制限なし 1~3万円程度(東京都16,500円、大阪市22,000円)

民泊新法は全国どこでも申請できる反面、年間180日までしか営業できません。短期滞在の回転率を上げやすい点がメリットです。

一方、特区民泊は国家戦略特区内に限られますが、営業日数に制限がありません。ただし最低宿泊日数が2泊3日以上という条件があるため、長期滞在者をターゲットにする場合に有利です。

参考)3種類の民泊の違いは?|旅館業法・民泊新法・特区民泊 | 名…

簡易宿所は営業日数も最低宿泊日数も制限がなく、最も自由度が高い形態といえます。

民泊許可申請の自治体別手数料比較

同じ申請形態でも、自治体によって手数料は大きく変わります。

参考)民泊を始める際に必要な許可申請とは?申請の種類や必要な手続き…

簡易宿所の場合、東京都新宿区では29,000円ですが、東京都内でも地域によって差があります。大阪市では22,000円と、首都圏より若干安い設定です。

民泊新法に基づく住宅宿泊事業の届出手数料は、全国一律で6,000円に統一されています。手続きが比較的シンプルなため、他の制度より費用が抑えられるのが特徴です。

特区民泊の手数料は特区ごとに設定されており、大阪市が21,200円、東京都大田区が20,500円となっています。

これらの手数料は原則として返金されません。申請前に自治体のホームページで最新の情報を確認し、不備のない書類を準備することが費用の無駄を省く第一歩です。

自治体の担当窓口に事前相談すれば、記載漏れや誤りによる再申請を避けられます。

参考)失敗しない!民泊許可申請の手順と必要書類・注意点を徹底解説

民泊許可申請の行政書士代行費用

行政書士に民泊の許可申請を代行依頼すると、費用相場は20万円から40万円が目安です。

参考)民泊の申請代行の費用はいくら?行政書士に依頼するメリットや注…

申請形態によって代行費用は異なります。民泊新法は約20万円前後、特区民泊は25万円から35万円、簡易宿所は30万円から40万円が一般的な相場です。

参考)民泊申請は行政書士が代行可能!費用相場や代行依頼できる申請書…

簡易宿所は営業日数に制限がなく、旅館・ホテルと同等の基準を満たす必要があるため、行政書士の業務範囲も広くなります。特区民泊は特区ごとに異なるルールや住民説明義務があり、書類作成や対応が煩雑になる分、費用が上がる傾向です。

代行費用には地域差もあります。

大阪市の特区民泊で代行報酬が27万円(税込)からなのに対し、東京都大田区では32万4千円(税込)からと、5万円以上の差があります。これに自治体への申請手数料を加えた合計が実際の支払額です。

行政書士に依頼すれば、複雑な書類作成や行政機関とのやり取りを任せられます。

時間コストを考えると、本業に集中しながら確実に許可を取得できる点が大きなメリットです。

民泊開業で見落とされがちな消防設備費用

民泊の初期費用で最も変動が大きいのが消防設備の設置費用です。

建物の種類によって必要な設備が大きく変わり、特定小規模施設なら40万円から50万円、特定一階段等防火対象物では200万円以上かかるケースもあります。収容人数や延べ面積によっても設置義務が異なるため、事前の確認が不可欠です。

参考)民泊の消防設備、設置義務は?必要書類や設置費用、点検・報告義…

収容人数 延べ面積 必要な消防設備 費用相場
16人未満 700㎡未満 住宅用火災警報器、消火器 数万円~​
16人以上 700㎡以上 自動火災報知機、誘導灯、消火器、避難器具など 数十万円~​

特定小規模施設であれば、無線式の自動火災報知器で対応できるため、消火器など他の設備を含めても費用を抑えられます。

一方、規模が大きい施設では有線式や本格的な設備が必要になり、50万円から100万円以上になることもあります。

参考)民泊施設に必要な消防設備や設置する際のポイント・費用などを解…

家主居住型の場合、既存の設備を流用できることがあります。これにより、新たに全ての設備を購入するよりもコストを削減できる可能性があるわけです。

物件契約前に消防署で必要な設備を確認し、見積もりを取っておけば、予算計画が立てやすくなります。

参考)民泊申請自分でやるやり方は?保健所の届出方法を紹介!|ぽんこ…

民泊許可申請を自分でやる場合の注意点

民泊の許可申請は、条件さえ整っていれば自分で行うことも可能です。

ただし、初心者がつまずきやすいポイントがいくつかあります。

まず、めぼしい物件を見つけたら、保健所と消防署に事前相談することが必須です。保健所で民泊を始めるための条件を確認し、消防署で消防設備の要件をチェックします。条件がクリアできそうなら、物件の契約に進むという流れです。

申請書類には正確な情報を漏れなく記載する必要があります。

記載漏れや誤りがあると、申請がスムーズに進みません。不明な点があれば、事前に自治体の担当窓口に確認することをおすすめします。

必要書類は自治体によって異なりますが、一般的には以下のものが求められます。

  • 自治体指定の申請書
  • 登記事項証明書(建物・土地
  • 建物の図面(配置図、平面図など)
  • 消防法令適合に関する書類
  • 構造設備の概要書
  • 周辺環境の見取図
  • 使用承諾書(賃貸物件の場合)

賃貸物件で民泊を始める場合、建物所有者からの使用承諾書が別途必要です。

登記事項証明書は法務局で取得でき、オンライン申請や郵送での請求も可能です。書類の準備に時間がかかるため、余裕を持ったスケジュールで進めることが大切です。

自分で申請すれば行政書士への代行費用は不要ですが、時間と労力がかかります。

本業との兼ね合いや、申請の複雑さを考慮して、専門家への依頼も検討する価値があります。

民泊許可取得にかかる期間とその他の費用

民泊の許可取得には、一定の期間がかかります。

参考)民泊 許可 完全ガイド|必要書類・申請方法・条件・費用をわか…

申請から許可が下りるまでの期間は、自治体や申請形態によって異なりますが、一般的に数週間から数ヶ月を見込む必要があります。この期間中は営業できないため、収益計画に組み込んでおくことが重要です。

許可取得後には、登録免許税を納める必要があります。

登録免許税は民泊施設の規模によって異なり、1万5千円から6万円程度が相場です。この税金は許可取得の際に必ず発生するコストとして、予算に含めておく必要があります。

さらに、物件の改修が必要な場合は別途費用がかかります。

例えば、消防設備の設置スペースを確保するための内装工事や、衛生基準を満たすための設備改修などです。これらの改修費用は物件の状態によって大きく変動するため、事前の現地調査と見積もりが欠かせません。

近隣住民への説明会も、場合によっては必要になります。

特区民泊では住民説明義務が設けられている地域もあり、説明会の開催費用や資料作成費用が追加で発生することがあります。近隣住民の理解を得られるよう、丁寧に説明することで、後々のトラブルを避けられます。

民泊許可申請の詳しい手続きと費用については、こちらの記事で具体例が紹介されています
許可取得に必要な書類や条件の詳細は、こちらのガイドで確認できます

民泊ビジネスのための手続【届出・登録・許可申請】と書式実践マニュアル (事業者必携)