レインズ登録証明書もらってない対処法と業者変更のタイミング

レインズ登録証明書もらってない

専任媒介契約で7営業日過ぎても登録証明書をもらえないと宅建業法違反で行政処分対象になります

この記事の3つのポイント
📋

登録証明書交付は法律上の義務

専任媒介は7営業日以内、専属専任媒介は5営業日以内にレインズ登録と証明書交付が宅建業法で義務付けられています

⚠️

もらえない場合は囲い込みの可能性

登録証明書を交付しない業者は物件を独占して両手仲介を狙う囲い込みをしている可能性が高く売却期間が長期化します

🔄

対処法は即座の確認と業者変更

期限経過後すぐに書面で請求し応じない場合は媒介契約を解除して他社へ変更するか行政機関へ相談することが重要です

レインズ登録証明書の交付義務と法定期限

不動産業者が専任媒介契約または専属専任媒介契約を売主と締結した場合、レインズへの物件登録と登録証明書の交付は宅地建物取引業法で定められた法律上の義務です。専属専任媒介契約では媒介契約締結日の翌日から起算して5営業日以内、専任媒介契約では7営業日以内にレインズへ登録しなければなりません。

この営業日のカウントは不動産会社とレインズの休業日を除いて計算されます。たとえば月曜日に媒介契約を締結した場合、専任媒介なら土日を除いて翌週の水曜日までが登録期限となるイメージです。この期限を過ぎても登録証明書が交付されない状況は、明確な宅建業法違反に該当します。

登録証明書には物件の所在地、売却価格、面積などの基本情報に加えて、売主専用の確認画面にアクセスするためのIDとパスワードが記載されています。2025年1月の法改正以降は、さらに二次元コード(QRコード)も追加されており、スマートフォンで簡単にレインズの取引状況を確認できるようになりました。この二次元コードをスキャンすれば、物件がレインズに正しく登録されているか、取引状況が「公開中」「書面による購入申込あり」「売主都合で一時紹介停止中」のどのステータスになっているかをリアルタイムで確認できる仕組みです。

不動産業者が登録証明書を交付しない理由は複数考えられますが、最も深刻なのは意図的に物件情報を隠蔽する「囲い込み」を行っているケースです。囲い込みとは、売主と買主の両方から仲介手数料を得る両手仲介を狙って、他社からの問い合わせを故意に拒否する行為を指します。レインズに登録しない、または登録しても「商談中」と虚偽のステータスを設定することで、事実上他社の仲介業者が物件を紹介できない状態を作り出すのです。

つまり登録が原則です。

専任媒介契約や専属専任媒介契約を選んだ売主にとって、レインズへの登録は全国の不動産業者に物件情報を公開し、早期売却と適正価格での成約を実現するための重要な手段となります。登録証明書をもらえない状況は、この権利が侵害されている状態と言えます。

国土交通省指定の不動産流通機構「REINS TOWER」公式サイトでは媒介契約制度とレインズ登録義務について詳しく解説されています

レインズ登録証明書をもらってない場合の囲い込みリスク

レインズ登録証明書を期限内に交付されない状況は、単なる事務手続きの遅れではなく、売主に深刻な経済的損失をもたらす囲い込みの兆候である可能性が高いです。囲い込みが行われると、物件情報が広く市場に流通せず、本来なら購入を検討したであろう多数の買主候補にリーチできない状態が続きます。

結果として売却期間が大幅に長期化します。通常であればレインズ登録から成約までの平均日数は約79日程度ですが、囲い込みされた物件では数か月から1年以上売れ残るケースも珍しくありません。長期間売れない物件は市場で「売れ残り物件」という印象を持たれ、さらに買主が見つかりにくくなる悪循環に陥ります。

売却価格の下落も避けられません。時間経過とともに売主は「早く売りたい」という焦りから値下げを余儀なくされ、当初の希望価格から数百万円単位で損失を被ることになります。たとえば3000万円で売却できたはずの物件が、囲い込みによる長期化で最終的に2700万円で売却せざるを得なくなるケースがあります。

これは300万円もの損失です。

厳しいところですね。

囲い込みの具体的な手口は巧妙化しています。レインズには一応登録するものの、登録証明書を売主に交付した直後に物件情報を削除する手法や、取引状況を「書面による購入申込あり」に変更して他社からの問い合わせを事実上ブロックする方法があります。また、他社から問い合わせがあっても「すでに商談が進んでいます」「鍵の手配ができません」などと虚偽の理由を述べて内覧を断る行為も報告されています。

2025年1月の宅建業法施行規則改正により、レインズへの取引状況の登録が義務化され、売主は二次元コードで簡単にステータスを確認できるようになりました。この改正は長年問題視されてきた囲い込み行為に対する規制強化の一環ですが、それでも完全には防げていないのが実態です。物件の取引状況を頻繁にチェックし、不自然なステータス変更がないか監視する必要があります。

国土交通省の公式プレスリリースではレインズ機能強化と囲い込み防止策について売主向けリーフレットが公開されています

レインズ登録証明書交付を請求する具体的手順

レインズ登録証明書をもらっていない場合、まずは不動産業者に対して正式に交付を請求する必要があります。この請求は口頭ではなく、必ず書面またはメールで記録が残る形で行うことが重要です。請求内容には「媒介契約締結日」「契約の種類(専任媒介または専属専任媒介)」「レインズ登録期限」「登録証明書の交付を求める旨」を明記します。

たとえば「令和○年○月○日に専任媒介契約を締結しましたが、法定期限である7営業日を経過した現在も、レインズ登録証明書の交付を受けておりません。宅地建物取引業法に基づき、速やかに登録証明書を交付してください」という内容です。請求の際は配達証明付き内容証明郵便を利用すると、後の証拠として有効です。

請求後、通常であれば数日以内に登録証明書が交付されるはずです。交付された証明書を受け取ったら、記載されているIDとパスワード、または二次元コードを使って、実際にレインズの売主専用確認画面にアクセスし、物件情報が正しく登録されているか確認しましょう。確認すべき主なポイントは、物件の所在地、価格、面積、築年数などの基本情報が正確か、取引状況が「公開中」になっているか、他社からの問い合わせが可能な状態かなどです。

どういうことでしょうか?

もし請求から1週間以上経過しても登録証明書が交付されない場合、または交付されても明らかに虚偽の内容が記載されている場合は、次の段階に進む必要があります。まず再度書面で催告し、それでも応じない場合は媒介契約の解除を検討します。専任媒介契約や専属専任媒介契約の期間は最長3か月ですが、業者側の義務違反がある場合は期間中でも正当な理由として契約解除が可能です。

契約解除の際、業者から違約金や広告費用の請求をされる可能性を心配する売主もいますが、業者側が宅建業法違反を犯している状況では、売主に違約金支払い義務は発生しません。むしろ業者側が行政処分の対象となるリスクを抱えています。ただし解除を通知する際は、解除理由として「レインズ登録義務違反」「登録証明書未交付」を明確に記載し、証拠として媒介契約書のコピーと請求書面を保管しておくことが重要です。

レインズ登録義務違反の通報先と行政処分の実態

不動産業者がレインズ登録義務や登録証明書交付義務に違反している場合、売主は行政機関に通報し、適切な対応を求めることができます。

通報先は業者の免許権者によって異なります。

複数の都道府県に事務所を構える業者は国土交通大臣免許なので国土交通省の地方整備局が窓口となり、単一都道府県内のみで営業する業者は都道府県知事免許なので各都道府県の宅建業担当部署が窓口です。

具体的な相談先としては、都道府県の宅地建物取引業担当課、各地の宅地建物取引業協会の相談窓口、国土交通省の不動産業課などがあります。相談や通報の際は、媒介契約書のコピー、登録証明書交付請求の記録、業者とのやり取りのメールや書面など、証拠となる資料を整理して提出すると、調査がスムーズに進みます。

行政処分の種類は違反の程度によって「指示処分」「業務停止処分」「免許取消処分」の3段階があります。レインズ登録義務違反や登録証明書未交付の場合、初回は指示処分、繰り返しや悪質なケースでは業務停止処分が科されます。業務停止処分を受けると、その業者は一定期間(通常1か月から6か月)一切の営業活動ができなくなり、経営に大きな打撃を受けます。

つまり罰則は厳しいです。

実際に行政処分を受けた事例は国土交通省の「ネガティブ情報等検索システム」で公開されており、業者名、免許番号、処分内容、処分理由が詳細に記載されています。たとえば「専任媒介契約締結後、レインズに登録せず、登録証明書も交付しなかった」という理由で指示処分を受けた業者や、「レインズに登録したが故意に削除し、他社からの問い合わせを拒否した」として業務停止30日の処分を受けた業者などが確認できます。

行政機関への相談や通報は、売主個人にとってはハードルが高く感じられるかもしれません。しかし通報は匿名でも可能であり、行政機関は通報者の個人情報を業者に開示することはありません。不動産取引の健全化と消費者保護の観点から、違反行為を放置せず積極的に通報することが、業界全体の改善につながります。

国土交通省のネガティブ情報等検索システムでは宅建業者の行政処分歴を業者名や免許番号で検索できます

レインズ登録証明書もらってない時の業者変更タイミング

レインズ登録証明書をもらえない状況が続く場合、不動産業者の変更を真剣に検討すべきタイミングです。媒介契約の期間は専任媒介・専属専任媒介ともに最長3か月ですが、期間満了を待たずに解除することも可能です。業者変更を判断する明確な基準として、法定期限経過後に書面で請求しても1週間以上応答がない、登録証明書は交付されたがレインズで確認すると虚偽の情報が登録されている、取引状況が不自然に「商談中」のまま変更されない、などの状況があれば即座に変更を決断すべきです。

業者変更の手順は、まず現在の媒介契約を解除することから始まります。解除通知は書面で行い、解除理由として「レインズ登録義務違反」を明記します。契約期間中の解除でも、業者側の義務違反がある場合は売主に違約金支払い義務は発生しません。解除通知を送付してから1週間程度で契約は終了します。

これは使えそうです。

次に新しい不動産業者を選定しますが、この際は過去に同じ問題を起こさない信頼できる業者を慎重に選ぶ必要があります。業者選定の際は、国土交通省のネガティブ情報等検索システムで行政処分歴を確認する、複数の業者に査定を依頼して対応を比較する、レインズ登録証明書の交付について事前に質問し反応を見る、などの方法が有効です。誠実な業者であれば「もちろんレインズ登録後すぐに証明書を交付します」と明確に答えるはずです。

新しい業者と媒介契約を締結する際は、契約書にレインズ登録と証明書交付の期限を明記してもらうことも一つの方法です。また一般媒介契約を選択すれば、複数の業者に同時に依頼できるため、囲い込みのリスクを大幅に減らせます。ただし一般媒介契約ではレインズ登録義務がないため、業者に任意でレインズ登録を依頼し、登録証明書の交付を約束してもらうことが重要です。

業者変更のタイミングとして、媒介契約の3か月満了時を待つという選択肢もあります。満了時であれば何のペナルティもなく契約を終了でき、新しい業者に切り替えられます。ただし囲い込みされている状況で3か月を無駄に過ごすことは、売却機会の損失と価格下落のリスクを抱え続けることになります。特に売却期限が迫っている場合や、市場環境が悪化しつつある局面では、早期の業者変更が合理的な判断となります。

レインズ登録証明書と2025年法改正の影響

2025年1月の宅地建物取引業法施行規則の改正により、レインズ登録証明書の制度は大きく変化し、売主保護が一層強化されました。

改正の主なポイントは2つあります。

第一に、レインズへの物件の取引状況の登録が宅建業者の義務となりました。従来は物件情報の登録義務はあったものの、取引状況の更新は任意でした。しかし2025年1月以降は、「公開中」「書面による購入申込あり」「売主都合で一時紹介停止中」のいずれかのステータスを正確に登録し、変更があった場合は原則として事象発生の翌日から2日以内(休業日を除く)に更新することが義務付けられました。

第二に、登録証明書への二次元コード(QRコード)の掲載が義務化されました。この二次元コードをスマートフォンでスキャンすれば、売主は専用のIDやパスワードを手入力することなく、レインズの売主専用確認画面に簡単にアクセスできます。確認画面では物件の登録内容、現在の取引状況、ステータスの変更履歴などがリアルタイムで表示されます。

意外ですね。

この法改正により、囲い込み行為はより発覚しやすくなりました。売主が頻繁にレインズの取引状況を確認することで、不自然なステータス変更や長期間の「商談中」表示などの異常に気づきやすくなります。また業者側も、虚偽のステータス登録が即座に売主に露見するリスクを認識し、囲い込み行為を躊躇する抑止効果が期待されています。

ただし法改正があっても、巧妙な囲い込み手口は完全には防げていません。たとえばレインズには正しく登録しつつ、他社から問い合わせがあった際に「現在商談が進んでいます」と口頭で断る手法や、内覧の日程調整を故意に遅らせて買主候補の興味を失わせる方法などは依然として存在します。また一般媒介契約ではレインズ登録義務自体がないため、業者が登録を怠る可能性もあります。

法改正の効果を最大限に活用するためには、売主自身が積極的に登録証明書の交付を求め、二次元コードで定期的に取引状況を確認し、異常があれば即座に業者に質問するという姿勢が不可欠です。また業者選定の段階で、法改正の内容を理解しているか、売主の確認権を尊重する姿勢があるかを見極めることも重要です。信頼できる業者であれば「いつでもレインズの状況を確認してください」と積極的に勧めるはずです。

広島県宅地建物取引業協会のサイトでは2025年1月施行のレインズ制度改正について詳細な解説と実務対応が掲載されています