地盤調査費用相場と種類、負担者の判断ポイント

地盤調査費用相場と方法

地盤改良判定の7割は再調査で不要になります。

この記事の3ポイント要約
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調査費用は5万円から30万円

SWS試験なら5万円~10万円程度、ボーリング調査では20万円~30万円が相場です

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費用負担は買主が一般的

注文住宅の土地では買主負担が原則ですが、売主が事前調査する事例も増加中です

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セカンドオピニオンで費用削減

地盤改良判定が出ても無料の再判定で不要となるケースが多数あります

地盤調査の種類別費用相場

 

地盤調査の費用は調査方法によって5万円から30万円程度まで幅があります。不動産業従事者として顧客に正確な情報を提供するためには、各調査方法の特徴と費用の違いを理解しておくことが重要です。最も一般的な調査方法であるスクリューウエイト貫入試験(SWS試験)は、費用相場が5万円~10万円程度となっています。

この試験は戸建て住宅の地盤調査で最も多く採用される方法です。

調査期間は半日から1日程度で完了します。

地面に鉄の棒を回転させながら貫入させ、地盤の硬さや支持層の深さを測定する仕組みになっています。比較的短時間で結果が出るため、スケジュール調整もしやすいのが特徴です。

ボーリング調査(標準貫入試験)は、より詳細なデータが必要な場合に実施されます。

費用相場は20万円~30万円程度です。

SWS試験と比較して高額になりますが、土を採取して詳細な分析ができるため、大型建築物や複雑な地盤条件の土地で選ばれることが多くなっています。調査期間は2日から3日程度、場合によっては1週間以上かかることもあります。

表面波探査法は、振動によって地盤の強度を測る調査方法です。費用相場は5万円~8万円程度となっています。SWS試験よりはコストがかかりますが、ボーリング調査よりは安い価格帯です。地盤を傷つけずに調査できるメリットがあり、近年採用が増えている調査方法の一つです。

平板載荷試験は、実際に地盤に荷重をかけて沈下量を測定する方法です。費用相場は15万円~25万円程度で、より実践的なデータが得られます。ただし試験に時間がかかるため、工期に余裕がある場合に選択されることが多くなっています。

調査費用は土地の条件によって変動することも覚えておく必要があります。支持層が深い場合は深く掘り進める必要があるため、追加費用が発生します。傾斜地や狭小地など特殊な条件でも費用が上乗せされる可能性があります。

地盤調査の種類と費用の詳細については、住まいの安心研究所の解説が参考になります

地盤調査費用は誰が負担するか

注文住宅の土地では買主が地盤調査費用を負担するのが一般的です。これは家を建てる人が地盤の状態を確認する責任があるという業界の慣例に基づいています。ハウスメーカーや工務店が地盤調査を手配する場合、建築費用の見積もりに調査費用が含まれているケースが多くなっています。

しかし近年では、売主が事前に地盤調査を実施して費用を負担する事例も増えてきました。これは土地の付加価値を高め、買主の安心感を高めるための販売戦略の一つです。特に分譲地や開発地では、売主側が全区画の地盤調査を行って調査報告書を提供することもあります。

費用負担については法律で明確に定められていません。つまり売主と買主の協議によって決定できる余地があるということです。不動産業従事者として契約前に費用負担について明確にしておくことが、後のトラブル防止につながります。

地盤調査の結果、地中埋設物が見つかった場合の処理費用は原則として売主の負担になります。

これは土地の瑕疵に該当するためです。

埋設物の撤去費用は数十万円から場合によっては100万円以上になることもあり、売主にとって大きな負担となる可能性があります。

契約書に「地盤改良が必要となった場合は売主が負担する」という特約を盛り込むケースも見られるようになりました。買主にとっては予期せぬ出費を抑えられるメリットがあります。売主にとってはリスクが高まりますが、売却を円滑に進めるための選択肢として検討する価値があります。

建売住宅の場合は、売主が地盤調査と必要な地盤改良工事を完了させた上で販売するのが一般的です。つまり購入価格に調査費用と改良費用が含まれています。買主は追加の地盤関連費用を心配せずに購入できる安心感があります。

地盤改良工事の費用相場

地盤調査の結果、地盤改良が必要と判定された場合、さらに大きな費用が発生します。地盤改良工事の費用は工法によって大きく異なり、30万円から200万円程度の範囲となっています。不動産業従事者として顧客に事前に説明しておくべき重要な情報です。

表層改良工法は、地盤の弱い層が地表から2メートル程度までの場合に採用されます。費用相場は30万円~90万円程度で、坪単価は1万円~3万円程度です。セメント系の固化材を地盤に混ぜて固める工法で、比較的浅い層の改良に適しています。

工期は1日から3日程度で完了します。

柱状改良工法は、弱い地盤層が2メートルから8メートル程度の深さにある場合に選択されます。費用相場は50万円~150万円程度、坪単価は3万円~5万円程度です。セメントミルクを注入しながら地中に柱状の改良体を作る工法で、戸建て住宅で最も多く採用されています。

工期は2日から4日程度です。

鋼管杭工法は、支持層が深い場合や地盤が非常に弱い場合に必要となります。費用相場は100万円~200万円程度、坪単価は5万円~7万円程度です。鋼製の杭を支持層まで打ち込む工法で、3つの中で最も高額になります。

ただし最も確実な地盤補強が可能です。

30坪の一戸建て住宅を例に考えると、表層改良なら45万円前後、柱状改良なら100万円前後、鋼管杭工法なら150万円以上が目安となります。これはあくまで目安で、実際の費用は地盤の状態や建物の規模によって変動します。

地盤改良費用は予算計画を大きく左右する要素です。調査結果が出るまで正確な金額が分からないため、顧客には余裕を持った資金計画を提案することが重要です。一般的には100万円程度の予備費を見込んでおくことをお勧めします。

砕石工法という環境に優しい工法も選択肢の一つです。費用相場は50万円~150万円程度で、セメントを使わずに天然の砕石を使用します。土地の資産価値を下げないメリットがあり、将来の土地売却を考慮する顧客に提案できる選択肢です。

地盤改良工事の実例と費用について、BASE株式会社の記事で詳しく紹介されています

地盤調査でのセカンドオピニオン活用

地盤改良が必要と判定された場合でも、セカンドオピニオンで判定が覆るケースが実は7割もあります。これは不動産業従事者として必ず知っておくべき重要な事実です。顧客に数十万円から数百万円の費用負担を求める前に、セカンドオピニオンの活用を提案することで、大きな信頼を得られる可能性があります。

セカンドオピニオンとは、第三者の専門家が地盤調査結果の妥当性を判断するサービスです。最初の調査でSWS試験により地盤改良が必要と判定されても、別の地盤調査会社や地盤保証会社が再評価すると改良不要となることが少なくありません。判定のみであれば無料で提供している会社が多数存在します。

無料でセカンドオピニオンが提供できる理由は、蓄積された膨大なデータベースに基づく解析システムがあるためです。実際に沈下した物件のデータと沈下しなかった物件のデータを比較分析することで、より精度の高い判定が可能になっています。

セカンドオピニオンを活用することで、本来不要な地盤改良工事を避けられます。100万円の地盤改良工事が不要になれば、その分を建物のグレードアップに回せます。顧客の満足度を大きく高める提案となるでしょう。

地盤調査会社の中には、地盤改良工事を受注することで利益を得るビジネスモデルのところもあります。そのため本来不要な地盤でも改良判定が出やすい傾向があるという指摘もあります。セカンドオピニオンはこうした過剰判定を防ぐ役割も果たしています。

申し込み方法は簡単です。地盤調査会社から改良工事判定が出たら、セカンドオピニオンサービスを提供している会社のウェブサイトから無料判定を申し込みます。必要な資料は地盤調査データ、調査測点図、調査地写真などです。通常は数日から1週間程度で判定結果が出ます。

ただしセカンドオピニオンにも限界があることは理解しておく必要があります。元の調査データの精度が低い場合や、調査ポイントが不足している場合は、正確な再判定ができません。その場合は追加の地盤調査を提案することになります。

地盤セカンドオピニオンの申し込み方法については地盤ネットの公式サイトで確認できます

地盤調査報告書のチェックポイント

地盤調査報告書を正しく読み解く能力は、不動産業従事者にとって重要なスキルです。顧客から報告書の内容について質問を受けた際に、適切に説明できることで専門性をアピールできます。また過剰な地盤改良工事の提案を見抜くこともできるようになります。

報告書で最初に確認すべきは地形区分です。台地、低地、埋立地など、その土地がどのような地形に分類されるかが記載されています。低地や埋立地は一般的に地盤が弱い傾向があります。造成の履歴も重要な情報で、盛土がある場合は地盤が不安定な可能性が高まります。

換算N値は地盤の強さを示す最も重要な数値です。

N値が高いほど地盤が強いことを示します。

木造住宅の場合、粘土では N値20以上、砂質土では N値30以上が十分な強度とされています。報告書のグラフで赤い線より右側にバーが伸びていれば強い地盤、伸びていなければ弱い地盤と判断できます。

自沈層の有無も見逃せないチェックポイントです。自沈層とは、荷重をかけなくても棒が沈んでいく軟弱な層のことです。報告書の貫入状態欄に「ストン」「スルスル」などの記載がある場合は自沈層の可能性があります。自沈層が存在すると地盤改良が必要になる確率が高くなります。

地下水位の深さも重要な要素です。地下水位が浅い場合、液状化のリスクが高まります。特に砂質地盤で地下水位が地表から10メートル以内にある場合は注意が必要です。報告書に地下水位の記載がない場合は、調査会社に確認を求めることをお勧めします。

総合評価の欄には、調査者による地盤の全体的な判断が示されます。「直接基礎で可」「地盤改良が必要」などの結論が記載されています。ただしこの判断が必ずしも適切とは限りません。前述のセカンドオピニオンで判定が覆る理由もここにあります。

測点図で調査ポイントの配置を確認することも大切です。建物の四隅と中央の5箇所が基本ですが、建物の形状によっては追加ポイントが必要な場合もあります。調査ポイントが不足していると、地盤の状態を正確に把握できない可能性があります。

地盤調査業者の選び方

地盤調査業者の選定は、調査結果の信頼性と費用の適正性を左右する重要な判断です。不動産業従事者として信頼できる業者を見極めるポイントを理解しておくことで、顧客に適切なアドバイスができます。

専門の技術者が在籍しているかが最も重要な確認事項です。「地盤品質判定士」や「宅地地盤調査主任」などの資格を持つ技術者がいる会社を選びましょう。これらの資格は専門知識と経験を証明するものです。会社のウェブサイトや案内資料で資格保有者の人数を確認できます。

地盤調査報告書を確実に発行してもらえるかも確認が必要です。報告書は地盤保証を受ける際や、将来のトラブル時に重要な証拠資料となります。調査結果の詳細なデータ、測点図、地盤の総合評価などが含まれた正式な報告書が発行されることを事前に確認しましょう。

実績と信頼性も判断基準の一つです。長年の経験と良好な実績を持つ会社を選びます。口コミや評判、過去のプロジェクトを確認することをお勧めします。特に建築予定地の周辺での施工実績が豊富な業者は、その地域の地盤特性を理解しているため有利です。

地盤改良工事を自社で施工しない調査会社を選ぶという視点もあります。調査と改良工事を別会社に分けることで、過剰な改良判定を防ぐことができます。調査会社が改良工事で利益を得ない仕組みであれば、より客観的な判定が期待できます。

複数の調査方法に対応できる会社かどうかも重要です。SWS試験だけでなく、表面波探査法やボーリング調査など、土地の条件に応じた最適な調査方法を提案できる会社が望ましいです。一つの方法しか対応できない会社では、適切な調査ができない可能性があります。

見積もりの透明性も確認しましょう。調査費用の内訳が明確で、追加費用が発生する条件が事前に説明される会社が信頼できます。「調査してみないと分からない」という曖昧な説明しかしない会社は避けた方が無難です。

地盤保証の内容と条件も業者選定の重要な要素です。20年以上の長期保証が付いているか、保証の対象範囲は適切か、保証の適用条件は厳しすぎないかなどを確認します。保証内容が充実している会社は、自社の調査技術に自信があることの表れです。


建築基礎設計のための地盤調査計画指針