底地とは借地権との違い売却相場

底地とは借地権が設定された土地

底地を借地人に売らないと更地の3割以下で買い叩かれます。

底地の基礎知識3つのポイント
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底地の定義

借地権や地上権が設定された貸地で、地主が所有権を持つが自由に使えない土地

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主な収入源

地代収入、更新料(更地価格の3~5%)、承諾料(借地権価格の10%程度)を得られる

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売却時の注意点

第三者への売却は更地価格の10~15%程度、借地人への売却は50%程度が相場

底地とは借地権が付いた土地の所有権

 

底地とは、第三者が建物を所有することを目的とした借地権や地上権が設定されている土地のことです。一般的に地主側からの立場で用いられる言葉で、第三者の建物所有者に土地を貸している状況を「底地を所有している」と表現します。物理的には通常の土地と同じですが、法的には借地権という制約が付いているため、所有者であっても自由に使用したり処分したりすることができない特徴があります。

底地の所有者は地主と呼ばれ、土地を借りている側は借地人と呼ばれます。地主は底地権を有し、これには地代の請求権や土地の所有権が含まれます。借地人が土地上に建物を建てて利用している間、地主は定期的に地代収入を得られる仕組みです。

つまり底地は所有権ですね。

底地と借地は同じ土地を指しますが、立場によって呼び方が変わります。地主から見れば「底地」であり、借地人から見れば「借地」となるわけです。不動産業に従事する方は、この視点の違いを理解しておくことが顧客対応の基本となります。

底地の概念を理解する上で重要なのは、借地権という強力な権利が設定されている点です。借地権は借地借家法によって手厚く保護されており、地主が一方的に契約を解除したり借地人を追い出したりすることは原則としてできません。この法的制約が、底地の価値や取引の複雑さに直結しています。

底地の価格評価は更地と大きく異なります。更地であれば市場価格がそのまま評価されますが、底地の場合は借地権割合を差し引いた価格となるため、相続税評価額と実際の売却価格に大きなギャップが生じるケースが少なくありません。路線価評価では数千万円の価値があっても、実際には数百万円でしか売れないという事態も起こり得ます。

底地の売却相場は売却先で大きく変わる

底地の売却相場は、誰に売却するかによって更地価格の10%から50%まで大きく変動します。不動産業従事者として、この相場感を正確に把握しておくことは顧客へのアドバイスに不可欠です。

借地人に売却する場合、相場は更地価格の50%程度となります。借地人にとっては地代の支払いが不要になり、土地を完全に自由に使えるようになるメリットがあるため、比較的高値での取引が成立しやすい特徴があります。例えば更地価格が5,000万円で借地権割合が60%の土地なら、2,500万円前後が売却目安となります。

これが最も高値で売れる方法です。

第三者や専門の底地買取業者に売却する場合、相場は更地価格の10~20%程度まで下がります。買い手にとっては借地人との関係を引き継ぐリスクがあり、すぐに自由な活用ができないため、価格が大幅に下がるわけです。同じ5,000万円の土地でも、500万円から1,000万円程度の評価になってしまいます。

厳しいところですね。

底地と借地権を同時に売却できれば、更地価格の80%程度まで評価が上がります。これは地主と借地人が協力して、第三者に一体として売却する方法です。権利関係がクリアになるため、買い手にとっての制約が大幅に減り、ほぼ更地に近い評価を得られます。

ただし借地人との合意形成が必要です。

底地の売却価格と計算方法について詳しく解説されています(地主の駆け込み寺)

底地の売却相場を決める要因として、借地権の種類も重要です。旧法借地権や普通借地権が設定された底地は、契約更新が半永久的に続くため、地主からの解約や売却が非常に困難で価格が低くなります。一方、定期借地権が設定された底地は、契約期間終了後に確実に土地が返還されるため、相対的に高い評価を得られる傾向があります。

底地の売却を検討する際は、まず借地人に購入意思があるかを確認するのが基本戦略です。借地人が購入を希望しない場合は、借地権との同時売却や専門業者への売却を検討することになります。相続や資金需要などで急いで売却したい場合は、価格は下がりますが買取業者への売却が現実的な選択肢となります。

底地のメリットは安定収入とメンテナンス不要

底地を所有する最大のメリットは、定期的な地代収入が得られることです。借地人から毎月安定した地代が入るため、長期的なインカムゲイン投資として機能します。地代の相場は固定資産税・都市計画税の3~5倍程度が一般的で、税負担を大きく上回る収益を確保できます。

これが基本です。

更新料や各種承諾料も底地所有者にとって大きな収入源となります。契約更新時には更地価格の3~5%程度の更新料、借地権を第三者に譲渡する際には借地権価格の10%程度の譲渡承諾料、建物の建て替え時には更地価格の3~5%程度の建て替え承諾料を受け取ることができます。契約期間が20年以上と長期のため、これらの一時金は実質的に大きな収益となります。

建物の管理やメンテナンスを借地人に任せられる点も見逃せないメリットです。通常の賃貸不動産では、建物の修繕や管理に手間とコストがかかりますが、底地の場合は土地を貸しているだけなので、建物に関する責任は借地人が負います。

手間がかからないということですね。

相続税評価の面でも底地には利点があります。底地の相続税評価額は「自用地評価額×(1-借地権割合)」で計算されるため、更地に比べて評価額が大幅に下がります。借地権割合が60%の土地なら、評価額は更地の40%となり、相続税の節税効果が期待できます。資産を次世代に引き継ぐ際の負担軽減につながります。

底地のメリット・デメリットについて地主目線で詳しく解説されています(株式会社ニーズ・プラス)

底地は借地権が設定されているため、固定資産税の住宅用地特例が適用されます。借地人が住宅を建てている場合、200平方メートルまでは評価額が6分の1、それを超える部分は3分の1に軽減されるため、税負担が抑えられます。借地人が住宅を建てるケースが多いため、この恩恵を受けやすい特徴があります。

地代の滞納リスクは比較的低い点も安心材料です。借地人にとって借地権は大きな財産価値があるため、地代を滞納して借地権を失うリスクを冒す人は少ないのが実情です。

安定した収益が望めるのも特徴といえます。

底地のデメリットは収益性の低さと売却困難

底地の最大のデメリットは、土地を自由に使用・売却できないことです。所有者であるにもかかわらず、借地人が存在する限り自分で建物を建てたり第三者に自由に売却したりすることができません。借地権は借地借家法によって強力に保護されており、地主が一方的に契約を解除することは事実上不可能です。

自由度がないということですね。

収益性の低さも深刻な問題です。底地の利回りは2~4%程度と、一般的な賃貸物件の4~6%と比較して低い水準にあります。地代収入から固定資産税や都市計画税を差し引くと、手元に残る金額はわずかというケースも少なくありません。例えば年間地代が50万円でも、税金が30万円かかれば実質的な収益は20万円です。

投資効率が悪いといえます。

地代の値上げ交渉が困難な点も収益性を圧迫します。地代は固定資産税評価額に連動して決められることが多く、土地価格が上昇しても地代の引き上げには借地人の同意が必要です。借地人が値上げを拒否すれば、地価上昇のメリットを享受できないまま固定資産税だけが上がるという事態に陥ります。

痛いですね。

相続税の課税対象となる点も注意が必要です。底地の相続税評価額は更地より低くなりますが、実際の売却価格はさらに低いため、納税資金の確保が困難になる可能性があります。相続税評価額が800万円でも実際には200万円でしか売れない場合、800万円を基準に計算された相続税を支払うための資金繰りに苦労することになります。

底地の売却方法とメリット・デメリットについて詳細に解説されています(レガシィ)

権利関係の複雑化もトラブルの温床となります。借地人が変わったり相続が発生したりすると、権利関係が複雑になり管理が困難になります。特に借地人が複数に分かれたり、無断で第三者に転貸していたりするケースでは、法的な対応が必要になることもあります。

厳しいところですね。

地代滞納のリスクもゼロではありません。借地人が経済的に困窮した場合、地代の支払いが滞る可能性があります。法的に契約解除を求めるには相当な期間の滞納と正当事由が必要で、実際に借地権を消滅させるのは非常に困難です。長期間にわたって収入が途絶えるリスクがあります。

底地の借地権割合と相続税評価の計算方法

借地権割合とは、土地全体の価値のうち借地権が占める割合のことで、国税庁が地域ごとに30%から90%の範囲で定めています。この割合は路線価図に記載されており、相続税や贈与税の計算に使用されます。都心部など商業地域では70%や80%と高く、郊外の住宅地では50%や60%と低めに設定される傾向があります。

底地の相続税評価額は「自用地評価額×(1-借地権割合)」で計算されます。自用地評価額とは、路線価に敷地面積を乗じた更地としての評価額です。例えば路線価が30万円、敷地面積が100平方メートル、借地権割合が60%の土地なら、自用地評価額は3,000万円、底地の評価額は3,000万円×(1-0.6)=1,200万円となります。

つまり更地の4割の評価です。

$$\text{底地評価額} = \text{路線価} \times \text{敷地面積} \times (1 – \text{借地権割合})$$

路線価は国税庁のホームページで毎年7月に公表される「財産評価基準書」で確認できます。地図上に千円単位で表示されており、例えば「300D」という表示は1平方メートルあたり30万円、借地権割合60%を意味します。アルファベットのA~Gが借地権割合を示し、Aが90%、Bが80%、Cが70%、Dが60%、Eが50%、Fが40%、Gが30%に対応しています。

国税庁の路線価図・評価倍率表で全国の路線価を確認できます

路線価方式が適用されない地域では、固定資産税評価額に評価倍率を乗じて計算します。評価倍率も国税庁が地域ごとに定めており、「財産評価基準書」で確認可能です。例えば固定資産税評価額が2,000万円、評価倍率が1.1倍、借地権割合が50%の場合、自用地評価額は2,200万円、底地評価額は1,100万円となります。

相続税評価額と実際の売却価格には大きな乖離がある点に注意が必要です。相続税評価額が1,200万円でも、実際に第三者に売却する場合は更地価格の10~20%程度となるため、300万円から600万円程度にしかならないケースが多いのです。

この差額が納税資金確保の障害となります。

底地の評価で特殊なケースとして、定期借地権が設定されている場合があります。定期借地権は契約期間終了後に確実に土地が返還されるため、普通借地権よりも底地の価値が高くなります。残存期間が短い定期借地権の場合、将来の完全な所有権回復を見込んで、通常の底地評価より高い価格で取引されることがあります。

底地のトラブル回避と専門家活用のポイント

底地を巡るトラブルで最も多いのが地代滞納です。借地人が経済的に困窮して地代を支払わなくなった場合、地主は法的措置を検討する必要があります。ただし借地借家法は借地人を強力に保護しており、数ヶ月程度の滞納では契約解除の正当事由として認められません。一般的に1年以上の滞納と信頼関係の破壊が立証できて初めて契約解除が可能になります。

地代の値上げに関するトラブルも頻発します。固定資産税が上昇したり周辺の地価が上がったりした際、地主が地代の値上げを要求するケースがありますが、借地人が応じないことも多いのです。地代増減請求権は法律で認められていますが、実際には交渉が難航し、最終的に調停や裁判に発展することもあります。

時間がかかるということですね。

更新料や承諾料の支払いを巡るトラブルも多発します。契約書に明記されていない場合、借地人が支払いを拒否することがあります。法律上、更新料や承諾料の支払い義務は契約書に明記されているか当事者間で合意がない限り発生しないため、口頭での約束だけでは強制できません。

契約書の整備が重要です。

底地・借地の相続トラブル事例と解決策が詳しく解説されています(株式会社ニーズ・プラス)

借地人が無断で建物の増改築や第三者への転貸を行うトラブルもあります。借地借家法では、増改築や借地権の譲渡・転貸には地主の承諾が必要ですが、無断で行われるケースが後を絶ちません。発見した際は内容証明郵便で警告し、承諾料の支払いを求めるか、悪質な場合は契約解除を検討することになります。

底地を共有で相続した場合のトラブルも深刻です。複数の相続人が底地を共有すると、売却や管理に全員の同意が必要となり、意見が対立すると身動きが取れなくなります。一部の共有者が持分を勝手に第三者に売却してしまい、見知らぬ人と共有関係になるケースもあります。

共有状態は避けるべきです。

底地のトラブルを回避するには、専門家の活用が不可欠です。弁護士は法的紛争の解決や契約書のチェック、不動産鑑定士は適正な地代や売却価格の算定、税理士は相続税対策や節税スキームの提案を行います。特に底地専門の不動産業者は、借地人との交渉代行や買取による早期解決など、実務的なサポートを提供してくれます。

使えそうです。

トラブルの予防策として、定期的な契約書の見直しと借地人とのコミュニケーションが重要です。地代や更新料、各種承諾料について明確に契約書に記載し、借地人の連絡先や建物の状況を定期的に確認することで、問題の早期発見と解決につながります。良好な関係を維持することが最大の予防策といえます。


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