投資用物件ローン金利の基本
年収700万円でも審査に落ちることがあります。
投資用物件ローンの金利相場と仕組み
不動産投資ローンの金利は、住宅ローンと比較して高めに設定されているのが一般的です。住宅ローンが0.5~1.5%程度であるのに対し、投資用物件ローンは1.5~4.5%程度が相場となっています。
この金利差が生まれる理由は、融資の目的と返済原資の違いにあります。住宅ローンは自己居住が目的で、給与所得が返済原資となるため比較的安定しています。一方で投資用物件ローンは、家賃収入が主な返済原資となるため、空室リスクや家賃下落リスクなど不確実性が高く、金融機関にとってリスクが大きいのです。
金利相場は金融機関のタイプによって大きく異なります。メガバンク(三菱UFJ・三井住友・みずほ)は1%前後と最も低い水準ですが、審査基準が厳格で年収1,000万円以上や安定した属性が求められることが多いです。地方銀行は1.5~5%程度と幅があり、営業エリア内の物件に対して柔軟な対応をする傾向があります。
信用金庫や信用組合は2%台半ばが中心で、地域密着型のサービスが特徴です。ノンバンクは2.5~4.5%と金利は高めですが、審査通過率が高く、他の金融機関で融資を受けられなかった場合の選択肢となります。
2026年現在、日本の金融政策の影響を受けて金利水準は変動しています。変動金利を選択する場合、将来的な金利上昇リスクを考慮する必要があります。固定金利は当初の金利が高めですが、返済期間中の金利変動リスクを回避できる安心感があります。
金利1%の差が与える影響は想像以上に大きいです。例えば3,000万円を35年ローンで借りた場合、金利2%なら総返済額は約4,174万円、金利3%なら約4,849万円となり、675万円もの差が生まれます。これは軽自動車1台分以上の金額に相当します。
投資用物件ローンの審査基準と年収の関係
不動産投資ローンの審査では、年収700万円が一つの基準とされることが多いですが、これは絶対的な条件ではありません。金融機関によっては年収500万円程度でも融資を受けられるケースがあります。
審査で重視されるのは年収だけではなく、勤務先の安定性や勤続年数も重要な要素です。上場企業や公務員などは評価が高く、個人事業主や自営業は不利になる傾向があります。勤続年数は2~3年以上が目安とされ、転職直後は審査に不利になることがあります。
借入可能額は年収の10~30倍程度が目安です。住宅ローンが年収の5~8倍程度であるのと比較すると、かなり大きな金額の融資が可能です。これは家賃収入という返済原資が別に存在するためです。
年収500万円の場合、5,000万円~1億5,000万円程度の借入が理論上可能です。ただし実際の融資額は、物件の収益性や担保価値によって大きく左右されます。つまり、年収が高くても物件評価が低ければ融資は受けられません。
物件の収益性は、表面利回りや実質利回りで判断されます。一般的に表面利回り5%以上、実質利回り3%以上が目安とされます。都心の区分マンションなら3~4%、地方の一棟アパートなら7~8%が理想的な水準です。
担保価値の評価では、築年数や立地、建物構造が重視されます。新築や築浅物件は評価が高く、築30年を超える物件は融資期間が短くなる傾向があります。駅徒歩10分以内の物件は評価が高く、15分を超えると評価が下がります。
複数の金融機関に打診することで、より有利な条件を引き出せる可能性があります。1行目で断られても、2行目、3行目で融資が通ることは珍しくありません。
金融機関ごとに評価基準が異なるためです。
不動産投資ローンの年収基準と属性評価の詳細(投資マンション専門サイト)
投資用物件ローンの変動金利と固定金利の選択
変動金利と固定金利の選択は、不動産投資の収益性を大きく左右します。変動金利は初期金利が低い反面、金利上昇リスクがあります。固定金利は当初金利が高めですが、返済計画が立てやすいメリットがあります。
変動金利のメリットは、低金利の恩恵を受けられることです。2026年現在、メガバンクの変動金利は1%前後と非常に低い水準にあります。金利が上昇しなければ、固定金利よりも総返済額を大幅に抑えられます。
ただし変動金利には「5年ルール」と「125%ルール」という保護措置があります。5年ルールとは、金利が変動しても5年間は返済額を変更しない仕組みです。125%ルールは、返済額見直し時に従来の125%を上限とする仕組みです。
これらのルールがあっても、金利上昇時には元金の返済が進まず、未払い利息が発生するリスクがあります。未払い利息とは、返済額のうち利息分だけで返済額を超えてしまい、元金返済に充当できない部分のことです。
固定金利は3年、5年、10年、全期間固定など、期間を選択できます。短期固定は金利が低めですが、固定期間終了後に金利が上昇するリスクがあります。全期間固定は金利が高めですが、完全にリスクを排除できます。
物件の所有期間が長く、ローンの借入期間も長めの場合は固定金利が適しています。短期間での売却を考えている場合は、変動金利が有利です。例えば5年以内に売却する予定なら、変動金利で低金利のメリットを享受できます。
金利変動リスクにどれだけ対応できるかがカギです。資金に余裕がある、借入期間が短い、借入額が小さいなら変動金利のメリットを受けやすいです。資金に余裕がない、借入期間が長い、借入額が大きいなら固定金利が安全です。
選択型固定金利は、一定期間固定した後に変動金利に切り替える、または再度固定金利を選択できるタイプです。契約途中で金利タイプを変更できる柔軟性がありますが、変更時の手数料がかかることもあります。
投資用物件ローンで住宅ローンを使ってはいけない理由
投資用物件に住宅ローンを使用することは、契約違反となります。住宅ローンは自己居住用の住宅購入を目的としたローンであり、投資目的での利用は金融機関との契約に反する行為です。
発覚した場合、最も厳しいペナルティは残債の一括返済請求です。数千万円のローン残高を即座に返済する必要が生じ、返済できない場合は物件の競売や自己破産に至る可能性があります。これは投資家としてのキャリアを終わらせるほどの打撃です。
信用情報機関に契約違反の記録が残ることも重大なリスクです。この記録は5~10年間残り、その間は新たなローンやクレジットカードの審査に通らなくなります。不動産投資の拡大はもちろん、日常生活にも支障をきたします。
住宅ローンの不正利用は、様々な経路で発覚します。最も多いのは、金融機関による定期的な利用状況の確認です。郵便物が返送されたり、登記簿謄本で賃貸に出されていることが判明したりします。
税務署からの情報提供も発覚の原因となります。確定申告で不動産所得を申告すると、その情報が金融機関に伝わることがあります。また、賃貸管理会社や入居者からの問い合わせで発覚するケースもあります。
近年では不動産業者が住宅ローンの不正利用を勧めるケースが問題となっています。「住宅ローンの方が金利が安いから」と持ちかけられても、絶対に応じてはいけません。不正を勧めた業者も逮捕される事件が実際に発生しています。
転勤などやむを得ない事情で、住宅ローンを返済中の自宅を賃貸に出す場合は、事前に金融機関に相談すれば認められることがあります。この

