専属専任報告義務とレインズ登録期間

専属専任報告義務とレインズ登録の基本

報告義務を怠っても罰金はありません。

📋 この記事の3ポイント要約

専属専任の報告頻度は1週間に1回以上

宅建業法で定められた義務で、専任媒介契約の2週間に1回より厳格。

休業日を含む期間でカウントされます。

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レインズ登録は5営業日以内が義務

専属専任媒介契約では契約締結の翌日から5営業日以内に登録が必須。

専任媒介の7日以内よりも短い期限設定です。

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違反すると行政処分の対象になる

報告義務違反には直接の罰金はないものの、指示処分や業務停止処分といった行政処分のリスクがあります。

専属専任媒介契約における報告義務の頻度

 

専属専任媒介契約を締結した不動産会社は、売主に対して1週間に1回以上の頻度で業務処理状況を報告する義務を負います。この報告義務は宅地建物取引業法第34条の2第9項で明確に規定されているものです。

報告の頻度は休業日を含めて計算されます。つまり、不動産会社の定休日や祝日があっても、それらを含めた7日間で1回以上の報告が必要になるということです。これは専任媒介契約の2週間に1回以上という頻度と比較して、より厳格な義務となっています。

報告方法については宅建業法上、文書、電子メール、口頭のいずれでも構いません。ただし、実務上は書面または電子メールでの報告が一般的で、証拠が残る形での報告が推奨されています。これは後々のトラブル防止という観点から、業者にとっても依頼者にとっても有益です。

業務処理状況の報告には、レインズへの登録状況、広告活動の内容、問い合わせの件数、内見の実施状況などが含まれます。売主がどのような販売活動が行われているのかを把握できる情報を提供することが重要です。

報告頻度が高い理由は、専属専任媒介契約が最も拘束力の強い契約形態だからです。売主は他の不動産会社に重複して依頼できず、自己発見取引も認められていません。その代わりに、不動産会社には積極的な販売活動と定期的な報告が求められるのです。

専属専任のレインズ登録期限は5営業日

専属専任媒介契約では、媒介契約締結日の翌日から起算して5営業日以内に指定流通機構(レインズ)への登録が義務付けられています。これは専任媒介契約の7営業日以内という期限よりも2日短く、より迅速な登録が求められる仕組みです。

5営業日という期限の計算では、不動産会社およびレインズの休業日は除外されます。例えば、月曜日に契約を締結した場合、土日を挟むと翌週の月曜日が5営業日目になります。このカウント方法を正しく理解していないと、知らないうちに期限を過ぎてしまうリスクがあります。

レインズへの登録後、不動産会社は売主に対して登録証明書を交付しなければなりません。この登録証明書には、売主向けのIDとパスワードが記載されており、売主自身がレインズ上の物件情報を確認できる仕組みになっています。つまり、本当に登録されているかどうかを依頼者が直接チェックできるということです。

登録義務違反は宅建業法違反となり、監督官庁から指示処分の対象となります。実際に、レインズ登録の遅延や未登録により業務停止処分を受けた事例も報告されています。2025年1月には30日間の業務停止処分を受けた業者の事例もあり、決して軽視できない義務です。

レインズ登録が義務付けられている理由は、物件情報を広く公開し、売主にとって最適な買主候補を見つけやすくするためです。囲い込みを防止し、透明性の高い取引を実現する仕組みと言えます。

専属専任報告義務違反のペナルティ

報告義務違反をした場合、不動産会社に対して直接的な罰金が科されることはありません。しかし、宅建業法に基づく業務規定違反として、監督官庁から指示処分や業務停止処分といった行政処分を受ける可能性があります。

指示処分とは、監督官庁が宅建業者に対して業務の改善を命じる処分のことです。この処分を受けると、処分内容が公表され、業者の信用に影響を与えます。さらに、指示処分に従わない場合には、業務停止処分や最悪の場合は免許取消処分に至る可能性もあります。

報告義務違反そのものに罰則がないからといって、義務を怠る不動産会社を信頼できるかという問題があります。売主の立場からすれば、報告がない場合には売却活動が適切に行われているか不安になります。信頼関係が損なわれれば、契約解除を検討することになるでしょう。

専任媒介契約や専属専任媒介契約の標準約款では、不動産会社が報告義務を怠った場合、売主は違約金を支払わずに契約を解除できると定められています。これは売主にとっての保護規定であり、業者にとっては実質的なペナルティと言えます。

行政処分の記録は公開され、インターネット上でも確認できるため、処分歴がある業者は新規顧客の獲得が難しくなります。報告義務違反は業者の評判や今後の営業活動に大きな影響を与えるリスクがあるのです。

公益社団法人全日本不動産協会の報告義務に関する詳細解説

専属専任と専任媒介の報告義務の違い

専属専任媒介契約と専任媒介契約の最も大きな違いは、報告頻度とレインズ登録期限です。専属専任では1週間に1回以上の報告が必要ですが、専任媒介では2週間に1回以上で問題ありません。つまり専属専任のほうが倍の頻度で報告義務があるということです。

レインズ登録期限についても、専属専任が5営業日以内であるのに対し、専任媒介は7営業日以内と2日の差があります。この2日間の違いは、初動の速さという点で重要な意味を持ちます。早期に物件情報が公開されれば、それだけ多くの買主候補の目に触れる機会が増えるからです。

自己発見取引の可否という点でも両者には大きな違いがあります。専任媒介契約では、売主が自分で買主を見つけてきた場合、不動産会社を通さずに直接取引することができます。

つまり仲介手数料を節約できるということです。

一方、専属専任媒介契約では自己発見取引が認められておらず、売主が自ら買主を見つけてきても必ず仲介を通す必要があります。

契約の拘束力の強さから考えると、専属専任媒介契約は最も厳格な契約形態です。その分、不動産会社には迅速かつ積極的な販売活動が求められ、報告頻度も高く設定されています。この厳格さが、スピーディーな売却につながる可能性がある一方、業者選びを間違えると囲い込みのリスクも高まります。

実務上は、売却期限が決まっている場合や早期売却を希望する場合には専属専任媒介契約が適しています。一方で、時間に余裕があり、自分でも買主を探したい場合には専任媒介契約のほうが柔軟性があります。

報告義務違反が発覚した場合の対応策

報告義務違反が発覚した場合、まず不動産会社に対して書面またはメールで報告を求めることが重要です。口頭での連絡だけでは証拠が残らないため、必ず記録に残る形でコミュニケーションを取るべきです。「媒介契約書の第○条に基づき、業務処理状況の報告を求めます」と明記すると効果的でしょう。

それでも報告がない場合や、報告内容が不十分な場合には、契約解除を検討することができます。標準約款に基づく契約であれば、業者の義務違反を理由に違約金なしで解除が可能です。ただし、解除前には必ず契約書の解除条項を確認し、手続きの流れを把握しておく必要があります。

監督官庁への相談や通報も選択肢の一つです。国土交通省や都道府県の宅建業担当部署に連絡することで、行政指導が入る可能性があります。通報する際には、報告義務違反の具体的な事実(いつから報告がないか、何度催促したかなど)を整理して伝えることが大切です。

契約解除後に新たな不動産会社と契約する場合には、これまでの販売活動の記録を引き継ぐことが重要です。レインズの登録証明書、広告の履歴、問い合わせの記録などがあれば、次の業者がスムーズに販売活動を継続できます。情報の引き継ぎがうまくいかないと、また一からやり直しになってしまいます。

予防策としては、契約締結時に報告方法と報告頻度を明確に確認しておくことが有効です。「毎週○曜日にメールで報告」といった具体的な取り決めをしておけば、業者側も報告を忘れにくくなります。定期的な報告がある業者は、販売活動にも真剣に取り組んでいる証拠と考えられます。

国土交通省による媒介契約に関する通達文書

宅建 媒介契約_一般・専任・専属専任