仮換地証明書をどこで取得するか・窓口と申請手順の完全ガイド
市役所に行けば仮換地証明書を必ずもらえると思っていると、空振りで交通費と時間を丸ごと損します。
仮換地証明書とは何か・不動産取引で必要になる場面
仮換地証明書とは、土地区画整理事業の施行地区内において、施行者が「どの従前地がどの仮換地に対応しているか」「仮換地の位置・地積」を公的に証明する書類です。 区画整理事業の進行中は、登記簿上の地番はまだ従前地のまま残っているため、実際に使用収益している仮換地と登記上の土地が一致しません。この乖離を埋めるために必要になるのが仮換地証明書です。nishi+1
不動産取引の場面では、主に以下のケースで求められます。
- 🏦 住宅ローンの融資申請:金融機関が担保評価を行う際に、仮換地の位置と面積を確認するために要求する
- 📝 売買契約・重要事項説明:区画整理事業中の土地を売買する際、重要事項説明に添付する資料として必要になる
- 🔏 登記手続き:司法書士や土地家屋調査士が職務上請求する場合も含め、権利移転に伴う登記で使用する
- 🏗️ 建築確認申請:仮換地上に建物を建てる際、仮換地の地積・位置を示す資料として提出を求められる
「とりあえず登記簿を見ればいい」と思いがちですが、仮換地の地積は換地処分時に多少増減するため、登記簿上の面積だけを信じていると取引後に面積が変わり損害が生じることもあります。 仮換地証明書が条件です。
仮換地証明書をどこで取得するか・施行者別の申請窓口一覧
「市役所に行けば取れる」は半分正解です。正確には、申請先は施行者によって異なります。 施行者が市町村であれば区画整理課や市街地整備課が窓口になりますが、施行者が土地区画整理組合の場合は組合事務所に申請しなければなりません。 市役所に持ち込んでも「組合施行の地区は組合にお問い合わせください」と案内されるだけで、その日のうちに入手できないケースが生じます。city.komaki.aichi+1
| 施行者の種類 | 申請窓口 | 手数料の目安 |
|---|---|---|
| 市町村施行 | 市役所・区役所の区画整理課 / 市街地整備課 | 無料〜300円/筆city+1 |
| 都道府県施行 | 都道府県の担当事務所 | 各都道府県に確認 |
| 土地区画整理組合施行 | 組合事務所(担当事務局) | 有料のケースが多い |
| 区画整理会社施行 | 事業会社の事務所 | 会社ごとに異なる |
手数料は自治体によって差があり、東海市・東海村など一部の自治体では無料で発行しています。 一方、千葉市の検見川稲毛地区や明石市のように、1通300円の手数料が発生する自治体もあります。 組合施行の地区は有料になるケースが多く、事前確認が欠かせません。city+3
現地の区画整理事務所が市役所本庁舎とは別の場所にある場合も多いです。たとえば和光市では「駅北口まちづくり事務所」が受付窓口であり、本庁舎とは別拠点です。 無駄な往復を防ぐために、事前に電話やWebで場所・受付時間を確認しておくのが鉄則です。
仮換地証明書の申請に必要な書類・手続きの流れ
申請に必要な書類は概ね共通していますが、自治体や施行者によって細部が異なります。必須です。
基本的な必要書類
- 🗒️ 仮換地証明願(証明申請書):窓口またはWebからダウンロードして、必要事項(申請者氏名・住所、従前地の地番、街区番号・符号、証明が必要な理由など)を記入する
- 🪪 本人確認書類:運転免許証・マイナンバーカード・パスポートなどcity+1
- 📜 委任状:権利者本人ではなく代理人が申請する場合に必要(書式は問わない自治体が多い)city+1
- 💰 手数料(現金):手数料が発生する自治体では現金を持参する
申請の手順
- 土地が市町村施行・組合施行のどちらかを確認する(売主から仮換地指定通知を取り寄せ、施行者名を確認する)
- 施行者の連絡先・窓口の場所・受付時間をWeb・電話で確認する
- 証明願に「地番(従前地)」と「街区番号・符号(仮換地)」の両方を記入して提出する
- 窓口で手数料を支払い、「仮換地案内図」「仮換地明細図」「仮換地位置図」が添付された証明書を受け取る
地番の記入漏れで申請が受け付けられないトラブルが起きやすいです。 「地番が分からない」という場合は、登記簿や固定資産税の納税通知書で事前に確認しておきましょう。これだけ覚えておけばOKです。
仮換地証明書を窓口以外で取得する方法・電子申請と郵送対応
実は、電子申請や郵送で対応している自治体が着実に増えています。 窓口に来られない事情がある場合や、現地から離れた場所で手続きする場合でも、正規のルートで取得が可能です。
電子申請が可能な自治体の例
- 大阪市:令和6年(2024年)4月1日から行政オンラインシステムで電子申請を開始
- 越谷市:市街地整備課でオンライン申請に対応し、証明書は郵送で受け取り可能
- 江戸川区(東京都・上篠崎一丁目北部):電子申請に対応、郵送での証明書受取も選択可能
郵送で申請する場合は、証明願・本人確認書類のコピー・委任状(代理人の場合)・返送用封筒(レターパック等)・手数料分の定額小為替を同封するのが一般的です。 焼津市のように郵送請求に特化したページを公開している自治体もあります。
これは使えそうです。現地が遠い物件の調査や、複数筆の申請をまとめて行う場合には、電子申請・郵送をうまく活用することで、一件あたりの調査コストを大きく削減できます。事前にその自治体・施行者のWebサイトで対応方法を確認するのが一番確実な行動です。
仮換地証明書を不動産取引で使う際の注意点・見落としやすいリスク
仮換地証明書を入手できても、内容を読み間違えると取引上の損失につながります。まず確認すべきは「仮換地面積≠従前地面積」という点です。 登記簿上の面積は従前地(区画整理前の土地)の面積を示しており、実際に使用収益できる仮換地の面積と異なります。坪単価計算を登記簿面積でやってしまうと、買主の実質的な取得面積が想定より少なくなり、後からクレームになるリスクがあります。
また、仮換地証明書に記載されている地積は、換地処分時に変更される可能性があります。 「証明書に書いてある面積が最終的な面積」とは限らない点を買主に明確に告知し、売買契約書の特約条項として記載しておくことが重要です。sumai-value+1
重要事項説明で盛り込むべき情報は証明書だけではありません。仮換地指定通知、仮換地図、重ね図、宅地造成履歴図、電気・ガス・上下水道の計画図面、法76条許可申請の状況なども合わせて取得・確認することが、区画整理物件のプロとして求められる調査水準です。 厳しいところですね。
不動産取引の現場では「仮換地証明書さえあれば大丈夫」という認識で進めてしまい、使用収益開始日が定められていることや、事業完了までの建築制限(土地区画整理法第76条の許可)を買主に告知していなかったケースが問題になることもあります。 使用収益開始日の記載がない仮換地には、まだ建物を建てられない可能性があります。仮換地証明書の取得と並行して、使用収益開始日・建築制限の内容も必ず確認することが条件です。ss-up+1
区画整理物件に精通した司法書士や土地家屋調査士と連携しておくと、職務上請求による証明書の取得や登記手続きをスムーズに進めることができ、取引のリスクを大幅に低減できます。i-sozoku+1
以下は、土地区画整理事業に関する一般社団法人の公式情報です。実務上の疑問を調べる際に参照してください。
全日本土地区画整理士会(施行者・申請手続きに関するQ&Aが掲載されています)。
月刊不動産「売買重要事項の調査説明〜仮換地指定後の清算金の特約方法」(区画整理物件の重要事項説明で確認すべき書類の一覧が確認できます)。

