区画整理清算金の確定申告で知らないと損する税務知識

区画整理清算金の確定申告で知らないと損する税務の基本

清算金を受け取っても「土地を売っていないから申告不要」と思っていると、無申告加算税15%を請求されます。

📋 この記事でわかること
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清算金の課税区分

交付清算金は「譲渡所得」として課税対象になる。申告漏れると延滞税・加算税が発生するので要注意。

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5,000万円特別控除の活用

収用等の課税の特例を選択することで、譲渡所得から最大5,000万円を控除できる強力な制度がある。

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徴収清算金の扱い

清算金を「払う側(徴収)」の場合は確定申告不要になることが多いが、状況によって異なるため個別確認が必要。

区画整理清算金とは何か:確定申告との関係を整理する

土地区画整理事業では、区画整理前の土地(従前地)と区画整理後の土地(換地)を評価し、生じた価値の差を金銭で調整します。 これが「清算金」です。換地の権利価額が従前地の権利価額より少ない場合、その差額が地権者に交付されます(交付清算金)。逆に換地の価値が上がった場合は地権者が差額を支払います(徴収清算金)。brains-inc.co+1

確定申告との関係はシンプルです。交付清算金を受け取った場合、それは「土地の譲渡所得」として扱われます。 区画整理によって土地そのものは手放していなくても、税法上は「収用等による土地の譲渡」に準じた扱いになります。これが原則です。

参考)個人が土地区画整理事業により換地又は補償金・清算金等の交付を…

一方、徴収清算金(払う側)については、個人の場合は特別な届出は不要とされています。 ただし法人のケースは取り扱いが複雑になりますので、税理士への相談が必要です。

参考)扇町土地区画整理事業の清算金について

清算金が確定するタイミングは「換地処分の公告があった日の翌日」です。 この日が収入計上すべき時期になりますので、手元に現金が届いた日ではない点に注意してください。

参考)https://www.nta.go.jp/law/shitsugi/joto/14/48.htm

区画整理清算金の確定申告:課税される所得の種類と計算方法

交付清算金は「対価補償金」として、譲渡所得の収入金額に算入されます。 計算の基本式は以下のとおりです。

  • 収入金額=清算金の交付額(A)
  • 取得費=従前地の取得費 × A ÷(A+換地取得資産の価額C)
  • 譲渡所得金額=収入金額 − 取得費 − 譲渡費用

具体例で確認しましょう。清算金1,000万円(A)、譲渡資産の取得費200万円(B)、換地取得資産の価額3,000万円(C)の場合、取得費は200万円×1,000万円÷(1,000万円+3,000万円)=50万円となります。 譲渡所得は1,000万円-50万円=950万円が課税対象です。

参考)土地区画整理事業で清算金の交付を受けた場合の課税

950万円という金額はかなりの高額です。東京23区のワンルームマンション1室分の価格に匹敵します。ただし、後述する5,000万円の特別控除を活用することで、この950万円をゼロにできる可能性があります。

参考)土地区画整理事業で清算金の交付を受けた場合の課税 | 税理士…

取得費の計算を誤ると過大申告・過少申告どちらにもなりうるので、按分計算は慎重に行ってください。

区画整理清算金の確定申告で使える5,000万円特別控除の要件

5,000万円の特別控除(租税特別措置法第33条の4)は、清算金を受け取った地権者が使える最大の節税特例です。 これを活用すれば、多くのケースで所得税・住民税の負担をゼロにできます。これは使えそうです。

ただし、以下の要件をすべて満たすことが必要です。

  • ✅ 区画整理の対象資産が固定資産であること
  • ✅ 同年に「代替資産取得の特例」(課税繰延べ)を選択していないこと
  • ✅ 施行者から最初に移転等の申出を受けた者が譲渡していること
  • ✅ 最初の申出から6か月以内に譲渡していること

注意が必要なのが「複数年にわたって清算金を受け取るケース」です。 同一事業の区画内に複数物件を所有していて、2年以上に分けて各資産の対価補償金を受ける場合、原則として最初の年分のみに5,000万円控除が適用されます。2年目以降は控除を使い切れないことがあります。これは見落としがちです。

また、建物移転補償金で既に特別控除を使っていても、その後の換地処分による清算金については改めて特別控除を適用できます。 適用除外規定は考慮不要という国税庁の判断が出ています。

区画整理清算金の確定申告:仮換地売却時の清算金の帰属問題

不動産業従事者が特に注意すべき場面があります。それは「仮換地を売買した後に換地処分が行われたケース」です。

土地区画整理法上、清算金は換地処分時の土地所有者(=買主)に帰属するのが原則です。 しかし実務では、売買契約に「清算金は売主に帰属する」旨の特約を付けるケースがあります。この特約がある場合、税務上は売主が清算金を取得したものとして扱われます。 つまり確定申告の義務者は「登記上の所有者(買主)」ではなく「特約により清算金を受け取った売主」になります。

この点が明確でないまま仲介取引をすると、買主・売主どちらが申告するのかで混乱が生じます。困ったことに、「誰も申告しなかった」という事態になりかねません。

実際に、換地不交付の清算金を期限内に申告しなかった事例が国税不服審判所で争われており、重加算税の対象となりうると判断されています。 仲介時には売買契約書に清算金の帰属を明記し、誰が申告義務を負うかを当事者間で明確にしておくことが重要です。

参考)【公表裁決】換地不交付の清算金を期限内申告しなかったのは重加…

参考:仮換地売却時の清算金帰属に関する国税庁の公式見解

国税庁|土地区画整理事業に伴う清算金に対する課税(質疑応答事例)

区画整理清算金の確定申告:代替資産取得特例と申告期限・手続きの実務ポイント

5,000万円控除と並ぶもう一つの特例が「収用等に伴う代替資産の取得の特例」(租税特別措置法第33条)です。 清算金で別の土地・建物(代替資産)を購入した場合に、課税を将来へ繰り延べられる制度です。

2つの特例の違いを整理します。

比較項目 5,000万円特別控除 代替資産取得の特例
課税の扱い 控除後の所得に課税(最大ゼロも可) 代替資産取得分は課税繰り延べ
代替資産の購入 不要 必要(清算金受領後2年以内)
同種資産の要件 なし 原則として同種の資産に買換え
特例の選択 どちらか一方のみ選択可 どちらか一方のみ選択可

代替資産取得特例は「今すぐ税金を払いたくない」人向けです。ただし課税が消えるわけではなく、将来の売却時に課税されることを忘れてはいけません。

確定申告の期限は清算金が確定した年の翌年2月16日〜3月15日です。 期限を過ぎて申告した場合は延滞税(原則として年2.4〜8.7%程度)が発生し、無申告のまま税務調査が入ると無申告加算税15〜30%が別途課されます。 特例の適用には確定申告が必須であり、申告なしには控除も繰り延べも一切受けられません。yayoi-kk+1

実務上は確定申告書に加え、以下の書類が必要です。

  • 📄 換地処分に関する証明書(施行者が発行)
  • 📄 清算金の支払通知書・振込明細
  • 📄 収用証明書(施行者名義のもの)
  • 📄 特例適用の場合は租税特別措置法適用の旨の記載

書類の収集は施行者(市区町村や土地区画整理組合)への問い合わせが起点になります。 担当窓口に「確定申告に必要な書類一式」と伝えれば対応してもらえる場合がほとんどです。

参考)土地区画整理事業で清算金の交付を受けた場合の課税

参考:国税庁による収用等の課税の特例全体の解説

国税庁|土地区画整理事業の換地処分により清算金を取得した場合(質疑応答事例)

参考:個人が土地区画整理事業で清算金を受け取った場合の課税関係の詳細解説

ノムコム・プロ|個人が土地区画整理事業により換地又は補償金・清算金等の交付を受けた場合の税務