グリーン住宅ポイント2025の取得条件と申請手順を完全解説

グリーン住宅ポイント2025の取得条件と申請手順

省エネ基準を満たしていても、施工業者の登録が抜けているだけでポイントが全額失効します。

📋 この記事のポイント
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2025年の制度概要

グリーン住宅ポイント2025は省エネ・ZEH基準の住宅取得・改修を対象に最大100万ポイントを付与する国の補助制度です。

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見落としやすい申請条件

施工業者の事前登録・契約日の基準・省エネ等級の確認など、実務でつまずきやすいポイントを解説します。

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不動産業従事者が知っておくべき独自視点

他の補助金との併用可否や、顧客への説明責任リスクなど、現場で差がつく情報を紹介します。

グリーン住宅ポイント2025の制度概要と背景

 

グリーン住宅ポイント制度は、2021年度に一度実施された後、2025年度版として再び注目を集めています。国土交通省・経済産業省・環境省が連携し、省エネ性能の高い住宅の取得・改修を促進するために設けられた給付型の支援制度です。

背景にあるのは、2050年カーボンニュートラルの実現に向けた住宅部門での脱炭素化です。日本全体のCO₂排出量のうち住宅・建築物部門は約13〜14%を占めており、新築・既存住宅の両面からの対策が急務とされています。

ポイントの付与額は住宅の種別によって異なります。

  • ZEH水準(強化外皮基準+再エネ):最大100万ポイント(1ポイント=1円相当の商品交換等に利用可能)
  • 省エネ基準適合住宅(断熱等性能等級4・一次エネルギー消費量等級4以上):最大60万ポイント
  • 既存住宅のリフォーム(断熱改修・窓・設備交換など):工事内容に応じて数万〜数十万ポイント

つまり新築だけでなくリフォームも対象です。

不動産業に携わる方にとって重要なのは、この制度が「売主・施工業者側の事前登録」を前提としている点です。登録なしに契約を進めると、後から申請できないケースがあります。これは実務上の大きなリスクです。

国土交通省:住宅省エネ化支援制度の概要(公式)

グリーン住宅ポイント2025の対象住宅と省エネ等級の条件

対象住宅の判断は、省エネ性能等級の確認から始まります。2025年時点で適用される基準は「断熱等性能等級4以上かつ一次エネルギー消費量等級4以上」が最低ラインです。等級の数字が高いほどポイント額も増えます。

等級の確認方法が重要です。

設計段階では「住宅性能評価書(設計住宅性能評価)」または「建築士による省エネ計算書」がエビデンスとして使われます。既存住宅の場合は「インスペクション(既存住宅状況調査)」と「改修工事後の性能証明」が必要になることが多いです。

住宅区分 最低省エネ等級 最大ポイント数
新築ZEH 断熱等級5+再エネ設備 100万pt
新築省エネ基準適合 断熱等級4・エネ等級4 60万pt
既存住宅リフォーム 工事内容に応じて変動 工事費の約30〜40%相当

見落としがちな点として、「長期優良住宅」や「低炭素住宅」認定を受けていても、グリーン住宅ポイントの申請には別途必要書類の提出が求められます。認定書があれば自動的に申請できるわけではありません。注意が必要です。

不動産業従事者として顧客に説明する際、「等級4で60万円相当のポイントがもらえる」というシンプルな伝え方が有効です。60万ポイントは、例えば家電量販店のギフトカード60万円分と同等の価値になる場合があり、顧客にとって非常に具体的なメリットとして伝わります。

省エネ等級の判定が不明な案件では、建築士や住宅性能評価機関への早期相談が条件確認の近道です。

一般財団法人住宅性能評価・表示協会:性能評価の手続きや基準を確認できる公式サイト

グリーン住宅ポイント2025の申請手順と施工業者登録の落とし穴

申請の流れは大きく「①施工業者登録→②契約→③申請→④ポイント受領」の4ステップです。このうち「①施工業者登録」が最も見落とされやすい工程です。

施工業者登録とは、事務局が運営する専用サイトへ建設業者・リフォーム業者が事前に登録する手続きのことです。登録が完了していない業者が施工した住宅は、原則としてポイント申請の対象外になります。

これが実務上の大きな落とし穴です。

不動産仲介・売買を担当している方が見落としやすいのは、「土地売買+建築請負のセット案件」です。建築請負先の施工業者が登録済みかどうかを契約前に確認しておかないと、引き渡し後に「申請できませんでした」という事態になりかねません。顧客への損害賠償リスクにつながる可能性もあります。

申請の具体的なステップは以下の通りです。

  1. 施工業者が事務局に事業者登録を行う(業者負担)
  2. 購入者・建築主が必要書類(売買契約書建築確認済証・性能証明書等)を準備する
  3. 専用申請サイトまたは郵送で申請書を提出する
  4. 審査完了後にポイントが発行され、カタログギフト・商品券・追加工事費等に充当できる

申請期限には余裕を持つのが原則です。

過去の類似制度では、申請期限の1〜2ヶ月前に予算上限に達して受付終了になったケースがあります。2021年度のグリーン住宅ポイントでも、予算消化によって申請受付が繰り上げ終了した経緯があります。顧客への案内は「早めの申請を」と伝えるのが安全です。

国土交通省:住宅省エネ関連補助制度の申請・登録手続きページ

グリーン住宅ポイント2025と他の補助金の併用可否

「補助金は一つしか使えない」というのは不動産業界でよく聞く思い込みです。実際には複数の制度を組み合わせることができるケースが多く、これを知っているかどうかで顧客への提案力に大きな差がつきます。

2025年時点で主な省エネ住宅関連補助制度との比較は以下の通りです。

制度名 グリーン住宅ポイントとの併用 主な注意点
子育てエコホーム支援事業 原則不可(同一工事での重複申請禁止) どちらが有利か試算が必要
住宅ローン控除(省エネ基準適合) 併用可能 控除額の計算は別途確認
次世代省エネ建材支援事業 一部工事で要確認 補助対象工事が重複しないか確認
地方自治体の独自補助金 多くの場合で併用可能 自治体ごとに条件が異なる

特に注意が必要なのは「子育てエコホーム支援事業」との関係です。

子育てエコホーム支援事業は2024〜2025年度にかけて実施されており、ZEH基準の新築住宅に100万円、省エネ基準適合住宅に60万円の補助金を交付しています。グリーン住宅ポイントと対象住宅や補助額が酷似しているため、実質的に「どちらかを選ぶ」判断が必要になる場面があります。

どちらが有利かは案件次第です。

商品券やカタログ交換が目的であればポイント制度が使いやすく、現金同等の補助が欲しければ子育てエコホームが適する場合があります。顧客のニーズをヒアリングしたうえで、どの制度を優先するかを提案することが不動産業従事者の付加価値になります。

住宅ローン控除との同時利用は問題ありません。省エネ基準適合住宅の場合、ローン控除の借入限度額が3,000万円から4,500万円に引き上げられる特例もあり、ポイント取得と合わせた総合的なメリットを試算して提示すると顧客の意思決定を後押しできます。

子育てエコホーム支援事業公式サイト:補助額・対象住宅・申請手続きの詳細

不動産業従事者が見落としがちなグリーン住宅ポイント2025の独自視点:説明義務と顧客トラブルリスク

ほとんどの解説記事が触れない視点があります。それは「不動産業従事者の説明義務」です。

グリーン住宅ポイントのような公的補助制度は、宅建業法上の「重要事項説明」の対象には原則として含まれません。しかし、顧客が「そういう制度があると聞いていた」「説明がなかったから損した」と主張した場合、民法上の説明義務違反(不法行為)や媒介契約に基づく善管注意義務違反として争われるケースが実際に起きています。

リスクは見えにくいところにあります。

具体的なシナリオとして、「省エネ基準適合住宅を仲介したが、グリーン住宅ポイントの存在を顧客に伝えなかったため、顧客が申請期限(例:引渡しから6ヶ月以内)を逃して60万ポイントを失効した」という場合、顧客が仲介業者に対して60万円相当の損害賠償を求めるリスクが生じます。

60万円は小さくない金額です。

対策として有効なのは、「省エネ住宅関連補助制度チェックリスト」を社内で作成し、重要事項説明書の補足資料として顧客に渡すことです。書面で「この制度についての説明を行った・確認した」という記録を残すことで、後日のトラブルを防げます。

チェックリストには以下の項目を入れておくと実務で役立ちます。

  • 対象制度名と付与ポイント(金額)の概算
  • 申請期限(契約日・引渡日を起算日とした日数)
  • 施工業者の登録状況の確認有無
  • 必要書類の種類と取得先
  • 他の補助金との重複申請の有無

これだけで十分です。

なお、2024年度の不動産取引に関するトラブル相談件数(国民生活センター集計)では、「説明不足」を原因とするものが全体の約35%を占めています。補助金の説明漏れはその代表的な事例として挙げられており、業界全体で周知が進んでいます。知識の差が、そのままリスク管理の差になります。

不動産業従事者として日常的に制度情報をアップデートするために、国土交通省の「住宅局メールマガジン」への登録や、住宅性能評価・表示協会のウェブサイトの定期チェックを習慣にすることをおすすめします。制度改正の情報をいち早くキャッチすることが、顧客への信頼につながります。

国民生活センター:不動産取引に関するトラブル相談事例(説明義務関連)



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