収入合算住宅ローンのデメリットと失敗しない選び方

収入合算・住宅ローンのデメリットと正しい選択肢

収入合算を勧めた顧客が5年後に破綻し、あなたに苦情が来ることがあります。

収入合算住宅ローン デメリット 3つのポイント
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住宅ローン控除が半減するケースがある

連帯保証型では合算者が控除を受けられず、世帯全体の節税効果が大きく落ちます。

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合算者は団信(団体信用生命保険)に入れない

万一の際にローン残債が消えず、残された家族に全額返済義務が残ります。

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離婚したら連帯保証人から抜けられない

離婚後も金融機関の同意なしに連帯保証は外れず、双方が債務リスクを抱え続けます。

収入合算住宅ローンの仕組み:連帯保証型と連帯債務型の違い

 

収入合算とは、申込者本人の年収だけでは希望額に届かない場合に、配偶者や族の収入を加えて審査を受ける方法です。 大きく分けると「連帯保証型」と「連帯債務型」の2種類があり、この違いを正確に理解しておくことが重要です。mizuhobank.co+1

つまり型の選択で、顧客の手取りが大きく変わります。

以下の表で2つの型の違いを整理します。

項目 連帯保証型 連帯債務型
ローン契約数 1本(主債務者のみ) 1本(共同契約)
住宅ローン控除 主債務者のみ 婦双方で適用可
団体信用生命保険 主債務者のみ加入 主債務者のみ(金融機関による)
共有名義 不要(単独名義も可) 持分割合に応じた共有名義が原則
主な取扱い 民間銀行が多い フラット35など

連帯保証型は手続きがシンプルで諸費用も安く抑えられる一方、合算者への保障が極めて薄いのが特徴です。 連帯債務型は夫婦双方で住宅ローン控除を受けられるメリットがありますが、持分割合の設定を誤ると控除額が想定より下がるリスクがあります。 型の選択ミスは、年間数十万円単位の損失につながることもあります。yg-tax+1

これが原則です。

収入合算住宅ローンのデメリット:住宅ローン控除の落とし穴

連帯保証型で収入合算した場合、住宅ローン控除を受けられるのは主債務者だけです。 合算者は実際に返済を支える立場でも、税制上は「連帯保証人」扱いになるため控除の対象外となります。fujiken-sumai+1

例えば、夫(主債務者)の年末ローン残高が4,000万円で控除率0.7%なら年間最大28万円の控除が受けられます。しかし妻が連帯保証型の合算者になっているだけでは、妻側への控除はゼロです。 住民税側の控除上限が97,500円であることを踏まえると、連帯債務型に切り替えれば世帯全体で年間40万円超の控除を狙えるケースもあります。behavior.co+1

痛いですね。

一方、連帯債務型(フラット35など)であれば夫婦双方で控除が受けられますが、控除の対象金額は持分割合と返済負担割合の両方で決まります。 持分割合と実際の返済負担割合がずれていると、税務署から贈与税の問題を指摘されるリスクもあります。不動産業従事者として顧客にアドバイスする際は、税理士への相談も一緒に案内するのが安全です。

参考)https://magazine.sbiaruhi.co.jp/0000-3955/

収入合算住宅ローンのデメリット:団信に入れない合算者のリスク

収入合算における最大のデメリットの一つが、団体信用生命保険(団信)の問題です。一般的に団信に加入できるのは主債務者だけであり、合算者(連帯保証人・連帯債務者)は対象外となります。

参考)住宅ローンを収入合算で利用するメリット・デメリット、注意点

これが意味することは具体的に説明すると深刻です。例えば、妻が合算者として月々の返済を実質的に支えているケースで、妻が病気で亡くなった場合、団信保険金はおりません。 夫は一人で残ったローン全額を返済し続けることになります。東京都心の新築マンションが1億円前後で推移している現状では、これは家族の生活を根底から覆すリスクです。holos-home.co+1

合算者の保障が条件です。

このリスクへの対策として有効なのが、合算者が民間の生命保険・就業不能保険に別途加入しておくことです。 月額保険料数千円程度の就業不能保険で「合算者が働けなくなった場合の収入減」をカバーできます。顧客に収入合算を提案する際は、保険の見直しも同時に案内することで、より包括的なサポートが可能になります。

参考)夫婦で収入合算して住宅ローンを組む場合のデメリットとは?ペア…

収入合算住宅ローンのデメリット:離婚・退職が引き起こす返済危機

収入合算は「二人分の収入が前提」で組む仕組みです。片方の収入が途絶えた瞬間から、返済は一気に苦しくなります。

参考)住宅ローンを組む時に、安易な収入合算には要注意|愛知の注文住…

実際、延滞に陥った住宅ローンの多くが収入合算を利用したケースだという指摘もあります。 特に多いのが出産・育児による離職です。妻の年収300万円を合算して8,000万円近く借り入れ、その後妻が専業主婦になると、月々の返済が世帯収入の40%を超える事態も起こりえます。

以下は収入合算後に収入が減少した場合のリスクをまとめたものです。

リスク要因 具体的な影響
出産・育休による収入減 月々の返済負担率が急上昇
離婚 連帯保証人を外せず双方に請求が来るケース
転職・失業 合算収入の喪失で返済が破綻
病気・ケガ 合算者に団信なし、収入も減少で二重苦

さらに離婚した場合のリスクは特に深刻です。 離婚後でも、金融機関の同意なしには連帯保証人から外れることができません。 夫が返済を延滞すれば妻にも請求が来て、最終的に双方が信用情報機関のブラックリストに登録されるという事例も実際に起きています。abicnet+1

厳しいところですね。

収入合算住宅ローンのデメリット:不動産業従事者が知るべき説明責任の落とし穴

ここが、他の記事にはない視点です。不動産業従事者として注意したいのは、「顧客が収入合算のリスクを十分に理解していなかった」と後日トラブルになるケースです。

収入合算を提案する場面では、借入可能額が増えることで物件の成約率が上がります。しかし、顧客が5年後・10年後に破綻した場合、「あのとき説明を受けていなかった」とクレームにつながることがあります。無謀な収入合算でも不動産業者が止めない構造的な問題は、業界内でも指摘されています。

これは使えそうです。

以下のチェックリストを顧客との商談時に活用すると、説明責任のリスクを減らせます。

  • ✅ 連帯保証型か連帯債務型か、違いを図示して説明したか
  • ✅ 合算者が団信に加入できないことを伝えたか
  • ✅ 合算者が退職・育休に入った場合のシミュレーションを見せたか
  • ✅ 住宅ローン控除の適用範囲(型による違い)を案内したか
  • ✅ 民間保険(就業不能保険・生命保険)の見直しを勧めたか
  • ✅ 離婚時に連帯保証が外れないことを伝えたか

借入可能額と返済可能額は一致しません。 顧客の「借りたい額」に寄り添いながらも、「返せる額」の基準で提案できる業者が長期的な信頼を得ます。顧客が安心して相談できる不動産プロとしての差別化につながるポイントです。

以下のページでは、収入合算(連帯債務型)と住宅ローン控除の具体的な計算方法が公的な観点から解説されています。控除額シミュレーションの参考として活用してください。

住宅ローン控除の連帯債務における控除額計算の詳細(SBIアルヒ)。

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収入合算のリスク(離婚等)と解決方法の実例(abicnet)。

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