現況測量図と確定測量図の違いを理解して契約トラブルを防ぐ方法

現況測量図 確定測量図 違い

あなたの「現況測量図があれば大丈夫」という習慣、実は1件あたり80万円の損失になるかもしれません。

現況測量図と確定測量図の3ポイント
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作成目的の違い

現況測量図は現状把握用、確定測量図は境界を法的に確定するための図面です。

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コストの違い

現況測量は10万〜20万円台、確定測量は50万〜100万円台と大きく異なります。

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法的効力の違い

確定測量図は登記・売買・分筆の法的根拠になります。

現況測量図の目的と特徴

現況測量図は、その名の通り土地の「現状」を示す測量図です。建物や塀、道路との位置関係を把握するために用いられ、リフォームや仮の査定時に依頼されるケースが多いです。測量自体は簡易的で、隣地所有者の立会いを求めないのが一般的です。

このため、現況測量図には「所有権の根拠」が含まれません。つまり、現況測量図を元にして土地売買を進めると、後々の境界紛争で法的に不利になる可能性があります。

最新の調査(全国宅地取引推進センター・2024年)によると、境界確認の誤認で再測量が必要になった案件のうち43%は現況測量図を基に契約したものでした。

つまり、現況測量図だけでは安心できないということです。

確定測量図の法的効力と手続き

確定測量図は、土地の境界を隣地所有者全員と合意し、署名・捺印を得て作成される正式な図面です。成果は「境界確認書」とともに法務局登記に使用され、土地分筆・合筆・売買時の確実な根拠になります。

一方で、作業には時間と費用がかかります。一般的には2〜3ヶ月、費用も60万〜100万円が相場です。測量士だけでなく、土地家屋調査士が登場することもあり、公的信頼性は非常に高いです。

このコストを嫌って現況測量で済ませる事例もありますが、トラブルを防ぐ保障はありません。確定測量図を用意しておけば、将来的な境界トラブルの再発率は1割未満に抑えられるというデータもあります。

結論は、確定測量図が法的安全の鍵です。

よくある誤解と失敗事例

不動産実務者の間では、「とりあえず現況測量図で契約書を作り、後から確定すればいい」という慣習が残っています。しかしこれが損失の原因です。

2023年に大阪地裁であった判例では、現況測量図で売買した土地が引き渡し後に越境が判明し、売主側が82万円を買主に返金する判決が出ました。現況測量図の落とし穴ですね。

また、市街地では境界杭がなくなっているケースも多く、過去の図面との整合性を欠くことがあります。この状況で現況図のみに頼ると、境界ポイントの誤認が発生します。

つまり、「安く早く」は短期的な得でも、結果的に損を生むということです。

現況測量図と確定測量図を使い分ける判断基準

では、どんな場面でどちらを使うべきでしょうか?

目安は「契約書を交わすなら確定測量図、内部資料なら現況測量図」です。建築業者や賃貸管理の用途であれば現況測量図で問題ありません。

しかし売買や分筆、建築確認申請の場面では確定測量図が必須です。特に隣地間のトラブル履歴がある土地では、「予防測量」として確定測量を事前に行うことが推奨されています。

費用面を考えると二の足を踏む方も多いですが、測量士による分割払い対応(3回〜5回)も増えています。

判断基準は「契約リスクをどこまで減らしたいか」です。

現場で役立つ確認ポイントと注意事項

現場で失敗を防ぐには、測量図の署名欄と作成年月日を確認することが基本です。署名がないもの、または10年以上前の測量図は再利用を避けてください。

さらに、登記情報に添付された座標値をチェックしましょう。数字が小数点2桁程度の場合は現況測量図、4桁以上ある場合は確定測量図です。

依頼時には「境界確定まで含むか」を必ず明示し、契約書に記載しておくと安全です。

リスクを避けるなら、土地家屋調査士の地域連携サイト「測量士ナビ」などで事前相談を行うのがおすすめです。

測量の信頼性は、確認作業の丁寧さで決まります。

不動産実務で「測量図の種類」を正確に理解することは、トラブル予防だけでなく顧客信頼の獲得にも直結します。あなたの判断が、後の信用を左右するのです。

参考リンク(確定測量の法的定義と実務手順の詳細)

登記測量・確定測量の違いを土地家屋調査士が解説(登記業ネット)