議決権割合 直接 間接
あなたが直接保有分だけで安心しているなら、すでに議決権ルール違反の可能性があります。
議決権割合の直接保有と間接保有の違い
議決権割合は、「直接的に株式を保有する割合」と「間接的に関連会社などを通じて保有する割合」を合計して判断されます。これは会社法108条や金融商品取引法などでも重要な概念です。
例えば、あなたの会社が別法人を40%保有し、その法人が対象企業を60%保有していたとします。単純計算で24%の間接保有にあたりますが、直接20%を持っていれば合計は44%。しかし一定のケースではこの44%が“実質50%以上の支配”とみなされます。意外ですね。
この取り扱いを誤ると、宅建業法や不動産特定共同事業法の登録における「支配会社」の判定を誤るリスクがあります。つまり議決権割合が原則です。
特にSPCを利用した不動産投資スキームでは、間接保有を無視して「関連当事者でない」と判断してしまうと、契約が無効化されるリスクも。結論は、直接と間接の合算は必須です。
議決権割合の計算例と不動産会社の誤算
ある不動産会社Aが、グループ会社B経由でC社を実質支配していた事例があります。A社がB社を80%保有、B社がC社を40%保有していた場合、A社のC社に対する間接保有は32%。この32%を軽視して登記・契約を進めた結果、関連当事者取引の未申告で行政指導を受けた例が存在します。痛いですね。
数字は小さく見えても影響は大きいです。わずか1%差で「親会社」とみなされる場合もあります。つまり支配判定は相対的です。
不動産M&Aでは特に、49%出資か51%出資かで、税務上の取り扱いが180度異なることもあります。これは使えそうです。
この誤りを防ぐためには、議決権割合の確認と並行して株主構成表を定期的に見直すのが有効です。認定事務所の「議決権算出チェックサービス」などを利用すれば、リスクは最小化できます。
不動産SPCでの間接保有リスクと隠れ支配
SPC(特定目的会社)は不動産取引でよく使われますが、議決権割合の解釈を誤ると極めて危険です。たとえば、匿名組合(TK)契約で出資した投資家が「実質的議決権を持たない」と誤信して運営に介入した場合、監督官庁から業法違反の指摘を受けた例があります。つまり支配関係が非公開でも実質支配と判断されることがあるのです。
2023年の金融庁ガイドラインでは、間接出資であっても議決権行使権が委任されていれば、支配判定に含める方針が示されています。つまり実務と法令のズレに注意です。
不動産業者の場合、間違ったスキームのまま物件譲渡を行うと「名義貸し」と同等の扱いを受けるリスクがあります。かなり厳しいところですね。
このリスクを避けるには、SPCや匿名組合型の契約文書で「議決権の帰属」を事前に法務レビューすることです。
議決権割合と金融・税務上の影響
議決権割合のわずかな違いで、税制適用も変わります。法人税法では、議決権50%以上を持つ場合、その会社は「完全支配関係」に該当し、損益通算が認められることがあります。ただし間接保有割合を過小算定していると、この特例を受けられません。つまり税負担が増える結果になります。
具体的には、支配関係が49.9%と50.1%で分かれるだけで年間の節税効果が数百万円単位で変わるケースも。いいことですね。
一方で、誤って支配を申告すると、虚偽記載で罰金や過少申告加算税の対象になります。結論は正確な算定です。
会計上の「連結除外」と「支配企業該当」の線引きを確実に行うには、税理士または公認会計士によるチェックが有効です。
議決権割合を巡る実例と実務対策
実務では、「直接50%以上」と「実質的に50%以上」がズレているケースが頻発します。たとえば地方の不動産ホールディングで、親会社が45%保有していても、役員派遣・取引独占で支配的地位を持つ場合は「事実上の支配」とされます。つまり形式上の数字では判断できません。
これにより、社債発行や再開発プロジェクトの認可が遅れた例もあります。時間面の損失は大きいです。
あなたの会社でも「直接分だけで50%を切らせて、支配を避けよう」とする構造があるなら要注意。つまり法は“実質”を見ます。
防ぐには、株式保有構造を可視化した「企業支配マップ」を導入すると良いでしょう。クラウド型の「法人関係ダッシュボード」などが有用です。設定は簡単です。
参考:金融庁「企業内容等の開示に関するガイドライン」