事務机サイズ規格を知れば不動産事務所のレイアウトが変わる

事務机のサイズ規格と不動産事務所に最適な選び方

体に合わない高さの机を使い続けると、年間33万円分の生産性が1人当たり失われます。

📋 この記事のポイント
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標準規格サイズを正しく知る

事務机の標準サイズは「幅1200mm×奥行700mm×高さ720mm」。JIS規格とJOIFA推奨規格の違いを理解すると、机選びの迷いがなくなります。

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不動産事務所のレイアウト基準

通路幅900mm以上・1人当たり面積3〜4坪が推奨値。デスクサイズを誤ると、スタッフ同士の動線が詰まりクレームにもつながりかねません。

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用途別の最適サイズを選ぶ

営業職には幅1000mm、事務職には幅1200mm、管理職・重要書類を扱うポジションには幅1400mm以上が目安。役割に合わせた選び方が生産性を左右します。


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事務机サイズの規格とJIS・JOIFAの違い

 

事務机のサイズを調べると、「JIS規格」と「JOIFA推奨」という2つの基準が出てきます。これは同じものではありません。両者の違いを知らずに机を選ぶと、購入後に「高さが合わない」「引き出しが浅すぎる」という問題が起きやすくなります。

まず、JIS規格(日本工業規格)は1971年に制定されたもので、当時の日本人の平均身長に基づいて高さ700mmが標準と定められました。これは「新JIS規格」とも呼ばれ、幅・奥行は100mm・200mm単位で増減する設計になっています。ただし1999年以降、JISの寸法規定は「参考扱い」に変されており、現在は拘束力のある強制規格ではありません。

一方、一般社団法人日本オフィス家具協会(JOIFA)が現在推奨しているのは高さ720mmです。なぜ700mmから720mmに変わったのか、理由は3つあります。

  • 🏃 身長の変化:1971年当時よりも日本人・外国人ワーカーともに平均身長が高くなり、同じ算出方法で計算すると720mmが適切値になる
  • 📁 収納力の問題:書類の標準がB5からA4になり袖引き出しが深くなった結果、700mmでは最上段の引き出しが非常に浅くなってしまう
  • ♿ バリアフリー対応:大型車いすの肘の高さが床から670mm。700mmの机では天板下に肘が入らず近づけないが、720mmなら肘が天板下に収まる

つまり、現在の主流は720mmということですね。市場に流通している新品の事務机のほとんどは720mmか700mmのどちらかです。不動産事務所で新規に机を調達する場合、特別な理由がない限り720mmを選ぶのが原則です。

なお、幅と奥行の標準サイズは以下のとおりまとめられます。

寸法 標準サイズ 備考
幅(W) 1200mm 最もポピュラーな標準サイズ
奥行(D) 700mm ノートPC+書類作業に十分な奥行き
高さ(H) 720mm JOIFA推奨・現在の主流

高さ700mmのデスクと720mmのデスクを同じ空間に混在させると、見た目の高さが不揃いになる点にも注意が必要です。

参考:日本オフィス家具協会(JOIFA)「安全・快適なデスクの選び方」JOIFAが720mm推奨に至った理由と耐久試験の詳細が解説されています。

事務机のサイズ規格「幅・奥行・高さ」の特徴と選び方

事務机の3つの寸法それぞれが、働く環境に与える影響は全く異なります。幅は「作業できる横の広さ」、奥行は「目とモニターの距離」、高さは「体への負担」に直結しています。3つをまとめて考えることが重要です。

幅(W)の選び方

幅は、その席で何をするかによって最適値が大きく変わります。不動産業界の場合、業務内容は職種によってはっきり分かれることが多いため、ポジションごとに分けて考えましょう。

デスク幅 目安・用途 不動産業務での活用シーン
1000mm(100cm) コンパクトタイプ 外回り中心の営業職のサブ席、フリーアドレス席
1200mm(120cm) 標準サイズ🏆 一般事務・内勤スタッフの基本サイズ
1400mm(140cm) やや広め 管理職・重要書類を扱う総務・経理担当
1600mm(160cm) 広め 役員・社長クラス、図面や資料を広げる用途

1200mmは「A4書類を広げながらPCを操作できる」サイズ感で、名刺2枚を横に並べた幅(約180mm)の約6.7倍という広さです。これが基本です。

奥行(D)の選び方

奥行は、モニターとの距離に直接影響します。モニターの推奨距離は「手を前にまっすぐ伸ばした先」、すなわち最低でも50cm以上必要です。

省スペースを優先したいなら奥行600mm、標準的なPC作業ならば奥行700mmが適切です。不動産業界で大きめの画面を使い複数の物件情報・地図を同時に表示するなら、奥行700mm以上を選ぶと目の疲れを抑えられます。これは使えそうです。

奥行が600mmを切ると、モニターと顔が近くなりすぎて目の疲れが蓄積しやすくなります。長時間の内勤業務では特に問題になるため、ノートPCのみの利用でも600mm以上は確保したいところです。

高さ(H)の選び方

高さ720mmを選べば大抵の体格で問題ありません。ただし、身長が160cm以下の方には少し高く感じられることがあります。その場合はフットレストを使うか、座面高を下げられるオフィスチェアとセットで考えることをおすすめします。

体に合ったデスクの高さの目安は「座ったときに肘が直角になる高さ」です。これが守られないと、肩や首に余計な負荷がかかります。高さが合わないまま長期間使い続けることによる生産性損失は年間1人当たり約33万円という試算もあります。痛いですね。

参考:渋谷QWS「デスクワーカーの肩こり腰痛による生産性低下」身体不調による損失額と対策について解説されています。

事務机サイズと不動産事務所のレイアウト設計の関係

不動産事務所では、お客様を迎え入れる接客スペースと、スタッフの執務スペースが共存することが多いです。スペースが限られた中でデスクサイズを決めると、「通路が狭すぎてお客様が通れない」「椅子を引くたびに後ろの棚にぶつかる」といった問題が発生しやすくなります。

デスクサイズを選ぶ前に、オフィス全体のレイアウトを考えた通路幅の確保が必要です。目安は以下のとおりです。

通路の種類 推奨幅 理由
メイン通路(来客動線) 1200〜1600mm すれ違い+荷物の持ち込みに対応
デスク間の通路 900mm以上 1人がゆとりを持って通行できる最低幅
座席背面(椅子引き) 1600〜1800mm 椅子引きスペース×2+通行スペース
収納・書庫前 1200mm以上 扉開閉スペース+通行スペース

900mmというのは、成人男性(肩幅約500mm)がゆとりをもって通れる「人1人分の幅+余白」の数字です。壁とデスクの間に成人が1人通れるかどうかのイメージで確認してみてください。

さらに、不動産事務所の執務スペースに関しては、労働安全衛生法に基づく「事務所衛生基準規則」で1人当たり最低10立方メートル(約1.4坪)の気積が法的に義務づけられています。ただしこれは最低限の数値であり、オフィス家具メーカーが推奨する快適な作業環境は1人当たり2〜4坪が目安です。デスクサイズが大きくなれば当然1人当たりの占有面積も増えるため、スタッフ数と坪数の関係を確認しながら机のサイズを決めることが必要です。

また、来客があるたびにスタッフが席を立ちやすいよう、デスクの配置は「お客様の目線に対してどう見えるか」も考慮しましょう。不動産事務所ならではの独自視点として、接客カウンター兼用の幅1400〜1600mm大型デスクを手前に配置し、奥に幅1200mmの事務机を並べる構成は、限られたスペースでも来客対応と事務作業の動線を分けられる実用的なレイアウトです。

参考:コクヨマーケティング「オフィス通路幅の適切な寸法やレイアウトを解説」メイン通路・デスク間通路・背面通路それぞれの基準寸法が図解で解説されています。

事務机の種類別サイズ規格と不動産業務への活用法

事務机には形状の違いもあり、それぞれサイズの基準が異なります。同じ「幅1200mm」でも形状が違えば使い勝手は全然違います。不動産業務の現場に合わせた形状選びが、日々の作業効率を左右します。

平机(フラットデスク)

収納を持たない最もシンプルな机です。標準サイズは幅1200mm×奥行700mmがポピュラー。天板の下がすっきりしているため足元が広く、圧迫感が少ないのが特徴です。別途サイドワゴン(キャスター付き収納)を組み合わせる使い方が一般的で、レイアウト変更にも柔軟に対応できます。外回りが多くデスクに居る時間が短い営業スタッフには、この平机+ワゴンの構成が向いています。

片袖机・両袖机

天板の片側または両側に引き出しが固定されているタイプです。不動産業界では最もよく使われる形状です。片袖机の標準サイズは幅1200mm×奥行700mm、両袖机は収納が大きい分、幅1400mm前後のものが多くなります。重要書類・契約書を毎日扱う事務職や、自席に書類を管理する必要があるポジションにおすすめです。

収納量が多くなる分、両袖机は価格も上がります。コストパフォーマンスを重視するなら片袖机が選ばれやすい選択肢です。

フリーアドレスデスク

複数人で1枚の大きな天板を共有するタイプです。1人当たりの幅は最低1000mm以上が推奨されており、例えば4名で使う場合は合計幅4000mm以上の天板が必要になります。外出が多い不動産営業職がオフィスに戻ったときに使う「一時着席スペース」としての導入が増えています。

L字デスク

天板がL字型になっており、1台で約1.5倍の作業面積を確保できます。標準的なL字デスクは一方の辺が幅1400〜1600mm、もう一方が600〜1000mm程度です。物件資料・図面・地図・PC画面を同時に広げる必要がある担当者に特に向いています。部屋の角(デッドスペース)を有効活用できる点も不動産事務所での導入メリットです。

机の形状と役職・業務内容を対応させると、無駄なスペースを省きながら働きやすさを最大化できます。これが基本です。

参考:オフィスのギモン「オフィスデスクの選び方|形状・素材・機能別のおすすめデスクまとめ」各デスク形状の特徴と業務内容別のおすすめが詳しく解説されています。

事務机の高さ規格と体格・健康への影響(不動産従事者が知るべき損失額)

多くの不動産会社のオフィスでは、全員が同じ高さの机を使っています。しかし体格は人それぞれ違います。身長が170cmの人と155cmの人が同じ720mmの机を使っても、快適さが同じになるはずがありません。

机の高さが体に合っていない場合に起こるのは、肩こり・首こり・腰痛です。これらは「プレゼンティーズム(出勤しているが体調不良で生産性が落ちている状態)」の主な原因となります。昭和医大などの研究では、腰痛による生産性損失は1,000人当たり年間約6,500万円に上ると試算されています。1人に換算すると年間約6万5,000円です。

さらに、体調が悪いにもかかわらず仕事をしている状態での損失額は、年間1人当たり約33万円という試算もあります。つまり、机の高さを正しく設定するだけで、この損失をある程度防げる可能性があるということですね。

自分に最適な机の高さの目安は次の計算式で出せます。

> 最適デスク高さ(mm)= 身長(cm)× 0.25 – 1.5 + 座面高

より簡易的には「座ったとき、両腕の肘が直角に曲がる状態で軽くデスクに置ける高さ」が目安です。

机の高さが720mmで高すぎると感じる方には、以下の対策が有効です。

  • 🪑 座面高を調整できるオフィスチェアを選ぶ:座面を上下させて肘の角度を調整する
  • 🦶 フットレストを使う:座面を上げた分、足が浮いてしまう問題を解消する
  • ↕️ 昇降デスクを導入する:高さを自由に変えられるため、複数人で共有する席にも対応

昇降デスク(スタンディングデスク)についても触れておきます。Steelcaseの研究によると、昇降デスク使用者の65%が1年後に「生産性が向上した」と報告しています。立った状態では適度な緊張感が保たれ、眠気が抑えられて集中力が持続しやすくなるためです。不動産業は繁忙期・閑散期の波が大きく、集中して契約書類を処理しなければならない場面も多いです。高さ調整が可能な机は、そういった場面で特に力を発揮します。

机の高さは後から変えにくいため、購入時にしっかり確認することが条件です。


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