不動産STO SBI証券での始め方・仕組み・リスクを徹底解説
10万円で都心の大型ビルに投資できますが、元本は保証されません。
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不動産STOとは何か?SBI証券が扱うデジタル証券の基本
不動産STO(Security Token Offering)とは、ブロックチェーン技術を活用して発行・管理される「デジタル証券」を使い、資金調達を行う仕組みのことです。従来の株式や投資信託とは異なり、特定の不動産を裏付け資産として発行されるのが特徴です。証券はデジタルデータ(トークン)として発行されるため「セキュリティ・トークン」とも呼ばれ、SBI証券では「不動産ST」と案内しています。
これまで大型不動産への個人投資は「富裕層だけのもの」というイメージが強くありました。事実、都心の一棟マンションや商業ビルへの直接投資には、数千万円〜数億円単位の資金が必要です。ところが不動産STは小口化の仕組みを活用しており、SBI証券の過去取扱商品では1口10万円前後から投資が可能になっています。
つまり、少額でも大型物件に投資できるということですね。
SBI証券は、2020年5月の金融商品取引法改正によるSTO法制化を受け、いち早くSTビジネスに注力してきた証券会社の一つです。2021年より不動産STの継続販売を始め、2025年2月時点では主幹事として10件の不動産STO実績を持ちます。主要ネット証券5社のなかでも、不動産STの取扱実績はトップクラスと公式に発表されています。
代表的な取扱銘柄としては、ケネディクス(KDX)グループが運用する「KDX不動産ST」シリーズがあります。渋谷・都心の大型商業施設や住宅を対象とした商品が複数案件販売されており、「ケネディクス・リアルティ・トークン」としてSBI証券のST取引画面で申込みを行う形式です。
SBI証券 公式「不動産×ST(不動産ST)」:SBI証券の不動産ST概要・取扱実績・FAQがまとめて確認できます。
不動産STO・REIT・現物不動産の利回りと流動性の違い
不動産投資の手段として代表的なものに、現物不動産・J-REIT・不動産STOの3つがあります。それぞれの特徴を数字で比べると、違いが一目でわかります。
| 投資手法 | 予想分配金利回り(年間/税引前) | 最低投資金額 | 流動性 | 運用期間 |
|—|—|—|—|—|
| 現物不動産 | 約5.88%(東京23区一棟アパート平均) | 数千万円〜 | 低い | 満期なし |
| 上場REIT | 約4.80%(REIT平均分配金利回り) | 数万円〜 | 高い | 満期なし |
| 不動産ST(SBI証券) | 約3.80〜4.10%(予想分配金初回) | 10万円〜 | 低め | 満期あり |
※上記はSBI証券公式ページ(2024年8〜9月時点のデータ)を参考に作成。過去の実績であり将来の運用成果を保証するものではありません。
数字を見るとJ-REITより不動産STの利回りが低いように感じるかもしれません。ここが意外なポイントです。不動産STは「個別物件への集中投資」になるため、分散効果はREITに劣ります。ただし、株式市場の影響を受けにくい点と、自分で投資する物件を選べる点が不動産STならではの魅力とされています。
流動性の面では、REITは東証に上場しているため取引時間中はいつでも売買できます。一方、不動産STはもともと流動性が低く、満期まで保有し続けることを前提とした設計が多いです。ただしSBI証券では2023年12月より、ODX(大阪デジタルエクスチェンジ)が運営する私設取引システム「START(スタート)」を通じたセカンダリ取引(中途売却・購入)が可能になりました。これは大きな進化です。
これが条件です——STARTで取り扱われる銘柄であれば、満期前でも委託取引でおおむねいつでも売買できるようになっています。ただし全銘柄がSTARTに対応しているわけではなく、銘柄ごとに確認が必要な点は覚えておきましょう。
現物不動産と比べると、プロが物件管理・運用を担う点も特徴です。入居者対応・修繕手配といった「大家業務」は一切発生しません。それが不動産STに投資するメリットの一つといえます。
不動産STO SBI証券での購入の流れと抽選の仕組み
SBI証券で不動産STを購入するには、まず「ST取引口座」を開設する必要があります。SBI証券の総合口座を持っている方でも、ST取引は別途、専用口座の開設申込みが必要です。手続き自体はWEB上で完結し、ST取引管理約款に同意するだけで開設できます。
口座開設が完了したら、実際の購入ステップは以下の流れです。
– STEP1:需要調査期間に希望口数を申込む / ログイン後のST取引画面「新規発行ST」から申込みが可能です
– STEP2:買付余力の確認 / 抽選日の18時以降に抽選開始。「発行価格×申込口数」分の買付余力が必要
– STEP3:抽選・結果通知 / 当選・補欠当選・落選をメールとWEB画面で確認
– STEP4:購入意思表示 / 当選者は目論見書を最後まで確認し、購入ボタンを押す
– STEP5:補欠当選の繰り上げ処理 / 当選者が購入しなかった分は補欠当選者に繰り上げ
– STEP6:お預り残高への反映 / 購入意思表示期間終了の翌日2時頃に口座に反映
注意しておきたいのが「買付余力の確認」です。申込みだけして資金を入れていない場合、抽選対象外になります。しかも「抽選対象外になった」という通知はSBI証券から来ません。気づかないうちに機会を逃してしまうケースがあるため、申込前に入金が完了しているかを必ず確認しましょう。
これは注意が必要ですね。
人気案件は需要が販売数量を大きく超えることが多く、抽選になるケースが大半です。補欠当選となった場合も、繰り上げ当選の保証はありません。購入意思表示期間の最終日12時以降に注文履歴を確認する手間も生じます。人気物件を確実に取得したい場合は、需要調査期間の早い段階で申込む習慣をつけておくと良いでしょう。
SBI証券 公式「不動産ST(STO)お取引までの流れ」:6ステップの購入フローと注意事項が図解付きで確認できます。
不動産STO SBI証券での税金・損益通算の仕組みと注意点
不動産STOの税金は、一般的な投資信託や株式とは少し異なる部分があるため、事前に把握しておくことが重要です。SBI証券の公式FAQによれば、税率は次のように整理されます。
| 区分 | 課税方式 | 税率 |
|—|—|—|
| 分配金(配当金相当) | 源泉徴収または申告分離課税 | 20.315% |
| 償還差益 | 申告分離課税 | 20.315% |
| 譲渡損益(中途売却) | 申告分離課税 | 20.315% |
分配金については、特定口座(源泉徴収あり)を選択していれば、SBI証券が代わりに納税手続きを行うため確定申告は原則不要です。これは管理が楽ですね。一方で特定口座(源泉徴収なし)または一般口座を選んだ場合は、自分で確定申告を行う必要があります。
嬉しい点として、不動産STOの損益は上場株式等の譲渡損益や配当所得との損益通算が可能です。たとえば株式投資で年間10万円の損失が出ていた場合、不動産STOの分配金10万円と相殺して税負担をゼロにするといった使い方ができます。
損益通算が使えるのは大きなメリットです。
ただし1点だけ注意が必要です。不動産STの減価償却費等相当分の分配(利益を原資としない分配)については、2024年9月時点での税制改正要望として「課税なし」とする方向での議論が行われていましたが、実現の保証はなく、状況が変わる可能性もあります。SBI証券の案件ごとの目論見書で税務上の取扱いを確認するのが原則です。
また確定申告を行う場合、SBI証券が発行する「特定口座年間取引報告書」が利用できます。この書類を活用すれば、計算の手間が大幅に省けます。
SBI証券 公式FAQ「不動産STOに関する税金」:源泉徴収・申告分離課税・損益通算の具体的な取扱いが確認できます。
不動産STO SBI証券で知っておくべきリスクと独自の活用術
不動産STは「少額で大型不動産に投資できる新しい商品」として注目されていますが、いくつかの重要なリスクを正しく理解することが欠かせません。
まず最も基本的なリスクは元本割れリスクです。運用期間満了時に対象不動産が売却されますが、その売却価格が購入時の評価額を下回った場合、出資元本から差し引かれます。不動産市況の悪化・テナント退去による稼働率低下・金利上昇による資産価値下落などが原因として考えられます。「利回り3〜4%台を狙っていたのに元本割れした」というケースが将来的に起きる可能性は否定できません。元本保証は一切ない点は絶対に覚えておきましょう。
次に流動性リスクがあります。STARTでのセカンダリ取引が可能になったとはいえ、全銘柄が対応しているわけではなく、売買が成立しないケースもあります。J-REITのような上場市場と異なり、買い手が常にいるわけではない点が特徴です。急にまとまった現金が必要になった場合でも、すぐに換金できない場合があることを想定しておく必要があります。
厳しいところですね。
また、ブロックチェーン技術に固有のリスクもあります。不動産STはブロックチェーン技術を使って権利の記録・移転が行われるため、不正アクセスによる記録の改ざんや消滅が理論上は発生しうるリスクがあります。実際にそのようなインシデントが起きたという事例は現時点では確認されていませんが、技術的な不確実性として存在します。
一般にあまり語られない独自の着眼点として、不動産STをポートフォリオの「安定分散層」として活用する戦略があります。株式・投信などの市場連動型資産とは値動きの相関が低く、J-REITに比べて株式市場の日々の乱高下から独立した動きをしやすいという特性があります。NISA口座では不動産STOを購入できませんが、特定口座でS&P500インデックス投信と組み合わせて保有することで、ポートフォリオ全体のリスクを抑制する使い方が考えられます。
SBI証券では不定期で「不動産STO購入キャンペーン」も実施されており、過去には購入金額に応じてXRP(リップル)や現金をプレゼントするキャンペーンが行われています。次のキャンペーン情報を逃さないために、SBI証券のSTページをブックマークしておくとお得です。
三井住友トラスト総研「不動産ST市場規模の拡大動向」:2025年以降の市場動向と不動産STとJ-REITの相違点が分析されています。

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