全熱交換器ダイキンカタログで選ぶベンティエール完全ガイド

全熱交換器ダイキンカタログから読み解くベンティエールの選び方

換気扇を回すほど、空調コストが余計にかかります。

📘 この記事の3つのポイント
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ダイキン カタログの全体像を把握

業務用換気機器総合カタログ(ベンティエール)は全289ページ。天井埋込ダクト形・カセット形・設備用など、用途別に豊富なラインアップが掲載されています。

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省エネ効果の数字を正しく理解する

DCモーター搭載の新型ベンティエールは消費電力を約57%削減。エアコンと連動させると空調ロスをさらに最高35%抑えられます。

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カタログだけでは分からない注意点がある

フィルターの清掃サイクルや、リモコン連動時に換気が停止しやすい落とし穴など、導入後に後悔しないための実務ポイントを解説します。


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全熱交換器ダイキン カタログの全体構成と入手方法

ダイキンの全熱交換器カタログは、業務用換気機器の総合情報源として位置づけられています。公式の「業務用換気機器総合カタログ(ベンティエール)」は全289ページにおよび、商品編・技術編の2部構成になっています。商品編では天井埋込ダクト形・天井埋込カセット形・外気処理タイプ・耐湿タイプ・設備用全熱交換器・小型全熱交換器・別売品・ダクト用換気扇など、用途別に細かく区分されています。つまり、目的にあったセクションをピンポイントで参照できる構成です。
カタログの入手方法は複数あります。ダイキン公式の電子カタログサイト(ec.daikinaircon.com)からPDFを無料でダウンロードできるほか、各ページの電子ブックとしてWeb上でそのまま閲覧可能です。また、ダイキンカスタマーセンターや営業担当者に問い合わせることで、冊子版の送付を依頼することもできます。
重要な注意点として、カタログには「掲載されている仕様・価格は発刊当時のものです」と明記されています。これは見落としがちな情報です。最新価格や現行仕様はダイキン公式サイト、または販売代理店に直接確認する必要があります。定期的に最新号が発行されるため、古いPDFをそのまま使い続けると仕様違いのリスクがあります。
技術編にはコントロールシステム(P157〜238)や能力補正(P239〜245)など、設計・施工者向けの詳細情報が収録されています。空気条件による交換効率の補正方法や、直膨コイルの能力算出など、専門性の高い内容も充実しています。設計事務所や施工業者がプロジェクト単位で活用するケースが多いセクションです。
ダイキン公式 業務用換気機器総合カタログ(ベンティエール)の電子版はこちらで確認できます。各セクションをPDF形式でダウンロードが可能です。

全熱交換器ダイキン ベンティエールの機種ラインアップを読み解く

カタログを開いてまず確認すべきは「機種ラインアップ」のセクションです。ベンティエールの全熱交換器ユニットは、設置環境と使用目的によって大きく7つのカテゴリーに分かれています。

タイプ 主な設置場所 特徴
天井埋込ダクト形(DC/AC) オフィス・店舗 最も主流。150〜2000m³/hの幅広い風量
天井埋込ダクト形 加湿付 乾燥対策が必要な空間 換気と同時に加湿。加湿量の補正計算が必要
天井埋込カセット形 ダクトスペースが取れない場所 節電タイプとスタンダードタイプの2種
外気処理タイプ 大型施設・受注生産品 大量外気処理に対応。受注生産のみ
屋外設置形 室内スペースが限られる場所 屋外設置でスペース確保が可能
天井吊形 学校・体育館など天井内スペースが薄い場所 薄型で天井裏が狭い環境に最適
設備用全熱交換器(床置形大風量) 工場・大型施設 受注生産。大風量が必要な設備用途向け

DCモーター搭載の最新型「ベンティエールDC」は、消費電力を従来機(ACモーター)と比べて約57%削減できることがカタログ内のデータで示されています。これは800m³/hタイプの強ノッチ時消費電力での比較値です。これは使えそうです。
機種名の命名規則も理解しておくと、カタログを読む効率が上がります。例えば「VAMD35AAY」であれば、VAM=Ventilation Air Master(換気空調機)、D=DCモーター搭載、35=風量350m³/h、AA=新型番、Y=CO2センサー付き、という情報が型番から読み取れます。これが基本です。
ダイキン公式サイトのラインアップ一覧ページでは、機種ごとの詳細スペックと機能比較表(PDF)をダウンロードできます。

全熱交換器ダイキン カタログで確認すべき省エネ性能の数字

全熱交換器の導入を検討する最大の理由は省エネ効果です。しかし、カタログに記載されている数字を正確に読み取れていないと、実際の効果が期待を下回ることになります。これには注意が必要です。
まず「全熱交換効率」という指標があります。これは換気の際に、室内の熱と湿度をどれだけ回収して新鮮外気に移せるかを示す数値で、数値が高いほど省エネ性能が高くなります。ダイキンのベンティエールは新JIS規格(JIS B8628:2017)に準拠した測定方法が採用されており、機種ごとの効率値はカタログの「特長・風量一覧・仕様・選定表」セクションで確認できます。
エアコンと連動させることで、空調ロスを最高35%削減できるというのが、ダイキン公式の数字です。ただしこの35%という数値は、特定の試算条件(対象室体積243m³、平均在室12名、夏季3.5ヵ月、冬季3ヵ月、電気料金31円/kWh)での結果であることをカタログは注記しています。試算条件はカタログに明記されています。
CO2センサーを組み合わせた場合のランニングコスト削減効果については、500m³/hタイプ+空調機のシミュレーションで「未装着時と比べて約11%の省エネ」という試算値が示されています。CO2センサーは換気量を人の密度に合わせて自動制御(特強⇆強⇆弱の3ノッチ)するため、誰もいない夜間や休日に不要な換気を行うムダをカットできます。

  • 🌡️ 全熱交換効率(温度):機種・風量ノッチによって異なる。カタログの仕様表で型番ごとに確認
  • 💧 全熱交換効率(エンタルピー):湿度回収も含む総合的な省エネ指標。夏季の湿度処理で特に効果が大きい
  • 消費電力:ベンティエールDC(DCモーター)は従来ACモーター機比約57%削減(800m³/h強ノッチ時)
  • 🔗 エアコン連動省エネ:最高35%の空調ロス削減。連動には通信線の配線と設定が必要
  • 📊 CO2センサー追加効果:ベンティエール+空調機の合計ランニングコストで約11%削減

省エネ法(建築物省エネルギー性能表示制度)やZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)認定を目指す建築プロジェクトでは、「WEBPRO試算」用の数値がカタログに記載されています。申請書類を作成する際は、この値を使用することが重要です。
ベンティエールDCの省エネ性能詳細(DCモーター比較データ、試算条件付き)はダイキン公式ページで確認できます。

全熱交換器ダイキン カタログに載っていないCO2センサー導入の注意点

CO2センサー付きベンティエールは、人の密集度をCO2濃度で判断して換気量を自動制御する便利な機能です。ただし、カタログを丁寧に読むと、いくつかの重要な制限事項が記載されています。知らないと損します。
まず「CO2センサーは別途、現地組み込み工事が必要」という点です。型番にYが付く機種(例:VAMD35AAY)はCO2センサー対応ですが、センサー自体は別売品のため、本体購入と別途センサー取付工事が発生します。工事費を含めた総コストを見積もり段階で確認することが必要です。
CO2濃度の表示機能にも制限があります。「CO2濃度が表示できるのはG3以降のリモコンを天井埋込ダクト形の特定機種(H型以降)、天井吊形(GB型以降)、または屋外設置形に接続した場合のみ」とカタログに記載されています。天井埋込カセット形の標準や、特定の旧型リモコン(BRC1E3、BRC321E1)では表示ができません。既存設備の新工事を行う場合は、リモコンの世代確認が必要です。
センサーの精度についても注記があります。「本CO2センサー、湿度センサーは計測器としては使用できません。製品の設置状況によっては実際の室内のCO2濃度や湿度とは異なる場合があります」との記載がある通り、法定計測や精密管理には適していません。建築基準法上の機械換気設備として申請する場合、別途の濃度測定機器が必要になるケースもあります。
CO2濃度による風量制御は30分ごとに判定が行われます。つまり、突然大勢が入室しても即座には反応しないという特性があります。この30分という応答の遅さは、密状態が続く大会議室などでは特に注意が必要です。リニア制御の仕様についても、カタログの技術編「CO2センサーによるファン制御」セクションで詳細が確認できます。

全熱交換器ダイキン カタログで見落としやすいメンテナンス仕様の読み方

ダイキンのベンティエールを導入した後、多くの施設担当者が後になって気づくのが「思ったよりメンテナンスが必要だった」という点です。これを最初に知っておくと、維持コストの見込み違いを防ぐことができます。
カタログおよびダイキンのメンテナンスサービス資料によると、フィルター清掃の目安は「1か月ごと」です。これは多くの方が想定するエアコンフィルターの数カ月に一度という感覚とは大きく異なります。特に商業施設や人通りが多い場所では、ホコリや花粉がフィルターに蓄積するスピードが速く、目詰まりを放置すると換気量が低下し、本来の省エネ・空気質改善効果が損なわれます。換気量維持が基本です。
フィルターの交換については、水洗い可能なフィルターも多いですが、永久使用はできません。5年に1度の交換が推奨されています。カタログの「別売品・交換用部材」のセクション(P97〜98)では、機種別の交換フィルター品番が一覧になっているため、事前に確認して在庫を確保しておくと安心です。
エレメント(熱交換素子)の清掃も定期メンテナンスの重要な要素です。ダイキンのサービス資料では「年2回実施」を推奨しており、フルメンテナンスプランにはエアフィルター清掃と合わせてエレメント清掃が含まれています。エレメントが汚れると全熱交換効率が落ちるため、省エネ性能を維持するために欠かせません。
リモコンの設定による換気停止にも注意が必要です。ダイキンの公式メンテナンス情報に「換気設備のリモコンはエアコンのリモコンと一体になっていることがあります。春や秋などの過ごしやすい季節には冷房・暖房だけでなく、換気も停止させてしまっていることがある」と明記されています。建築基準法では住宅以外にも24時間換気が義務付けられているケースがあり、換気の無断停止は法令違反になる可能性があります。確認が条件です。

  • 🔄 フィルター清掃:目安は1か月ごと。ホコリの多い環境はさらに頻繁に
  • 🔄 フィルター交換:5年ごとが推奨。交換用品番はカタログP97〜98で確認
  • 🔄 エレメント清掃:年2回。水洗いで汚れを落とし全熱交換効率を維持
  • 🔄 電気関係測定・操作スイッチ点検:年2回のプロによる点検が推奨
  • ⚠️ 換気停止の誤操作:エアコンリモコンとの連動設定で意図せず停止するケースあり

ダイキンでは「フルメンテナンスプラン」と「ベーシックプラン」の2種類の保守契約を提供しています。フルプランはフィルター・エレメント清掃まで含みますが、ベーシックプランは点検のみで清掃は含まれません。年間コストの違いを把握した上で、施設規模と運用体制に合ったプランを選ぶことが重要です。
ダイキンの全熱交換器メンテナンスサービス詳細(プラン比較・作業項目一覧)はこちらで確認できます。

全熱交換器ダイキンのカタログ活用術—独自視点:選定ツールと更新工事の落とし穴

一般的な全熱交換器の解説記事ではほとんど触れられない視点として、「既存設備の更新工事時のカタログ活用方法」があります。カタログは新規導入だけでなく、更新(リプレース)工事でも重要な役割を持ちます。
ベンティエールDCには「更新用吊金具(別売品)」が用意されており、既設の吊ボルト位置に合わせて取付位置を調整できます。これにより、更新工事時の吊ボルト打ち直し工事が不要になることがあります。工事費の削減につながるポイントです。カタログには接続ダクトサイズや電線サイズについても「汎用性の高い仕様に設計した」と記載されており、既設ダクトをそのまま流用できる可能性があります。
ダイキン公式では「ベンティエール選定ツール」(Webアプリ)が無料公開されています。風量・静圧・ダクトサイズを入力するだけで適切な機種を選定できるツールで、カタログの「選定表」を参照しながら手計算をする手間を大幅に省けます。設計事務所や施工会社が実際の現場で活用しているツールです。
ダイキン公式のベンティエール選定ツール(Web版)。現場の静圧・風量条件を入力するだけで機種を絞り込めます。

更新工事でよくある失敗は、「旧機種と新機種の制御方式の違い」によるシステムトラブルです。旧型のベンティエールは「従来伝送方式」で動作していますが、新型は「新伝送方式」に移行しています。カタログの技術編(P158〜238:新伝送方式、P229〜238:従来伝送方式)には両方の配線図が掲載されていますが、混在環境での接続には制限があります。特にビルマルチエアコンとの連動接続を計画している場合、伝送方式の適合確認は必須です。接続が条件です。
さらに見落としやすい点として、ベンティエールDCの「風量一定モード」と「ファンタップ固定モード」の切り換えがあります。風量一定モードはフィルターが目詰まりしても換気量を自動で維持してくれる優れた機能ですが、消費電力は増加します。一方、ファンタップ固定モードはZEB計算用の省エネ値を確保する目的に適しています。どちらのモードを選ぶかは、施設運用方針と省エネ計画によって異なるため、設計段階でダイキン担当者と相談した上で決定することをお勧めします。

  • ✅ 更新工事には「更新用吊金具(別売品)」を活用して吊ボルト打ち直しを省力化できる
  • ✅ Webの「ベンティエール選定ツール」で機種選定をスムーズに行える
  • ⚠️ 旧型(従来伝送)と新型(新伝送)の混在接続には制限あり。技術編P229〜238で確認
  • ⚠️ 風量一定モード⇔ファンタップ固定モードの選択は設計段階で決定が必要
  • ⚠️ 屋外設置形や設備用全熱交換器(床置形大風量)は受注生産品。納期を早めに確認する

カタログにはすべての情報が揃っているように見えますが、現場条件との照合には専門的な判断が必要です。ダイキンカスタマーセンターでは無料で購入・機種選定の相談が可能です。カタログを手元に準備した上で相談すると、スムーズに回答を得られます。
ダイキン公式 業務用換気機器(全熱交換器)ページ。製品カタログへのリンク、ショールーム情報、購入相談窓口へのアクセスが一元的にまとめられています。