low-eガラス見分け方でYKK刻印を正しく読む方法

low-eガラスの見分け方|YKK刻印と遮熱・断熱タイプを正しく確認する手順

南向きの窓に遮熱タイプを入れた家では、冬の暖房費が断熱タイプの家と比べて約2割増しになる事例が報告されています。

この記事の3つのポイント
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刻印でわかる!YKKのLow-E見分け方

室内側から見てガラス右下のYKKAPロゴ付近に「LowE S・M・U」なら遮熱、「LowE B・L・N」なら断熱タイプです。

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遮熱と断熱の選び間違いが光熱費増加の原因に

南向き窓に遮熱タイプを入れると冬の日射熱が室内に入らず、暖房費が余計にかかります。方角による使い分けが重要です。

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2026年も補助金が使えます

「先進的窓リノベ2026事業」により、断熱窓リフォームに最大100万円の補助金が受けられます(2026年12月31日まで)。


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low-eガラスとは何か|YKK APが採用する特殊金属膜の仕組み

Low-Eガラス(ローイーガラス)は、「Low Emissivity(低放射)」を略した名称で、ガラスの表面に銀などの特殊な金属膜をコーティングした戸建てへの普及率が29.2%だったのに対し、2022年(令和4年)には89.3%にまで達しています。
普及率が急上昇しました。
通常のペアガラス(複層ガラス)は2枚のガラスの間に乾燥空気の層を設けることで断熱効果を得ます。Low-Eガラスはそこにさらに金属膜が加わることで、熱の伝わりやすさを示す「熱貫流率」が大きく改善されます。一般的な複層ガラスの熱貫流率が2.9 W/(㎡・K)であるのに対し、Low-E複層ガラスでは1.6~1.7 W/(㎡・K)程度まで下がります。つまり、Low-Eガラスは通常のペアガラスより約1.6~1.8倍も熱を通しにくくなるということです。
熱貫流率の数値が低いほど、外の寒さが室内へ伝わりにくく、室内の暖かさも逃げにくいと理解しておきましょう。冬場に窓際に立ったとき、ひんやりと感じる「コールドドラフト」と呼ばれる冷気の流れを大幅に軽減できるのもLow-Eガラスならではのメリットです。
さらに、Low-Eガラスは紫外線カット性能も高く、一般複層ガラスが約40%カットするのに対し、Low-E遮熱タイプでは約76%をカットします。大切な家具や床材、カーペットの日焼けを防ぎたい場合にも有効です。
板ガラス協会|エコガラス普及率データ(Low-Eガラスの新築普及率の推移が確認できます)

YKK APのlow-eガラスを刻印で見分ける基本の手順

YKK AP製のLow-Eガラスが取り付けられているかどうかを確認する最も確実な方法は、ガラスに打刻された刻印を読むことです。難しそうに聞こえますが、手順はシンプルです。
まず室内側からガラスの右下隅を見てください。そこにYKKAPのロゴマークがレーザーマーキングで白っぽく打刻されています。ロゴ自体はうっすらと見える程度なので、ガラスに顔を近づけてよく見ることが大切です。
刻印を確認するコツをまとめると以下のとおりです。

確認場所 ポイント
ガラスの右下隅(室内側から) YKKAPロゴを探す
ロゴの上部 「LowE ●」の表記を探す
●の中のアルファベット 遮熱か断熱かを判定する

刻印が見つかれば、後述する「アルファベット判定法」で遮熱タイプか断熱タイプかを一発で判定できます。見つかりません。
ただし注意が必要な点があります。YKK APのサッシに他社メーカーのガラスが入っている場合は、YKKAPロゴの刻印はなく、ガラスメーカー独自の刻印になります。その際はそのガラスメーカーへ問い合わせるか、各社の刻印ルールを調べる必要があります。
また、刻印が打刻されるようになったのはおおむね2008年(平成20年)頃からと言われています。築15年以上の古いお宅では刻印がない場合もあるため、その場合はメーカーへの問い合わせやリフォーム時の納品書・施工書類での確認が現実的な方法です。
YKK AP公式FAQ|既存ガラスがLow-Eかどうかの確認方法(公式見解と刻印表記が確認できます)

low-eガラスの遮熱・断熱をアルファベット1文字で判定する方法

YKK AP製のLow-Eガラスであることが刻印で確認できたら、次は遮熱タイプと断熱タイプの判定です。これがとても重要です。
YKK APへの問い合わせに基づいた公式情報によれば、ロゴマークの刻印の上にある「LowE」に続くアルファベット1文字がタイプを示しています。判定ルールは以下のとおりです。

刻印アルファベット タイプ ガラスの色
S・M・U ⛅ 遮熱タイプ ブルー系など
B・L・N ❄️ 断熱タイプ ブルー・ブロンズ・ニュートラル

たとえば刻印に「LowE S」と書いてあれば遮熱タイプ・ブルー色、「LowE B」であれば断熱タイプ・ブルー色、「LowE L」であれば断熱タイプ・ブロンズ色、「LowE N」であれば断熱タイプ・ニュートラル色となります。覚えておきたいのはSMUが遮熱、BLNが断熱という法則です。
つまりアルファベットが「S・M・U」か「B・L・N」かだけ覚えればOKです。
なお、YKK APではLow-Eガラスの色として「グリーン」ではなく「ブルー」を採用しています。LIXILのLow-Eガラスが「グリーン色」を使うのとは異なる点です。同じLow-E製品でもメーカーによって色や表記が違うため、見た目の色だけで判断しようとすると混乱します。刻印で確認するのが一番確実です。
懐中電灯を使ってガラスを照らす「懐中電灯作戦」も有名な見分け方ですが、ニュートラル(透明)系のLow-Eガラスには色の差が出にくく、正確な判定が難しい場合があります。刻印による判定と組み合わせて確認するのが実践的です。
YKKap窓の断熱型と遮熱型の見分け方|実際にYKK APへ問い合わせた結果と刻印写真が掲載されています

low-eガラスの遮熱・断熱を方角で使い分ける正しい選び方

刻印でタイプを見分けられるようになったら、次に大切なのは「自分の家の窓に正しいタイプが入っているか」を判断することです。遮熱と断熱の選び間違いは、光熱費に直結します。
Low-Eガラスの性能の差は「熱貫流率(断熱性)」ではありません。遮熱タイプも断熱タイプも、同じ色のガラスであれば熱貫流率はほぼ同じです。ここが多くの人が誤解するポイントです。
差が出るのは「日射熱取得率」です。
| ガラスの種類 | 日射熱取得率 | 熱貫流率 |
|—|—|—|
| 一般複層ガラス | 0.80 | 2.9 |
| Low-Eクリア(断熱) | 0.58 | 1.7 |
| Low-Eブロンズ(断熱) | 0.43 | 1.7 |
| Low-Eブルー(遮熱) | ~0.39前後 | 1.6 |
日射熱取得率の数値が高いほど「太陽の日差しの熱を多く室内に取り込む」ことを意味します。
🌞 南向き窓には断熱タイプが正解です。日差しが豊富に入る南向きに遮熱タイプを使うと、夏は良くても冬は太陽の暖かさをシャットアウトしてしまい、暖房費が余計にかかります。断熱タイプ(特にLow-Eクリア)を使えば、冬の日射熱を室内に取り込みながら室内の暖気が外へ逃げにくい理想的な状態になります。
❄️ 東・西・北向き窓には遮熱タイプが適しています。冬でも日差しがほとんど入らない方角の窓は、遮熱タイプを使って夏の熱の侵入と冬の室内熱の流出を防ぐのが合理的です。
「南向きの窓にLow-Eを付けたのに冬が寒い」という声の多くは、南窓に遮熱タイプが入っていたことが原因です。方角に合わせた使い分けが条件です。
Low-Eガラスのメリット・デメリットと選び方の解説|断熱・遮熱の使い分けと性能数値の比較が詳しく記載されています

low-eガラスをYKK APサッシで交換・追加する際の費用と補助金活用

自宅のlow-eガラスの仕様を確認して「遮熱と断熱の選び間違いがあった」「古い窓をLow-E仕様に変えたい」と感じた場合、リフォームの選択肢が出てきます。費用面が気になりますね。
Low-Eガラスを採用した窓リフォームには大きく3つの方法があります。
– ガラス交換:サッシはそのままでガラスのみをLow-E仕様に入れ替える
– カバー工法(外窓交換):既存のサッシを残しつつ上から新しいサッシを被せる
– 内窓設置:既存の窓の内側にYKK AP「プラマードU」などの内窓を追加する
内窓設置は最も工事が短時間で済み、費用対効果も高いとされています。YKK AP「プラマードU」にLow-E複層ガラスを選択すると、内窓と既存外窓の二重構造により熱貫流率が大幅に改善されます。アルゴンガス入りのLow-E複層ガラスを使用した場合、二重窓全体の熱貫流率は1.33 W/(㎡・K)まで下がります。
費用の目安としては、Low-Eガラスへの交換は通常の複層ガラスと比べて約2割程度価格が上がります。1か所あたり数万円の差になることもありますが、光熱費の削減効果を踏まえれば長期的にはメリットが大きいとされています。
そして2026年現在、「先進的窓リノベ2026事業」という国の補助金制度が活用できます。断熱性能の高い窓への改修を対象に、一戸あたり最大100万円の補助金が交付される制度で、2026年12月31日まで工事完了分が対象です。YKK APの公式サイトでも補助金シミュレーションが公開されており、どの製品を選べばいくら補助されるかを事前に確認することができます。
補助金は施工業者経由で申請する仕組みになっています。まずは登録事業者に問い合わせることが最初のステップです。補助金申請のことも含めて相談しましょう。
YKK AP公式|先進的窓リノベ2026事業の詳細(補助対象製品・補助額のシミュレーションが確認できます)