債権管理回収業一覧と許可業者の見分け方・対処法

債権管理回収業一覧と許可業者の正しい確認・対処法

一覧にある会社名を使えば、あなたの給料が差し押さえられることもあります。

この記事でわかること
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法務省許可の業者一覧

現在74社が法務大臣の許可を受けており、法務省の公式サイトで全社確認できます。

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架空請求詐欺の見分け方

一覧にない業者からの請求は詐欺の可能性大。固定電話の有無など3つのチェックポイントを解説します。

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督促が来た際の正しい対処法

無視すると差し押さえに発展するリスクがある一方、5年以上経過した債権は時効援用で消滅できる場合もあります。


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債権管理回収業(サービサー)とは何か:基本と許可制度の仕組み

債権管理回収業、通称「サービサー」とは、法務大臣から営業許可を受けた民間の債権回収専門会社のことです。金融機関やカード会社などが回収しきれなかった不良債権を、買い取ったり委託を受けたりして、債務者に対して支払いを請求する役割を担っています。
もともと、日本では「弁護士のみが第三者として債権回収を代理できる」という厳しいルールがありました。弁護士以外の者が報酬を得て他人の債権回収を行うと、弁護士法違反になっていたのです。これが平成10年(1998年)に大きく変わりました。
バブル崩壊後の不況で金融機関に膨大な不良債権が積み上がり、その処理を加速させる必要が生じたため、「債権管理回収業に関する特別措置法(式会社も、特定金銭債権の管理・回収ができるようになりました。つまり、サービサー法はもともと不良債権処理の促進を目的とした法律なのです。
許可を得るには、以下の3つの条件をすべて満たす必要があります。
– 資本金5億円以上の株式会社であること(e-Gov法令検索による根拠:サービサー法第5条第1項)
– 常務に従事する取締役の1名以上が弁護士であること
暴力団員等の反社会的勢力と関わりがないこと
資本金5億円というハードルはかなり高めです。これはA4用紙を積み上げると高さ約5メートル、5万枚の束になるイメージで、それだけ財務的な信頼性を担保するための設定といえます。こうした厳格な条件があることで、悪質な取り立てを防ぐ仕組みになっています。原則です。
また「特定金銭債権」と呼ばれる取り扱い可能な債権の種類も法律で定められており、住宅ローン、クレジットカード債権、事業用融資など金融機関との取引が主な対象です。一般的な個人間の貸し借りは対象外になることも覚えておきましょう。
法務省による監督は入念で、定期的な立ち入り検査も行われています。2022年にはジャパントラスト債権回収株式会社が業務改善命令の行政処分を受けたケースがあり、反社会的勢力の確認漏れや内部監査の不備が理由でした。これは厳しいですね。
参考リンク:サービサー法の許可要件と条文の詳細はこちらで確認できます。
法務省:債権管理回収業に関する特別措置法の概要

債権管理回収業一覧:法務省が許可した74社(令和8年3月時点)

法務省が公式に許可している債権管理回収業者の一覧は、法務省のウェブサイトで随時新されています。令和8年3月1日時点では、74社が営業許可を受けています。一覧が基本です。
最新の許可業者数の根拠はこちらで確認できます。
法務省:債権管理回収業の営業を許可した株式会社一覧(最新版)
以下に代表的な許可業者を抜粋して紹介します。電話番号とあわせて確認する際にご活用ください。

許可番号 会社名 所在地(都道府県) 電話番号
2 日本債権回収株式会社 東京都千代田区 03-3222-0328
5 アビリオ債権回収株式会社 東京都江東区 03-6854-4645
7 ニッテレ債権回収株式会社 東京都港区 03-3769-4611
9 株式会社整理回収機構 東京都千代田区 03-3213-7101
10 SMBC債権回収株式会社 東京都中央区 03-3544-6003
11 リサRT債権回収株式会社 東京都港区 03-5776-3330
13 株式会社ファンデックス債権回収 東京都豊島区 03-5539-1330
21 ジャックス債権回収サービス株式会社 東京都品川区 03-6327-3900
23 キャピタル・サーヴィシング債権回収株式会社 東京都港区 03-6230-5100
27 エー・シー・エス債権管理回収株式会社 千葉市美浜区 043-332-2200
28 エム・ユー・フロンティア債権回収株式会社 東京都中野区 03-3373-5111
34 セゾン債権回収株式会社 東京都豊島区 03-6830-5180
36 PAG債権回収株式会社 東京都港区 03-4572-8180
40 みずほ債権回収株式会社 東京都文京区 03-5640-4071
47 保証協会債権回収株式会社 東京都中央区 03-6810-8363
48 三菱HCキャピタル債権回収株式会社 東京都港区 03-3503-7390
49 九州債権回収株式会社 福岡市早良区 092-852-1360
51 アイ・アール債権回収株式会社 東京都中野区 03-5215-6511
53 系統債権管理回収機構株式会社 東京都豊島区 03-5904-9591
55 しまなみ債権回収株式会社 広島市中区 082-248-2300
64 AG債権回収株式会社 滋賀県草津市 077-503-0220
73 岡山債権回収株式会社 岡山市北区 086-803-5100
91 株式会社住宅債権管理回収機構 東京都新宿区 03-3513-1900
113 パルティール債権回収株式会社 東京都渋谷区 03-4330-9988
124 美ら島債権回収株式会社 沖縄県那覇市 098-860-2690
125 みちのく債権回収株式会社 青森市本町 017-718-7277
128 池田泉州債権回収株式会社 大阪市北区 06-6485-3212
129 きょうと事業再生債権回収株式会社 京都市中京区 075-585-2601
130 株式会社ドコモ・ファイナンス債権回収 東京都港区 03-4335-8690

💡 上表はあくまで抜粋です。全74社の最新情報は必ず法務省の公式ページで確認してください。許可が取り消しになった会社や廃業した会社は除かれており、法務省ページはリアルタイムに更新されています。
注目したいのが許可番号の飛び番です。最初の許可は平成11年(1999年)で、許可番号は130番台まで存在しますが、現在は74社に絞られています。つまり、許可を受けたものの廃業・取り消しとなった会社が約56社あるということです。廃業した会社の名前をかたる詐欺事案も報告されているため要注意です。

債権管理回収業一覧にない業者からの請求は詐欺を疑う:3つの確認ポイント

法務省が公開している一覧は、実は「詐欺の見分けツール」として活用できます。一覧にない会社名で督促が来た場合は、詐欺の可能性を最優先に疑うべきです。これが原則です。
法務省自身も「債権回収会社と類似の名前をかたった業者による架空の債権の請求」について公式に注意喚起を行っています。悪質業者が実在するサービサーの名前とそっくりな社名を名乗り、あたかも正規の督促のように見せかけるケースが実際に起きています。
確認すべきポイントは次の3点です。

確認ポイント 正規業者の特徴 詐欺業者の特徴
①法務省の一覧との照合 必ず一覧に掲載されている 一覧にない、または廃業済みの社名
②連絡先が固定電話か 法務省への固定電話登録が義務付けられている 090/080/070始まりの携帯番号のみ記載
③債権譲渡通知書の有無 元の債権者から法務省:債権回収会社と類似の名前をかたった業者による架空の債権請求への注意

債権管理回収業から督促が届いたときの対処法:無視すると給料差し押さえになる理由

法務省の一覧にある正規のサービサーから督促が届いた場合、絶対にやってはいけないことがあります。それは「何もしないで放置すること」です。
放置すると何が起きるのか、段階を追って見てみましょう。

段階 内容 期間の目安
① 督促・催告 電話・ハガキ・書面での支払い請求 数回〜数ヶ月
② 一括請求 分割払いが取り消され、残額全額を即時請求される 数ヶ月〜半年程度
③ 裁判(強制執行・差し押さえ 給与・預貯金・不動産などが差し押さえられる 判決確定後すぐ

とりわけ怖いのは③の「支払督促」です。裁判所が発行するこの書類を2週間以内に無視してしまうと、裁判なしに強制執行が可能になります。つまり、裁判所の書面を1枚開封しないだけで、給料の一部が毎月強制的に天引きされる状態になりえます。痛いですね。
給与差し押さえは、法律上「手取り給与の4分の1まで」が上限ですが、月収20万円なら毎月5万円が取られ続ける計算です。住宅ローンや家賃と重なれば、生活が一気に追い詰められます。
一方で、すべての督促に慌てて即座に連絡すべきかというと、そうでもない場合があります。結論は「まず時効を確認する」です。
最後の支払いから5年以上が経過している場合、消滅時効が成立している可能性があります。ただし、時効は「主張しなければ効果がない」点が大切です。自動的に消えるわけではありません。逆に、債権回収会社に「支払う意思がある」と口頭でも伝えてしまうと、時効の援用が難しくなるため要注意です。
時効の確認や援用の手続きには専門知識が必要です。5年以上の未払いがある場合は、まず司法書士や弁護士に相談してから行動するのが賢明です。これが条件です。
参考リンク:債権回収会社への対処法と時効援用についてわかりやすく解説されています。
債権回収会社は怖い?家に来る?ブラックリストや時効について解説(ネクスパート法律事務所)

債権管理回収業の見落とされがちな落とし穴:廃業済み業者名の悪用と信用情報への影響

ここからは、一般的な解説記事ではほとんど触れられていない、知っておくと損しない2つのポイントを紹介します。
【落とし穴①】廃業・許可取り消し業者の名前が詐欺に使われている
法務省の許可業者一覧に掲載されていない業者からの請求は詐欺を疑うべき、と前述しました。ただし、問題はそれだけではありません。過去に許可を受けていたものの、廃業や許可取り消しになった会社の名前を悪用するケースが後を絶ちません。
過去に許可を受けた業者の中には、たとえば「プレミア債権回収株式会社」「GEキャピタル債権回収株式会社」「エフビー債権回収株式会社」など、かつて実在した会社があります。これらの名前は一般の人には「かつて法務省に許可されていた会社」として認識されやすく、詐欺師にとって悪用しやすい名前です。意外ですね。
法務省の一覧は「現在許可を受けている業者のみ」を掲載しています。つまり、過去に存在した業者名を検索しても出てこない場合がありますが、それは「廃業した」からであって、「最初から存在しなかった」とは言い切れません。これが罠になります。最も確実な判断は、現在の法務省公式一覧に掲載されているかどうかを確認することです。
【落とし穴②】債権回収会社自体は信用情報機関に加盟していない
「サービサーから取り立てを受けると、信用情報に傷がつく」と思っている方は多いですが、これは半分誤解です。
債権回収会社(サービサー)自体は、CIC・JICC・全国銀行個人信用情報センターといった信用情報機関に加盟していません。つまり、サービサーが直接ブラックリストに記録するわけではないのです。
ただし、元の債権者(銀行・カード会社・消費者金融など)は信用情報機関に加盟しており、債権が回収会社へ譲渡された時点で「延滞」や「譲渡」の記録はすでに信用情報に登録されています。これが基本です。要するに、サービサーに転売される段階では、信用情報上のダメージはすでに確定済みということです。
この仕組みを理解することには実用的なメリットがあります。「サービサーへの支払いを急いでも信用情報の回復にはつながらない」ため、時効や債務整理の選択肢をきちんと検討する余裕が生まれます。焦って連絡する前に、司法書士や弁護士へ状況を整理してもらうことが結果的に損失を最小化する近道になります。これは使えそうです。
また、債権回収会社から連絡が来た際に確認すべきことの一つとして「取引履歴の開示請求」があります。元の債権者に取引の開始日・最終返済日などを問い合わせることで、時効の起算点を確認できます。これが時効援用を検討するうえでの第一歩となります。
参考リンク:信用情報と債権回収会社の関係についての詳細はこちらで確認できます。
債権回収会社と信用情報の関係性とは?知っておきたい知識とプロセス(グリーン司法書士法人)