雨水の浸入を防止する部分のシーリングと品確法の瑕疵担保責任

雨水の浸入を防止する部分のシーリングと品確法・耐用年数の基礎知識

シーリングが切れても建物はすぐには雨漏りしません。

🔍 この記事のポイント
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品確法と「雨水の浸入を防止する部分」

シーリングは住宅品質確保法(品確法)の定める「雨水の浸入を防止する部分」に含まれ、新築から10年間の瑕疵担保責任の対象となります。不動産取引でも重要事項説明に関わる要点です。

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耐用年数は約5〜15年・劣化は早い

シーリングの耐用年数は一般的に5〜15年とされており、外壁塗装より先に劣化するケースも多くあります。築10年を目安に点検が必要です。

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打ち替え工事の費用と保証期間

打ち替え工事は1mあたり900〜1,200円程度。シーリング工事の保証期間は一般的に1〜3年と短く、長期保証には別途確認が必要です。

雨水の浸入を防止する部分とシーリングの法的定義

 

「雨水の浸入を防止する部分」とは、住宅品質確保の促進等に関する法律(品確法)施行令第5条第2項に定められた法律用語です。 具体的には①住宅の屋根・外壁、②屋根・外壁の開口部に設ける戸・枠・建具(サッシなど)、③屋根・外壁の内部または屋内にある排水管の3つが該当します。afrispec+2

シーリングはこの「雨水の浸入を防止する部分」を構成する重要要素として位置づけられています。つまり品確法上の問題です。 品確法第94・95条により、新築住宅のこれらの部分には引き渡しから10年間の瑕疵担保責任が売主・請負人に義務付けられており、不動産取引の現場でも直接関係してきます。smtrc+2

シーリングの剥がれ自体が即座に10年保証の対象となるかどうかは慎重な判断が必要です。 「シーリングの剥がれが構造上の問題(雨水浸入を防止する部分の瑕疵)に起因する場合」にのみ瑕疵担保責任を問える可能性があり、単なる施工上の剥がれは保証対象外とされるケースがあります。

参考)築3年目に外壁シーリング剥がれ。保証対応なし|住まいるダイヤ…

🏛️ 品確法における「雨水の浸入を防止する部分」の具体的範囲については、国土交通大臣の告示・施行令で詳細が定められています。

「雨水の浸入を防止する部分」用語解説(アフリスペック住宅診断)

シーリングの役割と雨水浸入を防止する仕組み

シーリング(コーキングとも呼ばれます)は、外壁材同士の隙間や窓・ドアのサッシ周りに充填されるゴム状の素材です。 その役割は大きく3つあります。

参考)吹田市の住まいに必須の外壁メンテナンス!シーリング(コーキン…

  • 🛡️ 一次防水:外部から雨水・湿気が建物内部に浸入するのを防ぐバリア機能
  • 🔧 緩衝材:地震・温度変化による建物の動きを吸収し、建材同士のひび割れを防ぐクッション機能
  • 💨 気密性確保:外気や外部の音・汚れの侵入を抑制する機能

ここで重要な点があります。 建物はシーリング単体だけで雨水の浸入を防いでいるわけではなく、現在の新築の約90%を占めるサイディング外壁では、シーリングの裏側に「通気層」、さらにその内側に「透湿・防水シート」という二重三重の防水層が設けられています。 つまり「シーリング=一次防水材」であり、シーリングが切れても透湿・防水シートが生きていればすぐには漏水しない構造になっています。これが基本です。

参考)シーリング補修は雨漏り修理ではない

ただし、通気層や防水シートが劣化・損傷している状態でシーリングも切れると、雨水が一気に室内まで到達します。痛いですね。gaihekishinwa-suita+1

参考:サッシまわりの雨水浸入防止の詳細な技術的対策については以下を参照できます。

サッシまわりの雨水浸入防止対策(日本シーリング材工業会)

シーリングの耐用年数と劣化サインの見極め方

シーリングの耐用年数は一般的に5〜15年とされており、使用材料や立地環境によって大きな差があります。 紫外線の当たりやすい南面や、温度変化が激しい環境では早期に劣化が進みます。gaihekireform+1

外壁塗装の耐用年数が10年以上であるのに対し、シーリングは条件次第で5年程度からひび割れが始まる点が問題です。 つまり「外壁塗装と同時交換」という認識では対応が遅れることがあります。

参考)外壁シーリングの耐用年数は10年?メンテナンスの方法や費用は…

劣化のサインとして確認すべき状態は以下の通りです。

  • 🔍 ひび割れ・亀裂:表面に細かい亀裂が入っている
  • 🔍 剥離:シーリング材が外壁から浮いて離れている
  • 🔍 硬化・痩せ:弾力を失い、中央部分がへこんでいる
  • 🔍 変色・黒ずみ:カビや汚れが付着している

特に窓周りの劣化は見落としがちで、かつ実際の雨漏りで最も多い箇所のひとつです。 不動産調査の現場では、屋根よりも窓まわりのシーリング劣化こそ優先的にチェックする価値があります。これは意外ですね。

参考)2022年度 雨漏り診断の調査統計|屋根・外壁のリフォームを…

築10年のシーリング劣化と雨漏りリスク詳細解説(辻塗装)

打ち替えと増し打ちの違いと費用相場

シーリング補修工事には「打ち替え(打ち直し)」と「増し打ち」の2種類があります。 この違いを正確に理解しているかどうかが、修繕提案の質を分けます。

参考)シーリングの増し打ちと打ち直し – 千葉県木更津市の雨漏り修…

工法 内容 費用目安(1mあたり) 耐久性
増し打ち 既存シーリングの上から新材を重ねる 約500〜900円 低め(厚みが確保しにくい)
打ち替え(打ち直し) 既存シーリングを撤去し新材を充填 約900〜1,200円 高い(新築同等の耐久性)

打ち替えの場合、撤去費用が別途1〜3万円程度かかります。 さらに2階以上での作業では足場設置が必要となり、シーリング200m分の打ち替えで足場込みだと工事全体が34〜47万円程度になるケースもあります。

参考)外壁シーリングの耐用年数は約10年!劣化のサインと費用相場を…

ただし一律に「打ち替えが正解」とはいえません。 サイディング裏の防水紙をカッターで傷つけるリスクがある箇所では、あえて増し打ちが推奨されます。構造上の事情による使い分けが重要だということです。roots08+1

シーリング工事の保証期間は一般的に1〜3年と短めです。 外壁塗装の保証が5〜10年であることと比べると短く、施主への事前説明が求められます。1年から3年が原則です。

参考)301 Moved Permanently

マンション外壁目地シーリングの耐用年数・修繕方法・費用相場(アパマン修繕プロ)

建物状況調査(インスペクション)とシーリングの確認ポイント

不動産取引においてインスペクション(建物状況調査)の対象となる「雨漏り・水漏れ」項目では、外壁・屋根など「雨水の浸入を防止する部分」の劣化・不具合が調査対象となります。 このため不動産仲介業者として重要事項説明を行う際、シーリングの状態把握は業務上の必須事項です。

参考)重要事項説明書の簡単解説! 04

調査のポイントとして特に注意が必要なのは以下の箇所です。

  • 🏠 サイディング目地:外壁材同士の縦・横の継ぎ目、特に南面・西面
  • 🪟 サッシ周り:窓・ドア枠の上部・側面(雨漏り発生頻度が最も高い箇所のひとつ)
  • 🔧 配管貫通部:エアコン配管や換気口周辺のシーリング
  • 🏗️ バルコニー笠木との接合部:上から雨水が流れ込みやすい部位

重要事項説明書インスペクション欄に「雨水の浸入を防止する部分:劣化事象あり」と記載されていた場合、その内容がシーリングの劣化なのか、下地・防水シートにまで至る問題なのかを区別して説明できることが重要です。mlit+1

シーリング補修は「雨漏り修理」ではなく、あくまで「雨漏り予防」です。 「シーリングを打ち直したから雨漏りが止まる」という説明は誤解を招く可能性があり、原因調査と補修を区別して説明しましょう。原因調査が条件です。

重要事項説明書チェックポイント(インスペクション項目の解説)
「雨水の浸入を防止する部分」の法的定義詳細(アフリスペック住宅診断)

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