フラット35金利推移グラフと最新動向

フラット35金利推移グラフ

2026年2月の金利は2016年の2.5倍超です。

この記事の3つのポイント
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過去10年の金利変動

2016年8月の史上最低0.9%から2026年2月の過去最高2.26%まで、約2.5倍の上昇を記録しています

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融資率9割超の金利負担

頭金1割未満だと金利が0.11%上乗せされ、35年間で約70万円の追加負担が発生します

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2026年の金利上昇要因

長期金利の上昇と日銀の政策転換により、4カ月連続で金利が上昇中です

フラット35金利推移の全体像と歴史的変遷

フラット35の金利は過去20年間で大きく変動してきました。バブル崩壊後の1990年代には住宅金融公庫の固定金利が5.5%前後、変動金利は8%を超える時期もありましたが、長期的なデフレ政策により金利は低下を続けました。

フラット35制度が開始された2003年当時の金利は2%台後半でしたが、リーマンショック後の金融緩和により徐々に低下しました。特に2013年以降の日銀による異次元金融緩和政策の影響で、金利は急速に下落しました。その結果、2016年8月には史上最低となる0.9%を記録しています。この時期に契約した顧客は、35年間で約3000万円の借入に対して利息総額が約500万円という、歴史的に見ても極めて有利な条件で住宅ローンを組むことができました。

しかし2022年以降、世界的なインフレと円安の進行により状況は一変しました。2024年3月の日銀によるマイナス金利政策解除、その後の追加利上げにより、長期金利は急上昇しています。2026年2月時点での最低金利は2.26%となり、現行制度(2017年10月以降)で過去最高を新しました。つまり約10年間で金利は2.5倍以上に跳ね上がったということですね。

この急激な変化は不動産業従事者にとって、顧客への説明戦略を根本的に見直す必要性を示しています。「低金利だから今がチャンス」という従来の営業トークは、もはや通用しない時代に入りました。むしろ「さらに上がる前に」という視点での提案が求められています。

金利推移の詳細データは住宅金融支援機構の公式サイトで確認できます。グラフ化された資料も豊富に用意されており、顧客説明の際の資料作成に活用できます。

住宅金融支援機構の金利推移データ(PDFグラフあり)

フラット35の2026年最新金利動向と上昇理由

2026年2月のフラット35金利は、融資率9割以下・返済期間21年以上の場合で最低2.26%となりました。前月(1月)の2.08%から0.18%の上昇で、これは4カ月連続の引き上げです。上昇幅も拡大しており、2023年1月から2月にかけての0.2%上昇に迫る勢いとなっています。

金利上昇の主な原因は、長期金利(10年物国債利回り)の急上昇です。2026年1月末時点で長期金利は2.247%まで上昇しました。これは2024年5月末の水準から大幅な上昇であり、フラット35の金利決定メカニズムに直接影響を与えています。フラット35は住宅金融支援機構が発行する住宅ローン債権担保証券(RMBS)の金利をベースに決定されるため、その基礎となる国債利回りが上がれば、必然的にフラット35の金利も上昇するのです。

さらに注目すべきは「逆ざや」の拡大です。現在、機構が過去に低金利で貸し出したローンと、高い金利で発行せざるを得ない債券との間に大きな金利差が生じています。財政懸念に伴う国債利回りの上昇が続く限り、この構造的な問題は解消されず、金利上昇圧力は継続する見込みです。

野村證券の予測では、2026年に2回、2027年に1回の追加利上げを見込んでいます。仮にこの予測通りになれば、フラット35の金利は2.5%を超える可能性も十分にあります。3000万円を35年返済で借りた場合、金利2.26%と2.5%では総返済額に約100万円の差が生じます。

不動産業従事者としては、この金利上昇局面を顧客にどう説明するかが重要です。「今後さらに上がる可能性がある」という情報を正確に伝えつつ、過度に焦らせることなく、顧客の資金計画に合った適切なタイミングでの契約をサポートする姿勢が求められます。

最新の金利情報は毎月更新されるため、営業活動の際は必ず最新データを確認しましょう。

住宅金融支援機構の最新金利情報(毎月更新)

フラット35の融資率9割超と金利差の影響額

フラット35には、物件価格に対する融資率によって金利が変わる仕組みがあります。融資率とは、住宅の建築費・購入価額に対するフラット35借入額の割合のことです。この融資率が9割以下か9割超かで、適用される金利が大きく異なります。

2026年2月の金利を例にとると、融資率9割以下の最低金利は2.26%ですが、融資率9割超の場合は2.37%となります。わずか0.11%の差に見えますが、実際の負担額は想像以上に大きくなります。たとえば3000万円を35年返済で借りた場合、金利0.11%の差は総返済額で約70万円の違いを生みます。毎月の返済額でも約1600円の差が生じ、35年間続くことになります。

この仕組みは不動産業従事者が顧客に必ず説明すべき重要ポイントです。頭金を物件価格の1割以上用意できるかどうかで、長期的な返済負担が大きく変わるからです。物件価格3000万円の場合、300万円以上の頭金を入れれば融資率9割以下となり、低い金利が適用されます。逆に頭金が290万円では融資率が9割を超え、高い金利での契約となってしまいます。

さらに注意が必要なのは、融資率9割超の場合は審査も厳しくなる傾向がある点です。金融機関側もリスクが高いと判断するため、年収や返済比率のチェックが厳格になります。結果として審査に時間がかかったり、場合によっては融資が受けられないケースもあります。

顧客に対しては、可能な限り頭金を1割以上確保することを推奨すべきです。ただし、無理に頭金を用意して手元資金が枯渇するのも問題です。引っ越し費用、家具家電の購入費、緊急時の予備費なども考慮した上で、バランスの取れた資金計画を提案することが不動産業従事者の役割となります。

親からの贈与や住宅取得資金贈与の非課税特例を活用すれば、頭金を増やすことも可能です。税制面での優遇措置について情報提供することで、顧客満足度を高めることができます。

過去最低金利期と現在の返済額比較シミュレーション

2016年8月の過去最低金利0.9%で契約した人と、2026年2月の2.26%で契約する人では、返済負担にどれほどの差が生じるのでしょうか。具体的な数字で比較すると、その差は驚くべきものです。

3000万円を35年返済で借りた場合を例にしましょう。2016年8月の金利0.9%では、毎月の返済額は約8万円、総返済額は約3370万円でした。一方、2026年2月の金利2.26%では、毎月の返済額は約10万4000円、総返済額は約4360万円となります。つまり毎月の返済額で約2万4000円、総返済額で約990万円もの差が生じるということですね。

この約1000万円という金額は、東京ドーム1個分の建設費の約0.4%に相当します。より身近な例で言えば、軽自動車なら約6台分、年間100万円の教育費なら約10年分に相当する金額です。不動産業従事者として顧客にこの差額を説明する際は、具体的でイメージしやすい例を用いることが効果的です。

さらに重要なのは、この差額が家計に与える実質的な影響です。毎月2万4000円の差は、年間で約29万円になります。これは30代夫婦の平均的な娯楽費や被服費に匹敵する金額です。教育費や老後資金の積立にも影響を及ぼすため、長期的なライフプランにも大きく関わってきます。

ただし、金利だけで判断するのは危険です。2016年当時と現在では、物件価格も大きく異なります。首都圏の新築マンション価格は当時より20~30%上昇しており、金利以外の要因も含めた総合的な判断が必要です。変動金利を選択すれば現在でも0.3~0.7%程度の低金利が適用される金融機関もあるため、固定金利と変動金利のメリット・デメリットを比較することも重要です。

不動産業従事者として顧客に提案する際は、単に「昔は安かった」という話ではなく、「現在の金利水準でも購入する価値があるか」という視点での資金計画を一緒に考える姿勢が求められます。返済シミュレーションツールを活用し、具体的な数字を見せながら説明すると説得力が増します。

不動産業者向けフラット35金利説明の実践ポイント

不動産業従事者が顧客にフラット35の金利動向を説明する際、押さえるべき実践的なポイントがあります。まず最も重要なのは、金利が「融資実行時点」で確定するという点を明確に伝えることです。申込時の金利ではなく、実際に融資が実行される時の金利が適用されます。

この仕組みを理解していない顧客は意外に多く、申し込んだ時点で金利が固定されると誤解しているケースがあります。建物の引き渡しまでに数カ月かかる新築物件の場合、その間に金利が上昇するリスクがあることを必ず説明しましょう。2026年2月のように4カ月連続で金利が上昇している局面では、申込から実行までの間に0.3~0.5%上昇する可能性もあります。

次に重要なのは、フラット35の不正利用に関する注意喚起です。近年、投資用物件をあたかも居住用として申し込む不正利用が問題となっています。このような不正に顧客が巻き込まれないよう、フラット35は「本人が居住する住宅」にのみ利用できることを明確に説明する必要があります。不正利用が発覚した場合、一括返済を求められるだけでなく、詐欺罪で刑事責任を問われる可能性もあります。

営業トークとしては、過度に「今すぐ契約しないと損」という焦りを煽る表現は避けるべきです。確かに金利上昇局面ではタイミングが重要ですが、顧客の資金計画や生活設計を無視した契約は後々トラブルの原因となります。むしろ「金利動向を踏まえた上で、お客様に最適なタイミングを一緒に考えましょう」というスタンスが信頼を得られます。

また、フラット35S(優良住宅取得支援制度)やフラット35子育てプラスなどの金利優遇制度についても積極的に情報提供しましょう。条件を満たせば当初5年または10年間、金利が0.25%引き下げられるため、総返済額で数十万円から100万円以上の差が生じます。これらの制度を知らずに通常のフラット35で契約してしまう顧客を防ぐことも、不動産業従事者の重要な役割です。

最後に、変動金利との比較資料も準備しておくことをお勧めします。顧客の多くは「固定と変動どちらが得か」という疑問を持っています。それぞれのメリット・デメリットを整理したシミュレーション資料があれば、説得力のある提案ができます。年収や家族構成、将来の収入見込みなどを踏まえ、リスク許容度に応じた選択肢を示すことが大切です。

長期金利連動とフラット35金利決定の仕組み

フラット35の金利がどのように決まるのか、そのメカニズムを理解することは、不動産業従事者にとって必須の知識です。この仕組みを顧客に分かりやすく説明できれば、「なぜ今月は金利が上がったのか」という質問にも的確に答えられます。

フラット35の金利は、住宅金融支援機構が発行する住宅ローン債権担保証券(RMBS)の金利に連動しています。このRMBS金利は、10年物国債利回り(長期金利)を基準に、一定のスプレッド(上乗せ幅)を加えて決定されます。つまり長期金利が上がればフラット35の金利も上がり、長期金利が下がればフラット35の金利も下がるという関係性があります。

2026年1月末の長期金利は2.247%まで上昇しました。これは日本の財政懸念や、海外の金利動向の影響を受けています。アメリカの金利が高止まりしている中で、日本の国債だけが低金利を維持するのは困難な状況です。さらに日銀が政策金利を引き上げたことで、短期金利も上昇傾向にあります。短期金利の上昇は、将来的な長期金利の上昇期待につながるため、結果的にフラット35の金利も押し上げられます。

興味深いのは、直近では10年固定金利とフラット35で逆転現象が起きている点です。通常であれば返済期間が長いほど金利は高くなりますが、現在はフラット35の運営主体である住宅金融支援機構が、長期金利上昇にもかかわらず金利上昇を一定程度抑制しているためです。しかしこの抑制には限界があり、機構自身が「逆ざや」を抱える状況となっています。

つまり基本的な原則です。

この構造的な問題が解消されない限り、今後も金利上昇圧力は続くと予想されます。不動産業従事者としては、「一時的な上昇ではなく構造的な要因による上昇」という点を顧客に説明できると、より説得力のある提案ができます。

長期金利の動向は日本銀行や財務省のウェブサイトで日々確認できます。毎月の金利発表前に長期金利の推移をチェックしておけば、おおよその金利水準を予測することも可能です。金融市場に詳しくない顧客に対しては、「国の借金に対する市場の見方」「海外との金利差」という切り口で説明すると理解しやすいでしょう。

日本銀行の金融市場データ(長期金利の推移を確認できる)