がん団信は必要か|不動産業従事者が知るべき本当のコスト

がん団信は必要か|不動産業従事者が押さえる判断の全知識

🏠 がん団信 必要か|3つのポイント
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コストの実態

3,000万円・35年ローンで金利+0.1%上乗せすると、総負担増は約71万円。月1,000円前後の差額が35年で積み重なります。

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免責の盲点

「上皮内がん」は保障対象外の金融機関が多く、子宮頸部がんでは68.1%が上皮内がんと診断されます。全てのがんに使えるわけではありません。

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繰り上げ返済との関係

早期完済を予定していると保障期間が短くなり、コストパフォーマンスが大幅に低下。顧客の返済計画とセットで確認が必須です。

がん団信に加入すれば「がんと診断されたらローン残債がゼロになる」と顧客に説明している不動産業従事者は多いでしょう。しかし実態は、対象外のがんが存在し、繰り上げ返済の予定がある顧客では割高になるケースも少なくありません。

参考)がん団信は必要か?住宅ローンにつけるべき?いらない?がん保険…

がん団信の基本|必要か判断する前に知る保障の仕組み

がん団信とは、一般の団信(死亡・高度障害保障)に「がんと診断確定された場合」の保障を追加した商品です。 がんと診断された時点で住宅ローンの残債が一部または全額免除されるため、治療中の返済プレッシャーを大幅に軽減できます。 つまり、死亡前の「生存中リスク」にも備えられる点が一般団信との最大の違いです。jibunbank+1

加入にかかるコストは金融機関によって異なりますが、主流は金利への上乗せ方式です。 2026年1月時点の相場では、100%保障型で+0.05〜+0.15%、50%保障型では無料付帯または+0.05%程度が広がっています。

参考)【2026年1月更新】がん団信50%・100%の違い|金利相…

具体的な負担感をイメージするなら、借入3,000万円・35年ローンで金利+0.1%上乗せした場合、総負担増は約71万円、月額換算では約1,000円前後の増加です。 月1,000円という数字だけ見ると「安い保険」に映りますが、35年分を合算すると71万円という大きな数字になります。これが基本です。smile-kaigi+1

顧客への説明では「月いくら増えるか」と「総額でいくら増えるか」の両方を伝えることが、信頼関係の構築につながります。

がん団信が必要な人・不要な人|チェックリストで判断する

以下の条件に当てはまる方は、がん団信の必要性が高いと言えます。

逆に、以下に当てはまる方はコストパフォーマンスが下がる可能性があります。money-career+1

  • 40代前半でローン完済の見通しがある
  • 十分な貯蓄や別途のがん保険に加入済み
  • 繰り上げ返済を積極的に予定している
  • などからの経済的サポートが見込める

不要な場合の根拠も明確です。ローン残高が1,000万円以下かつ完済まで5年以内なら、金利上乗せ負担のほうが自力対応より割高になるケースが多くなります。 顧客の属性に合わせて判断を促せるのが不動産業従事者の強みです。

がん団信の免責条件|上皮内がんが対象外になる盲点

がん団信で最も見落とされやすいのが、「上皮内がん(上皮内新生物)」が保障対象外になるケースです。 上皮内がんとは、がん細胞が粘膜の表面にとどまっており、基底膜を越えていない段階のもの。治癒可能性が高いため、多くの金融機関でがん団信の対象外としています。danshin-smile.cardif+1

これが重要な理由は数字にあります。

参考)上皮内新生物とは?悪性新生物(がん)との違いも詳しく解説

部位 上皮内がんの診断割合
子宮頸部 68.1% が上皮内がん
子宮 44.9% が上皮内がん
膀胱 46.4% が上皮内がん
大腸 22.1% が上皮内がん
全部位平均 10.9% が上皮内がん

女性の顧客に多い子宮頸部がんでは、なんと68.1%が上皮内がんの診断です。 「がんになった」と連絡が来ても、上皮内がんなら保障が下りないケースがこれだけの割合で存在します。痛いですね。

もう一つの免責ポイントは「90日間の待機期間」です。 住宅ローン契約から90日以内にがんと診断された場合は保険金がおりません。契約直後の顧客への説明時に必ず触れておくべき項目です。 また、既往症や告知内容によっては加入を断られることもあり、持病のある顧客には代替手段(フラット35など)の案内も準備しておく必要があります。mogecheck+1

参考:上皮内新生物の詳細と部位別診断割合(厚生労働省データに基づく解説)

上皮内新生物とは?悪性新生物(がん)との違いも詳しく解説 | ナナイロライフ

がん団信と繰り上げ返済|必要か再考する意外な落とし穴

繰り上げ返済とがん団信の相性が悪い、という事実はあまり知られていません。結論はシンプルです。

繰り上げ返済でローンを早期完済すると、がん団信の保障期間も同時に終了します。 つまり、保障に対して支払ってきた金利上乗せ分が「保障なしで消えた期間」として発生します。これは数字で確認するのが一番です。smile-kaigi+1

シナリオ 借入額 返済期間 金利上乗せ (+0.1%) 総負担増の目安
35年フル返済 3,000万円 35年 +0.1% 約71万円
20年で完済(繰り上げ) 3,000万円 20年 +0.1% 約40万円台
10年で完済(繰り上げ) 3,000万円 10年 +0.1% 約20万円台

支払う期間が短くなるほど上乗せ総額は下がりますが、注目すべきは「がんのリスクが高まる40代以降に保障がなくなる」点です。 40歳でローンを組み、55歳で繰り上げ完済した場合、最もがん罹患率が上昇する60〜70代には保障がありません。 これは使えそうです。3i-partners+1

繰り上げ返済を積極的に検討している顧客には、「完済後のがんリスクへの備えをどうするか」を別途確認する必要があります。 がん団信だけに頼らず、民間のがん保険との組み合わせを提案できると、不動産業従事者としての付加価値が上がります。

参考)「繰り上げ返済」と「がん団信」の払い損しない考え方

参考:繰り上げ返済とがん団信のコスト比較について詳しく解説

「繰り上げ返済」と「がん団信」の払い損しない考え方 | 住まいる会議

がん団信の必要性|不動産業従事者だけが持てる顧客提案の視点

不動産業従事者は住宅ローンの説明義務を担う立場でもあります。顧客が「よくわからないから加入しておく」という判断でがん団信を選ぶのと、「この条件ならコストに見合う」と納得して選ぶのでは、後々のトラブル発生率が大きく異なります。

参考)不動産投資ローン中にがんと診断。団信(団体信用生命保険)を使…

日本人が生涯でがんに罹患する確率は約2人に1人です。 ただし年代別で見ると50歳以下の女性では約5%、60歳時点でも約11%にとどまります。 つまり「2人に1人」という数字は生涯確率であり、若い世代でローンを組む顧客にとっては、40〜50代時点での実際の罹患率と比較した判断が必要です。moneypost+1

提案時のフレームワークとして、以下の3点を顧客に確認する習慣を持つと整理しやすくなります。

  1. 🗓️ 完済時の年齢はいくつか → 40代でのがん罹患リスクが保障期間に含まれるか
  2. 💸 既存の貯蓄・保険状況はどうか → 別途がん保険や十分な貯蓄があれば不要な場合も
  3. 🔁 繰り上げ返済の意向はあるか → 早期完済を前提にするなら保障期間の設計が変わる

この3点を把握すれば、「がん団信は必要か」という問いに対して根拠のある答えを出せます。不動産業従事者が持つべき知識として、保障内容の外側にある「コスト設計」と「免責の範囲」を理解することが顧客満足度を左右します。dax-realestate+1

参考:不動産投資とがん団信の組み合わせによる資産保全の考え方

不動産投資のがん団信の仕組みを解説!メリット・デメリット | フィリックス

参考:がん団信で後悔した事例と加入判断の実例まとめ

住宅ローンのがん団信で後悔する理由とは?いらないケースも解説 | ほけんのコスパ