本人確認書類マイナンバーカード裏面の取り扱いルール
マイナンバーカードの裏面コピーを取ると、罰金100万円以下の刑事罰対象になります。
マイナンバーカード裏面コピーが不動産業で禁止される理由
マイナンバーカードの裏面には、12桁の個人番号(マイナンバー)が記載されています。この番号は、行政手続きにおける特定個人情報として、番号法(行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律)によって厳しく管理が義務付けられています。
不動産業者が入居審査や売買契約時に本人確認をおこなう場面は多いですが、マイナンバーカードを提示された場合、裏面のコピーを取る行為は違法になる可能性があります。具体的には、番号法第19条が定める「特定個人情報の提供制限」に抵触します。
つまり、裏面は絶対に複写してはいけません。
番号法に違反した場合のペナルティは軽くありません。特定個人情報を不正に収集した場合、1年以下の懲役または50万円以下の罰金(番号法第51条)、さらに情報提供ネットワークシステムを介した不正収集は2年以下の懲役または100万円以下の罰金が規定されています。「知らなかった」では済まないケースが多く、社内でのルール周知が欠かせません。
これは大きな法的リスクです。
不動産業者の中には、「念のため両面コピーしておく」という慣行が残っている会社もあります。しかし、その「念のため」が刑事罰に直結するリスクがあると認識してください。裏面には触れない、が基本です。
参考:個人番号の取り扱いに関するガイドライン(個人情報保護委員会)
個人情報保護委員会「特定個人情報の適正な取扱いに関するガイドライン(事業者編)」
マイナンバーカード裏面なしで行う不動産取引の本人確認手順
宅地建物取引業法(宅建業法)第35条の2および第37条の2に基づく本人確認では、マイナンバーカードは表面のみで要件を満たします。これが原則です。
具体的な手順は以下のとおりです。
- マイナンバーカードの表面(氏名・住所・生年月日・顔写真)のみをコピーする
- コピーした書類に「原本確認済み」と担当者が署名または押印する
- 裏面は確認しない・コピーしない・番号を書き留めない
- 取引記録とともに5年間保存(宅建業法上の義務)
- コピー保管時は施錠できるキャビネットまたは暗号化ストレージで管理する
「表面だけで本当に大丈夫でしょうか?」と感じる担当者もいるかもしれません。法定要件としては表面の記載事項(氏名・住所・生年月日・有効期限・写真)が確認できれば十分であり、個人番号は本人確認の要素に含まれていません。
裏面を見る必要はありません。
また、顧客から「裏面も見せるよ」と言われる場面も実務では起こります。その場合も、「法律上、裏面の番号は収集できない決まりです」と丁寧に説明して断ることが適切です。スムーズに断れるよう、社内トークスクリプトを用意しておくと対応のムラがなくなります。
参考:宅地建物取引業法に基づく取引時確認ガイダンス
マイナンバーカード裏面と犯罪収益移転防止法の関係
不動産業者は、犯罪収益移転防止法(犯収法)の「特定事業者」に該当します。意外に思われるかもしれませんが、不動産売買の仲介を業として行う宅建業者は、同法第2条第2項第46号に基づいて本人確認義務を負います。
犯収法上の本人確認でもマイナンバーカードを利用できますが、ここでも裏面のコピーは求められていません。確認すべき事項は、氏名・住所・生年月日の3点であり、これらは表面に記載されています。
確認事項は3点が基本です。
犯収法違反は宅建業法違反と異なり、直接罰則(2年以下の懲役もしくは300万円以下の罰金、またはその両方)が定められており、法人に対しても1億円以下の罰金が科せられる場合があります。「本人確認をしたつもりだったが書類の保存が不十分だった」「確認方法が法令の要件を満たしていなかった」というケースが業界内では複数報告されています。
痛いですね。
本人確認の記録は取引から7年間の保存義務があります(犯収法第8条)。マイナンバーカード表面のコピーに加え、確認した日時・方法・担当者名を記録したチェックシートを用意するのが実務上のリスクヘッジとして有効です。社内フォームを一枚用意するだけで、監査対応が大幅に楽になります。
参考:犯罪収益移転防止法に基づく不動産業者向けガイダンス
マイナンバーカード裏面コピーを誤って取った場合の対処法
実務では、スタッフが「両面コピーを取るよう指示された」「前の会社では両面が当たり前だった」というケースで、誤って裏面コピーが存在してしまうことがあります。発覚した時点で適切に対処することが重要です。
まず、コピーを直ちに廃棄します。廃棄はシュレッダー処理が必須で、単なるゴミ箱廃棄は不十分です。次に、廃棄した記録(日時・方法・担当者)を社内記録として残します。そして、当該顧客に対して「個人番号を収集する意図はなかった旨」を書面または口頭で確認できる形で説明することが望ましいです。
廃棄記録の保存が条件です。
個人情報保護委員会への報告が必要かどうかは、漏えいの有無・規模によります。社内に留まった段階で迅速に廃棄できた場合、必ずしも報告義務は発生しませんが、外部への流出が疑われる場合は速やかに専門の弁護士または社会保険労務士に相談することを強くお勧めします。
顧客との信頼関係も損なわれます。不動産取引は高額であり、個人情報管理への顧客の目は年々厳しくなっています。万が一の際の初動対応マニュアルを事前に整備しておくことが、クレームリスク回避につながります。
不動産業者だけが知っておくべき本人確認書類の代替と選択の独自視点
マイナンバーカードは便利な本人確認書類ですが、顧客の中には「裏面を見せないといけないなら提示したくない」と感じる人もいます。その心理は法律的に正しい直感であり、担当者がそれを理解した上で対応できると顧客の安心感が大きく変わります。
本人確認書類としてマイナンバーカードの代わりに使える書類は複数あります。
これは使えそうです。
運転免許証であれば裏面コピーも問題なく、マイナンバーは記載されていないため、扱いがシンプルです。顧客がマイナンバーカードの提示を求めてくる場合でも、「弊社では表面のみの確認となります。ご不安であれば運転免許証でも同様に対応できます」と案内できると、現場の混乱が減ります。
また、2024年から本人確認のオンライン化(eKYC)も進んでいます。スマートフォンで顔写真と身分証を撮影し、AIで照合するサービスは複数のIT企業から提供されており、不動産管理会社向けのSaaS型プロダクトも登場しています。デジタル化対応を検討している会社は、eKYC対応のSMBC信託銀行やLiquidなどのサービス比較から始めると入口として分かりやすいです。
参考:eKYC(電子本人確認)の概要と不動産業界での活用
デジタル庁「デジタル社会における本人確認の在り方に関する検討」
不動産業者としては、マイナンバーカードの取り扱いルールを「守るべき義務」として捉えるだけでなく、「顧客に正しく説明できる知識」として持つことが差別化につながります。顧客から「この会社は信頼できそう」と感じてもらえるかどうかは、細かな法令対応の積み重ねから生まれるものです。

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