法定耐用年数が軽量鉄骨アパート経営に与える影響と減価償却

法定耐用年数と軽量鉄骨アパート

軽量鉄骨アパートの耐用年数は、たった1mmの違いで8年も変わります。

この記事のポイント
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鉄骨厚で耐用年数が決まる

3mm以下は19年、3mm超4mm以下は27年と法定耐用年数が8年も異なり、減価償却費と融資期間に直結します

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減価償却費の計算方法

取得価額×償却率で年間の減価償却費を算出。27年なら償却率0.037、19年なら0.053を使用します

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融資期間への影響

アパートローンの返済期間は法定耐用年数が上限。27年と19年では月々の返済額が大きく変わります


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法定耐用年数の定義と軽量鉄骨アパートの基準

 

法定耐用年数は、税法上で減価償却費を計上できる期間を示す数値です。軽量鉄骨造のアパートでは、骨格材の厚さによって耐用年数が決まります。

具体的には、鉄骨の厚さが3mm以下の場合は19年、3mm超4mm以下の場合は27年、4mm超の場合は34年です。この基準は国税庁の減価償却資産の耐用年数表に明記されています。

軽量鉄骨は一般的に6mm未満の鋼材を指しますが、法定耐用年数の判定では具体的な厚さが重要になります。大手ハウスメーカーの収益シミュレーションでは、減価償却費の計上期間が27年間となっているケースが多く見られます。

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つまり27年が基本です。

しかし、実際の物件では鉄骨の厚さを確認しない限り正確な耐用年数は分かりません。ハウスメーカーに問い合わせるか、建築確認申請書類で確認する必要があります。

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中古物件の場合は特に注意が必要です。鉄骨の厚さが不明な場合、保守的に34年を適用するか、指摘される覚悟で27年を適用する選択肢があります。

軽量鉄骨アパートの減価償却費計算と償却率

減価償却費の計算は、定額法を使用します。計算式は「取得価額×償却率(1÷法定耐用年数)」です。

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耐用年数27年の軽量鉄骨造アパートの場合、償却率は0.037です。例えば8,000万円の物件なら、年間の減価償却費は「8,000万円×0.037=296万円」となります。

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一方、耐用年数19年の場合は償却率が0.053に上がります。同じ8,000万円の物件でも年間424万円の減価償却費を計上できます。

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差額は128万円です。

この差は長期的な節税効果に大きく影響します。19年の方が短期間で多くの減価償却費を計上できるため、初期の所得税・住民税の節税額が大きくなります。


軽量鉄骨の減価償却の詳細な計算例と節税効果について

ただし、減価償却期間が短いということは、早期に減価償却費がゼロになることを意味します。27年の方が長期的な税務メリットを享受できる可能性があります。

法定耐用年数が融資期間に与える影響

アパートローンの返済期間は、法定耐用年数が上限となるケースが多いです。軽量鉄骨造で耐用年数が27年なら、ローンも最長27年で組むことになります。

参考)https://www.ooya-mikata.com/beginner/taiyounennsuu.html

融資期間が長いほど、月々の返済額を軽減できます。例えば6,000万円のローンを組む場合、22年なら年間返済額は約273万円ですが、27年なら約222万円に下がります。

年間51万円の差です。

骨格材の厚みが3mm以下で耐用年数が19年の場合、返済期間の上限も19年に短縮されます。同じ6,000万円でも年間返済額は約316万円に増加します。

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木造の耐用年数22年と比較しても、27年の軽量鉄骨の方が返済期間を長く取れるメリットがあります。ただし、金融機関によっては独自の審査基準を設けており、必ずしも法定耐用年数通りに融資しないケースもあります。

鉄筋コンクリート造の法定耐用年数は47年ですが、アパートローンの返済期間は最長30年に設定されていることが多く、必ずしも法定耐用年数と融資期間が一致しないケースもあります。

軽量鉄骨アパートの物理的耐用年数と経済的耐用年数

法定耐用年数と実際の建物寿命は異なります。軽量鉄骨造の物理的耐用年数は、50~60年程度が標準的です。

適切なメンテナンスを行えば、50年以上使用できる事例も多くあります。ハウスメーカーの多くが、構造上の耐久保証を30~35年に設定しています。

一方で、経済的耐用年数は約30年程度とされています。建物仕様が古くなると、「なかなか貸せない」「なかなか売れない」という状況が生じるためです。

実際には築40年で建て替えます。

軽量鉄骨造のアパートは、50年程度の物理的耐用年数と30年程度の経済的耐用年数を勘案し、築40年程度で建て替えることが多いです。法定耐用年数27年とは大きく異なる点に注意が必要です。

定期的なメンテナンスや修繕などの管理ができていることが、物理的耐久年数を延ばす前提条件となります。外壁の塗装や防水工事、設備の更新などを計画的に実施することが重要です。

中古軽量鉄骨アパートの残存耐用年数計算

中古物件の減価償却では、残存耐用年数を計算する必要があります。法定耐用年数を満了していない場合の計算式は「(法定耐用年数-経過年数)+経過年数×0.2」です。

例えば耐用年数27年の軽量鉄骨造で築15年なら、残存耐用年数は「(27年-15年)+15年×0.2=15年」となります。

この場合の償却率は0.067を使用します。

法定耐用年数を満了している場合は、「法定耐用年数×0.2」で計算します。27年の物件が築30年なら、残存耐用年数は「27年×0.2=5.4年」となり、端数を切り捨てて5年です。

残存年数が短いと注意が必要です。

残存耐用年数は融資期間の判断材料にもなります。築20年の鉄筋コンクリートマンションなら「47年-20年=27年」が残存耐用年数となり、融資期間はその分短縮されます。

ただし、金融機関によっては経済的残存耐用年数の考え方をベースにするケースもあり、同じ条件でも融資期間が短縮される可能性があります。鉄筋コンクリートの経済的耐用年数は40年とされ、築15年なら「40年-15年=25年」となります。

不動産従事者が押さえるべき耐用年数の実務ポイント

顧客への物件提案時には、必ず鉄骨の厚さを確認してください。特に大手ハウスメーカーの物件なら、仕様書や建築確認申請書類で確認できます。

参考)積水ハウスの軽量鉄骨の厚さ?耐震性や他社・木造住宅との違い比…

積水ハウスの軽量鉄骨住宅では2.3mm~6.0mmの厚さの鋼材が使用されています。柱や梁の部位によって厚さが異なるため、主要構造部の厚さを確認することが重要です。

中古物件では鉄骨厚の判定が困難なケースがあります。売主やハウスメーカーに問い合わせても不明な場合、税理士と相談して保守的に34年を採用するか、リスクを承知で27年を採用するか判断が必要です。

19年は避けるべきです。

軽量鉄骨でない限り19年を使うのはリスクが高いとされています。税務調査で指摘されるリスクを考慮し、慎重に判断してください。

収益シミュレーションを作成する際は、減価償却費だけでなく、ローン返済期間や月々の返済額も併せて提示しましょう。27年と19年では年間128万円の減価償却費の差があり、これは顧客の納税額に直結します。

軽量鉄骨アパート経営のメンテナンス計画と長期収益試算について

また、法定耐用年数と物理的耐用年数の違いを顧客に説明することも重要です。法定耐用年数27年が終了しても建物は使用可能であり、適切なメンテナンスで50年以上使えることを伝えてください。

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具体例でわかりやすい 耐用年数表の仕組みと見方 (第2版)