維持管理費の勘定科目と処理方法|不動産従事者が知るべき経理の基本

維持管理費の勘定科目と仕訳方法

200万円の修繕費が税務調査で否認されると、あなたの会社は追徴課税を受けます。

この記事の3ポイント要約
📊

維持管理費の勘定科目は複数存在

修繕費、管理諸費、支払手数料など、支出内容によって適切な科目を選択する必要があります

⚖️

修繕費と資本的支出の区別が重要

原状回復なら修繕費、価値向上なら資本的支出として処理。判断を誤ると税務リスクが発生します

💰

20万円未満なら即時経費化可能

60万円未満または前期末取得価格の10%未満の支出は修繕費として処理できる特例があります


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維持管理費として計上できる勘定科目の種類

 

不動産の維持管理にかかる費用は、その内容によって複数の勘定科目に分類されます。

主な科目は以下の通りです。

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  • 修繕費:建物や設備の原状回復、軽微な修理にかかる費用
  • 管理諸費:不動産管理会社への委託料、エレベーター保守代
  • 支払手数料:管理業務の委託手数料
  • 維持管理費:小規模な維持管理に関する費用

これらの科目は、支出の目的や内容によって使い分けます。例えば退去時のクリーニング代は修繕費、管理会社への月額委託料は管理諸費として処理するのが一般的です。

参考)https://www.hirakawa-tax.com/property-rental-account-titles/

科目選択に迷った場合は、税理士に相談するのが確実です。一度決めた勘定科目は継続して使用することで、会計の一貫性が保たれます。

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維持管理費を修繕費として処理する条件

修繕費として計上できるのは、通常の維持管理または原状回復と認められる支出です。

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どういうことでしょうか?

具体的には、壁紙の張り替え、給湯器の故障修理、退去後の原状回復リフォームなどが該当します。これらは建物を元の状態に戻すための支出であり、全額をその年の経費として損金算入できます。

参考)メンテナンス費用の勘定科目は?会計処理時の注意点も解説

一方、非常階段の新設や部屋数を増やす増改築は、建物の価値を高めるため修繕費として認められません。このような支出は資本的支出として資産計上し、耐用年数に応じて減価償却する必要があります。

参考)実は間違えやすい「修繕費」資本的支出との区別を解説!

修繕費か資本的支出かの判断は、税務調査で最もチェックされやすい項目です。判断に迷う場合は、見積書や契約書の内容を確認し、工事の目的が「原状回復」か「価値向上」かを明確にしましょう。

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維持管理費の仕訳例と実務での注意点

維持管理費の仕訳は、支払内容によって勘定科目を変えます。

管理会社に月額5万円の管理手数料を支払った場合、以下のように処理します。

借方 金額 貸方 金額
管理諸費 50,000円 普通預金 50,000円

エアコン修理代3万円を現金で支払った場合は、こうなります。

借方 金額 貸方 金額
修繕費 30,000円 現金 30,000円

実務では、複数の工事が同時に行われることもあります。例えば壁の補修8万円と手すり設置2万円を同時に行った場合、補修部分は修繕費、手すり部分は資本的支出として建物勘定で処理します。

領収書や請求書は必ず保管してください。税務調査で経費の妥当性を証明する際に必要となります。

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維持管理費と資本的支出を区別する判定基準

修繕費と資本的支出の区別は、不動産従事者にとって最も重要な判断の一つです。

参考)修繕費か資本的支出かの判断基準を解説

基本的な判定基準は以下の通りです。

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  • 20万円未満の支出:形式基準により修繕費として処理可能
  • 60万円未満または前期末取得価格の10%未満:修繕費として計上できる
  • おおむね3年以内の周期で行われる修理:修繕費に該当

つまり金額基準が原則です。

これらの基準を満たさない場合でも、支出の内容が「通常の維持管理」や「原状回復」であれば修繕費として処理できます。

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一部を修繕費、残りを資本的支出とする処理も認められています。具体的には、支出額の30%と修理する資産の前期末取得価格の10%のいずれか小さい方を修繕費とし、残額を資本的支出とする方法です。

厳しいですね。

税務署は200万円規模の修繕費を計上した場合、契約書や見積書を精査し、工事内容が原状回復にとどまるかを確認します。耐用年数を延ばす、または新たな機能を追加する内容であれば、資本的支出とみなされ経費処理は否認されます。

維持管理費の科目選択で税務調査を回避する方法

税務調査で指摘されやすい維持管理費の処理ミスには、いくつかの典型的なパターンがあります。

参考)不動産確定申告でよくあるミスとその対策

まず、経費の二重計上です。同じ修繕費を複数の科目に重複して計上すると、税務署に不正がバレる可能性が高くなります。管理システムや会計ソフトで支払履歴を照合し、重複がないか定期的にチェックしましょう。

次に、個人的支出の混入です。不動産に直接関係しない費用を維持管理費として計上すると、税務署から指摘される可能性があります。リフォーム費用や管理費、修繕費などは経費として認められますが、明確な根拠が必要です。

痛い出費です。

本来は資本的支出として資産計上すべき工事を、修繕費として経費処理していないかも重要なチェックポイントです。これは利益や納税額に直接影響するため、税務署が特に慎重に確認する部分です。

調査対策として、以下の書類を整理保管しておきましょう。

  • 見積書・契約書:工事内容と金額の詳細
  • 請求書・領収書:支払の証拠
  • 工事前後の写真:原状回復の証明

これらの資料があれば、修繕費として計上した根拠を明確に説明できます。特に100万円を超える支出については、工事内容を詳細に記録しておくことが重要です。

不動産の会計処理に関する詳しいガイドラインは、国税庁のウェブサイトで確認できます。

国税庁ホームページ

また、日本公認会計士協会では、不動産業に特化した会計基準の解説資料を提供しています。

日本公認会計士協会

不動産管理会社への委託料の勘定科目処理

不動産管理会社に支払う委託料は、「管理諸費」または「支払手数料」として処理するのが一般的です。

法人が所有する不動産の管理を委託する場合、「管理諸費」という勘定科目を使用します。この科目には、入金管理、クレーム対応、更新契約などの管理業務の委託料や、エレベーターの保守代が含まれます。

参考)不動産業における経理業務とは?仕事内容や注意点などを解説 -…

助かります。

一方、管理手数料の側面が強い場合は「支払手数料」として計上することもあります。清掃費や修繕費などの実費部分は、「修繕費」「清掃費」といった適切な科目で記帳します。

共益費と管理費は、家賃と一緒に「地代家賃(支払家賃)」の勘定科目で処理することが多いです。これらは単独で発生するものではなく、家賃と一体として発生するためです。

参考)共益費と管理費は何が違う?勘定科目や相場、表記方法について解…

勘定科目の選択に迷った場合は、以下の基準で判断しましょう。

  • 管理業務の委託:管理諸費
  • 手数料的性質が強い:支払手数料
  • 家賃と一体の共益費:地代家賃

一度決定した科目は継続して使用することが重要です。途中で変更すると、会計の一貫性が損なわれ、比較可能性が低下します。

マンション管理費の勘定科目については、居住者と賃貸オーナーで扱いが異なります。賃貸オーナーは事業として経費計上できますが、居住者は原則として経費化できません。ただし、事業利用部分については家事按分で計上可能です。

参考)管理費の勘定科目はどう仕訳する?管理組合・賃貸オーナー・区分…

維持管理費の計上で知っておくべき税務上の特例

維持管理費の処理には、税務上の特例措置がいくつか存在します。

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まず、20万円未満の少額支出については、形式基準により修繕費として即時経費化できます。例えば15万円の給湯器交換は、内容を問わず修繕費として処理可能です。

参考)修繕費と資本的支出の判断基準は?具体事例に基づき解説

次に、60万円未満または修理する資産の前期末取得価格の10%未満の支出も、修繕費として計上できます。

これは中小企業にとって大きなメリットです。

結論は即時経費化です。

さらに、おおむね3年以内の周期で行われる修理や改良は、修繕費として扱われます。定期的な外壁塗装や防水工事がこれに該当します。

一部を修繕費、残りを資本的支出とする按分処理も認められています。支出した金額の30%と修理する資産の前期末取得価格の10%未満の支出のいずれか小さい方を修繕費として計上し、残額を資本的支出として資産計上する方法です。

この特例を活用すれば、大規模修繕でも一部を即時経費化できます。ただし、この処理方法を選択した場合は、税務署への説明責任が生じるため、計算根拠を明確に記録しておく必要があります。

資本的支出として計上した場合、耐用年数に応じて減価償却します。例えば10年の耐用年数であれば、実際に修理をした年から10年間費用計上を続けることになります。

修繕費か資本的支出かの処理の違いは、自己資本比率や総資産の構成にも影響します。資本的支出として建物や設備が増えると、将来の収益力向上を示せますが、減価償却費という固定費の負担も増えます。

不動産業における経理処理の詳細は、弥生会計の業種別ガイドが参考になります。

弥生株式会社

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