譲渡物件とは?不動産従事者が知るべき取引と税金の基礎

譲渡物件とは

短期譲渡だと税率が約40%になります。

この記事の3つのポイント
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譲渡物件の定義

有償で権利を移転する不動産取引で、売買・交換が含まれる

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税金の計算方法

所有期間5年を境に税率が大きく変わり、短期は39.63%、長期は20.315%

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実務上の注意点

みなし贈与の判定基準や媒介契約の種類による違いを理解する


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譲渡物件の基本的な意味

 

譲渡物件とは、不動産の権利を有償で譲り渡す取引の対象となる物件のことです。「譲渡」という言葉は本来、有償・無償を問わず権利を移転することを指しますが、不動産業界では「譲渡=有償」として扱われるのが一般的です。

参考)不動産の「譲渡」とは?贈与や相続との違いと譲渡所得税の節税方…

具体的には売買や交換が譲渡に該当します。売買は対価を受け取る代わりに財産や権利を譲渡する行為で、民法第555条に基づく売買契約が基本となります。交換も相当の対価を伴う取引として譲渡に含まれます。

参考)「譲渡」と「贈与」?わかりにくい不動産用語の基礎知識|すまい…

これが基本です。

一方、相続や贈与は無償で権利が移転するため、不動産用語としての「譲渡」には含まれません。この区別を正確に理解しておくことで、顧客への説明や税務上の判断をスムーズに行えます。実務では譲渡と贈与を混同すると、税金の計算や特例の適用に大きな影響が出るため注意が必要です。

参考)みなし贈与とは?該当するケース・回避する方法を事例で解説|相…

譲渡物件と贈与・相続の違い

不動産の所有権が移転する主な方法には譲渡、贈与、相続の3つがあります。

最も重要な違いは対価の有無です。

譲渡は有償での権利移転で、売買代金や交換による対価が発生します。例えば3,000万円で土地を売却する場合、これは典型的な譲渡取引です。贈与は無償で財産を譲り渡す行為で、親が子供に不動産の名義変更を無償で行うケースが該当します。相続は被相続人の死亡により財産が相続人に移転することです。

つまり対価の有無ですね。

税務上の扱いも大きく異なります。譲渡では譲渡所得税が課税され、所有期間によって税率が変動します。一方、贈与では贈与税、相続では相続税の対象となり、それぞれ異なる税率体系が適用されます。

参考)不動産売却で税金がかからないケースは?注意点と節税ポイントも…

特に注意すべきは「みなし贈与」のケースです。著しく低い価額で不動産を譲渡した場合、時価との差額が贈与とみなされ、贈与税が課税される可能性があります。路線価額による売買が認められたケースもありますが、時価の2分の1未満での取引は特に慎重な判断が求められます。

譲渡物件の取引で発生する税金の種類

譲渡物件の取引では主に譲渡所得税が発生します。この税金は売却価格から取得費と譲渡費用を差し引いた譲渡所得に対して課税されます。

計算式は以下の通りです。

課税譲渡所得金額 = 譲渡価額 −(取得費 + 譲渡費用)− 特別控除額

取得費には不動産の購入価格や仲介手数料などが含まれ、譲渡費用には売却時の仲介手数料、測量費、立退料、建物の取り壊し費用などが該当します。売却価額が取得価額を下回る場合、課税譲渡所得金額がマイナスになるため税金は発生しません。

税率は所有期間で変わります。

所有期間による税率の違いは非常に大きく、実務上重要なポイントです。譲渡した日の属する年の1月1日時点で所有期間が5年以下の場合は「短期譲渡」となり、税率は39.63%(所得税30%+住民税9%+復興特別所得税0.63%)です。5年を超える場合は「長期譲渡」となり、税率は20.315%(所得税15.315%+住民税5%)に下がります。

参考)https://www.daiwahouse.co.jp/stock/column/sell/vol20/

課税譲渡所得金額が1,000万円の場合、短期と長期では約150万円の税額差が生じます。この違いを顧客に適切に説明できるかどうかが、不動産従事者としての信頼性を左右します。

さらに居住用財産(マイホーム)を売却する場合は、所有期間に関わらず譲渡所得から3,000万円まで特別控除できる制度があります。10年超所有している居住用財産には軽減税率の特例も適用され、譲渡所得6,000万円までは税率14.21%、6,000万円超過部分は20.315%となります。

参考)不動産売却時にかかる譲渡所得税とは?計算方法も解説

譲渡物件取引における媒介契約の選び方

不動産会社に譲渡物件の売却を依頼する際は、必ず媒介契約を結ぶ必要があります。媒介契約とは売却価格、売却活動期間、仲介手数料など重要項目が記載された契約で、これなしに不動産会社は売却活動を行えません。

参考)売却のポイント・不動産会社の選び方査定・契約・諸経費について…

媒介契約には3つの種類があります。

参考)不動産売却の流れとは?これだけは知っておきたい注意点|不動産…


一般媒介契約は複数の不動産会社に同時に売却活動を依頼できる契約です。競争原理が働きやすい反面、各社の活動報告義務がないため売却状況の把握が難しい場合があります。​
専任媒介契約は売却活動を1社のみに依頼する契約で、所有者が自ら買い手候補を見つけた場合は手数料が発生しません。不動産会社は2週間に1回以上の活動報告義務があり、売却状況を把握しやすいメリットがあります。​
専属専任媒介契約も売却活動を1社のみに依頼しますが、所有者が自ら買い手候補を見つけた場合も手数料が発生する点が専任媒介契約と異なります。不動産会社は1週間に1回以上の活動報告義務があり、最も手厚いサポートが期待できます。​

選択は物件次第です。

人気エリアの物件や早期売却を目指す場合は一般媒介契約、じっくり良い条件で売りたい場合や特殊な物件は専任系の契約が適しています。ただし専任系契約では「囲い込み」のリスクがあるため、信頼できる不動産会社を選ぶことが重要です。囲い込みとは、自社で買主も見つけて両手仲介を実現するために、他社への情報提供を制限する行為を指します。

参考)不動産売却の注意点が全て分かる!タイミング別、状況別に徹底解…

譲渡物件の売買契約から引き渡しまでの実務

買主が決定すると、買主側の住宅ローン審査や物件の最終調整を経て売買契約を結びます。契約当日は売主、売主側の仲介業者、買主、買主側の仲介業者が集まって行うのが一般的です。

参考)不動産売却とは?不動産を売るなら読むべき鉄則【専門家監修】|…

売買契約日の流れは以下の通りです。

参考)【図解】不動産売却の流れを図でわかりやすく解説!ステップは9…

  1. 顔合わせとあいさつ
  2. 重要事項説明(不動産仲介会社から買主へ)​
  3. 売買契約書の読み合わせ(売主と買主と不動産仲介会社)​
  4. 売買契約書への署名捺印(売主と買主)​
  5. 手付金の授受(買主から売主へ)

手付金は売買金額の10%程度が相場です。宅地建物取引士から契約に関する重要事項の説明を受けた後、売買契約書の内容を全員で確認し、相違がないことを確認してから署名・捺印を行います。

この順序が原則です。

買主との交渉は必ず不動産会社を介して行い、直接交渉は控えるべきです。直接交渉はトラブルの原因となりやすく、専門家のサポートがない状態での条件調整は後々の紛争リスクを高めます。

個人間取引のリスクも理解しておく必要があります。個人間の無償譲渡や低額譲渡では、譲渡条件の交渉、贈与契約書の作成、登記申請などを自分で行う負担が生じます。さらに契約書の不備による争いや、登記漏れ・税務申告ミスによる罰則・追加課税のリスクもあります。境界線、瑕疵担保責任、近隣問題なども見落としやすく、当事者同士では気づきにくい落とし穴が多いため慎重な対応が必要です。

参考)【不動産の個人間売買・無償譲渡】メリット・デメリットをやさし…

譲渡物件取引で不動産従事者が注意すべき独自ポイント

譲渡物件の取引では、顧客の知識不足から生じるトラブルを未然に防ぐことが不動産従事者の重要な役割です。特に所有期間の計算ミスは税額に直結するため、細心の注意が必要です。

所有期間は「譲渡した日の属する年の1月1日時点」で判定されます。例えば2021年2月に取得した物件を2026年3月に売却する場合、実際の所有期間は5年超ですが、2026年1月1日時点では5年に満たないため短期譲渡として扱われます。この1日の違いで税率が約2倍変わるため、売却タイミングの相談は慎重に行うべきです。

1日で大きく変わります。

無償譲渡物件(0円物件)の紹介にも注意が必要です。無償譲渡される物件は長期間放置されていたものが多く、構造材の腐食や傾き、基礎部分の亀裂など隠れた不具合のリスクが高い傾向にあります。解体・リフォーム費用が数百万円かかることもあり、再建築不可の土地や心理的瑕疵(事故物件など)の説明がないまま譲渡されるケースもあります。「タダより高いものはない」という言葉通り、無償だからこそ慎重な物件調査が求められます。

顧客が自分で見つけた買い手候補との取引を希望する場合も要注意です。専任媒介契約では所有者が自ら買い手を見つけた場合は手数料が発生しませんが、専属専任媒介契約では手数料が発生します。契約形態によって対応が異なるため、契約締結時に明確に説明しておくことでトラブルを回避できます。

また、将来的な行動制限についても確認が必要です。無償譲渡では「〇年後に再譲渡する際は元の所有者に連絡すること」などの特約が付く例もあり、買主の将来の行動に制限がかかる場合があります。こうした特約の有無や内容を事前に確認し、買主に十分説明することが不動産従事者の責務です。

税務申告のタイミングも重要な指導ポイントです。譲渡所得が発生した場合、翌年の確定申告期間(通常2月16日から3月15日)に申告する必要があります。顧客が申告を忘れると無申告加算税や延滞税が課される可能性があるため、売却完了時に確定申告の必要性を改めて伝えることが大切です。

これらの実務知識を持つことで、顧客からの信頼を得られ、トラブルのない円滑な取引が実現できます。不動産従事者として、法令知識だけでなく実務上の落とし穴を理解し、適切なアドバイスができる体制を整えておきましょう。


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